永遠の恋人

えりー

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引っ越し

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雅之は田舎に引っ越してきた。
両親が家を購入したからだ。
仲の良かった友人と離れ、また友人を作り直さなければならない。
雅之はこの引っ越しをあまり好ましく思っていなかった。
あの時までー・・・。
引越センターのトラックが家の中に荷物を運びこむのをぼーっと庭で見ていた。
すると背後から人の気配を感じた。
両親が立っているのだろうと振り向くとそこには可憐な少女が1人立っていた。
少女は質素な着物を見に纏っていた。
「・・・ここ今日から俺の家なんだけど、遊ぶなら他所で遊んでくれない?」
不機嫌だったので雅之は冷たくあしらった。
しかし少女は嫌な顔せず微笑んでいた。
「ここは私の家でもあるの」
くすくす鈴のなるような声で笑い声を立てた。
「は?何言ってんだよ!俺の両親がこの家を買い取ったんだよ!」
「雅之!?どうしたんだ?1人で大声出して」
「は?1人じゃない。こいつがいるじゃないか!」
雅之は父親にそう告げた。
雅之の父親は不思議そうに指さされた方を見て首を傾げた。
「何もいないぞ?」
「え・・・」
「そんな事より早く家に入りなさい。荷物を片付けてくれ」
そう言うと父親は雅之のところから去って行った。
(確かにいるのに・・・どういうことだ!?)
「あなた、雅之っていうのね。私は凛というの。よろしくね」
リンが自己紹介してくれたが凛の事を少し怖いと感じてしまった。
表情が引きつるのが分かる。
凜にもその恐怖心が伝わったようだった。
「私は昔からこの家にいる者よ。昔は座敷童とか言われていたわね」
冷たい汗が雅之の背中を流れた。
「・・・その話本当なのか?だからさっき父さんに見えなかったのか?」
「ええ。大人には私の姿見えないみたいね」
「俺も大人になったら見えなくなるのか?」
凜は首を横に振った。
「私と話が出来る時点でそれは無いと思うわ」
「え?」
「私の声を聞き姿を見ているしかなり霊感が強いんだと思う」
そう言えば昔から変なものを見てきた。
それらは全て人ではなかった。
恐ろしかったので今まで見えないふりをしていた。
「じゃぁ、凜はこの家の座敷童なのか?」
「たぶんね。私がいると家が栄えると言われてきたわ」
雅之は凛の存在を自分の中で受け止めることにした。
「・・・わかった。・・・宜しく凛」
「こちらこそ」
そう言い笑う彼女の顔はとても魅力的で雅之は一目で恋に落ちて行った。
まだ10歳の雅之にはそれが恋心という自覚がなかったが・・・。
彼女に好意を持つきっかっけになった。

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