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異世界の人々
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竜宮明音さんは快く受け入れてくれた。
明音さんは3人に挨拶をした。
「初めまして、竜宮明音と申します。この近くの神社で巫女をしています」
「みこ?」
ネイルが訊ね返した時だった。
また電話が鳴った。
”別件の用事が出来たからすぐに会社に戻って来い”
「・・・はい・・・わかりました・・・」
少し気が重たくなった。
(せっかくこれから色々説明しようとしていたのに・・・)
明音さんが気を使い声をかけてくれた。
「社長さんからのお電話でしょう?」
「はい」
「ここは私に任せて会社に戻ってください」
そう言いにっこり微笑んだ。
「・・・では、お言葉に甘えて行ってきますね」
「行ってらっしゃい」
3人は明音と悟のやり取りをきょとんとした表情で眺めていた。
会社に帰ると待っていたのは大量の雑務だった。
書類整理、掃除。接客。電話応対。
そんな中、ぼんやりとあの3人の事で頭がいっぱいだった。
(異世界から来たと言っていたな・・・)
そんな話誰も信じないだろう。
悟は自分自身が立ち会っているから簡単に信じることが出来た。
不思議とあの3人の力になってあげたいと思った。
仕事をなるべく早く切り上げ、早く帰ることにした。
明音さんの家へ急いだ。
彼女の家は神社だ。
「こんばんは、お世話になっている石川悟です」
戸口を叩くと男性に迎えられた。
竜宮明音さんの夫、竜宮良治さんだった。
「すみません、もう夜なのに」
悟は良治に頭を下げた。
「いいって」
良治は笑いながら答え、お茶を出してくれた。
3人組は遅れてくるとの事だった。
既に3人組は良治さんに会ったのだろう。
(あのコスプレのような衣装を見てどう思っただろう・・・)
ライラックはまぁゴスロリなのであまり気にならないかもしれないが、ネイルと甲冑の子・・・ヒバリは目立つ。
「明音さんは?」
「夕飯の食材を買いに行っているよ」
「夕飯?」
「3人は異世界から来たばかりでまだお金も持っていないらしいからなぁ」
(全く気が付かなかった・・・)
でもさっき喫茶店で少しはお腹を満たしてくれていたようだった。
(遠慮がちに食べていたがお腹を空かせていたのか・・・)
「それよりも良治さんは異世界人の事信じているんですか!?」
悟は何よりそこに驚いた・・・。
仕事の事と3人組の事で頭がいっぱいでそんなことまで頭が回らなかった。
「それで異世界への帰り方は分かったのかい?」
「・・・いえ、まだです。手がかりの手の字も無くて・・・」
「やっぱりか」
良治は豪快に笑た。
その時、玄関から明音さんの声が聞こえた。
明音さんの後ろには3人組も一緒にいた。
3人は普通の洋服になっていた。
とても良く似合っていた。
「ただいま」
流石にあの服装では生活に支障が出るだろう。
何となく明音さんに訊ねてしまった。
「明音さんも異世界人だったりしますか?」
「あら、言ってなかったかしら?」
「私はこの世界に来てから10年になるわ」
今日は驚きの連続の日々だ。
しかし驚きはこれだけでは終わらなかった・・・。
明音さんは3人に挨拶をした。
「初めまして、竜宮明音と申します。この近くの神社で巫女をしています」
「みこ?」
ネイルが訊ね返した時だった。
また電話が鳴った。
”別件の用事が出来たからすぐに会社に戻って来い”
「・・・はい・・・わかりました・・・」
少し気が重たくなった。
(せっかくこれから色々説明しようとしていたのに・・・)
明音さんが気を使い声をかけてくれた。
「社長さんからのお電話でしょう?」
「はい」
「ここは私に任せて会社に戻ってください」
そう言いにっこり微笑んだ。
「・・・では、お言葉に甘えて行ってきますね」
「行ってらっしゃい」
3人は明音と悟のやり取りをきょとんとした表情で眺めていた。
会社に帰ると待っていたのは大量の雑務だった。
書類整理、掃除。接客。電話応対。
そんな中、ぼんやりとあの3人の事で頭がいっぱいだった。
(異世界から来たと言っていたな・・・)
そんな話誰も信じないだろう。
悟は自分自身が立ち会っているから簡単に信じることが出来た。
不思議とあの3人の力になってあげたいと思った。
仕事をなるべく早く切り上げ、早く帰ることにした。
明音さんの家へ急いだ。
彼女の家は神社だ。
「こんばんは、お世話になっている石川悟です」
戸口を叩くと男性に迎えられた。
竜宮明音さんの夫、竜宮良治さんだった。
「すみません、もう夜なのに」
悟は良治に頭を下げた。
「いいって」
良治は笑いながら答え、お茶を出してくれた。
3人組は遅れてくるとの事だった。
既に3人組は良治さんに会ったのだろう。
(あのコスプレのような衣装を見てどう思っただろう・・・)
ライラックはまぁゴスロリなのであまり気にならないかもしれないが、ネイルと甲冑の子・・・ヒバリは目立つ。
「明音さんは?」
「夕飯の食材を買いに行っているよ」
「夕飯?」
「3人は異世界から来たばかりでまだお金も持っていないらしいからなぁ」
(全く気が付かなかった・・・)
でもさっき喫茶店で少しはお腹を満たしてくれていたようだった。
(遠慮がちに食べていたがお腹を空かせていたのか・・・)
「それよりも良治さんは異世界人の事信じているんですか!?」
悟は何よりそこに驚いた・・・。
仕事の事と3人組の事で頭がいっぱいでそんなことまで頭が回らなかった。
「それで異世界への帰り方は分かったのかい?」
「・・・いえ、まだです。手がかりの手の字も無くて・・・」
「やっぱりか」
良治は豪快に笑た。
その時、玄関から明音さんの声が聞こえた。
明音さんの後ろには3人組も一緒にいた。
3人は普通の洋服になっていた。
とても良く似合っていた。
「ただいま」
流石にあの服装では生活に支障が出るだろう。
何となく明音さんに訊ねてしまった。
「明音さんも異世界人だったりしますか?」
「あら、言ってなかったかしら?」
「私はこの世界に来てから10年になるわ」
今日は驚きの連続の日々だ。
しかし驚きはこれだけでは終わらなかった・・・。
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