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添い寝
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夜も更けてきた頃、巴は言った。
「そろそろ眠りましょう」
「私は眠らなくても平気だ」
「・・・」
「何だ?」
「一緒に寝ることを命じます」
「なっ」
もちろん契約者には逆らえない。
「お前みたいなガキと一緒に寝ても何も楽しくない」
「?」
巴は小首を傾げた。
言われた意味が分からないようだった。
「眠るのに楽しい、楽しくないがあるのですか?」
純粋な眼差しでそう問われた。
「そんな穢れのない瞳で私を見るな」
レオンは自分が酷く穢れた存在のような気がしてきた。
結局レオンは巴のベッドに一緒に入り添い寝することとなった。
ベッドに入り暫く眠れなかった巴だがようやく眠気が襲ってきた。
眠りに落ちる直前巴は言った。
「レオン、来てくれてありがとう」
「良いから寝ろ」
「・・・」
巴はようやく眠りに落ちた。
契約者がこんな幼い少女だったことがないレオンは扱いに困った。
あまり大人の発言は通じないようだ。
また重たい溜息を付き自分にしがみついて眠っている巴を見た。
巴は幸せそうにレオンにくっついている。
その姿を見て自嘲気味に笑った。
そして巴の髪を撫でた。
巴はくすぐったそうな仕草をした。
(この家は一体どうなってんだ?)
(こんな子供一人きりにしておかしいだろう)
そう思うと怒りが込み上げてきた。
(両親は海外とやらに行っていると言っていたが子供が心配ではないのだろうか)
悪魔を呼び出すくらい寂しさを抱えていた巴。
暗闇の中を1人きりで彷徨っていたレオン。
状況は違うが孤独は理解できる。
孤独は人を狂わす。
悪魔でも発狂しそうになるというのに。
(こんな幼いのにどんなに不安だっただろう)
レオンは眠気はないが目を閉じた。
そして無意識に巴を抱きしめていた。
頬にキスを落とした。
柔らかい感触が心地よかった。
レオンはもっと巴に触れたくなった。
レオンは人肌に飢えていた自分に気がついた。
これ以上は駄目だと自分に言い聞かせた。
せっかく眠ったのに起こしてしまう。
最後に巴の唇にキスをした。
甘い感覚が心に広がっていくのがわかる。
(ああ、まだ自分にもこんな感情が残っていたのか・・・)
そう思いながら大人しく巴の抱き枕になった。
今の俺は滑稽だろうな。
こんな小娘一人に良いように使われている。
だが、レオンはそんなに悪い気はしなかった。
必要とされていることが嬉しかった。
何百年もの間1人で過ごしてきたからだろうか。
昔の自分からすると考えられないほど穏やかになった。
自分を倒したレンの魔方陣に何かそう言う細工があったのかもしれない。
しかし、穏やかな自分も悪くないと思った。
昔はかなり荒ぶっていたがあの時はあまりいい気分ではなかったように思う。
いつも何かを求めていた。
それが今ではない。
こんなに穏やかな気持ちはどのくらいぶりだろう。
「そろそろ眠りましょう」
「私は眠らなくても平気だ」
「・・・」
「何だ?」
「一緒に寝ることを命じます」
「なっ」
もちろん契約者には逆らえない。
「お前みたいなガキと一緒に寝ても何も楽しくない」
「?」
巴は小首を傾げた。
言われた意味が分からないようだった。
「眠るのに楽しい、楽しくないがあるのですか?」
純粋な眼差しでそう問われた。
「そんな穢れのない瞳で私を見るな」
レオンは自分が酷く穢れた存在のような気がしてきた。
結局レオンは巴のベッドに一緒に入り添い寝することとなった。
ベッドに入り暫く眠れなかった巴だがようやく眠気が襲ってきた。
眠りに落ちる直前巴は言った。
「レオン、来てくれてありがとう」
「良いから寝ろ」
「・・・」
巴はようやく眠りに落ちた。
契約者がこんな幼い少女だったことがないレオンは扱いに困った。
あまり大人の発言は通じないようだ。
また重たい溜息を付き自分にしがみついて眠っている巴を見た。
巴は幸せそうにレオンにくっついている。
その姿を見て自嘲気味に笑った。
そして巴の髪を撫でた。
巴はくすぐったそうな仕草をした。
(この家は一体どうなってんだ?)
(こんな子供一人きりにしておかしいだろう)
そう思うと怒りが込み上げてきた。
(両親は海外とやらに行っていると言っていたが子供が心配ではないのだろうか)
悪魔を呼び出すくらい寂しさを抱えていた巴。
暗闇の中を1人きりで彷徨っていたレオン。
状況は違うが孤独は理解できる。
孤独は人を狂わす。
悪魔でも発狂しそうになるというのに。
(こんな幼いのにどんなに不安だっただろう)
レオンは眠気はないが目を閉じた。
そして無意識に巴を抱きしめていた。
頬にキスを落とした。
柔らかい感触が心地よかった。
レオンはもっと巴に触れたくなった。
レオンは人肌に飢えていた自分に気がついた。
これ以上は駄目だと自分に言い聞かせた。
せっかく眠ったのに起こしてしまう。
最後に巴の唇にキスをした。
甘い感覚が心に広がっていくのがわかる。
(ああ、まだ自分にもこんな感情が残っていたのか・・・)
そう思いながら大人しく巴の抱き枕になった。
今の俺は滑稽だろうな。
こんな小娘一人に良いように使われている。
だが、レオンはそんなに悪い気はしなかった。
必要とされていることが嬉しかった。
何百年もの間1人で過ごしてきたからだろうか。
昔の自分からすると考えられないほど穏やかになった。
自分を倒したレンの魔方陣に何かそう言う細工があったのかもしれない。
しかし、穏やかな自分も悪くないと思った。
昔はかなり荒ぶっていたがあの時はあまりいい気分ではなかったように思う。
いつも何かを求めていた。
それが今ではない。
こんなに穏やかな気持ちはどのくらいぶりだろう。
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