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27週目のブランシュとルーク
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ブランシュのお腹が出てきたのがはっきりわかる。
ルークは仕事の合間を見つけては部屋に戻ってきてブランシュのお腹を触る。
そして耳をお腹に直につけて子の心音を聞く。
そうしていると安心するようだ。
「もうすぐ産まれそうな大きさになってきたな」
「まだまだ大きくなるそうですよ」
「最近変わったことはないか?」
「夜中よく目が覚めたり、朝早く目が覚めたりします。お腹の中で御子が動きまわっているせいでしょうか?」
「さぁ、俺は医者じゃないからよくわからんが寝不足という事か?」
ルークがブランシュに訊ねた。
「そうですね・・・眠たいです」
ルークは椅子に座っていたブランシュを抱き上げベッドまで連れて行った。
「少し眠れ」
「はい、そうします」
ブランシュが目を閉じるのを確認してからルークは医者の元へ行った。
「ブランシュの事なんだがそろそろお産へ向けての体力作りが必要なんじゃないのか?」
女医は驚いた。
ルークがそんな事を言ってくるなんて思いもしなかった。
ルークはお産の本を読んでいた。
女医は動揺しながらも答えた。
「そうですね。そろそろ、軽い散歩やストレッチを始めてもいい頃でしょう」
「そうか」
「ですが、ブランシュ様は活発な方なので誰かが見ていないと危険かもしれませんね」
ルークもそれには同じ意見だった。
ブランシュは元々活発な少女だった。
少しの度合いを間違える可能性もある。
女医が言った。
「ルーク様は公務がありますから、私が見ておきましょうか?」
「頼めるか?」
「はい」
女医が見ている中での運動なら何かあっても安心だ。
ルークは女医にブランシュの運動の付き添いを任せることにした。
「ブランシュ様、失礼します」
「あ・・・女医様」
「私の事はアイとお呼びください。明日から少しずつ体を動かす訓練をしていきたいと思います」
「え・・・動いて良いんですか!?」
ブランシュは喜んだ。
「はい。ですが、もしお腹の張りを感じた時はお早めに言ってください」
「アイ様。ありがとうございます」
「いいえ、とんでもありません」
「・・・ルーク様は運動すること許可してくださるでしょうか?」
「この運動の話はルーク王からの申し出です。なので安心してください」
「ルーク様からの・・・?どうしてルーク様がそんな申し出を・・・?」
「ルーク王はお産についての本を読まれたみたいです」
ブランシュは机の上に置いていた本が無くなっていることに気がついた。
どうやらルークが持って行ったらしい。
ルークの事だから少しでも力になりたいと思ってくれたに違いない。
だから本を読んでくれたんだ。
そう思うと涙が出そうになった。
「ブランシュ様、体は大丈夫そうですか?」
「はい、腰が少し痛みますが大丈夫です」
「では、私はこれで失礼します」
「アイ様、明日から宜しくお願いします!!」
ブランシュは気合を入れアイにそう言った。
アイは苦笑いをして部屋から出て行った。
夜になりルークが帰ってきた。
帰って来るなりブランシュのお腹に触れた。
「ルーク様。運動の件ありがとうございます。アイ様に話していただいたみたいで・・・」
「ああ、本には適度な運動も必要と書かれていたからな」
「あの本読んだんですか?」
「もちろん読んだ。俺は男だからいざという時にどう行動していいか分からないから参考にな」
ルークの勤勉さに驚いた。
仕事も忙しい中読んでくれたのかと思うと嬉しい気持ちがこみあげてきた。
思わずルークを抱きしめキスをした。
珍しくブランシュは自分から濃厚なキスをした。
舌を絡ませ、吸い、甘噛みするようなキスだった。
ルークは驚いていた。
「・・・珍しく情熱的なキスだな」
「私、ルーク様が大好きです」
「俺も、ブランシュが大好きだ」
もう一度唇を重ねようとした時、ブランシュのお腹からドンっという音が聞こえた。
「おい!ブランシュ、今耳元でドンっという音が聞こえたぞ!」
ルークはとても嬉しそうにそう言い。ぐりぐりと耳をお腹に擦りつけてきた。
「あはははは!ルーク様、くすぐったいです」
「ああ、悪い。つい嬉しくて」
2人は幸せの絶頂だった。
ルークは仕事の合間を見つけては部屋に戻ってきてブランシュのお腹を触る。
そして耳をお腹に直につけて子の心音を聞く。
そうしていると安心するようだ。
「もうすぐ産まれそうな大きさになってきたな」
「まだまだ大きくなるそうですよ」
「最近変わったことはないか?」
「夜中よく目が覚めたり、朝早く目が覚めたりします。お腹の中で御子が動きまわっているせいでしょうか?」
「さぁ、俺は医者じゃないからよくわからんが寝不足という事か?」
ルークがブランシュに訊ねた。
「そうですね・・・眠たいです」
ルークは椅子に座っていたブランシュを抱き上げベッドまで連れて行った。
「少し眠れ」
「はい、そうします」
ブランシュが目を閉じるのを確認してからルークは医者の元へ行った。
「ブランシュの事なんだがそろそろお産へ向けての体力作りが必要なんじゃないのか?」
女医は驚いた。
ルークがそんな事を言ってくるなんて思いもしなかった。
ルークはお産の本を読んでいた。
女医は動揺しながらも答えた。
「そうですね。そろそろ、軽い散歩やストレッチを始めてもいい頃でしょう」
「そうか」
「ですが、ブランシュ様は活発な方なので誰かが見ていないと危険かもしれませんね」
ルークもそれには同じ意見だった。
ブランシュは元々活発な少女だった。
少しの度合いを間違える可能性もある。
女医が言った。
「ルーク様は公務がありますから、私が見ておきましょうか?」
「頼めるか?」
「はい」
女医が見ている中での運動なら何かあっても安心だ。
ルークは女医にブランシュの運動の付き添いを任せることにした。
「ブランシュ様、失礼します」
「あ・・・女医様」
「私の事はアイとお呼びください。明日から少しずつ体を動かす訓練をしていきたいと思います」
「え・・・動いて良いんですか!?」
ブランシュは喜んだ。
「はい。ですが、もしお腹の張りを感じた時はお早めに言ってください」
「アイ様。ありがとうございます」
「いいえ、とんでもありません」
「・・・ルーク様は運動すること許可してくださるでしょうか?」
「この運動の話はルーク王からの申し出です。なので安心してください」
「ルーク様からの・・・?どうしてルーク様がそんな申し出を・・・?」
「ルーク王はお産についての本を読まれたみたいです」
ブランシュは机の上に置いていた本が無くなっていることに気がついた。
どうやらルークが持って行ったらしい。
ルークの事だから少しでも力になりたいと思ってくれたに違いない。
だから本を読んでくれたんだ。
そう思うと涙が出そうになった。
「ブランシュ様、体は大丈夫そうですか?」
「はい、腰が少し痛みますが大丈夫です」
「では、私はこれで失礼します」
「アイ様、明日から宜しくお願いします!!」
ブランシュは気合を入れアイにそう言った。
アイは苦笑いをして部屋から出て行った。
夜になりルークが帰ってきた。
帰って来るなりブランシュのお腹に触れた。
「ルーク様。運動の件ありがとうございます。アイ様に話していただいたみたいで・・・」
「ああ、本には適度な運動も必要と書かれていたからな」
「あの本読んだんですか?」
「もちろん読んだ。俺は男だからいざという時にどう行動していいか分からないから参考にな」
ルークの勤勉さに驚いた。
仕事も忙しい中読んでくれたのかと思うと嬉しい気持ちがこみあげてきた。
思わずルークを抱きしめキスをした。
珍しくブランシュは自分から濃厚なキスをした。
舌を絡ませ、吸い、甘噛みするようなキスだった。
ルークは驚いていた。
「・・・珍しく情熱的なキスだな」
「私、ルーク様が大好きです」
「俺も、ブランシュが大好きだ」
もう一度唇を重ねようとした時、ブランシュのお腹からドンっという音が聞こえた。
「おい!ブランシュ、今耳元でドンっという音が聞こえたぞ!」
ルークはとても嬉しそうにそう言い。ぐりぐりと耳をお腹に擦りつけてきた。
「あはははは!ルーク様、くすぐったいです」
「ああ、悪い。つい嬉しくて」
2人は幸せの絶頂だった。
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