16 / 26
火属性のウィザード
16話 お見舞い
しおりを挟む
マリアとレイが風に現れると レイが言う
「到着ー!ここが アーモンドの従者と!ついでに アーモンドも居る お家の前だぞ!マリア!」
マリアがレイモンド邸を見て言う
「お家というよりも ここは お屋敷ですね?」
マリアが門へ近付き インターホンを押して考える
(アーサーさん… どうしたのかな?一番考えられるのは 体調が悪くて ずっとベッドで眠っているとか?けど アーサーさんには アールモンドさんが居るのだから 魔法で治して貰うだろうし?)
インターホンからメイドの声がする
『こちらのお屋敷はレイモンド邸で御座います 当方へ御用でしょうか?』
マリアがハッとして言う
「あ、はいっ!私は マリア・シュテーゲルと申しますっ!こちらに ア…っ!?」
マリアが思う
(ア…?あれ!?アーサーさん…?アーサーさんってっ?先のお名前 何て言うんだろうっ!?)
マリアがハッとして言う
「ア… アーサー奉者は居りますでしょうか!?私っ 彼と同じ 奉者協会のマリア奉者ですっ!」
マリアが思う
(奉者としての用件が ある訳では無いんだけど…)
インターホンからメイドの声がする
『かしこまりました ただいま迎えの者が参りますので 少々お待ちください』
マリアがホッと胸をなでおろす
レイが言う
「俺はマリアが アーモンドの従者の所へ 連れてって欲しいって言うから ここまで来たけどさ?」
マリアが言う
「あ、はいっ ありがとうございます!ウィザードさま!」
レイが言う
「礼には及ばないよ マリア!それじゃ 俺は先に帰ってるから」
マリアが呆気に取られて言う
「え…?」
レイが言う
「アーモンドの従者への用が終わったら また呼ぶんだぞ?そしたら 迎えに来るからな!じゃ マリア 行ってらっしゃいだな?」
マリアが呆気に取られたまま言う
「あ… はい ありがとうございます …行ってきます?」
レイが風に消える マリアが思う
(…あれ?何だか意外?ウィザードさまが?…てっきり 私と一緒に来てくれるものかと?)
ハミネが門を開けて言う
「お待たせを致してしまい 申し訳ございませんでした どうぞお入り下さいませ」
アールモンドの部屋 前
ハミネがドアの前に立ち止まると言う
「アーサー奉者様は こちらのお部屋に… 居らっしゃる筈です」
マリアが疑問して言う
「え?居らっしゃる …筈?」
ハミネがドアをノックして言う
「し、失礼いたしますっ ウィザード様…っ あの…っ 奉者協会の方がっ!?」
マリアがギクッと反応して思う
(あ…っ 確かに 私 奉者ではあるけどっ 今日の要件は 奉者とか奉者協会とかは 関係なくて どちらかと言うと…っ 私の個人的な用であって…っ)
室内からアーサーの声が聞こえる
「ハミネさん?」
マリアがハッとして思う
(アーサーさんの声!)
ハミネが表情を明るめて言う
「はいっ アーサー様!マリア・シュテーゲル奉者様がっ アーサー様へ お会いしたいとの事なのですがっ!?」
マリアが衝撃を受けて思う
(うっ… そ、そうですっ 私が… 奉者としてではないですが アーサーさんと お話をしたくて…っ)
室内から アーサーの声が聞こえる
「え?マリアちゃんが?あぁ ごめんなさい 俺の方が 行かないといけなかったのに 今 開けます」
ドアが内側に開き アーサーの声がする
「どうぞ お入り下さい!」
マリアが疑問する
マリアが開かれたドアの先を見ると 部屋の中に居るアールモンドが顔を向けて言う
「…だよな?やっぱ アンタ1人か?」
アーサーの驚いた声がする
「そうなのぉっ!?」
マリアが疑問しつつ言う
「え?あ はい 私1人ですが…?」
マリアが思う
(アーサーさんは…?)
マリアがドアを見て思う
(さっきの声からして 多分 このドアの後ろに…?)
アールモンドが言う
「まぁ良いだろ?サッサと入れよ?」
アーサーの驚いた声がする
「え!?良いのっ!?アーリィーっ!?」
アールモンドがドアの後ろへ視線を向けて言う
「なら 追い返せっつーのかよ?」
マリアがアールモンドの視線を見て思う
(やっぱり このドアの向こうに…?)
マリアがドアの後ろを覗き込もうとする
アーサーの声が聞こえる
「そうは言わないけど…っ マリアちゃんは女性だし こっちはアーリィーも 俺も…っ」
マリアが反応して思う
(言われてみれば?アーサーさんも アールモンドさんも 男性だからって?私… その辺りは考えていなかったかも…?でも、それは今も同じで?むしろ それ以上に 私が気になるのは…)
マリアが再びドアの後ろを覗こうとする
アールモンドが言う
「…てぇ事だ 分かったら サッサと入れ …で、お前はもう良いっ 用が済んだならサッサと行けよっ!」
ハミネがハッとして言う
「は、はいっ 失礼致しましたっ!」
ハミネが足早に立ち去る
アールモンドがハミネが去った方を見て息を吐くと マリアを見てから言う
「…で?アンタの用は アーサーへか?なら、アンタへは 借りがあっからな?俺に席を外せってぇなら?」
マリアがハッとして言う
「あ、いえっ?特に その様な お気遣いは…?」
ドアの閉まる音に続き アーサーの声がする
「アーリィーに席を外されたら 多分 俺の方が持たないよ?アーリィー」
マリアがギクッとして思う
(えっ!?”お気遣いは要りません” って 言おうと思って居たのだけど…っ?『俺の方が持たない』って?それは 一体 どう言う――っ!?)
マリアが後方へ振り返り そこに居るアーサーを見ると驚いて言う
「――って!?アーサーさんっ!?」
マリアの視線の先 口角にはガーゼ 右目には包帯が巻かれ 青あざの見えるアーサーが 苦笑して言う
「今 ちょっとの間だけ アーリィーから離れて ドアを開けに行っただけなのに 俺 何だか また ふわふわして来ちゃったみたいだし…?」
アーサーが歩き始めると バランスを崩しそうになる
マリアが慌てて支えようとして言う
「アーサーさんっ!?」
アールモンドが叫ぶ
「触るなっ!」
マリアがハッとして手を引く アーサーが自力で身を支える
アールモンドが言う
「マリア奉者 悪ぃが アーサーから離れてやってくれ 本人は居なくても アンタの身体には アークの強力な魔力がある」
マリアがハッとして思う
(私にある ウィザードさまの魔力がっ?)
マリアがアーサーを見ると アーサーが苦しそうな息遣いをしている
アールモンドが言う
「今のアーサーじゃ ソイツでも食らっちまうンだろ… おいっ アーサー 隣に座れ 俺の近くに居りゃ 残留魔力程度にゃ負けねぇよ」
アーサーがアールモンドへ顔を上げると言う
「うん…っ アーリィー… はぁ… はぁ…っ」
マリアがアーサーから距離を置くと アーサーがアールモンドの下へ向かう
マリアがアーサーを見て気付いて思う
(顔の外にも あざが?…歩き方も 苦しいだけじゃなくて 身体の痛みが あるみたいだし?)
マリアが言う
「あの…っ アーサーさんっ!?」
アーサーがアールモンドの隣へ座ると息を整えて言う
「あ… ホントだ 楽になったよ ありがと アーリィー それに ごめんね マリアちゃん?俺 自分の事なのに よく分かって居なくて?」
マリアが言う
「い、いえっ 私も 知らなくて ごめんなさいっ それで その…っ アーサーさんの その怪我はっ!?」
アーサーが言う
「ああ、この怪我はね?大した怪我じゃ無いから?気にしないで?」
マリアが衝撃を受けて言う
「どう見ても大怪我ですよね!?気にしないなんて無理です!それにっ!?」
マリアが思う
(この3日間 電話に出られなかったのも もしかして その怪我のせいなんじゃ…っ!?)
アールモンドが言う
「…なら 順を追って話すからよ?取りあえず 座ったらどうだ?」
マリアがハッとする
アーサーが言う
「ごめんね?マリアちゃん お客様に立たせて 俺が先に… 俺 気の利かない奴で…」
マリアが言う
「そんな大怪我で言わないで下さいっ むしろ ベッドに寝ていた方が 良いのでは…っ!?」
アーサーが苦笑して言う
「ありがとう マリアちゃん けど もう 大丈夫 今日やっと動ける様になったから 今は少しでも動きたいんだ?」
マリアが思う
(やっぱり今日まで寝てたんですねっ)
マリアが向かいのソファに腰かける
アールモンドが言う
「…おい アーサー」
アーサーが言う
「なあに?アーリィー?」
アールモンドが言う
「客が来たンだ?茶ぐれぇ出せよ?」
マリアが衝撃を受けて言う
「えっ!?」
アーサーがハッとして言う
「あ、そうだったね?ごめーん アーリィー?」
アーサーが立ち上がる
マリアが慌てて言う
「ま、待って下さいっ!?アーサーさんは 怪我をしていてっ!?」
アールモンドが言う
「怪我と言っても 骨折は治してやったから 茶ぐれぇ出せンだろ?で?何が良い?」
マリアが慌てて言う
「そういう問題ではなくてですね!?」
アーサーがティーセットをテーブルへ運んで来て疑問する
アールモンドが言う
「紅茶で良いのかよ?他にも有るっちゃぁ有るだろうが…?」
アーサーが言う
「そう言えば 給湯室に お客様用のコーヒーセットが有るんだけど?マリアちゃんはそっちの方が 良いのかな?」
マリアが言う
「あのっ そう言う事よりっ!?」
アールモンドが言う
「コーヒーなンか お前淹れた事あンのかよ アーサー?」
アーサーが言う
「ううん?見た事があるだけで 触った事も無いんだけど 多分 何とかなるんじゃないかな?この時間なら 誰も居ないと思うし サッと行って来れば大丈夫!だから心配はいらないよ!マリアちゃん?」
マリアが言う
「そっちの心配では無くてですね!?」
アールモンドが言う
「いや 俺の方から言っといて悪ぃが マリア奉者」
マリアが思う
(そうですよね?いくら何でも このアーサーさんに…)
アールモンドが言う
「飲み物はやっぱ 紅茶か水にしろ アーサーは初めてやる事は ぜってぇに失敗する コーヒーは諦めろ」
マリアが言う
「ですからっ!?」
アーサーが慌てて言う
「そんな事無いよっ?アーリィーっ?俺 出来なくても頑張るよ!ちゃんと飲める物を用意して 戻って来るからっ!」
アールモンドが言う
「何時になるか分からねぇ」
アーサーが衝撃を受けて言う
「酷いっ!」
マリアが苦笑して言う
「…紅茶でお願いします」
アーサーが言う
「マリアちゃんまでっ!?」
アールモンドが言う
「本題が進まねぇっつてんだろ?取りあえず 紅茶で良いってぇンだ サッサと入れろよ アーサー?」
アーサー気付いて言う
「あっ そうだね?ごめーん マリアちゃん?」
マリアが苦笑して言う
「い、いいえ…?」
マリアが思う
(本当はその通りなんだけど… 取りあえず お茶は 紅茶でもコーヒーでも… 水でも何でも良かったから とにかく …今日こそ 話を…)
アーサーが紅茶の準備を終えて アールモンドの前へ置くと 間を置いて疑問して言う
「あれ?アーリィー?魔法は?」
アールモンドが言う
「魔法は… 今日は掛けられねぇな?」
マリアが気付いて言う
「あ、ごめんなさいっ お紅茶 私の分は良いのでっ」
アールモンドが言う
「そうは行かねぇ… から …おい アーサー!先にマリア奉者へ注いでやれ」
アーサーが気付いて言う
「あ、そうだね?それなら!」
アーサーがティーポットを持ち 軽く中身を回す様にしてから ティーカップへ注ぎ マリアの前に置いて言う
「あっ お砂糖とか ミルクとか 何か必要だったかな?それなら すぐに取って来られるから?」
アーサーが席を立とうとする
マリアがハッとして言う
「い、いえっ!?大丈夫です!ス、ストレートでっ!?」
アーサーが言う
「そお?別に 遠慮してくれなくても それ位大丈夫だけど?」
マリアが言う
「いえっ!?本当に…っ それよりもっ」
マリアが思う
(大怪我をしているアーサーさんには 動かないで貰いたいから…っ)
アールモンドがティーポットの上で軽く指を回す ポットの中から小さくポンッと音が鳴る
アールモンドが言う
「もう茶葉が開いちまった後だから 味は変わらねぇだろうが… ほらよ?」
アールモンドが紅茶を注いで アーサーの前に置く
アーサーが言う
「そうなんだ?でも ありがと!アーリィー!」
マリアが見つめる先 アールモンドが自分の分を注いでから一口飲む
アーサーがそれを確認して 自分も一口飲んでから言う
「あ、ホントに!?いつもと味が違うね!アーリィー?」
アールモンドが言う
「ああ やっぱ不味ぃな?後は やるから 全部飲めよ アーサー?」
マリアが衝撃を受けて思う
(自分は不味と言って置きながら 後は全部飲めってっ!?)
アーサーが言う
「ありがと アーリィー 何時もよりは 確かにちょっと味は落ちるけど それでも十分美味しいよ?」
アーサーが言うと共に紅茶を飲み干して ポットの残りを注ぐ
アールモンドがマリアを見ていて言う
「…で?」
マリアがハッとして言う
「あっ はいっ その…っ」
マリアがアーサーを見る アーサーが紅茶を飲んで居て マリアの視線に気付くと疑問する
マリアが思わずハッと視線を逸らすと アーサーが言う
「ん?俺が何か?」
マリアが言う
「あの…っ」
アールモンドがマリアの様子に言う
「…あぁ そう言やぁ 怪我の理由を話すっつったっけな?」
マリアがハッとして言う
「あ、はいっ!」
マリアが思う
(本題とは違うけど アーサーさんの この怪我に理由は 気になるから 先に…?)
アールモンドが言う
「3日前に アンタへやったのと同じだ …野郎の雷の魔法を相殺させる為に 俺が対極の土属性の攻撃魔法を アーサーへ掛けてやらなけりゃならなかった」
マリアが言う
「でも それなら?ウィザードさまの様に?私のウィザードさまが あの時 私にして下さった様に 魔法で 怪我は治せるんじゃ?」
アールモンドが言う
「もちろん 攻撃魔法を終えた後 直ぐに活性魔法は掛けたが…」
アーサーが苦笑して言う
「俺 短期間に 沢山の魔法を受けちゃったからね?身体が 魔法を受け付けないらしくって?」
マリアが言う
「身体が魔法を 受け付けない?」
アールモンドが言う
「アーサーは従者だが 魔力者じゃねぇ… 魔法に対する抵抗力がねぇ奴には 活性魔法だって 負担になっちまう そもそも活性魔法ってぇのは 身体の細胞分裂を速める魔法だからよ?魔力そのものとは違って 攻撃魔法と同じく 身体へ負担を与えちまう」
アーサーが言う
「だから今は 魔法の力は借りずに 自然のスピードで治しているって事かな?薬も使ってないから 治りは遅そうだけど これが普通だしね? あははっ あ、痛っ イタタ…」
アーサーが口角のガーゼを押さえて苦笑する
アールモンドが紅茶を手に言う
「ウィザード様に仕える奉者だってぇのに ンなツラじゃ人前に出せやしねぇ…」
アーサーが言う
「ごめーん アーリィー?」
マリアが苦笑してから思う
(そうだったんだ… 私の時は 右手首から先だけで それも ほんの少しの間だけで済んだから 回復も含めて全てが 一瞬の事だったけど アーサーさんは…)
マリアが表情を落とす アーサーがマリアの様子を見て 紅茶を飲む
アールモンドが息を吐くと言う
「…で?そろそろ言う気には なったかよ?」
マリアがハッとする
アーサーが言う
「あ、そうだった ごめーん マリアちゃん わざわざ お屋敷にまで訪ねてもらったのに こっちの話ばかりしちゃったよね?」
マリアが言う
「あっ いえっ!?聞きたいと言ったのは私ですしっ!それに…っ」
マリアが思う
(あぁ… ただでさえ言い辛かった話なのに… アーサーさんの その怪我を 見ながらだなんて 余計に言い辛い… …けどっ 私っ もう言うってっ!今日こそ 言うって 決めて来たんだからっ!!――言おうっ!)
マリアが意を決して言う
「ごめんなさいっ!アーサーさんっ!」
アーサーが驚いて言う
「何がっ!?」
マリアが言う
「その…っ また 辛い事を 思い出させてしまうかも 知れないのですが…っ その怪我を負う事になった そもそもの…っ 理由の方なんですが…」
アーサーが言う
「そもそもの… あ、うん そうだね?俺も それは ずっと考えては居るのだけど」
マリアがハッとして思う
(ずっと考えて居る?それじゃ…っ!?やっぱり!?まさかっ!?)
マリアが表情を強めて言う
「私はっ!!」
アーサーが言う
「俺 何かしちゃったのかなぁ?って?」
マリアが衝撃を受けて言う
「えっ!?アーサーさんが?」
アーサーが言う
「ん?マリアちゃんは?」
マリアが思う
(どう言う… 事…?)
アーサーが言う
「えーっと…?」
アールモンドが欠伸をする
マリアが思う
(理由…?そう言えば?)
マリアが言う
「私… 私は勝手に "今回の事の" そもそもの理由と言うのは…」
マリアがアールモンドを見る
アーサーがマリアの視線に言う
「アーリィーは 何も そんな理由になる様な事は していないよ?だから理由があるとしたら 俺なのかなぁ?って思うんだけど いくら考えても思い付かなくって?」
マリアが思う
(私はてっきり シュイさんがアールモンドさんへ ウィザードとして戦いの様なものを しようとしたのかなって?そんな風に考えちゃったのだけど…)
アーサーが言う
「因みに マリアちゃんは?マキちゃんと…」
マリアがハッとして思う
(そっか?それなら シュイさんの奉者である マキに…っ!)
アーサーが言う
「今回の事を 電話か何かで 話したりとか… しているのかな?だとしたら その辺りの事を 何か聞いていたりとかは?」
マリアが言う
「あのっ 私 確かに マキと今回の事で 電話で話をしたのですが…っ 私も マキも シュイさんが 極刑に―― 死刑にされてしまうって その事ばかりで 元々の理由とかって事は考えては… でも、そうですね?マキに 一度!?」
アールモンドがマリアへ言う
「それで?理由とやらが 分かったら?それで どうしようってぇンだよ?」
マリアが呆気に取られて言う
「…え?どうって?それは…?」
マリアが思う
(その理由を 改善したら 良いんじゃ…?)
アーサーが言う
「俺に 理由があるのなら 出来る限りの改善をするか 後は… 誠心誠意 謝るしかないかなぁ?」
マリアがアーサーの顔を見て思う
(アーサーさんは シュイさんに謝ってでも 関係の改善を考えているのね?…それならっ!?)
マリアが言う
「あのっ!?でしたら アーサーさんはっ!?」
アーサーが言う
「うん?俺は?」
マリアが言う
「シュイさんを 死刑にしたいとは 本当に思っては いないんですかっ!?」
アーサーが一瞬呆気に取られた後 苦笑して言う
「もちろんだよ マリアちゃん?あれ?俺 この間の時も 言わなかったかなぁ?」
マリアが言う
「それは…っ 確かに聞きました…っ けど…っ 私 心配で…っ 電話も繋がらなかったし…っ」
アーサーが衝撃を受けて言う
「あっ それは…っ ごめんね?俺の携帯 壊れちゃってて…っ」
マリアが言う
「携帯が壊れて?それじゃ それだけで?本当に?本当に…っ シュイさんを訴える事は…?」
アーサーが苦笑して言う
「だから 何度聞かれても それはしないから マリアちゃん安心して?大体そんな事 する筈が無いじゃない?シュイさんは ウィザード様なんだから?」
マリアが思う
(そう… それは 私も… 心の何処かで きっと…)
アーサーが言う
「世界を救える ウィザードである シュイさんの命と ただの人間である 俺の命じゃ 比べ物にならないよ?だから…」
マリアが思う
(私も 同じ様に… 思っていた事…)
アールモンドが怒って言う
「ざけんなっ!」
マリアとアーサーが驚いて言葉を止める
アールモンドが言う
「お前の命よか 野郎の命が大切だってぇのか?冗談じゃねぇっ!」
アーサーが言う
「アーリィー… けど それは事実だし 俺は 魔法も使えないし 灯魔作業も出来ない 普通の人間だから ウィザードである 彼の命の方が 大切だと言うのは 誰に聞いても…」
アールモンドが言う
「その普通の人間を守る為の力で 野郎は人を殺そうとしたんじゃねぇか?しかも お前が本当に普通の人間だったなら 助かっちゃ居なかった… お前は俺の従者だから 助かったンだぞっ アーサー!」
アーサーが言う
「う、うん… けど…」
マリアが言う
「従者だから… では やっぱり 理由は アーサーさんが アールモンドさんの従者だから?それで シュイさんは アールモンドさんの力を高めている 従者のアーサーさんを… 狙ったんじゃ…?」
マリアが思う
(やっぱり この理由が 一番しっくりすると思う… だって他に?ウィザードであるシュイさんが それこそ"普通の人間である"アーサーさんを 狙う理由なんて?)
アーサーが言う
「けど マリアちゃん?俺は 確かにアーリィーの従者だけど 魔力は もう全部アーリィーにあげちゃったから その俺を始末しても アーリィーの魔力に変化は無いんだよ?」
マリアが呆気に取られて言う
「…え?」
アーサーが言う
「ね?だとしたら やっぱり 理由になるものは アーリィーには無いんだ だから 他にあるとしたら」
アールモンドが言う
「野郎は お前の命を狙って来たンだぜ アーサー?もし そこに理由があるとすりゃ 相応の事なンだろ?なら逆に そこまでの理由を 命無しで 償えるってぇのか?少なくとも 俺にはそうは思えねぇな?」
アーサーが困って言う
「うん… それは… 確かにそうなのかも しれないけれど… だとしても 何か方法を見付けないと?それに… その為にも 先ずはシュイさんから 理由を聞いて」
アールモンドが言う
「殺してぇほど恨んでる奴に 理由を聞かれて タダで教えるかよっ?」
アーサーが困って言う
「そう… だね…?」
マリアが言う
「そんなっ!?まだ聞いても居ないのにっ!?それに…っ!?」
マリアが思う
(アーサーさんは 改善方法を探しているのに その人へ対して そんな言い方をしなくてもっ!?)
アールモンドが言う
「だから その為の法律なンだろうがよ?”魔力者共存法”ってぇのは?」
マリアが驚いて言葉を飲む
アーサーが言う
「アーリィー…」
アールモンドが言う
「まだ分かンねぇのか?アーサー?今回は運良く 助かったが 次は そうは行かねぇぞっ!?」
アーサーが一瞬驚き表情を落とす
アールモンドが言う
「守るべき人間へ魔法を使う 狂ったウィザードから 魔法を使えねぇ お前らを 守るための法律だ …ここで使わねぇで 次を待って お前は野郎に 殺される気かよっ?アーサーっ?」
アーサーが言葉を失う
「…」
マリアが困り思う
(ど、どうしようっ?アールモンドさんの言う事は 正しいかもしれない…っ だけど…っ 私は…っ 私は…)
アールモンドが言う
「アーサー!」
マリアが思わずネックレスを握る
アーサーがアールモンドへ向いて言う
「ありがとう アーリィー?けど 俺は 訴えたりはしないよ?」
マリアが驚く
アールモンドが怒って言う
「ンでだよっ!?あんな庶民の 軟弱ウィザードが1人くれぇ居なくなった所でっ!この俺が その穴を埋めてやる!」
マリアがアールモンドを見る
アールモンドがアーサーへ言う
「けどっ お前がいなくなったらっ!?俺は 魔力が残ろうが戦えねぇ!…守るべき者の居ねぇ この世界を 守る理由なんか ねぇんだよ!」
マリアが呆気に取られる
アーサーが微笑して言う
「ありがとう アーリィー けど それは 俺も 同じだよ?」
アールモンドが疑問して言う
「あぁ?」
アーサーが言う
「俺は アーリィーの奉者で… 従者だって事は 知られていなくても この世界の殆どの人が アーリィーと俺の事を知ってる… だから その俺のせいで アーリィーの名声に 泥を塗りたくは 無いからね?」
マリアが気付いて思う
(そっか… そうだったんだ?だから…)
アーサーが言う
「アーリィーが守る この世界の人たちに これからも 俺のウィザード様である アーリィーが 世界一のウィザード様だって ずっと そう思っていて欲しいから!」
アールモンドが顔を逸らして言う
「…チッ ンだよ?俺は… 他の奴らの事なンか どぉだって良いっつってんのによっ」
アーサーが軽く笑って言う
「あははっ アーリィーってば?また そんな 思っても居ない事 言っちゃって?」
アールモンドが衝撃を受けて言う
「ンなんじゃねぇ!」
アーサーが軽く笑う マリアが2人のやり取りに微笑する
窓の外 マリアがメイドに見送られ門を出て行く
寝室
窓の外を見ていたアーサーが カーテンを閉めると言う
「アーリィー?今日も俺 1時間後に アーリィーを起こしに来た方が 良いかな?それとも 今日は午後の予定とかも無いから?」
アールモンドが気付いて言う
「午後の予定…?そういや 奉者協会への連絡って?」
アーサーが衝撃を受ける
アールモンドが言う
「取れねぇよな?さっき マリア奉者からの連絡が お前の携帯がぶっ壊れていたから 繋がらなかったって言ってたモンな?」
アーサーが困り苦笑で言う
「う、うん…っ ごめんね アーリィー?折角 アーリィーが 俺の為に用意してくれた 携帯電話だったのに たったの…」
アールモンドがアーサーの左手首を見て言う
「それに 腕時計もしてねぇ …ならソッチもって事か?」
アーサーが衝撃を受けて言う
「うぅ…っ 本当に ごめんなさいっ!どっちもアーリィーが用意してくれた とっても高価な物だったのに それを 俺 経ったの 1ヶ月足らずで壊しちゃうだなんて アーリィーはもちろん 旦那さまにも 俺 顔向けが出来ないっ」
アールモンドが言う
「お前が故意や不注意で 壊したって訳じゃねぇだろ?なら 気にすンな」
アーサーが言う
「アーリィー…」
アールモンドが言う
「それよか その2つがねぇンじゃ 困るンだろ?だったら…」
アーサーが言う
「うん だから俺 アーリィーがお昼寝をしている その間に 町へ行って 取りあえず携帯だけでも 買って来ようかと思ったんだけど」
アールモンドが言う
「待てよ?そのツラの怪我が治るまで 外へは出るなって言っただろ?」
アーサーが苦笑して言う
「うん そうだよね?それじゃ やっぱり その間は 俺 お屋敷の電話を 借りちゃおうかなぁ?ハミネさんか 誰かに頼めば 借りられると思うし?」
アールモンドが言う
「屋敷の連中にも見せるなって言っただろ?忘れたのかよ?」
アーサーが言う
「忘れてはいないよ アーリィー?ただ 俺 奉者協会への連絡は 急いだ方が良いと思うし」
アールモンドが言う
「…そうだな だったら こうすりゃ良い」
アールモンドがベッドサイドの電話の受話器を取ると つながった先へ言う
「…ああ 親父 悪ぃがまた 携帯と腕時計を用意してくれ 急ぎで頼む この間のはぶっ壊れちまったンだ」
アーサーが衝撃を受け 拝んで言う
「本当に ごめんなさい…っ」
アールモンドがアーサーを横目に受話器へ言う
「ああ… いや… その… …ちょっとした事故でな?」
アーサーが微笑して言う
「アーリィー…」
アールモンドが言う
「ああ… いや アーサーも俺も無事で 問題もねぇンだけど 携帯と腕時計はぶっ壊れちまって そいつは直す事も出来ねぇから 頼むわ… …そっか?1時間後くれぇに?ああ、それならコッチも丁度いい 助かったぜ それじゃ?」
アールモンドが受話器を置く アーサーが微笑して言う
「有難う アーリィー」
アールモンドが言う
「お前の為じゃねぇ 必要経費だろっ」
アーサーが言う
「そうじゃなくて 携帯や腕時計が壊れてしまった 理由を…」
アールモンドがブランケットを被って言う
「寝る!1時間後に 起こしに来い!アーサーっ!」
ブランケットが直して アーサーが言う
「うん それじゃ 俺 1時間後に 起こしに来るから!安心して眠ってね?アーリィー?」
アールモンドが言う
「…お、おう」
アーサーが微笑して部屋を出て行く
マキの部屋
TVでワイドショーがやっている キャスターが言う
『…イス村の魔力供給作業が予定されています そして 明日予定されていた アールモンド・レイモンド ウィザード様の公開灯魔作業は 昨日の発表に変わりはなく 中止である事が 奉者協会の報告会見にて』
マキが頭を抱えて言う
「あぁ~っ やっぱ 明日もダメなんだぁ~!?これでもう 今週の予定分は全部中止ジャーン!?1日の中止でも 奉者協会への抗議半端無かったって言うしっ!?それが一週間分だなんて…っ それもこれも全部っ!」
マキが横目に別の部屋を見て言う
「ウチのシュイのせいで…っ あぁーー!アタシ もう ソニアさんに顔向け出来ないよぉ~?あぁ~ 神様ぁ~!」
マキがテーブルに突っ伏す テーブルの上に置かれている携帯が着信して鳴る
マキが驚いて伏していた顔を跳ね上げて言う
「にゃぎゃあっ!?神様ぁっ!?」
マキが携帯を取ってディスプレイを見ると驚いて言う
「えっ!?あ… あ、あっ あっ!?」
ディスプレイにアーサーの名前が表示されている
マキが叫ぶ
「アーサーさんっ!?」
マキが慌てて言う
「どどどどっ どうしようっ!?アーサーさんからっ!?アーサーさんからっ 電話が来ちゃったあっ!?」
マキが困って言う
「うぅう~!正直言って 出たく無いぃ~!だって 何て謝ったら良いのか ワカンナイしぃっ!?そもそも 謝って済むモンじゃ無いしっ!?そりゃあ シュイの奉者として 謝らないとイケナイとは思ってたけどおっ!?まだ心の準備と言う物がっ!?け、けどぉ…っ」
マキが着信ボタンに指を向ける
マキが言う
「うぅうぅぅ~~~~~~…っ えいっ!た、大変 お待たせしましたぁあっ!こちらは…っ!」
携帯からアーサーの声がする
『あ、マキちゃん?俺 アーサーです 女の子の携帯に 急に連絡しちゃって ごめんなさい 今 少しお話しても大丈夫かなぁ?』
マキが感動して思う
(いつものアーサーさんだぁあ~~~!)
マキが言う
「はいっ!大丈夫です!それに こっちこそ!ごめんなさいっ アタシから電話…っ と言うより!アタシが直接行って アーサーさんに 謝らないといけなかったのに!それなのに アタシの方が 電話を貰っちゃうなんて…っ!」
アーサーが言う
『そんな事 気にしないでよ マキちゃん?それに!』
マキが言う
「アーサーさん…っ」
アーサーが言う
『マキちゃんが今来たら アーリィーが何をするか分からないし?俺も止める気 あんまり無いしぃ?』
マキが衝撃を受けて言う
「やっぱ2人とも メッチャ怒ってる感じデスカーー!?」
アーサーが軽く笑って言う
『あははっ …って言うのは冗談だから!安心して マキちゃん?』
マキが困惑して言う
「え?えぇっと…?」
アーサーが言う
『起きちゃった事は 仕方が無いから 今は それよりも』
マキが呆気に取られる
アーサーが言う
『次が起きない様にしないといけないから その為に 俺 マキちゃんに お願いがあって 連絡をしたのだけど 良いかなぁ?』
マキが言う
「ア、アタシに?」
マキが思う
(アーサーさんが アタシにお願い?アタシに出来る事なんて 何かあるっけ?)
アーサーが言う
『うん マキちゃんは シュイさんの奉者だから ひょっとして知ってるかな?シュイさんがどうして 俺を攻撃したのかを?』
マキが呆気に取られて言う
「へ?そ、それは…」
アーサーが言う
『俺は単純に 俺がアーリィーの従者だから シュイさんは アーリィーへ対する 敵対心で 俺を狙ったのだと思っていたのだけど 違うみたいだから?』
マキが思う
(違うみたい?ち… 違うの?アタシも てっきり… って言うか?アタシとしては そっちの理由なんかより シュイが死刑にされるかもって ソッチの事で 頭が一杯で…っ)
アーサーが言う
『だから 俺 マキちゃんなら 知ってるか 聞いてるのかなぁ?って 思ったんだけど もし分からなかったら それを聞いて置いてもらいたいのだけど お願いしても良いかなぁ?』
マキがハッとして慌てて言う
「は、はいっ!?もちろんですっ!?」
アーサーが言う
『良かったぁ 有難う マキちゃん!それじゃ よろしくね!』
マキが言う
「は、はいっ!お任せくださいっ!?」
通話が切れる
マキが間を置いて脱力して言う
「はぁ~… 何とか 終わったぁ~…」
マキがテーブルに突っ伏してから携帯のディスプレイを見る アーサーの名前の下に通話終了の文字がある
マキがもう一度息を吐くと ハッとして言う
「…で!?アタシっ!頼まれたんだっけっ!?アーサーさんから!?えっと…?」
マキが思う
(何でシュイが…?アーサーさんを…?)
マキが言う
「…攻撃したのか?それって… 確か アタシもシュイに 聞いた…?で…?… …何て言われたっけ?確か…?」
マキがシュイの真似をして言う
「『お前には関係ない』」
マキが頭を抱えて言う
「だったぁあ~!どーしよ~!?けど アーサーさんから 頼まれたんだからっ!?」
マキが意を決して立ち上がると言う
「シューーイーー!」
ドアが開き シュイが言う
「何だ?」
マキが衝撃を受けて言う
「にゃぎゃっ!?居たのっ!?」
シュイが言う
「今戻った所だが それに気付いて 呼んだのではなかったのか?」
シュイが部屋を後にする
マキがハッとして追いかけて言う
「それは気付かなかったけどぉー それより シュイー!」
シュイがキッチンの冷蔵庫から コーラを取り出して 飲んでから言う
「…何だ?さっきっから?」
マキが気付いて言う
「あっ!また コーラ何か飲んでー!?」
シュイが言う
「良いだろ?何を飲もうと」
マキが言う
「ウィザード様はー!紅茶か 果汁100%のジュースしか 飲まないんですー!」
シュイが立ち去って言う
「言ってろ…」
マキが言う
「もぉ!言ったって聞かないジャンー」
マキがシュイの置いて行ったコーラを冷蔵庫へ戻して追いかける
リビング
シュイが帽子と法衣を脱ぎ捨てて ソファへ座る マキがそれらを拾ってはたきながらハンガーに掛けて言う
「あぁっ!もうっ!だから いつも言ってんジャン!?ちゃんと掛けないと シワになっちゃうってー!」
シュイが魔石の指輪を弄りながら言う
「それは奉者の仕事だろう?」
マキが言う
「ムゥ~!それなら アタシが来るまで 待ってれば良いでしょぉー!?」
シュイが言う
「そのお前が遅いのが悪い…」
シュイが右手の指輪の感覚を確かめてから手を下げる
マキがシュイの目の前で言う
「もぉ…!」
シュイが言う
「…牛か?」
マキが衝撃を受けて言う
「ちがーうっ 怒ってるんですー!」
シュイが軽く笑う
「ふっ…」
マキが呆気に取られて思う
(アレ?今日は何か 機嫌が良いのかなぁ?…って?)
マキがハッとして言う
「あっ 忘れてたぁ!」
シュイが疑問する
マキがシュイへ向いて思う
(多分 この話すると シュイ… 機嫌悪くすると思うけど… しょうがないっ)
マキが言う
「シュイ!教えてっ!?」
シュイが疑問して言う
「何をだ?」
マキが言う
「シュイは… … …何で アーサーさんに魔法を使ったの?」
シュイが表情を険しくして言う
「また その話か…っ」
マキが言う
「理由があるんでしょ?なら教えてっ!?」
シュイが言う
「お前には関係ない それに その事ならばもう…」
マキが言う
「関係なくなんか無いでしょっ!?アタシはシュイの奉者なんだからっ!」
シュイが言う
「だからこそ お前の人脈を利用して マリア奉者の口止めを行った それだけだ」
マキが言う
「だったら 理由を教えて!?アタシの人脈で ソレをやったんだから!アタシに聞く権利だって あるでしょ!?」
シュイが言う
「聞かなくとも 出来たのだから良いだろう?」
シュイが立ち上がって寝室へ向かう
マキが衝撃を受けて言う
「それはそうだけど …って シュイっ!?」
シュイが言う
「寝る 吠えるな 静かにして居ろ」
マキが怒って言う
「アタシは 犬じゃないったらぁ!ちょっとお!?シュイーー!?」
シュイがドアを閉める
マキが脱力して言う
「コレだもん… はぁ~…」
マキが思う
(どーしよぉ~…?)
マキがうなだれて溜息を吐く
「到着ー!ここが アーモンドの従者と!ついでに アーモンドも居る お家の前だぞ!マリア!」
マリアがレイモンド邸を見て言う
「お家というよりも ここは お屋敷ですね?」
マリアが門へ近付き インターホンを押して考える
(アーサーさん… どうしたのかな?一番考えられるのは 体調が悪くて ずっとベッドで眠っているとか?けど アーサーさんには アールモンドさんが居るのだから 魔法で治して貰うだろうし?)
インターホンからメイドの声がする
『こちらのお屋敷はレイモンド邸で御座います 当方へ御用でしょうか?』
マリアがハッとして言う
「あ、はいっ!私は マリア・シュテーゲルと申しますっ!こちらに ア…っ!?」
マリアが思う
(ア…?あれ!?アーサーさん…?アーサーさんってっ?先のお名前 何て言うんだろうっ!?)
マリアがハッとして言う
「ア… アーサー奉者は居りますでしょうか!?私っ 彼と同じ 奉者協会のマリア奉者ですっ!」
マリアが思う
(奉者としての用件が ある訳では無いんだけど…)
インターホンからメイドの声がする
『かしこまりました ただいま迎えの者が参りますので 少々お待ちください』
マリアがホッと胸をなでおろす
レイが言う
「俺はマリアが アーモンドの従者の所へ 連れてって欲しいって言うから ここまで来たけどさ?」
マリアが言う
「あ、はいっ ありがとうございます!ウィザードさま!」
レイが言う
「礼には及ばないよ マリア!それじゃ 俺は先に帰ってるから」
マリアが呆気に取られて言う
「え…?」
レイが言う
「アーモンドの従者への用が終わったら また呼ぶんだぞ?そしたら 迎えに来るからな!じゃ マリア 行ってらっしゃいだな?」
マリアが呆気に取られたまま言う
「あ… はい ありがとうございます …行ってきます?」
レイが風に消える マリアが思う
(…あれ?何だか意外?ウィザードさまが?…てっきり 私と一緒に来てくれるものかと?)
ハミネが門を開けて言う
「お待たせを致してしまい 申し訳ございませんでした どうぞお入り下さいませ」
アールモンドの部屋 前
ハミネがドアの前に立ち止まると言う
「アーサー奉者様は こちらのお部屋に… 居らっしゃる筈です」
マリアが疑問して言う
「え?居らっしゃる …筈?」
ハミネがドアをノックして言う
「し、失礼いたしますっ ウィザード様…っ あの…っ 奉者協会の方がっ!?」
マリアがギクッと反応して思う
(あ…っ 確かに 私 奉者ではあるけどっ 今日の要件は 奉者とか奉者協会とかは 関係なくて どちらかと言うと…っ 私の個人的な用であって…っ)
室内からアーサーの声が聞こえる
「ハミネさん?」
マリアがハッとして思う
(アーサーさんの声!)
ハミネが表情を明るめて言う
「はいっ アーサー様!マリア・シュテーゲル奉者様がっ アーサー様へ お会いしたいとの事なのですがっ!?」
マリアが衝撃を受けて思う
(うっ… そ、そうですっ 私が… 奉者としてではないですが アーサーさんと お話をしたくて…っ)
室内から アーサーの声が聞こえる
「え?マリアちゃんが?あぁ ごめんなさい 俺の方が 行かないといけなかったのに 今 開けます」
ドアが内側に開き アーサーの声がする
「どうぞ お入り下さい!」
マリアが疑問する
マリアが開かれたドアの先を見ると 部屋の中に居るアールモンドが顔を向けて言う
「…だよな?やっぱ アンタ1人か?」
アーサーの驚いた声がする
「そうなのぉっ!?」
マリアが疑問しつつ言う
「え?あ はい 私1人ですが…?」
マリアが思う
(アーサーさんは…?)
マリアがドアを見て思う
(さっきの声からして 多分 このドアの後ろに…?)
アールモンドが言う
「まぁ良いだろ?サッサと入れよ?」
アーサーの驚いた声がする
「え!?良いのっ!?アーリィーっ!?」
アールモンドがドアの後ろへ視線を向けて言う
「なら 追い返せっつーのかよ?」
マリアがアールモンドの視線を見て思う
(やっぱり このドアの向こうに…?)
マリアがドアの後ろを覗き込もうとする
アーサーの声が聞こえる
「そうは言わないけど…っ マリアちゃんは女性だし こっちはアーリィーも 俺も…っ」
マリアが反応して思う
(言われてみれば?アーサーさんも アールモンドさんも 男性だからって?私… その辺りは考えていなかったかも…?でも、それは今も同じで?むしろ それ以上に 私が気になるのは…)
マリアが再びドアの後ろを覗こうとする
アールモンドが言う
「…てぇ事だ 分かったら サッサと入れ …で、お前はもう良いっ 用が済んだならサッサと行けよっ!」
ハミネがハッとして言う
「は、はいっ 失礼致しましたっ!」
ハミネが足早に立ち去る
アールモンドがハミネが去った方を見て息を吐くと マリアを見てから言う
「…で?アンタの用は アーサーへか?なら、アンタへは 借りがあっからな?俺に席を外せってぇなら?」
マリアがハッとして言う
「あ、いえっ?特に その様な お気遣いは…?」
ドアの閉まる音に続き アーサーの声がする
「アーリィーに席を外されたら 多分 俺の方が持たないよ?アーリィー」
マリアがギクッとして思う
(えっ!?”お気遣いは要りません” って 言おうと思って居たのだけど…っ?『俺の方が持たない』って?それは 一体 どう言う――っ!?)
マリアが後方へ振り返り そこに居るアーサーを見ると驚いて言う
「――って!?アーサーさんっ!?」
マリアの視線の先 口角にはガーゼ 右目には包帯が巻かれ 青あざの見えるアーサーが 苦笑して言う
「今 ちょっとの間だけ アーリィーから離れて ドアを開けに行っただけなのに 俺 何だか また ふわふわして来ちゃったみたいだし…?」
アーサーが歩き始めると バランスを崩しそうになる
マリアが慌てて支えようとして言う
「アーサーさんっ!?」
アールモンドが叫ぶ
「触るなっ!」
マリアがハッとして手を引く アーサーが自力で身を支える
アールモンドが言う
「マリア奉者 悪ぃが アーサーから離れてやってくれ 本人は居なくても アンタの身体には アークの強力な魔力がある」
マリアがハッとして思う
(私にある ウィザードさまの魔力がっ?)
マリアがアーサーを見ると アーサーが苦しそうな息遣いをしている
アールモンドが言う
「今のアーサーじゃ ソイツでも食らっちまうンだろ… おいっ アーサー 隣に座れ 俺の近くに居りゃ 残留魔力程度にゃ負けねぇよ」
アーサーがアールモンドへ顔を上げると言う
「うん…っ アーリィー… はぁ… はぁ…っ」
マリアがアーサーから距離を置くと アーサーがアールモンドの下へ向かう
マリアがアーサーを見て気付いて思う
(顔の外にも あざが?…歩き方も 苦しいだけじゃなくて 身体の痛みが あるみたいだし?)
マリアが言う
「あの…っ アーサーさんっ!?」
アーサーがアールモンドの隣へ座ると息を整えて言う
「あ… ホントだ 楽になったよ ありがと アーリィー それに ごめんね マリアちゃん?俺 自分の事なのに よく分かって居なくて?」
マリアが言う
「い、いえっ 私も 知らなくて ごめんなさいっ それで その…っ アーサーさんの その怪我はっ!?」
アーサーが言う
「ああ、この怪我はね?大した怪我じゃ無いから?気にしないで?」
マリアが衝撃を受けて言う
「どう見ても大怪我ですよね!?気にしないなんて無理です!それにっ!?」
マリアが思う
(この3日間 電話に出られなかったのも もしかして その怪我のせいなんじゃ…っ!?)
アールモンドが言う
「…なら 順を追って話すからよ?取りあえず 座ったらどうだ?」
マリアがハッとする
アーサーが言う
「ごめんね?マリアちゃん お客様に立たせて 俺が先に… 俺 気の利かない奴で…」
マリアが言う
「そんな大怪我で言わないで下さいっ むしろ ベッドに寝ていた方が 良いのでは…っ!?」
アーサーが苦笑して言う
「ありがとう マリアちゃん けど もう 大丈夫 今日やっと動ける様になったから 今は少しでも動きたいんだ?」
マリアが思う
(やっぱり今日まで寝てたんですねっ)
マリアが向かいのソファに腰かける
アールモンドが言う
「…おい アーサー」
アーサーが言う
「なあに?アーリィー?」
アールモンドが言う
「客が来たンだ?茶ぐれぇ出せよ?」
マリアが衝撃を受けて言う
「えっ!?」
アーサーがハッとして言う
「あ、そうだったね?ごめーん アーリィー?」
アーサーが立ち上がる
マリアが慌てて言う
「ま、待って下さいっ!?アーサーさんは 怪我をしていてっ!?」
アールモンドが言う
「怪我と言っても 骨折は治してやったから 茶ぐれぇ出せンだろ?で?何が良い?」
マリアが慌てて言う
「そういう問題ではなくてですね!?」
アーサーがティーセットをテーブルへ運んで来て疑問する
アールモンドが言う
「紅茶で良いのかよ?他にも有るっちゃぁ有るだろうが…?」
アーサーが言う
「そう言えば 給湯室に お客様用のコーヒーセットが有るんだけど?マリアちゃんはそっちの方が 良いのかな?」
マリアが言う
「あのっ そう言う事よりっ!?」
アールモンドが言う
「コーヒーなンか お前淹れた事あンのかよ アーサー?」
アーサーが言う
「ううん?見た事があるだけで 触った事も無いんだけど 多分 何とかなるんじゃないかな?この時間なら 誰も居ないと思うし サッと行って来れば大丈夫!だから心配はいらないよ!マリアちゃん?」
マリアが言う
「そっちの心配では無くてですね!?」
アールモンドが言う
「いや 俺の方から言っといて悪ぃが マリア奉者」
マリアが思う
(そうですよね?いくら何でも このアーサーさんに…)
アールモンドが言う
「飲み物はやっぱ 紅茶か水にしろ アーサーは初めてやる事は ぜってぇに失敗する コーヒーは諦めろ」
マリアが言う
「ですからっ!?」
アーサーが慌てて言う
「そんな事無いよっ?アーリィーっ?俺 出来なくても頑張るよ!ちゃんと飲める物を用意して 戻って来るからっ!」
アールモンドが言う
「何時になるか分からねぇ」
アーサーが衝撃を受けて言う
「酷いっ!」
マリアが苦笑して言う
「…紅茶でお願いします」
アーサーが言う
「マリアちゃんまでっ!?」
アールモンドが言う
「本題が進まねぇっつてんだろ?取りあえず 紅茶で良いってぇンだ サッサと入れろよ アーサー?」
アーサー気付いて言う
「あっ そうだね?ごめーん マリアちゃん?」
マリアが苦笑して言う
「い、いいえ…?」
マリアが思う
(本当はその通りなんだけど… 取りあえず お茶は 紅茶でもコーヒーでも… 水でも何でも良かったから とにかく …今日こそ 話を…)
アーサーが紅茶の準備を終えて アールモンドの前へ置くと 間を置いて疑問して言う
「あれ?アーリィー?魔法は?」
アールモンドが言う
「魔法は… 今日は掛けられねぇな?」
マリアが気付いて言う
「あ、ごめんなさいっ お紅茶 私の分は良いのでっ」
アールモンドが言う
「そうは行かねぇ… から …おい アーサー!先にマリア奉者へ注いでやれ」
アーサーが気付いて言う
「あ、そうだね?それなら!」
アーサーがティーポットを持ち 軽く中身を回す様にしてから ティーカップへ注ぎ マリアの前に置いて言う
「あっ お砂糖とか ミルクとか 何か必要だったかな?それなら すぐに取って来られるから?」
アーサーが席を立とうとする
マリアがハッとして言う
「い、いえっ!?大丈夫です!ス、ストレートでっ!?」
アーサーが言う
「そお?別に 遠慮してくれなくても それ位大丈夫だけど?」
マリアが言う
「いえっ!?本当に…っ それよりもっ」
マリアが思う
(大怪我をしているアーサーさんには 動かないで貰いたいから…っ)
アールモンドがティーポットの上で軽く指を回す ポットの中から小さくポンッと音が鳴る
アールモンドが言う
「もう茶葉が開いちまった後だから 味は変わらねぇだろうが… ほらよ?」
アールモンドが紅茶を注いで アーサーの前に置く
アーサーが言う
「そうなんだ?でも ありがと!アーリィー!」
マリアが見つめる先 アールモンドが自分の分を注いでから一口飲む
アーサーがそれを確認して 自分も一口飲んでから言う
「あ、ホントに!?いつもと味が違うね!アーリィー?」
アールモンドが言う
「ああ やっぱ不味ぃな?後は やるから 全部飲めよ アーサー?」
マリアが衝撃を受けて思う
(自分は不味と言って置きながら 後は全部飲めってっ!?)
アーサーが言う
「ありがと アーリィー 何時もよりは 確かにちょっと味は落ちるけど それでも十分美味しいよ?」
アーサーが言うと共に紅茶を飲み干して ポットの残りを注ぐ
アールモンドがマリアを見ていて言う
「…で?」
マリアがハッとして言う
「あっ はいっ その…っ」
マリアがアーサーを見る アーサーが紅茶を飲んで居て マリアの視線に気付くと疑問する
マリアが思わずハッと視線を逸らすと アーサーが言う
「ん?俺が何か?」
マリアが言う
「あの…っ」
アールモンドがマリアの様子に言う
「…あぁ そう言やぁ 怪我の理由を話すっつったっけな?」
マリアがハッとして言う
「あ、はいっ!」
マリアが思う
(本題とは違うけど アーサーさんの この怪我に理由は 気になるから 先に…?)
アールモンドが言う
「3日前に アンタへやったのと同じだ …野郎の雷の魔法を相殺させる為に 俺が対極の土属性の攻撃魔法を アーサーへ掛けてやらなけりゃならなかった」
マリアが言う
「でも それなら?ウィザードさまの様に?私のウィザードさまが あの時 私にして下さった様に 魔法で 怪我は治せるんじゃ?」
アールモンドが言う
「もちろん 攻撃魔法を終えた後 直ぐに活性魔法は掛けたが…」
アーサーが苦笑して言う
「俺 短期間に 沢山の魔法を受けちゃったからね?身体が 魔法を受け付けないらしくって?」
マリアが言う
「身体が魔法を 受け付けない?」
アールモンドが言う
「アーサーは従者だが 魔力者じゃねぇ… 魔法に対する抵抗力がねぇ奴には 活性魔法だって 負担になっちまう そもそも活性魔法ってぇのは 身体の細胞分裂を速める魔法だからよ?魔力そのものとは違って 攻撃魔法と同じく 身体へ負担を与えちまう」
アーサーが言う
「だから今は 魔法の力は借りずに 自然のスピードで治しているって事かな?薬も使ってないから 治りは遅そうだけど これが普通だしね? あははっ あ、痛っ イタタ…」
アーサーが口角のガーゼを押さえて苦笑する
アールモンドが紅茶を手に言う
「ウィザード様に仕える奉者だってぇのに ンなツラじゃ人前に出せやしねぇ…」
アーサーが言う
「ごめーん アーリィー?」
マリアが苦笑してから思う
(そうだったんだ… 私の時は 右手首から先だけで それも ほんの少しの間だけで済んだから 回復も含めて全てが 一瞬の事だったけど アーサーさんは…)
マリアが表情を落とす アーサーがマリアの様子を見て 紅茶を飲む
アールモンドが息を吐くと言う
「…で?そろそろ言う気には なったかよ?」
マリアがハッとする
アーサーが言う
「あ、そうだった ごめーん マリアちゃん わざわざ お屋敷にまで訪ねてもらったのに こっちの話ばかりしちゃったよね?」
マリアが言う
「あっ いえっ!?聞きたいと言ったのは私ですしっ!それに…っ」
マリアが思う
(あぁ… ただでさえ言い辛かった話なのに… アーサーさんの その怪我を 見ながらだなんて 余計に言い辛い… …けどっ 私っ もう言うってっ!今日こそ 言うって 決めて来たんだからっ!!――言おうっ!)
マリアが意を決して言う
「ごめんなさいっ!アーサーさんっ!」
アーサーが驚いて言う
「何がっ!?」
マリアが言う
「その…っ また 辛い事を 思い出させてしまうかも 知れないのですが…っ その怪我を負う事になった そもそもの…っ 理由の方なんですが…」
アーサーが言う
「そもそもの… あ、うん そうだね?俺も それは ずっと考えては居るのだけど」
マリアがハッとして思う
(ずっと考えて居る?それじゃ…っ!?やっぱり!?まさかっ!?)
マリアが表情を強めて言う
「私はっ!!」
アーサーが言う
「俺 何かしちゃったのかなぁ?って?」
マリアが衝撃を受けて言う
「えっ!?アーサーさんが?」
アーサーが言う
「ん?マリアちゃんは?」
マリアが思う
(どう言う… 事…?)
アーサーが言う
「えーっと…?」
アールモンドが欠伸をする
マリアが思う
(理由…?そう言えば?)
マリアが言う
「私… 私は勝手に "今回の事の" そもそもの理由と言うのは…」
マリアがアールモンドを見る
アーサーがマリアの視線に言う
「アーリィーは 何も そんな理由になる様な事は していないよ?だから理由があるとしたら 俺なのかなぁ?って思うんだけど いくら考えても思い付かなくって?」
マリアが思う
(私はてっきり シュイさんがアールモンドさんへ ウィザードとして戦いの様なものを しようとしたのかなって?そんな風に考えちゃったのだけど…)
アーサーが言う
「因みに マリアちゃんは?マキちゃんと…」
マリアがハッとして思う
(そっか?それなら シュイさんの奉者である マキに…っ!)
アーサーが言う
「今回の事を 電話か何かで 話したりとか… しているのかな?だとしたら その辺りの事を 何か聞いていたりとかは?」
マリアが言う
「あのっ 私 確かに マキと今回の事で 電話で話をしたのですが…っ 私も マキも シュイさんが 極刑に―― 死刑にされてしまうって その事ばかりで 元々の理由とかって事は考えては… でも、そうですね?マキに 一度!?」
アールモンドがマリアへ言う
「それで?理由とやらが 分かったら?それで どうしようってぇンだよ?」
マリアが呆気に取られて言う
「…え?どうって?それは…?」
マリアが思う
(その理由を 改善したら 良いんじゃ…?)
アーサーが言う
「俺に 理由があるのなら 出来る限りの改善をするか 後は… 誠心誠意 謝るしかないかなぁ?」
マリアがアーサーの顔を見て思う
(アーサーさんは シュイさんに謝ってでも 関係の改善を考えているのね?…それならっ!?)
マリアが言う
「あのっ!?でしたら アーサーさんはっ!?」
アーサーが言う
「うん?俺は?」
マリアが言う
「シュイさんを 死刑にしたいとは 本当に思っては いないんですかっ!?」
アーサーが一瞬呆気に取られた後 苦笑して言う
「もちろんだよ マリアちゃん?あれ?俺 この間の時も 言わなかったかなぁ?」
マリアが言う
「それは…っ 確かに聞きました…っ けど…っ 私 心配で…っ 電話も繋がらなかったし…っ」
アーサーが衝撃を受けて言う
「あっ それは…っ ごめんね?俺の携帯 壊れちゃってて…っ」
マリアが言う
「携帯が壊れて?それじゃ それだけで?本当に?本当に…っ シュイさんを訴える事は…?」
アーサーが苦笑して言う
「だから 何度聞かれても それはしないから マリアちゃん安心して?大体そんな事 する筈が無いじゃない?シュイさんは ウィザード様なんだから?」
マリアが思う
(そう… それは 私も… 心の何処かで きっと…)
アーサーが言う
「世界を救える ウィザードである シュイさんの命と ただの人間である 俺の命じゃ 比べ物にならないよ?だから…」
マリアが思う
(私も 同じ様に… 思っていた事…)
アールモンドが怒って言う
「ざけんなっ!」
マリアとアーサーが驚いて言葉を止める
アールモンドが言う
「お前の命よか 野郎の命が大切だってぇのか?冗談じゃねぇっ!」
アーサーが言う
「アーリィー… けど それは事実だし 俺は 魔法も使えないし 灯魔作業も出来ない 普通の人間だから ウィザードである 彼の命の方が 大切だと言うのは 誰に聞いても…」
アールモンドが言う
「その普通の人間を守る為の力で 野郎は人を殺そうとしたんじゃねぇか?しかも お前が本当に普通の人間だったなら 助かっちゃ居なかった… お前は俺の従者だから 助かったンだぞっ アーサー!」
アーサーが言う
「う、うん… けど…」
マリアが言う
「従者だから… では やっぱり 理由は アーサーさんが アールモンドさんの従者だから?それで シュイさんは アールモンドさんの力を高めている 従者のアーサーさんを… 狙ったんじゃ…?」
マリアが思う
(やっぱり この理由が 一番しっくりすると思う… だって他に?ウィザードであるシュイさんが それこそ"普通の人間である"アーサーさんを 狙う理由なんて?)
アーサーが言う
「けど マリアちゃん?俺は 確かにアーリィーの従者だけど 魔力は もう全部アーリィーにあげちゃったから その俺を始末しても アーリィーの魔力に変化は無いんだよ?」
マリアが呆気に取られて言う
「…え?」
アーサーが言う
「ね?だとしたら やっぱり 理由になるものは アーリィーには無いんだ だから 他にあるとしたら」
アールモンドが言う
「野郎は お前の命を狙って来たンだぜ アーサー?もし そこに理由があるとすりゃ 相応の事なンだろ?なら逆に そこまでの理由を 命無しで 償えるってぇのか?少なくとも 俺にはそうは思えねぇな?」
アーサーが困って言う
「うん… それは… 確かにそうなのかも しれないけれど… だとしても 何か方法を見付けないと?それに… その為にも 先ずはシュイさんから 理由を聞いて」
アールモンドが言う
「殺してぇほど恨んでる奴に 理由を聞かれて タダで教えるかよっ?」
アーサーが困って言う
「そう… だね…?」
マリアが言う
「そんなっ!?まだ聞いても居ないのにっ!?それに…っ!?」
マリアが思う
(アーサーさんは 改善方法を探しているのに その人へ対して そんな言い方をしなくてもっ!?)
アールモンドが言う
「だから その為の法律なンだろうがよ?”魔力者共存法”ってぇのは?」
マリアが驚いて言葉を飲む
アーサーが言う
「アーリィー…」
アールモンドが言う
「まだ分かンねぇのか?アーサー?今回は運良く 助かったが 次は そうは行かねぇぞっ!?」
アーサーが一瞬驚き表情を落とす
アールモンドが言う
「守るべき人間へ魔法を使う 狂ったウィザードから 魔法を使えねぇ お前らを 守るための法律だ …ここで使わねぇで 次を待って お前は野郎に 殺される気かよっ?アーサーっ?」
アーサーが言葉を失う
「…」
マリアが困り思う
(ど、どうしようっ?アールモンドさんの言う事は 正しいかもしれない…っ だけど…っ 私は…っ 私は…)
アールモンドが言う
「アーサー!」
マリアが思わずネックレスを握る
アーサーがアールモンドへ向いて言う
「ありがとう アーリィー?けど 俺は 訴えたりはしないよ?」
マリアが驚く
アールモンドが怒って言う
「ンでだよっ!?あんな庶民の 軟弱ウィザードが1人くれぇ居なくなった所でっ!この俺が その穴を埋めてやる!」
マリアがアールモンドを見る
アールモンドがアーサーへ言う
「けどっ お前がいなくなったらっ!?俺は 魔力が残ろうが戦えねぇ!…守るべき者の居ねぇ この世界を 守る理由なんか ねぇんだよ!」
マリアが呆気に取られる
アーサーが微笑して言う
「ありがとう アーリィー けど それは 俺も 同じだよ?」
アールモンドが疑問して言う
「あぁ?」
アーサーが言う
「俺は アーリィーの奉者で… 従者だって事は 知られていなくても この世界の殆どの人が アーリィーと俺の事を知ってる… だから その俺のせいで アーリィーの名声に 泥を塗りたくは 無いからね?」
マリアが気付いて思う
(そっか… そうだったんだ?だから…)
アーサーが言う
「アーリィーが守る この世界の人たちに これからも 俺のウィザード様である アーリィーが 世界一のウィザード様だって ずっと そう思っていて欲しいから!」
アールモンドが顔を逸らして言う
「…チッ ンだよ?俺は… 他の奴らの事なンか どぉだって良いっつってんのによっ」
アーサーが軽く笑って言う
「あははっ アーリィーってば?また そんな 思っても居ない事 言っちゃって?」
アールモンドが衝撃を受けて言う
「ンなんじゃねぇ!」
アーサーが軽く笑う マリアが2人のやり取りに微笑する
窓の外 マリアがメイドに見送られ門を出て行く
寝室
窓の外を見ていたアーサーが カーテンを閉めると言う
「アーリィー?今日も俺 1時間後に アーリィーを起こしに来た方が 良いかな?それとも 今日は午後の予定とかも無いから?」
アールモンドが気付いて言う
「午後の予定…?そういや 奉者協会への連絡って?」
アーサーが衝撃を受ける
アールモンドが言う
「取れねぇよな?さっき マリア奉者からの連絡が お前の携帯がぶっ壊れていたから 繋がらなかったって言ってたモンな?」
アーサーが困り苦笑で言う
「う、うん…っ ごめんね アーリィー?折角 アーリィーが 俺の為に用意してくれた 携帯電話だったのに たったの…」
アールモンドがアーサーの左手首を見て言う
「それに 腕時計もしてねぇ …ならソッチもって事か?」
アーサーが衝撃を受けて言う
「うぅ…っ 本当に ごめんなさいっ!どっちもアーリィーが用意してくれた とっても高価な物だったのに それを 俺 経ったの 1ヶ月足らずで壊しちゃうだなんて アーリィーはもちろん 旦那さまにも 俺 顔向けが出来ないっ」
アールモンドが言う
「お前が故意や不注意で 壊したって訳じゃねぇだろ?なら 気にすンな」
アーサーが言う
「アーリィー…」
アールモンドが言う
「それよか その2つがねぇンじゃ 困るンだろ?だったら…」
アーサーが言う
「うん だから俺 アーリィーがお昼寝をしている その間に 町へ行って 取りあえず携帯だけでも 買って来ようかと思ったんだけど」
アールモンドが言う
「待てよ?そのツラの怪我が治るまで 外へは出るなって言っただろ?」
アーサーが苦笑して言う
「うん そうだよね?それじゃ やっぱり その間は 俺 お屋敷の電話を 借りちゃおうかなぁ?ハミネさんか 誰かに頼めば 借りられると思うし?」
アールモンドが言う
「屋敷の連中にも見せるなって言っただろ?忘れたのかよ?」
アーサーが言う
「忘れてはいないよ アーリィー?ただ 俺 奉者協会への連絡は 急いだ方が良いと思うし」
アールモンドが言う
「…そうだな だったら こうすりゃ良い」
アールモンドがベッドサイドの電話の受話器を取ると つながった先へ言う
「…ああ 親父 悪ぃがまた 携帯と腕時計を用意してくれ 急ぎで頼む この間のはぶっ壊れちまったンだ」
アーサーが衝撃を受け 拝んで言う
「本当に ごめんなさい…っ」
アールモンドがアーサーを横目に受話器へ言う
「ああ… いや… その… …ちょっとした事故でな?」
アーサーが微笑して言う
「アーリィー…」
アールモンドが言う
「ああ… いや アーサーも俺も無事で 問題もねぇンだけど 携帯と腕時計はぶっ壊れちまって そいつは直す事も出来ねぇから 頼むわ… …そっか?1時間後くれぇに?ああ、それならコッチも丁度いい 助かったぜ それじゃ?」
アールモンドが受話器を置く アーサーが微笑して言う
「有難う アーリィー」
アールモンドが言う
「お前の為じゃねぇ 必要経費だろっ」
アーサーが言う
「そうじゃなくて 携帯や腕時計が壊れてしまった 理由を…」
アールモンドがブランケットを被って言う
「寝る!1時間後に 起こしに来い!アーサーっ!」
ブランケットが直して アーサーが言う
「うん それじゃ 俺 1時間後に 起こしに来るから!安心して眠ってね?アーリィー?」
アールモンドが言う
「…お、おう」
アーサーが微笑して部屋を出て行く
マキの部屋
TVでワイドショーがやっている キャスターが言う
『…イス村の魔力供給作業が予定されています そして 明日予定されていた アールモンド・レイモンド ウィザード様の公開灯魔作業は 昨日の発表に変わりはなく 中止である事が 奉者協会の報告会見にて』
マキが頭を抱えて言う
「あぁ~っ やっぱ 明日もダメなんだぁ~!?これでもう 今週の予定分は全部中止ジャーン!?1日の中止でも 奉者協会への抗議半端無かったって言うしっ!?それが一週間分だなんて…っ それもこれも全部っ!」
マキが横目に別の部屋を見て言う
「ウチのシュイのせいで…っ あぁーー!アタシ もう ソニアさんに顔向け出来ないよぉ~?あぁ~ 神様ぁ~!」
マキがテーブルに突っ伏す テーブルの上に置かれている携帯が着信して鳴る
マキが驚いて伏していた顔を跳ね上げて言う
「にゃぎゃあっ!?神様ぁっ!?」
マキが携帯を取ってディスプレイを見ると驚いて言う
「えっ!?あ… あ、あっ あっ!?」
ディスプレイにアーサーの名前が表示されている
マキが叫ぶ
「アーサーさんっ!?」
マキが慌てて言う
「どどどどっ どうしようっ!?アーサーさんからっ!?アーサーさんからっ 電話が来ちゃったあっ!?」
マキが困って言う
「うぅう~!正直言って 出たく無いぃ~!だって 何て謝ったら良いのか ワカンナイしぃっ!?そもそも 謝って済むモンじゃ無いしっ!?そりゃあ シュイの奉者として 謝らないとイケナイとは思ってたけどおっ!?まだ心の準備と言う物がっ!?け、けどぉ…っ」
マキが着信ボタンに指を向ける
マキが言う
「うぅうぅぅ~~~~~~…っ えいっ!た、大変 お待たせしましたぁあっ!こちらは…っ!」
携帯からアーサーの声がする
『あ、マキちゃん?俺 アーサーです 女の子の携帯に 急に連絡しちゃって ごめんなさい 今 少しお話しても大丈夫かなぁ?』
マキが感動して思う
(いつものアーサーさんだぁあ~~~!)
マキが言う
「はいっ!大丈夫です!それに こっちこそ!ごめんなさいっ アタシから電話…っ と言うより!アタシが直接行って アーサーさんに 謝らないといけなかったのに!それなのに アタシの方が 電話を貰っちゃうなんて…っ!」
アーサーが言う
『そんな事 気にしないでよ マキちゃん?それに!』
マキが言う
「アーサーさん…っ」
アーサーが言う
『マキちゃんが今来たら アーリィーが何をするか分からないし?俺も止める気 あんまり無いしぃ?』
マキが衝撃を受けて言う
「やっぱ2人とも メッチャ怒ってる感じデスカーー!?」
アーサーが軽く笑って言う
『あははっ …って言うのは冗談だから!安心して マキちゃん?』
マキが困惑して言う
「え?えぇっと…?」
アーサーが言う
『起きちゃった事は 仕方が無いから 今は それよりも』
マキが呆気に取られる
アーサーが言う
『次が起きない様にしないといけないから その為に 俺 マキちゃんに お願いがあって 連絡をしたのだけど 良いかなぁ?』
マキが言う
「ア、アタシに?」
マキが思う
(アーサーさんが アタシにお願い?アタシに出来る事なんて 何かあるっけ?)
アーサーが言う
『うん マキちゃんは シュイさんの奉者だから ひょっとして知ってるかな?シュイさんがどうして 俺を攻撃したのかを?』
マキが呆気に取られて言う
「へ?そ、それは…」
アーサーが言う
『俺は単純に 俺がアーリィーの従者だから シュイさんは アーリィーへ対する 敵対心で 俺を狙ったのだと思っていたのだけど 違うみたいだから?』
マキが思う
(違うみたい?ち… 違うの?アタシも てっきり… って言うか?アタシとしては そっちの理由なんかより シュイが死刑にされるかもって ソッチの事で 頭が一杯で…っ)
アーサーが言う
『だから 俺 マキちゃんなら 知ってるか 聞いてるのかなぁ?って 思ったんだけど もし分からなかったら それを聞いて置いてもらいたいのだけど お願いしても良いかなぁ?』
マキがハッとして慌てて言う
「は、はいっ!?もちろんですっ!?」
アーサーが言う
『良かったぁ 有難う マキちゃん!それじゃ よろしくね!』
マキが言う
「は、はいっ!お任せくださいっ!?」
通話が切れる
マキが間を置いて脱力して言う
「はぁ~… 何とか 終わったぁ~…」
マキがテーブルに突っ伏してから携帯のディスプレイを見る アーサーの名前の下に通話終了の文字がある
マキがもう一度息を吐くと ハッとして言う
「…で!?アタシっ!頼まれたんだっけっ!?アーサーさんから!?えっと…?」
マキが思う
(何でシュイが…?アーサーさんを…?)
マキが言う
「…攻撃したのか?それって… 確か アタシもシュイに 聞いた…?で…?… …何て言われたっけ?確か…?」
マキがシュイの真似をして言う
「『お前には関係ない』」
マキが頭を抱えて言う
「だったぁあ~!どーしよ~!?けど アーサーさんから 頼まれたんだからっ!?」
マキが意を決して立ち上がると言う
「シューーイーー!」
ドアが開き シュイが言う
「何だ?」
マキが衝撃を受けて言う
「にゃぎゃっ!?居たのっ!?」
シュイが言う
「今戻った所だが それに気付いて 呼んだのではなかったのか?」
シュイが部屋を後にする
マキがハッとして追いかけて言う
「それは気付かなかったけどぉー それより シュイー!」
シュイがキッチンの冷蔵庫から コーラを取り出して 飲んでから言う
「…何だ?さっきっから?」
マキが気付いて言う
「あっ!また コーラ何か飲んでー!?」
シュイが言う
「良いだろ?何を飲もうと」
マキが言う
「ウィザード様はー!紅茶か 果汁100%のジュースしか 飲まないんですー!」
シュイが立ち去って言う
「言ってろ…」
マキが言う
「もぉ!言ったって聞かないジャンー」
マキがシュイの置いて行ったコーラを冷蔵庫へ戻して追いかける
リビング
シュイが帽子と法衣を脱ぎ捨てて ソファへ座る マキがそれらを拾ってはたきながらハンガーに掛けて言う
「あぁっ!もうっ!だから いつも言ってんジャン!?ちゃんと掛けないと シワになっちゃうってー!」
シュイが魔石の指輪を弄りながら言う
「それは奉者の仕事だろう?」
マキが言う
「ムゥ~!それなら アタシが来るまで 待ってれば良いでしょぉー!?」
シュイが言う
「そのお前が遅いのが悪い…」
シュイが右手の指輪の感覚を確かめてから手を下げる
マキがシュイの目の前で言う
「もぉ…!」
シュイが言う
「…牛か?」
マキが衝撃を受けて言う
「ちがーうっ 怒ってるんですー!」
シュイが軽く笑う
「ふっ…」
マキが呆気に取られて思う
(アレ?今日は何か 機嫌が良いのかなぁ?…って?)
マキがハッとして言う
「あっ 忘れてたぁ!」
シュイが疑問する
マキがシュイへ向いて思う
(多分 この話すると シュイ… 機嫌悪くすると思うけど… しょうがないっ)
マキが言う
「シュイ!教えてっ!?」
シュイが疑問して言う
「何をだ?」
マキが言う
「シュイは… … …何で アーサーさんに魔法を使ったの?」
シュイが表情を険しくして言う
「また その話か…っ」
マキが言う
「理由があるんでしょ?なら教えてっ!?」
シュイが言う
「お前には関係ない それに その事ならばもう…」
マキが言う
「関係なくなんか無いでしょっ!?アタシはシュイの奉者なんだからっ!」
シュイが言う
「だからこそ お前の人脈を利用して マリア奉者の口止めを行った それだけだ」
マキが言う
「だったら 理由を教えて!?アタシの人脈で ソレをやったんだから!アタシに聞く権利だって あるでしょ!?」
シュイが言う
「聞かなくとも 出来たのだから良いだろう?」
シュイが立ち上がって寝室へ向かう
マキが衝撃を受けて言う
「それはそうだけど …って シュイっ!?」
シュイが言う
「寝る 吠えるな 静かにして居ろ」
マキが怒って言う
「アタシは 犬じゃないったらぁ!ちょっとお!?シュイーー!?」
シュイがドアを閉める
マキが脱力して言う
「コレだもん… はぁ~…」
マキが思う
(どーしよぉ~…?)
マキがうなだれて溜息を吐く
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる