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瑞貴と過ごす2

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瑞貴に達せられ気を失ってしまった失態を目覚めと同時に恥じた。
由紀乃が起きたことに気がつくと瑞貴が近づいてきた。
「ち、近づかないで!」
瑞貴はそれまでソファでガイドブックを読んでいたようだった。
「気を失うほど悦かったのか?」
「瑞貴・・・昨日何であんなことしたの!?」
「あんなこと?」
「とぼけないで!!」
「男として意識されたかったからだ。それに結婚するなら体の相性も大事だろう?」
確かにその通りだが、やりすぎだと思った。
「か、体の相性は婚約してからでもいいじゃない」
「・・・俺は抱くのを我慢したんだぜ?本当なら抱いてしまいたかった」
「絶対に抱かれたくない!それに処女じゃなくなったら異世界を行き来する力を失うのよ!?」
「そんなこと知っている。だから最後まではしてないだろう?」
「・・・もうあんなことしないでよね!本当に嫌いになるわよ!?」
「まだ嫌いじゃないって事か?」
(うっ墓穴を掘った・・・)
由紀乃は言った。
「私はまだ瑞貴を嫌うほど貴方の事何も知らないもの。だから好きでも嫌いでもないの」
「じゃあ、俺の事をもっと知ってくれ」
「何を知ればいい?」
「何が知りたい?」
そう聞かれても質問が上手くできない。
何か知りたい事・・・。
(うーん、特にないなぁ)
「あっ、一つあったわ。瑞貴は私の事好きになれそうなの?」
「ああ、俺はもう既にお前に惹かれ始めている」
「え?」
(一体どこが気に入ったというのか)
ひっぱたいたり色々したのに一体どこを気に入ったのか気になった。
「瑞貴は私のどこを気に入ったの?」
「気の強い所だ。屈服させがいがありそうだ」
瑞貴のその言葉に寒気を覚えた。
由紀乃は部屋から出ようとした。
しかし、やっぱり鍵が内側からかけられていた。
「瑞貴、ここを開けて!!」
「開けたら逃げるんだろう?」
「当り前じゃない!」
由紀乃はまたベッドに押し倒されてしまった。
「嫌!離して!また何かするつもりでしょう?」
「違う、何もしない」
「じゃあ、どうして」
瑞貴は嫌がる由紀乃を押さえ込み抱きしめた。
「なんとなく抱きしめたくなった」
「なんとなく!?」
薄い寝間着から瑞貴の体温が伝わる。
心臓がドクンドクンと脈打つのが伝わってくる。
(何だか安心する・・・)
そう思った矢先キスをされた。
今回のキスは軽く触れるだけのキスだった。
由紀乃は真っ赤になった。
「本当に初々しいな」
そう言うと瑞貴は体を離した。
一週間交代で部屋を変わる事になっている。
あと6日、瑞貴と共に過ごさねばならない。
昨夜のような事をまたされるのかと思うと頭痛がしてきた。

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