11 / 20
奈々の気持ち
しおりを挟む
ハインツは何度も謝りながら奈々を抱いた。
(謝るくらいなら抱かなければいいのに・・・)
しかし不思議と嫌悪感は無くなっていた。
一番不思議なのは嫌とは口で言ったが体は嫌がってなかったことだ。
(どうして彼はあんなに切羽詰まった表情で私を抱いたのだろう)
(前回は避妊してくれたのになぜ今回はしてくれなかったのだろう)
そう思いながら隣でまだ眠っているハインツを見た。
ハインツは眠ていると幼く見える。
奈々はおもむろに彼の黒髪に触れてみた。
サラサラのふわふわした手触りの髪だった。
触っていると琥珀色の瞳が少しずつ開いた。
「奈々・・・昨夜はすみませんでした。また怖い思いをさせてしまいました」
「・・・私はハインツの事は怖くなかった」
「だけど嫌だと言っていました」
「!」
「それは・・・」
(自分の体の変化が怖かったから)
そんな事ハインツに言えない。
ハインツは不思議そうに琥珀色の瞳で奈々を見つめている。
「昨夜のことはもういいから、謝らないで」
「ですが、また奈々を傷つけてしまいました・・・」
(私を傷つけた?)
「初めての時あの行為が怖いと怯えていました。その行為をまたしてしまったんです」
だから、何度も謝っていたのか・・・奈々はそう納得した。
「ハインツ、どうして今回は避妊しなかったの?」
「・・・マーキングです」
「?」
「自分のものだという証が欲しかったんです。だから自分の匂いを残しました」
マーキング・・・?
さすがは動物だ。
人間からその発想はなかなか出てこない。
(じゃあ、背中にエミューがつけた跡もエミューのマーキングだったって事?)
エミューの事を考えるとぞくりと背筋が凍りそうになる。
でも、エミューのマーキングをハインツが上書きしてくれたと思うと嬉しく思った。
(これって・・・私、ハインツの事・・・好きになっているの?)
(ハインツの事を・・・好き?)
まさか・・・そんな事ってー・・・。
自分の感情についていけず奈々は戸惑った。
(もし、私がハインツを好きになったらどうなるの?)
(伴侶になるの?)
でも私は・・・
考え込んでいるとハインツが申し訳なさそうな顔をしていることに気がついた。
「本当に大丈夫だから、着替えたりするから部屋から出ていてくれない?」
そう言うとハインツは部屋から出て行った。
「お風呂に入ろう・・・」
自分でお風呂の準備をし、湯ぶねに体を浸した。
(ハインツすごく気にしていたなぁ・・・大丈夫かな・・・)
そう思ってしまっている時点でもうすでに心はハインツに惹かれていた。
奈々はハインツに惹かれていく自分を自覚し困惑した。
(謝るくらいなら抱かなければいいのに・・・)
しかし不思議と嫌悪感は無くなっていた。
一番不思議なのは嫌とは口で言ったが体は嫌がってなかったことだ。
(どうして彼はあんなに切羽詰まった表情で私を抱いたのだろう)
(前回は避妊してくれたのになぜ今回はしてくれなかったのだろう)
そう思いながら隣でまだ眠っているハインツを見た。
ハインツは眠ていると幼く見える。
奈々はおもむろに彼の黒髪に触れてみた。
サラサラのふわふわした手触りの髪だった。
触っていると琥珀色の瞳が少しずつ開いた。
「奈々・・・昨夜はすみませんでした。また怖い思いをさせてしまいました」
「・・・私はハインツの事は怖くなかった」
「だけど嫌だと言っていました」
「!」
「それは・・・」
(自分の体の変化が怖かったから)
そんな事ハインツに言えない。
ハインツは不思議そうに琥珀色の瞳で奈々を見つめている。
「昨夜のことはもういいから、謝らないで」
「ですが、また奈々を傷つけてしまいました・・・」
(私を傷つけた?)
「初めての時あの行為が怖いと怯えていました。その行為をまたしてしまったんです」
だから、何度も謝っていたのか・・・奈々はそう納得した。
「ハインツ、どうして今回は避妊しなかったの?」
「・・・マーキングです」
「?」
「自分のものだという証が欲しかったんです。だから自分の匂いを残しました」
マーキング・・・?
さすがは動物だ。
人間からその発想はなかなか出てこない。
(じゃあ、背中にエミューがつけた跡もエミューのマーキングだったって事?)
エミューの事を考えるとぞくりと背筋が凍りそうになる。
でも、エミューのマーキングをハインツが上書きしてくれたと思うと嬉しく思った。
(これって・・・私、ハインツの事・・・好きになっているの?)
(ハインツの事を・・・好き?)
まさか・・・そんな事ってー・・・。
自分の感情についていけず奈々は戸惑った。
(もし、私がハインツを好きになったらどうなるの?)
(伴侶になるの?)
でも私は・・・
考え込んでいるとハインツが申し訳なさそうな顔をしていることに気がついた。
「本当に大丈夫だから、着替えたりするから部屋から出ていてくれない?」
そう言うとハインツは部屋から出て行った。
「お風呂に入ろう・・・」
自分でお風呂の準備をし、湯ぶねに体を浸した。
(ハインツすごく気にしていたなぁ・・・大丈夫かな・・・)
そう思ってしまっている時点でもうすでに心はハインツに惹かれていた。
奈々はハインツに惹かれていく自分を自覚し困惑した。
0
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。
ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい
えーー!!
転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!!
ここって、もしかしたら???
18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界
私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの???
カトリーヌって•••、あの、淫乱の•••
マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!!
私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い••••
異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず!
だって[ラノベ]ではそれがお約束!
彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる!
カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。
果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか?
ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか?
そして、彼氏の行方は•••
攻略対象別 オムニバスエロです。
完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。
(攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)
前世変態学生が転生し美麗令嬢に~4人の王族兄弟に淫乱メス化させられる
KUMA
恋愛
変態学生の立花律は交通事故にあい気付くと幼女になっていた。
城からは逃げ出せず次々と自分の事が好きだと言う王太子と王子達の4人兄弟に襲われ続け次第に男だった律は女の子の快感にはまる。
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
中でトントンってして、ビューってしても、赤ちゃんはできません!
いちのにか
恋愛
はいもちろん嘘です。「ってことは、チューしちゃったら赤ちゃんできちゃうよねっ?」っていう、……つまりとても頭悪いお話です。
含み有りの嘘つき従者に溺愛される、騙され貴族令嬢モノになります。
♡多用、言葉責め有り、効果音付きの濃いめです。従者君、軽薄です。
★ハッピーエイプリルフール★
他サイトのエイプリルフール企画に投稿した作品です。期間終了したため、こちらに掲載します。
以下のキーワードをご確認の上、ご自愛ください。
◆近況ボードの同作品の投稿報告記事に蛇補足を追加しました。作品設定の記載(短め)のみですが、もしよろしければ٩( ᐛ )و
【本編完結・R18】旦那様、子作りいたしましょう~悪評高きバツイチ侯爵は仔猫系令嬢に翻弄される~
とらやよい
恋愛
悪評高き侯爵の再婚相手に大抜擢されたのは多産家系の子爵令嬢エメリだった。
侯爵家の跡取りを産むため、子を産む道具として嫁いだエメリ。
お互い興味のない相手との政略結婚だったが……元来、生真面目な二人は子作りという目標に向け奮闘することに。
子作りという目標達成の為、二人は事件に立ち向かい距離は縮まったように思えたが…次第に互いの本心が見えずに苦しみ、すれ違うように……。
まだ恋を知らないエメリと外見と内面のギャップが激しい不器用で可愛い男ジョアキンの恋の物語。
❀第16回恋愛小説大賞に参加中です。
***補足説明***
R-18作品です。苦手な方はご注意ください。
R-18を含む話には※を付けてあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる