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新しい生活(魔界編)
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暗闇を抜けると明るい日の元へ出た。
魔界はまゆが思っていた世界とは全く違った。
本で見たような不気味さはなく景色は山々に囲まれている。
魔王城がある街は活気に溢れていた。
まゆはジオンの自室で生活することになった。
ジオンはまゆを肩から降ろして跪いた。
「?・・・どうしたの?」
「左手を出せ」
まゆは戸惑いながら左手を出した。
するとジオンがまゆの薬指に金色の小さな指輪をはめた。
指輪にはルビーが付いていた。
もうすっかりジオンの目は美しい漆黒の瞳に戻っていた。
ルビーを見ると少し人間界でのことが思い出された。
まゆはジオンを見つめた。
「これは婚約指輪だ」
「こんやく・・・?魔界にも指輪を贈る風習があるの?」
ジオンは真っ赤になり答えた。
「お前も女だからこういったものを好むと思っただけだ」
「あ、ありがとう」
魔界には指輪の風習は無いらしい。
ただ、まゆを喜ばせるために贈ったようだった。
「まゆ、俺はジンの所に行ってくる」
「うん」
「その間にクローゼットに入っているドレスに着替えておいてくれ」
「え?」
(いつの間にドレスなんて用意したのだろう)
そう思いつつクローゼットを開いた。
すると大量のドレスがぎゅうぎゅうに入っていた。
「!?」
一体どれを着ればいいのか戸惑っているとドアからノックの音が聞こえた。
「はい」
まゆは反射的に答えてしまった。
「ジオン魔王様よりまゆ様のお世話をするように命じられた者です」
「ジオンから?」
「はい、入室してもよろしいですか?」
「・・・」
その声には悪意は無かった。
”城の者はお前に危害を加えない”っとジオンから言われていた。
「はい、どうぞ」
カチャっとドアが開くと1人の年若い女性がメイド服姿で立っていた。
「何かお困りのことがあれば何なりと」
「あ、えっと、ジオンに着替えるように言われたんですがどれを着たらいいのかわからなくて・・・」
まゆを上から下までじっくり観察してから侍女はてきぱきとクローゼットから衣装を取り出してきた。
「この中からお選びください。きっとまゆ様にお似合いになると思います」
侍女はそう言うと微笑みながらまゆを見つめた。
まゆは5着のドレスから好きな色のドレスを選んだ。
まゆが選んだドレスはふわふわふりふりの黄色のドレスだった。
「それでは着付けをしますね」
「はい、お願いします」
まゆはこんな贅沢していいのか少し迷ったが、ジオンから言われた通り大人しく着替えることにした。
この世界の身分の高い女性はこのような格好をするらしいと侍女から聞いた。
(まるで魔界というよりおとぎの世界ね)
日の光の差し込む部屋に天蓋付きのベッド、赤い絨毯。
何もかもが元いた世界と違いすぎて呆然としてしまう。
まゆは着替えさせてもらい、部屋でジオンの帰りを待った。
魔界はまゆが思っていた世界とは全く違った。
本で見たような不気味さはなく景色は山々に囲まれている。
魔王城がある街は活気に溢れていた。
まゆはジオンの自室で生活することになった。
ジオンはまゆを肩から降ろして跪いた。
「?・・・どうしたの?」
「左手を出せ」
まゆは戸惑いながら左手を出した。
するとジオンがまゆの薬指に金色の小さな指輪をはめた。
指輪にはルビーが付いていた。
もうすっかりジオンの目は美しい漆黒の瞳に戻っていた。
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まゆはジオンを見つめた。
「これは婚約指輪だ」
「こんやく・・・?魔界にも指輪を贈る風習があるの?」
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「あ、ありがとう」
魔界には指輪の風習は無いらしい。
ただ、まゆを喜ばせるために贈ったようだった。
「まゆ、俺はジンの所に行ってくる」
「うん」
「その間にクローゼットに入っているドレスに着替えておいてくれ」
「え?」
(いつの間にドレスなんて用意したのだろう)
そう思いつつクローゼットを開いた。
すると大量のドレスがぎゅうぎゅうに入っていた。
「!?」
一体どれを着ればいいのか戸惑っているとドアからノックの音が聞こえた。
「はい」
まゆは反射的に答えてしまった。
「ジオン魔王様よりまゆ様のお世話をするように命じられた者です」
「ジオンから?」
「はい、入室してもよろしいですか?」
「・・・」
その声には悪意は無かった。
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「はい、どうぞ」
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「何かお困りのことがあれば何なりと」
「あ、えっと、ジオンに着替えるように言われたんですがどれを着たらいいのかわからなくて・・・」
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「この中からお選びください。きっとまゆ様にお似合いになると思います」
侍女はそう言うと微笑みながらまゆを見つめた。
まゆは5着のドレスから好きな色のドレスを選んだ。
まゆが選んだドレスはふわふわふりふりの黄色のドレスだった。
「それでは着付けをしますね」
「はい、お願いします」
まゆはこんな贅沢していいのか少し迷ったが、ジオンから言われた通り大人しく着替えることにした。
この世界の身分の高い女性はこのような格好をするらしいと侍女から聞いた。
(まるで魔界というよりおとぎの世界ね)
日の光の差し込む部屋に天蓋付きのベッド、赤い絨毯。
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