22 / 24
子供の名前
しおりを挟む
優也は悩んでいた産まれた子は四人。
名前を付けるのはこの国では父親の役目だった。
二人は人間。あとの二人は人獣。
何てつける?
性別は男子が二人女子が二人だった。
男の子は強く育って欲しいから強くなりそうな名前がいい。
女の子はおしとやかに育って欲しいと思った。
決して妹のようになってほしくない。
「・・・優也様・・・まだ御子お名前を付けてないんですか?」
紀藤は呆れながら言った。
「ああ、まだ悩んでいる」
優也は真剣に悩んでいた。しかし早くつけてやりたい。
そう考えていると自然と名前が浮かんだ。
人間の男の子は勇。女の子は古奈美。
人獣の男の子は新。女の子は雪乃。
これをフォンに伝えると嬉しそうにしていた。
ようやく名前を決めてもらえたことが嬉しかったようだ。
「長くかかりましたね・・・優也王」
「本当ですよね、悠里さん」
悠里と紀藤は半ば呆れている。
だがそれも仕方のない事だった。
四人分の名前を決めなくてはいけなかったのだ。
さすがに時間もかかるだろう。
こうして無事に名前も決まった。
後はもう少し子供が大きくなってから”お披露目の儀”が待っている。
今はまだ母子共々安静にしておかなくてはいけないらしい。
「また王家や貴族の言葉でフォンが傷つかなければいい」
優也はそう呟いた。
その声はフォンに届いていた。
「私はもうあの頃の私じゃありません。何を言われても平気です」
その瞳には強い意思があった。
確かにあの頃のか弱い少女ではなくなっていた。
彼女は母親の顔になっていた。
「この子たちの事を悪く言う者は誰であっても許しません」
そう言ってにっこり笑ってみせた。
「・・・ああ、そうだな」
その笑みにつられ、優也も笑ていた。
(私には皆がついている。もうあの頃の私じゃない!この子たちは私が守ってみせる)
フォンは強くそう思った。
そこにいた皆がフォンの変化に気がついていた。
フォンは少女から女へと変わっていたのだ。
今回の”お披露目の儀”は大丈夫だろう。
これだけフォンが強くなったのだから。
名前を付けるのはこの国では父親の役目だった。
二人は人間。あとの二人は人獣。
何てつける?
性別は男子が二人女子が二人だった。
男の子は強く育って欲しいから強くなりそうな名前がいい。
女の子はおしとやかに育って欲しいと思った。
決して妹のようになってほしくない。
「・・・優也様・・・まだ御子お名前を付けてないんですか?」
紀藤は呆れながら言った。
「ああ、まだ悩んでいる」
優也は真剣に悩んでいた。しかし早くつけてやりたい。
そう考えていると自然と名前が浮かんだ。
人間の男の子は勇。女の子は古奈美。
人獣の男の子は新。女の子は雪乃。
これをフォンに伝えると嬉しそうにしていた。
ようやく名前を決めてもらえたことが嬉しかったようだ。
「長くかかりましたね・・・優也王」
「本当ですよね、悠里さん」
悠里と紀藤は半ば呆れている。
だがそれも仕方のない事だった。
四人分の名前を決めなくてはいけなかったのだ。
さすがに時間もかかるだろう。
こうして無事に名前も決まった。
後はもう少し子供が大きくなってから”お披露目の儀”が待っている。
今はまだ母子共々安静にしておかなくてはいけないらしい。
「また王家や貴族の言葉でフォンが傷つかなければいい」
優也はそう呟いた。
その声はフォンに届いていた。
「私はもうあの頃の私じゃありません。何を言われても平気です」
その瞳には強い意思があった。
確かにあの頃のか弱い少女ではなくなっていた。
彼女は母親の顔になっていた。
「この子たちの事を悪く言う者は誰であっても許しません」
そう言ってにっこり笑ってみせた。
「・・・ああ、そうだな」
その笑みにつられ、優也も笑ていた。
(私には皆がついている。もうあの頃の私じゃない!この子たちは私が守ってみせる)
フォンは強くそう思った。
そこにいた皆がフォンの変化に気がついていた。
フォンは少女から女へと変わっていたのだ。
今回の”お披露目の儀”は大丈夫だろう。
これだけフォンが強くなったのだから。
0
お気に入りに追加
388
あなたにおすすめの小説
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
[R18]引きこもりの男爵令嬢〜美貌公爵様の溺愛っぷりについていけません〜
くみ
恋愛
R18作品です。
18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。
男爵家の令嬢エリーナ・ネーディブは身体が弱くほとんどを屋敷の中で過ごす引きこもり令嬢だ。
そのせいか極度の人見知り。
ある時父からいきなりカール・フォード公爵が婚姻をご所望だと聞かされる。
あっという間に婚約話が進み、フォード家へ嫁ぐことに。
内気で初心な令嬢は、美貌の公爵に甘く激しく愛されてー?
【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話
象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。
ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる