ココロの在りか

えりー

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真奈のココロ

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真奈は男の血で染まった衣を脱ぎ捨てながらこう思った。
母から刀の使い方を習っていたのでこういう時役に立つ。
鬼の自分たちは自分の身は自分で守らなければいけない。
誰も守ってくれないからだ。
あの男は大河の村を襲った盗賊の1人だろう。
人を殺めたことは何故か大河に知られたくないと思った。
だから血染めの衣は捨てたのだ。
「大河は・・・必ず私が守るから」
自分のこの感情が何なのか全くわからなかったが、特別なものなのだろうということは分かった。
大河の待つ家へと急いだ。
家には結界が張ってあるので勝手に外に出ることは出来ないし、外からは見えない。
どちらにしても今の大河は立つのが精一杯で床から動けない。
だから安心して村まで行ったのだ。
大河もさっき殺めた人間と同じように脆い。
大切に扱わなければ怪我をさせてしまうかもしれない。
真奈は大河には早く元気になって欲しいとも思うがその反面、今のまま過ごせればいいとも思っていた。
自分がいないと何もできない大河。
そんな大河を愛おしく感じてしまっていることに気がついた。
真奈はそんな感情はすぐに捨てようとしたがなかなかできなかった。
頭を横に振り、自分の心の奥にその感情を閉じ込めた。
そうすることで何とか自分を保つことが出来たのだ。
「大河は盗賊の所へ仲間を助けに行くと言っていたわ。1人で行くなんて無謀よ」
もし行ったらもう二度と会えなくなるだろう。
真奈はそれは避けたかった。
大河に依存している自分が情けなかった。
だが真奈はまだ気がついていなかった。
この感情が恋愛感情であることに。
気付かないうちに大河を愛していた。
真奈は母としか関わって生きてこなかった。
だから自分の感情に気付かなかったのだ。
しかし今、自分が大河に特別な感情を抱いていることだけは分かっていた。
ようやく家に帰りつき戸を開くと大河は眠っていた。
大河はまだ動けないのだと思うと少し安心できた。
寝息を聞いていると眠たくなったので、真奈は大河の横に転がってみた。
大河は起きる気配はない。
深く眠っているようだった。
真奈は初めての事ばかり起こった日を思い出しながら瞳を閉じた。
真奈はいつの間にか眠ってしまった。
(温かい)
その温かさが何なのか確かめる為に重たい瞼を開けた。
すると大河が覗き込んでいた。
気がつくと大河に膝枕をされていた。
真奈は真っ赤になって飛び起きた。
思わず大河に頭突きをかましてしまった。
「~っ」
「痛っ・・・」
2人共ぶつけたところを押さえ座り込んだ。
「ごめんなさい。大丈夫、大河?」
「ああ、驚いたが大丈夫だ」
2人は笑い合った。
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