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1章

アナザーゲートキーパーズ 『総出撃』

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※注意※ 性行為は全員の合意の下で行いましょう。

リビング

テールがジョッキを掲げて言う
「それじゃ ラミのゲートキーパーズ復帰を祝って!」
ラシェとヤウとキウが言う
「「「かんぱーい!」」」
テールとラシェとヤウとキウが ジョッキをあおってから テールが言う
「ぷは~!うめぇ!」
ラミが言う
「ありがとう それじゃ 私の作った料理も食べて頂戴ね?」
テールとラシェとヤウとキウが テーブルを見て言う
「「おおー!」」 「ごちそうだな!」
ユキがラミの手を見て言う
「ダッサ…」
ラミがテーピングだらけの手を隠して言う
「う、うるさいわねっ 包丁なんて 980年振りに握ったんだから しょうがないじゃないっ?」
ユキが言う
「道理で… 作る料理も ただ 肉や魚を切って焼くだけの 原始料理みたいなモノばかりだった訳ね?」
ラミがイラッとして言う
「…吸ってやろうかしら?」
ユキがプイッと顔を背ける ユウヤが心配そうに言う
「だ、大丈夫かな… あの2人…?」
ヴィンが言う
「心配には及ばない ユウヤ ユキには 先ほど特性の薬を渡しておいた」
ユウヤが反応し微笑して言う
「特性の…?なるほど あの時使った 吸血衝動を抑える薬ですね?」
ヴィンが言う
「いや ヴァンパイアへ振り掛ければ 一撃で 死滅させる事が出来る 劇薬だ」
ヴィンが微笑む ユウヤが衝撃を受けて思う
(う、怨んでる…っ!?)
ラミがユウヤの近くへ来て言う
「さぁ ユウヤも 食べて頂戴?私がユウヤの為に 特別に用意した料理よ?」
ラミがユウヤへ皿を向ける ユウヤが一瞬驚いた後苦笑して言う
「あ、うん… それじゃ…?」
ユウヤが思う
(俺はラミの獲物にはならなかったとは言え ラミはゲートキーパーズの仲間なんだし 今は自分の獲物として ユキを得たんだから もう、大丈夫だよな…?)
ユウヤが料理を受け取ろうとする ヴィンが目を光らせて言う
「待ちたまえっ ユウヤ!」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?…あっ!?」
ヴィンがユウヤの持つ料理に薬を掛ける 煙が出て料理が真っ赤に染まる ユウヤが驚いて言う
「なっ!?」
ユウヤが思う
(まるで 血の料理…っ!?)
ヴィンが言う
「料理に己の血を混ぜたな?ユウヤを 君の奴隷にするつもりか 女ヴァンパイア」
ユウヤが衝撃を受ける ラミが微笑して言う
「あ~ら 気付かれちゃった?包丁で手を切ったついでに 丁度良いと思って用意したのに 残~念?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「ち、血を…?」
ヴィンが試験管をしまいつつ 溜息を吐いて言う
「女ヴァンパイアは その様にして 自分の奴隷を作るものなのだよ 遥か昔はその力を買われ 人間の貴族たちに持てはやされた時代も有った」
ユウヤが思う
(それを俺に…)
ヴィンが言う
「それと 女ヴァンパイアは元々執着心が強い …従って ユウヤは これからも度々 同様に襲われるかもしれないが」
ユウヤが衝撃を受け思う
(俺は大変な人に 好かれてしまった…っ)
ヴィンが言う
「しかし 大丈夫だ この私が居る限り ユウヤの寿命を 縮めさせたりなどはしない」
ユウヤがヴィンを見てから苦笑して言う
「はい… 有難う御座います」
ヴィンが言う
「礼には及ばないさ ユウヤ… いやむしろ 礼を言うのは私の方だ 私には一生無いと思っていた 己の獲物に受け入れてもらえるなどと言う 誉れ高き栄誉を頂けたのだから」
ヴィンが微笑する ユウヤが呆気に取られた後 苦笑して言う
「い、いえ… そんな 誉れ高き栄誉だなんて そんなに言ってもらえるほど 俺は…」
ヴィンが言う
「フフフ…ッ そう否定はしないでくれ ユウヤも以前言っていただろう?否定をするという事は それまでのものを 否定する事へ繋がると… つまり 私のヴァンパイア生活に置いて 獲物を持てずに居た 899年と11ヶ月を否定する事へと繋がる」
ユウヤが言う
「あ… そ、そうですね?では… ヴィンのお祝いも しようと言う事でしたから 改めて 乾杯と言う事で」
ヴィンが言う
「有難う ユウヤ …このワインで一緒に お祝いをしてもらえると言うのも 光栄だよ」
ヴィンがユウヤのグラスへ ミリスターブラッドを向ける ユウヤが苦笑して言う
「あ… それの他にも ある筈ですが?」
ヴィンが言う
「いや 私もヴァンパイアになる以前は 良く飲用していたワインだ… とは言え そのお味は もはや記憶に薄いが… ユウヤと共に飲むのであれば きっと思い出せる」
ユウヤが呆気に取られた後 微笑して言う
「はい!それなら…」
ユウヤがヴィンのグラスへワインを注ぎ 2人がグラスを持って ユウヤが言う
「では… えっと 899年越しの達成に?」
ヴィンが微笑して言う
「ああ 私の目標が ユウヤのお陰で達成された… 今日のこの日の喜びは 私の生ある限り永遠だ」
ユウヤが衝撃を受け苦笑して言う
「こ、光栄です」
ユウヤが思う
(何百年… 何千年 生きるか知らないけど その永遠に近いヴァンパイアに こんなに喜んでもらえるなんて)
ユウヤとヴィンがグラスを軽く上げてから ワインを飲む ユウヤが思う
(けど 俺も嬉しいよな?俺の選んだ事で こんなに喜んでもらえるなんて… それも 相手は… とても思想の高いヴァンパイアで… 俺からすれば ずっと凄い人なの… にっ!?)
ユウヤが衝撃を受ける ラミがユウヤに抱き付いて言う
「ねぇ?ユウヤ?結局 貴方は私の獲物には ならなかったけど それでも 私たちは 恋人よね?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「え!?」
ユウヤが思う
(えっと…?そうなのか?)
ラミが言う
「あら…?それじゃ 私の事 好きって言ってくれたのは 嘘だったの?」
ユウヤが言う
「いや… 嘘ではないけど その…」
ユウヤが思う
(俺は人間で ラミはヴァンパイアで しかも 隙有らば 俺を…)
ラミが吸血衝動を見せながら言う
「あぁ… 本当に 獲物に出来なかった事は 残念…」
ユウヤが衝撃を受け 身を逸らしつつ言う
「ざ、残念ではあるけどっ やっぱり 俺は ヴァンパイアと恋人には なれないんじゃないかなっ!?」
ユウヤが思う
(増して 俺を吸い殺そうとしている ヴァンパイアのっ!?)
ラミが言う
「大丈夫よ 今度こそ 身体だけで… 吸っちゃったりはしないから ホントに… ホントに?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(疑問形になってるけど!?)
ユウヤが困って居ると ラミの顔に薬が放たれる ユウヤが驚く ラミが怒り 視線をユウヤの後ろへ向ける ユウヤがその視線に顔を向けた先でヴィンが言う
「それ以上 私の獲物に触れないで貰おうか?ラミ?」
ラミがムッとして言う
「何よ?自分の匂いも付けられない癖に むしろ 今のユウヤからは 私の匂いしか しないわよ?こうして もう 誰が見たって ユウヤは私の獲物だって分かる位に 匂いを付けてしまえば やっぱり ユウヤは私の獲物になるんじゃないかしら?」
ヴィンが試験管を持って言う
「それ以上を言うのなら 容赦はしない」
ラミが反応し ユウヤから離れて言う
「…まぁ 今日の所は良いわ?もう十分 ユウヤには 私の匂いが付いているし 唾液だって付いてるのだから …今なら 貴方だって ユウヤの血は吸えないわよ?うふふっ 滑稽ね?」
ラミが離れて行く ユウヤがホッとしている横で ヴィンが言う
「ふむ… やはり引き下がる気は無い様だ 油断は出来ないな」
ユウヤが苦笑して思う
(アジトの中なのに 油断出来ないって… これじゃ 外に居る時と同じなんじゃ …ん?そう言えば)
ユウヤが自分の腕や身体の匂いを嗅いでから言う
「ヴィン?あの… ラミやヴィンの言う 匂いってどんな匂いなんですか?それともやっぱり 人間には分からないモノなんですか?」
ヴィンが言う
「私も人間であった頃には分からなかったものだが その人の使う香水やコロン等とほぼ同じ感覚だ 女ヴァンパイアの匂いは 甘い香りで すぐに分かる 今のユウヤからは… とても… まるでユウヤそのものが 果実であるかと思えるほど 甘い香りが漂って居る」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「うっ… そ、そんなに?」
ユウヤが思う
(でも そう言えば 今日は朝帰りをしてから 忙しくて シャワーも浴びられなかったから…)
ユウヤが苦笑して言う
「ち、ちなみに ヴィンはどんな匂いなんですか?女ヴァンパイアが果実のような 甘い香りと言う事は…?」
ヴィンが言う
「うん 生憎 自分の匂いと言うのは分かりかねるのだが」
ユウヤが言う
「あ… そう言えば…?」
ユウヤが思う
(確かに 自分の匂いって… 自分では分からないよな?)
ヴィンがワインを飲んでから言う
「ちなみに リックの匂いは シトラス系な香りだ だから 彼の獲物である テールからは いつも強く彼の匂いが香っているよ」
ユウヤがリックとテールを見て言う
「なるほど…」
ユウヤが思う
(あれほど いつも触れ合っていれば 香水やコロンの匂いだって移りそうだよな?)
ユウヤの視線の先 リックがテールの肩を抱いてワインを飲んでいる ヴィンが微笑して言う
「それに 匂いは 同室に居るだけでも 移るものだから… ユウヤも 朝方などは私の匂いが 多少は移って居る筈だ」
リックが言う
「ああ、朝方だけはな?ヴィンの 辛気臭ぇ匂いが てめぇから匂うぜ ユウヤ?あっははは!」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(辛気臭いって… どんな匂いだ?)
ユウヤがヴィンを見てから苦笑して思う
(あぁ… でも なんとなく?…少し 分かる気もするかも?)

浴室

ユウヤが湯船に浸かり息を吐いて言う
「ふぅ~…」
ユウヤが思う
(今日は色々有ったけど… ラミがゲートキーパーズの仲間になったって事以外は 結局 何も変わっていないよな?)
ユウヤが首を軽く洗いつつ思う
(ラミに舐められた首も洗ったし… 匂いは風呂に入れば消えるって言ってたから これで)
ユウヤが湯船に身を沈める

通路

ユウヤが歩きながら思う
(流石に 俺自身が果実の様に甘く匂ってる なんて言うんじゃ そのまま同室の部屋へ入るのは 気が引けるから… これなら…)
ユウヤが部屋をノックしてから入る

ユウヤの部屋

ユウヤが入室して顔を向けた先 ヴィンが機材を前に作業をして居る ユウヤが言う
「うん?あれ…?起きていたんですか?ヴィンは今日はまだ 眠っていないのでは?」
ユウヤが思う
(確か 俺を心配して 起きてたって言ってたよな?)
ヴィンが言う
「ああ テールに行き先を伏せられてしまったお陰で ユウヤの無事が心配であった事もあったが… 今はそれと同等に 心配な事が起きて居るものでね」
ユウヤが疑問して言う
「心配な事?それは…?」
ヴィンが新聞を見せる ユウヤが新聞を見て言う
「その記事は…」
ユウヤが新聞を手にして思う
(以前俺たちが警察の依頼で行った リマの故郷 ヨルス街の城に捕らわれていた 拷問を受けていた女性たち…)
ヴィンが他の記事を見せて言う
「どうやら そちらが今も 続いてしまっている様なのだよ」
ユウヤが驚いて言う
「え?続いているって… っ!?」
ユウヤが渡された記事を見て驚いて言う
「これは…っ」
記事には血を吸われた女性たちの写真が載せられている ユウヤが思う
(首に吸血痕っ …それに この無残な姿は 以前の彼女たちの写真に酷似している …つまり同じ犯人がっ!?)
ユウヤがヴィンを見る ヴィンが作業をしながら言う
「ユウヤも知っていると思うが ヴァンパイアは吸血の際 自身の唾液を相手の血中へ混入させる事で 相手の緊張をほぐし吸血を容易にさせる だが それを故意で行わなかったり もしくは 過去の吸血鬼のように 己の意識も無い狂気に捕らわれていると その者に吸血された人間は この様に 絶望の表情を表して逝く」
ユウヤが言う
「ではっ この写真が撮られて居るヨルス街に 吸血鬼が居ると言う事ですかっ!?だとしたらっ!」
ユウヤが思う
(ヨルス街には リマがっ!彼女の身にも危険が及んでしまうのではっ!?)
ヴィンが言う
「うん… そうだな 吸血鬼となったヴァンパイアが事件を起しているのなら それへの対処と言うのは差ほど難しくは無い 我々ゲートキーパーズには 既に3人のヴァンパイアが居るのだから 昔の様に警察から依頼が来れば リックも素直に依頼を受けるだろう」
ユウヤが言う
「それなら!?」
ヴィンが言う
「警察が我々へ依頼を持ち掛けて来ないと言うのは あちらに何か後ろめたい事があるのだろう それは 先のヨルス街にての 我々への裏切りだけではない筈だ」
ユウヤが言う
「え?」
ヴィンが言う
「もしそれだけの事であるのなら これほど被害が悪化する前に 我々へ謝罪し先の報酬と共に我々の力を得ようとする …それをせずに ここまで事態の悪化を容認していると言う事は 警察は本気で我々ゲートキーパーズを潰そうと 考えているのかもしれないな?」
ユウヤが言う
「ど、どういう事ですか!?」
ヴィンが機械を操作する モニターに地図が表示され 所々に×マークがあり それらがラインで結ばれている ヴィンが言う
「こちらは 事件の起きたその場所を 地図へと表記したものだ」
ユウヤがモニターを見て言う
「ヨルス街から… マルス街へ… このままだと ミルス街?この街に!?」
ヴィンが記事を見て言う
「狂気に囚われたヴァンパイアは 敵味方の区別も付かない もちろん 男女の違いなども認識出来ない しかし この写真には それを考えると不自然な程に 被害者は女性ばかりだ …つまり 彼女たちは」
ヴィンがユウヤを見る ユウヤが言う
「彼女たちを餌に 狂気に囚われたヴァンパイアを この街へ… このゲートキーパーズのアジトへ引き寄せて居る!?」
ヴィンが言う
「エクセレント ユウヤ 更に付け加えるのなら このヴァンパイアは 彼ら警察が 我々を潰す為に 眠りから開放したのだろう」
ユウヤが言う
「そんなっ どうしてっ!?」
ユウヤが思う
(何でそこまでして ゲートキーパーズを潰そうとするんだ!?こんな犠牲まで出して!?)
ヴィンが言う
「警察にとっては それだけ我々が脅威となる存在であると言う事だよ… まぁ それはそうだろうな?…よし これで」
ユウヤが言う
「ヴィン!俺たちは!?俺は…!?」
ユウヤが思う
(警察がそのヴァンパイアを連れて来るとなれば これはもう 警察とゲートキーパーズとの戦いと言う事になる 俺たちはっ 俺は 人でありながらも ヴァンパイアと一緒に 警察と戦う事にっ)
ユウヤが視線を強めて言う
「…いや これはもう 決めた事だ あの時」
ユウヤが思う
(俺たちは残る事を選んだ このゲートキーパーズに…っ)
ヴィンが試験管の薬を調合しながら言う
「警察も過去と同じく 素直に ゲートキーパーズの力を 警察の力としてくれれば良かったもの… しかし 安心し給え ユウヤ 例え 警察とゲートキーパーズ …人々とヴァンパイアが一時的に いがみ合おうとも 歴史は繰り返す… 形は変わろうとも 両者は必ず共存する」
ユウヤが言う
「共存する…?人々とヴァンパイアが?」
ヴィンが微笑して言う
「ああ、だから ユウヤは何も心配せず 今日は休むと良い 疲れて居るのだろう?」
ヴィンがユウヤの目元を示して言う
「目元に隈が出来て居る 良く休むと良い この部屋には 私も居るのだから 何も…」
ヴィンがユウヤへ近づけていた手を戻す ユウヤが思う
(あ…)
ユウヤが気を取り直して言う
「…ヴィンは?」
ヴィンが作業に戻って言う
「ああ、私も 交代の時間になれば休むつもりだ かのヴァンパイアが このアジトへ来ると分かって居る以上 油断は出来ないからな?見張りの交代までは…」
部屋のドアが勢い良く開いて ラミが言う
「ユウヤー!」
ユウヤが驚いて振り向いて言う
「ラ、ラミ!?」
ラミがユウヤに抱き付いて言う
「あ~ん やっぱり 私の匂いが取れちゃって!」
ラミがユウヤの顔を自分の胸元に押し付けて言う
「さぁ たっぷりと私の匂いを 付けて あ・げ・る」
ユウヤが言う
「と、取れちゃってって!?自分の匂いは分からないんじゃ!?」
ラミが言う
「女ヴァンパイアの匂いは特別よ?男のヴァンパイアより強いから 自分でだって分かっちゃうの」
ユウヤが困りながら言う
「な、なるほどっ!?でも それなら…っ!いや、それよりっ!?」
ユウヤがヴィンを見る ヴィンがラミへ怒りの視線を向けて言う
「私の居るこの部屋にまで押し掛けるとは…っ ユウヤが迷惑をしているだろう 離れ給え ラミ」
ラミが言う
「あら?迷惑なんかじゃないわよね?ユウヤ?だって ユウヤは 私の事が好きなんだから?私も… 大好きよ?ユウヤ…」
ラミがユウヤの首へ舌を這わせようとする ユウヤが慌てて離れて言う
「わあっ!?ま、待ってっ!?」
ラミが言う
「どうして?どうせ ヴィンには出来ないのだし こうしておいた方が ユウヤの身だって安全よ?だから 私がヴィンの代わりに 舐めてあげるわ?」
ユウヤが言う
「け、けどっ 俺はっ!それに ラミは 吸血衝動に駆られて 俺を吸い殺そうとするからっ!」
ラミが言う
「そう言えば こんなに身を寄せているのに 今はそんな気分にならないわね?何でかしら?」
ユウヤが思う
(そんな気分にならないって… 吸血衝動が出ないって事か?)
ヴィンが言う
「それは この部屋に 吸血衝動を抑える薬を 散布しておいた事が原因だろう」
ラミが言う
「そう言う事?道理で?でも それなら 安心よね?ユウヤ?」
ユウヤが呆れて思う
(それならって事は ラミはそれが無ければ 吸血衝動が出る事は 予期した上で来たって事か…?)
ユウヤが言う
「で、安心って…?うあっ!?」
ラミがユウヤをベッドへ押し倒して言う
「今度はどうする?やっぱり 薬を使って?それとも…?」
ラミがユウヤの足の間に自身の太股を押し上げる ユウヤが慌てて言う
「こ、今度はってっ!?」
ラミが言う
「もちろん ユウヤだって 1度や2度じゃ足りないでしょう?私だって…」
ラミがユウヤの太股からゆっくりと手を這わせて行く ユウヤがハッとして慌てて言う
「ま、待ってくれっ ラミ 俺は 今 そんなつもりは!」
ラミに薬が吹き付けられる ラミが一瞬驚いて言う
「きゃあっ!?…もうっ 今度は何よ?ヴィン!?」
ヴィンが薬を散布した姿で言う
「ユウヤは疲れているのだよ 従って 君と戯れるつもりは無いとの事だ」
ラミがユウヤへ向き直って言う
「あぁ そうね 昨夜はあんなに激しく愛し合ってしまったから ユウヤは疲れているのね?私は… やっぱり 戦闘タイプのヴァンパイアだから もう一回くらい あの位の事は出来ちゃうけど… でもそうね?ユウヤが休みたいって言うのなら 今日の所は止めにして…」
ユウヤがホッとして思う
(あぁ良かった… それにしても 折角 風呂に入って来たのに これじゃ もう…)
ラミがユウヤの横に寝て言う
「それじゃ 今日はもう寝ましょ?ユウヤ?」
ユウヤが思う
(何故こうなる…?)
ヴィンが言う
「ラミ 君は ユキと同室なのだろう?ここは 私とユウヤの」
ラミが言う
「私のベッドは 明日リーダーが用意してくれるって事だけど まだ無いのよ …だとしたら 今夜はここで ユウヤと一緒に眠っても良いわよね?ユウヤ?」
ユウヤが困って言う
「え、えっと…」
ユウヤが思う
(ベッドが無い… そうか それじゃ しょうがないか?いや でも…?)
ヴィンが言う
「ベッドが無いのなら 君はリビングででも休めば良いだろう 先にも言ったが この部屋は私とユウヤの部屋だ」
ラミが言う
「あら 酷い 私からユウヤを奪うだけでは足りなくて 今度は 私とユウヤの愛情に嫉妬しているのね?そもそも ベッドが有るか 無いか以前に 私とユウヤはこういう仲なんだから 一緒に寝るのは当然よ?ね?ユウヤ?」
ユウヤが言う
「あの… それは…」
ラミが言う
「ユウヤに人間の恋人が出来たら 私も素直に手を引くわ?だけど それまでは… 良いわよね?ユウヤもその方が嬉しいでしょう?この身体は もうとっくに ユウヤのものなのだから…」
ラミがユウヤの手で自分の胸を掴ませる ユウヤが衝撃を受けて思う
(そ、それは…っ 男としては 嬉しい事は 嬉しいけど…)
ラミがユウヤの股間を愛撫する ユウヤが衝撃を受け思う
(うっ…!いけないと分かっては居るのに 身体が反応してしまうっ)
ラミが言う
「ねぇ?ユウヤ?本当は… もっともっと 触れてもらいたいのよね?ねぇ?」
ラミがユウヤの肩に頬を当てる ユウヤが思わず言う
「う、うん…」
ユウヤがハッとして思う
(あっ しまったっ つい…っ)
ヴィンが叫ぶ
「うわぁああーーっ!」
ユウヤが衝撃を受けて顔を向ける ヴィンがスイッチを押し スライドして来た棺に飛び込んで収納される ユウヤが慌てて言う
「あっ!い、今のはっ ちがっ!」
部屋のドアが叩き開かれて リックが入って来て叫ぶ
「おらあっ!?今度は 何がありやがったぁあっ!?」
リックがユウヤへ向く ユウヤが慌てて言う
「リ、リックっ!?」
リックがユウヤとラミの姿に表情をしかめて言う
「てめぇ… ヴィンへ あんな事を言っておきながら やっぱり 本当は…っ!?」
ユウヤが慌てて言う
「ち、違うんだ リックっ これは 誤解でっ!」
リックが言う
「その姿の何処が誤解だ!?どう間違えろってぇんだっ!?あぁあっ!?」
リックがユウヤの襟首を掴み引き上げる その横でラミが全裸で言う
「駄目よ リック ユウヤに乱暴はしないで?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(何時の間にか 誤解しか招かない姿になってるしっ!?)
リックがラミを見て言う
「なら 代わりに てめぇへ乱暴をしてやろうか?ラミ?」
ラミが悩殺ポーズで言う
「この身体に免じて ユウヤを許してあげて頂戴 リック…?」
リックがユウヤを捨てる ユウヤが床に腰を打ち付けてから慌てて言う
「リック!?」
ユウヤが思う
(ラミに乱暴をするつもりかっ!?リックは あんなに怒っているのにっ!?)
リックがラミの胸を鷲掴みにして言う
「足りねぇえな?色気がよぉ?ラミ?」
ラミが言う
「あんっ …貴方に抱かれれば 上がるんじゃないかしら?」
リックがラミの後ろから両胸を鷲掴みに揉んで言う
「俺のモンが欲しけりゃ もっと 色気を上げてから言いやがれ」
ラミが声を上げて言う
「あぁ~ん 挿れて頂戴 リック あっ あんっ」
ユウヤが呆気に取られて見上げていてハッとする リックが笑んで言う
「ハッ!やっぱり てめぇは ヒトがヤってるのを 見るのがイイみてぇだな?ユウヤ?」
ユウヤが慌てて言う
「い、いやっ!そんなっ!?」
リックが言う
「そんな状態で良く言うぜ?なら… おい テール!」
ユウヤがハッとして部屋の出入り口を見る テールが手○していた状態で言う
「ああ すげぇ良い!リック!もっとっ!もう少しで…っ 俺… イク…っ!」
ユウヤが呆れて言う
「テール…」
ユウヤが思う
(何時の間に… って 俺も こんな状態だけど)
ユウヤが自分の股間を見る リックが言う
「ラミが 色気を上げるのに てめぇらに手伝ってもらいてぇってよ?」
ユウヤとテールが声を合せて言う
「「え…?」」
ユウヤとテールが思わず顔を見合わせる

ラミが言う
「あぁ~ん 2本も挿れてそんなに激しくしたら 壊れちゃうわぁ~?」
テールが喜んで言う
「あっはははっ!壊れちゃう?壊れちゃうて~?何処が?ここが~?」
テールが腰を突き上げる ラミが胸と共に身体を揺らされて言う
「あんっ」
ユウヤが思う
(な… なんで… こうなった?)
テールとユウヤがラミを相手に3Pしている ユウヤが思う
(しかも 俺の下には… いや?正しくは 俺のこのベッドの下には ヴィンが泣き寝入って居るのに…)
リックが言う
「どうだ ラミ?」
ラミが言う
「あんっ 分かってるわ リック?これはいつものお仕置きでしょう?今回も 仲間のヴァンパイア… ヴィンを虐めてしまった 私への… でもそれなら 2人の人間だけじゃ 私へのお仕置きにはならないわ?」
リックが言う
「ああ、くれてやるよ?テールが一緒なんだからな?こいつは テールに4Pを味合せてやるための 遊びだ」
リックがラミの口に性器を押し込む ラミが苦しそうに言う
「んぅっ!」
リックがテールへ言う
「良いぜ テール?ラミお姉様が 未熟なお前らの お相手をしてくれるってよ?好きにしろってな?」
リックがラミの髪を掴み 腰を突き上げる ラミが苦しそうに言う
「んんっ!んっ んぅ!」
テールが身を震わせて言う
「やべぇ… ゾクゾクして来たっ!なら 俺もっ!」
テールが腰を動かす ラミが2人の動きに翻弄されて喘ぐ
「ンン!ゥンッ ンッ ゥンンッ!」
リックがユウヤへ言う
「どうした ユウヤ?てめぇも動かなけりゃ 4Pにならねぇじゃねぇか?」
ユウヤが言う
「いや… けど 俺は… ヴィンの獲物だし?」
リックが言う
「こいつは ヴィンへの慰めだ 女ヴァンパイアには身体で分からせてやらなけりゃ 何時までも追っかけて来るからな?本当なら もう1人男のヴァンパイアが居れば 丁度良いんだが… 居ねぇからよ?てめぇはその代わりだ ヤれよ?ユウヤ?」
リックがラミの口から抜き出す ラミがリックの性器に舌を這わせて言う
「やっぱり リックが入れて頂戴…?口じゃなくて… 私の…」
リックが言う
「てめぇは黙ってやがれ」
リックがラミの口に挿し込む ラミが言う
「あぅんっ」 
テールがラミの胸を掴んで言う
「リック!この胸!サイズ99の 巨乳ちゃん 俺も揉んで良いっ!?」
リックが言う
「ああ 揉んでやれ 精一杯 色気を上げる手伝いをしてやれよ?」
テールが喜んで揉みながら言う
「こんな手伝いなら いつでも 喜んで!」
ラミが言う
「んっんっ!んんっ!」
リックが言う
「はんっ ヤル気になれねぇってんなら しょうがねぇ… そんな てめぇには」
ユウヤがリックへ向いて言う
「え?…わっ!?」
リックがユウヤへ薬を浴びせて言う
「ヴィン特性の性欲剤だ コイツでヤって来たんだろう?今朝はよ?」
リックが試験管を捨てテールと一緒にラミを犯す ユウヤが薬に酔って思う
(…そうだ 俺は ヴィンの為に… ヴィンの匂いを付け様と思って 風呂に入って来たのに それが全部台無しになって… 増して こんな… なら もう良いか?もっと めちゃくちゃにしちゃって… 皆で… ラミを)
ユウヤが息を荒くして ラミの体に自身を押し込む ラミが驚いて言う
「んんぅっ!?」
リックが口角を上げる テールが一瞬驚いてから言う
「うおっ!?すげぇ突き上げっ!流石 ユウヤ先輩!」
リックが言う
「お前も負けてんじゃねぇよ?テール?」
テールが言う
「ああ!それなら 俺だって…っ!レンタル屋の姉ちゃんに 今日も殴られたそのお返しに 突き上げちゃうぞ~?ラミお姉様!?」
ユウヤとテールが激しく突き上げる ラミが苦しそうにリックの性器を口に表情をしかめる リックが笑んで言う
「どうだ?ラミ?」
ラミが言う
「んーっ!んんーっ!」
リックが言う
「あん?まだ足りねぇって?なら…」
ラミが驚く リックが腰を動かす ラミが3人に犯される

――…

ユウヤの耳にヴィンの声がする
「…ヤ …ユウヤ …ユウヤ」
ユウヤが思う
(この声は…?ヴィン…?あれ…?俺は…?)
ユウヤが目を開く ヴィンがユウヤを見下ろしていて言う
「ユウヤ 良かった 目を覚ましたか」
ユウヤが言う
「え?…俺?」
ユウヤが思う
(俺は何をしていたんだっけ?…あ、そうだ?俺は リックやテールと一緒に ラミを… …俺のベッドで)
ユウヤが苦笑して思う
(シングルベッドに 4人も乗って あんな事をして… 大丈夫だったかな?俺の…)
ユウヤが溜息を吐いて言う
「俺のベッド… って?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(無い!?俺のベッドが!?)
ユウヤが棺の蓋の上に裸で寝て居る ヴィンが苦笑して言う
「私も何時までも泣き寝入っていてはいけないかと ベッドから出て驚いたよ 何やら蓋が重いと思ったら ユウヤが その上に眠っていたのだから」
ユウヤが言う
「え!?俺が!?…って それでっ!?」
ヴィンが言う
「私が泣き寝入って居た間に 一体何があったのかな?そして… 私が仕掛けを施した筈の ユウヤのベッドは 何処へ?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「俺が聞きたいですっ!」

リビング

リビングにユウヤのベッドが置かれていて ラミがラシェ、ヤウ、キウを相手にしていて言う
「あんっ もう良いでしょう?リック?許して頂戴 もうしないわ~」
リックがワインを片手に見ていて言う
「その言葉は ついこの前も聞いたぜ?たった100年か何年か前によぉ?」
テールが前屈みに見入っていて言う
「やっぱ 見てるだけでも すげぇ…」
ユウヤが呆れて思う
(俺のベッドが…)
ラミがユウヤのベッドの上で 体中をべたべたにされながら喘いで居る ヤウが腰を動かしながら言う
「いやぁ~ 最近やってなかったから 助かったぜ」
ラシェが言う
「それも 4Pなんて ゲートキーパーズのルールでは普通 禁止だもんな?」
キウが言う
「しかも ナイスバディの女ヴァンパイアとヤれるなんて!」
リックが言う
「普通なら 女ヴァンパイアとヤった人間は 吸われるからな?てめぇらは ゲートキーパーズだから 命が助かるんだぜ?」
ヤウが言う
「ゲートキーパーズ 最高っ!」
ヤウが勢いのままラミの身体を突き上げる ラミが言う
「あんっ!痛いじゃないっ もうっ」
ユキが呆れて言う
「何コレ…?ゲートキーパーズは いつから乱交組織になったのよ?」
リックが言う
「ゲートキーパーズは 皆 仲間で家族だからな?」
ユキが言う
「だったら尚更でしょう?大体 リビングにベッドを持ち込むなんて 何考えているのよ?リック」
リックが言う
「リビングで 皆で仲良く 仲間の色気を上げる手伝いをしてやってるんじゃねぇか?ついでに 仲間を苦しめた詫びをさせてんだ …ユキも色気を上げてぇって言うなら 特別に俺が挿し込んでやるぜ?」
ユキが言う
「なら 叩き斬ってあげるわ 丁度 買い換えようと思っていた包丁が1本あるから」
リックが言う
「…しょうがねぇ 遠慮してやる 変わりにユウヤが挿してくれるってよ?なぁ?ユウヤ?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「え!?」
ユウヤが思う
(何で俺?)
ユウヤがテールを見る テールが疑問する リックがテールの肩を抱いて言う
「でもって 俺の大切な息子の息子は 俺が守ってやらねぇと」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(代わりに 俺のを斬らせようって事かっ!?)
リックが言う
「それで?ヴィンの奴はどうした?折角 ラミを汚してやってるのに 見に来ねぇのか?あの甘ちゃんはよ?」
ユウヤが思う
(汚してって… 仲間として ラミの色気を上げる手伝いを していたんじゃなかったのか?)
ユウヤが苦笑して言う
「ああ… そう言えば ヴィンからの伝言で 何が起きて居るかは察しが付くから リックに礼を言っておいてくれって…」
リックが言う
「そうか… なら そろそろ 許してやるか?丁度 俺も飽きて来た所だ 眠い …寝る」
リックが席を立つ テールが言う
「え?それじゃ ラミとのお遊びは もう終わりって事か?リックー?」
リックが言う
「ああ、そろそろ てめぇらもラミから離れねぇと… キレたラミに吸い殺されても 俺は知らねぇぞ?」
ラミを犯していたラシェ、キウ、ヤウの3人が衝撃を受ける ラミが言う
「流石に 私も喉が渇いてきたわ… それとも ヴィンの薬が切れて来たのかしら…?」
ラミが瞳の色を変えて吸血衝動を見せる 3人が慌てて逃げる リックが言う
「だろうな?てめぇの 甘臭ぇ体臭も匂って来やがったからよ?」
ユウヤが言う
「え?匂って来たって?」
リックが言う
「ヴィンの悲鳴を聞いて駆けつけた時には ラミの体臭は消されてたぜ?ヴィンの薬だろう?」
ユウヤがふと思い出して思う
(もしかして あの時の薬か…?)
リックが言う
「大方 てめぇに付けられた ラミの匂いを消す為に用意したんだろうが お陰で テールに4Pを味合せてやれたぜ …テール ヴィンに感謝しろ ついでに 女ヴァンパイアの身体を味わった てめぇらもな?」
テールと仲間たちが反応する ユウヤが苦笑して言う
「そう言えば 俺も ヴィンの薬で…」
ユウヤが思う
(とは言え その薬を俺に使ったのは…)
リックが言う
「ああ、性欲剤だと思って てめぇに使ってやったのに まさか 睡眠薬だったとはな?お陰で てめぇが途中で寝落ちちまったからよ?ベッドをここまで運ぶ羽目になったぜ」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「えっ!?睡眠薬!?」
ユウヤが思う
(あれは 睡眠薬だったのか!?それなのに 俺は…っ!?)
ユウヤの脳裏にラミを犯した自分が思い出される ラミが言う
「まったく信じられないわよ?私を犯すためのベッドを その私に運ばせるだなんて?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(自分で運んだのか…?)
ラミがリックに身を寄せて言う
「でも そんな サディスティックな所が また素敵なのよね?リック?」
リックが言う
「安心しろよ 何があっても てめぇには挿し込んでやらねぇからよ?」
ラミが言う
「あら?そう… なら?眠って居る貴方を襲っちゃおうかしら?」
リックが言う
「もっと 色気と実力を上げてから言いやがれ …それと言っとくが 今のてめぇが本当に来やがったら 殺すからな?」
リックが立ち去る ラミが微笑して言う
「うふふ… 相変わらず…」
ラミが気を取り直して言う
「さぁ それじゃ 私も寝るわ ユキ 貴方のベッドを借りるわよ?」
ユキが言う
「それなら 絶対に その身体のまま使わないで …もし そのまま使ったら 私も貴方に差し込んであげるわよ コレを」
ユキが出刃包丁を見せる 男たちが衝撃を受け ユウヤが思う
(持ってたのか…)
ユウヤが言う
「もしかして… ユキ?さっき リックに言ったのは 本気で…?」
ユキが言う
「もちろん?当たり前でしょ?」
ユウヤが思う
(当たり前で 俺のが代わりに斬られる所だったのか…っ)
ユウヤが震え上がる ラミが言う
「あたしだって 人間どもの体液にまみれで寝るのは御免だから ちゃんとシャワーを浴びるわよ」
ラミが立ち去る ユキが言う
「…それで?この 臭いベッドはどうするつもり?」
ユウヤが思う
(俺のベッドだったんだけど…)
テールが言う
「マットレスがボロボロだな?シーツも精○や体液でベタベタだし…」
ラシェが言う
「また ラミの色気を上げる手伝いをするにしても コレは使えないだろ?捨てるか?」
ヤウが言う
「マットレスは駄目でも シーツは使えるんじゃないか?洗えば?」
ユキが言う
「誰が?」
ユキが包丁をヤウへ向ける ヤウが衝撃を受けて言う
「え!?…え~と やっぱ… リーダーが?」
テールが衝撃を受けて言う
「えっ!?俺っ!?」
テールがシーツを引っ張って言う
「いや… 流石にコレは捨てようぜ?自分のならまだしも 他の奴らの精○が付いてるのを洗えって言うのは 流石のリーダーもキツイ…」
ユウヤ以外の皆が言う
「捨てようぜ?」 「捨てよう捨てよう 全部捨てちまおう」 「ベッドのフレームくらい使えるだろ?」 「んじゃ それはまた ラミとヤル時用に~」
ベッドが男たちに片付けられる ユウヤが思う
(俺のベッドが…)
ユウヤが落ち込む

街中

ユウヤが車を運転していて 助手席に座って居るテールが言う
「ああ!そう言えば あのベッドはユウヤのだったな!」
ユウヤが苦笑して言う
「うん… だから せめてマットレスだけでも 買おうと…」
ユウヤが思う
(それ位なら すぐに買って帰られるもんな?床に直に置くって言うのは… ちょっと抵抗あるけど この際だから しょうがない)
テールが言う
「ならぁ 物置に突っ込んじまったけど ベッドのフレームは返すか?んでもって ラミの強姦用に もっと頑丈そうな奴を買うか!今度は5、6人乗っても ギシギシ言わないような奴をさ!」
ユウヤが苦笑して思う
(もう 強姦って言っちゃってるし…)
ユウヤが言う
「うん… まぁ そんな頑丈なのは 有るのか無いのか… それこそ マットレスを床に置いてやった方が 良いんじゃないか?」
ユウヤが思う
(って 助言してる俺も俺だけど…)
テールが言う
「ああ!そうだな!?その方が 落っこちる心配もなくて 安心してピストンに専念出来るもんな!?流石 ユウヤ!」
ユウヤが苦笑して思う
(いや 流石と褒められても 嬉しくないけど…)
ユウヤが言う
「それじゃ 俺は捨てられたマットレスを買って来るけど… テールは?」
テールが言う
「おう!それじゃ 俺も 5、6人用のマットレスを買うぜ!リーダーだからな!」
ユウヤが苦笑して思う
(リーダーだから… 強姦用のマットレスを買うのか…?もう本当に ユキの言うような 乱交組織にしか聞こえないよ…)
ユウヤが溜息を吐いてから 寝具店の前に車を止める

車にマットレスが1つ積まれる ユウヤが振り返って言う
「それで…?」
テールが言う
「ああ、5、6人用のマットレスなんて無いってさ?そんな大人数でヤルなら 床でヤレって言われちゃったよ 冷たいよな~?…床でなんてさ?」
ユウヤが苦笑して思う
(冷たいって そっちか… …まぁ 確かに 床じゃ冷たいだろうけど)
テールが言う
「あっ そうだ!それじゃ 毛布くらい買っとくか?」
ユウヤが苦笑して言う
「うん… まぁ…」
ユウヤが思う
(毛布なら 用途は他にもあるし)
ユウヤが言う
「良いんじゃないか?1枚くらい買っておいても?」
テールが言う
「いや?2、3枚は要るだろう?よしっ それじゃ 早速 リーダーの俺が買って来る!」
ユウヤが苦笑して言う
「ああ… なら俺は ここで待ってるから…」
テールが言う
「あ、それならさ?ユウヤ?悪いが 先に行って 選んで置いてくれないか?」
ユウヤが疑問して言う
「え?選ぶって… 毛布なら この店にあるだろう?」
テールが言う
「いや 毛布じゃなくて ベッドの方をさ?」
ユウヤが疑問して言う
「え?だって ベッドのフレームは 物置に… それに 強姦用のは無いって言われたんじゃ?」
テールが言う
「ああ、強姦用のじゃなくて ラミのベッドだよ ヤる方じゃ無くて 眠る方の!」
ユウヤが言う
「ラミの?…あっ!?」
ユウヤが思う
(そうか それは つまり…)
テールが言う
「俺が選ぶより ユウヤが選んだ方が喜びそうだしさ?そこの角を右に行った所にあるんだ 先に行っててくれ 俺も毛布を積んだら すぐに行く!」
ユウヤが言う
「うん 分かった それじゃ」
テールが言う
「おう!よろしくな!」
テールが店に入って行く ユウヤが道の先を見て歩き出す

ユウヤが思う
(…と、来てみたは良いけど)
ユウヤが棺屋の前で苦笑して思う
(まさか 親の物を選ぶ以外に この店に来る日が来るとは…)
ユウヤが店の入り口を見て向かう

棺屋

ユウヤがドアを開けて言う
「こ、こんにちは~?」
ユウヤが周囲を見ながら店に入って思う
(うわぁ… 棺なんて 深く考えた事は無かったけど)
ユウヤが言う
「…随分色々と あるんだなぁ?」
ユウヤが周囲を見ながら進んで行く 店の奥からカンカンと木槌の音が聞こえている ユウヤが音に気付いて思う
(うん?何か音が聞こえる… この店は 販売だけじゃなくて 製造もしているのか?)
作業場の中で木槌を振るっていたタクがふと気付き ユウヤへ振り返って言う
「ああ いらっしゃいませ!」
ユウヤが言う
「あ、どうも」
タクがユウヤの下へやって来る ユウヤが思う
(あれ?意外と若い店員だ… てっきり こういう店は もっと年配の人がやってると思っていたけど)
タクが言う
「本日は どちら様の御用命で?」
ユウヤが言う
「あ!えっと…」
ユウヤが思う
(どちら様って言うと 普通こういう時は…)
タクが言う
「御家族様の御用命ですか?それとも?」
ユウヤが思う
(家族の物では無いけど… 参ったな ここはどう答えるべきか?当然 ヴァンパイア用の なんて言える訳が無いし…)
タクが微笑して言う
「あ、では サイズは どの位が宜しいでしょう?お子様ですか それとも?」
ユウヤが言う
「あ、子供では無いです 大人の…」
ユウヤが思う
(ああ、これなら助かる こっちから言うんじゃ無いから 下手な事を言わないで済むもんな?)
タクが言う
「大人サイズですね?畏まりました!では 性別の方は?」
ユウヤが言う
「はい、性別は 女性で…」
ユウヤが思う
(それに 答え辛い事になれば 適当に誤魔化す事も出来る)
タクが言う
「性別は女性ですね 他には 御予算や何か御希望などはありますか?埋葬時における 見た目に拘られるという事でしたら 外装のデザインが良い物もありますし 逆に ただ入れられれば良いと言う事でしたら かなりお値打ちの物もありますが?」
ユウヤが思う
(後は 予算と希望か…)
ユウヤが言う
「えっと… そこそこ 良い奴を選ぼうと思うんですが… 大切な その 友人のベ… いや、棺なので」
タクが微笑して言う
「そうですか では そこそこの… という事でしたら こちらの方のデザインは如何でしょう?」
ユウヤがタクに示される方へ向かう 棺が棚に詰まれている タクが言う
「ここにあるのは 皆 黒色ですが 塗装の変更は可能です …女性の物でしたら お色は もう少し明るい物でも良いと思います」
タクが棺の蓋を開けて言う
「それから 御予算によっては 内側に使用する綿の量を増やして 仏様に安らかに お休み頂こうと言う事も」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(そ、それは 確か 以前誰かが言っていたような…っ)
タクが言う
「棺は最後のベッドですからね?そう言った意味で 内側にこそ 拘るという方も 多く居られます」
ユウヤが言う
「な、なるほど…?」
ユウヤが思う
(多く居るのか?それなら …それを希望しても 怪しまれる事も無いかな?)
タクが言う
「こちらの棺は とても上質な素材を使っていますので 寝心地はかなり宜しいかと!」
ユウヤが苦笑して言う
「寝心地が良い… そ、それは 良いですね?安らかに 永眠 出来そうで…」
ユウヤが思う
(それなら これで良いのか?でも 見た目は柔らかそうだけど?)
ユウヤがタクへ向いて言う
「あの… ちょっと どんなものか 触ってみても?」
タクが微笑して言う
「もちろん 宜しければ お試しに横になって頂いても!」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「いやっ!そこまではっ!」
タクが軽く笑って言う
「あっはっは そうですよね?しかし、材質は 我々が寝具に使用している物と同じですよ?スプリングは使っていませんが」
ユウヤが棺の中を手で押して言う
「あ… 本当だ 柔らかくて これなら…」
ユウヤが思う
(これなら 中身は大丈夫だな?後は…)
ユウヤが言う
「では 内側はこれと同じで… 後は 外側のデザインを選ぶんですね?」
タクが言う
「はい こちらの物でしたら 明るめのお色の在庫もあるので すぐにご用意出来ます」
ユウヤが思う
(今夜もラミのベッドが無かったら また 昨夜みたいな事になりかねないもんな?そうしたら 今度は 買ったばかりの俺のマットレスが…)
ユウヤが見本の棺を見上げながら言う
「えっと それじゃ…?」
タクが先ほどまで内側を確認していた棺の蓋を閉める 重そうな音がする ユウヤが思う
(そう言えば 棺の蓋って 意外と重いよな?…まぁ ラミは力があるって言っていたから 気にしなくても良いのかもしれないけど)
ユウヤが見本を見ながら言う
「ちなみに 棺の蓋はどれも 同じくらいの重さで…?」
ユウヤが棺の蓋を開けようとする 棺の中に人が寝ている ユウヤがハッと衝撃を受けて硬直して思う
(え!?あ、あれ…っ!?気のせいか!?今 何か居た?)
タクが気付かずに言う
「はい?何ですか?」
ユウヤが気を取り直して思う
(いやっ!何も見なかった事にしようっ!!)
ユウヤが蓋を閉じて タクへ向き直って言う
「いやっ!そのっ!…ふ、蓋の…」
ユウヤが思う
(そうだ、さっきのは気のせいだ!そうに違いない!つまり あれだ!あの… いつも 棺の中に ヴィンやリックが寝てるからっ それを見ていたから!きっと!…俺は錯覚してしまったんだっ!そうに違いないっ だから気を取り直して!)
ユウヤがタクへ向き 隣の棺の蓋を開けながら言う
「ひ、棺の蓋というのは どれも重い物なんですかね?何と言うか… 女性の上に置く物として考えると もう少し…」
ユウヤが棺の蓋の軽さに気付いて言う
「あ、これは 軽いですね?これ位の方が 気分的… …にっ!?」
ユウヤが棺へ向き直る 棺の中に寝ていた人物がユウヤへ視線を向ける ユウヤが衝撃を受け 慌てて蓋を閉めて思う
(やっぱり居る!?)
タクが言う
「ああ、そうですね?蓋が重いと 息苦しそうだ と、仰る方も居られますが 実際 埋葬する際には 重いくらい頑丈である事が好ましいので 重い方を お勧めしています …とは言え 昔は 土の中へ埋葬するのではなく 教会やお城の一室へ安置したそうですので そう言った場合は 軽い方でも良いのですが」
ユウヤが思う
(ど… どうする?これは伝えるべきか?でも 何て言ったら良いんだ?展示品の棺の中に… 人が寝てますよって?しかも どう見ても生きてる… しかも片方とは目まで合ったしっ)
タクが疑問して言う
「あの…?お客様?何か?」
ユウヤが言う
「あ、あの… 棺の… 中に…っ」
タクが言う
「はい?棺の中に 何か?」
ユウヤが言う
「中に… その…っ」
タクが言う
「ああ!棺の中に 何か一緒に 入れてあげたいと言う事でしたら」
ユウヤが言う
「いや、そうじゃなくてっ!?むしろっ!」
ユウヤが思う
(既に入ってるみたいですが!?)
テールが店に入って来て言う
「ユウヤー!決まったかー!?」
ユウヤがハッとして振り返って思う
(テール!?)
テールがやって来ると タクが言う
「あ!ゲートキーパーズのリーダー テールさん!いらっしゃいませ!」
ユウヤが思う
(ゲートキーパーズだって バレてるし!?)
テールが言う
「おう!ゲートキーパーズのリーダーが また来たぜ!タク!」
タクが言う
「本日の御用命は 何でしょう?テールさん?」
テールが言う
「ああ!今日も 俺は ゲートキーパーズのリーダーとして!ゲートキーパーズの仲間の為に!」
ユウヤが思う
(けど 今更 この性格のテールに こっそりしろと言っても?)
ユウヤが苦笑して見本の棺へ向きながら思う
(それこそ テールが棺に入る頃まで経っても 無理なん… じゃっ!?)
2つの棺の蓋が僅かに開いて 2人の人物が目を覗かせている ユウヤが衝撃を受けて思う
(こっち見てるしっ!?)
ユウヤがタクへ向き直って思う
(こ、これは もう 言うしか無い!)
ユウヤが言う
「あ、あのっ!すみません!そこのっ!そこの一番上にある 2つの棺なんですが!」
テールが言う
「ああ、候補が2つに決まったのか?ユウヤ?それなら その2つのどっちかを…」
タクが言う
「テールさんの お連れの方でしたか」
テールが言う
「ああ!コイツはユウヤ!ゲートキーパーズの仲間だ!」
タクが言う
「ユウヤさんでしたか 僕は タクと申します どうぞ ごひいきに!」
ユウヤが言う
「ああっ ど、どうも!こちらこそ!…って いや そうじゃなくて!それより 今はっ!あの棺の…っ な、中に!?何か居るんですけどっ!?」
タクが疑問して言う
「え?」
テールが疑問して言う
「ん?中に 何か居るって?」
ユウヤが言う
「い、今もっ こっちを…っ!」
タクが言う
「ああ、すみません また こんな早い時間から入っちゃってて… 昼間はお客様がご覧になる事もあるので 控える様にと言っているんですが」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(どういう意味ですか!?)
タクが言う
「特定のお客様がいらっしゃると 気になるみたいで 覗くんですよ でも」
棺の蓋が閉まる タクが言う
「心配ないと分かれば 落ち着きますから 大丈夫です」
ユウヤが思う
(大丈夫じゃないだろうっ!?そもそも 棺の中に居る事自体が 問題でっ!?)
ユウヤが言う
「いや… その…っ!?」
テールが言う
「それじゃ どっちにするんだ?ユウヤ?それとも 決めかねてるのか?だったら タクに聞いちゃった方が早いって!」
ユウヤが言う
「えっ!?き、聞くって!?」
テールが言う
「タク!女ヴァンパイアのベッドなら どっちの棺が良いかな?右か?左か?」
ユウヤが思う
(それは言っちゃいけないんじゃ…っ!?)
タクが言う
「今度は 女性のヴァンパイアのベッドをお探しでしたか?では そうですね?埋葬の予定が無いようでしたら ユウヤさんも仰る様に やはり 右側の蓋の軽いものの方が 出入りが容易みたいですよ?いつも右側の棺を使って居る 彼の様子で 分かります」
ユウヤが思う
(なかったらしい…)
テールが言う
「んじゃ そっちで!」
タクが言う
「はい!毎度有難う御座います!ゲートキーパーズのリーダー テールさんと お仲間のユウヤさん!」
ユウヤがうな垂れて溜息を吐く

車内

荷台にマットレスと毛布と棺が積まれている ユウヤが運転しながら言う
「テール?もしかして さっきの… タクの店の 棺の中に居たのって…」
テールが助手席でくつろぎながら言う
「ああ!アイツの作る棺は 出来が良いらしくてさ?展示品を置くと しょっちゅう ヴァンパイアが寝付いちゃうんだってさ?」
ユウヤが思う
(そうだったのか… 道理で… って言うか 良いのかそれで?)
ユウヤが言う
「けど、それで ヴァンパイアの居るゲートキーパーズのリーダーや俺が 仲間のヴァンパイアの棺を買いに来ても 驚きもしなかったんだな?」
テールが言う
「そりゃそうだろ?大体 俺があの店でリックのベッドを買ったのだってさ?元は あの店のベッドに ヴァンパイアが寝てるのを見付けたのが 切っ掛けだったんだからな?」
ユウヤが言う
「な、なるほど…」
ユウヤが思う
(棺にヴァンパイアが寝ているのを 見掛けたって… 普通に言ってるけど それは 普通じゃないよな?とは言え… 棺屋なんて 初めて行ったから 分からないけど …普通なのか?)
テールが言う
「それにさ?最初は俺の方が驚いたぜ?店に入ったら いきなり店中の棺の蓋が開いて 寝ていたヴァンパイアたちが一斉に俺を見たんだ!俺 その場で全員に強吸されるかと思って すげぇ ビビッたって!」
ユウヤが思う
(それは驚く…)
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん… 無事で良かったな?それに 店中のって… あの店の棺が全て開いたら …それは 凄い迫力だろうな?」
テールが言う
「ああ、そうなんだよ 時間が夕方頃だったからさ?皆 自分のベッドに 帰ってたらしいんだよ つまり… 時間が悪かったな?はははっ!」
テールが軽く笑う ユウヤが思う
(そう言う問題か?)

アジト

棺が床に置かれる テールとユウヤが手を離し立ち上がり テールが言う
「よし… と、ここで良いか?ラミ?」
ラミが言う
「ええ 中々良いじゃない?デザインも悪くないし …マットレスが程よく柔らかくて 寝心地が良さそうだわ?」
ユウヤが苦笑して言う
「気に入ってもらえたのなら良かった」
ユウヤが思う
(これなら 今夜は大丈夫そうだな?)
テールが言う
「マットレスは リックが良いって言ってたから 寝心地は良い筈だぜ?それに 何も伝えなくても リックと同じ奴を選ぶなんてさ?ユウヤに頼んだ リーダーの俺の目に狂いは無かったな!」
ユウヤが言う
「まぁ 俺が選んだと言っても…」
ユウヤが思う
(俺はただ タクに聞かれた事に 答えただけだったけど)
ラミが言う
「なら このベッドは ユウヤが私の為に 選んでくれたのね?嬉しいわ ユウヤ!」
ラミがユウヤの近くへ来る ユウヤが思う
(あっ また…!?)
ラミがユウヤの近くで微笑する ユウヤが疑問して思う
(あ、あれ…?てっきり 抱き付いて来るかと思ったけど…?)
ラミが言う
「本当なら このお礼を たっぷり 身体で払いたい所だけど… 今は リックの気が立ってるから …残念だけど お預けね?」
ユウヤが言う
「え?リックの…?」
テールが言う
「うん?リックがどうしたって?」
ドアが開かれ リックが来て言う
「戻ったか テール」
テールが言う
「リック?どうかしたのか?」
リックが言う
「警察から依頼が入った ゲートキーパーズの連中を集めろ 吸血鬼退治に行くぜ」
ユウヤとテールが驚く ユウヤが思う
(警察から?でも 警察は確か…っ!?)
テールが言う
「吸血鬼退治か… よし!それじゃ リーダーの俺が ゲートキーパーズの皆を集めて来るぜ!」
ユウヤが言う
「待ってくれ テール!それに リックもっ!」
テールが疑問して言う
「うん?どうした?ユウヤ?」
リックが言う
「何だ?てめぇも ゲートキーパーズなら リーダーと一緒に 仲間を集めて来いよ ユウヤ」
ユウヤが言う
「あ、ああっ それは 構わないけど その前に 警察って?警察は今 ゲートキーパーズを潰そうと 動いているって!ヴィンが!」
テールが言う
「え?警察が…?そうなのか?リック?」
リックが言う
「そいつは このミルス街以外の警察の事だろう この街の警察は 古くからゲートキーパーズを容認しているんだ 警察は各街によって その方針が異なる …てめぇも 警察官の息子なら 知ってるだろう?」
テールが衝撃を受けて言う
「えっ!?ユウヤは 警察官の息子だったのか!?あっ だから あの古臭ぇ吸血鬼退治の銃を!?」
ユウヤが上着の中にあるリボルバーを意識しながら 苦笑して思う
(また 古臭いって言われた… 大切にしてるのに…)
ユウヤが言う
「う、うん… まぁ そうなんだけど …それはそうと 今は」
ユウヤが思う
(リックの言う通り 警察は皆 同じ一組織とされていても その方針は各街の警察によって違う… だけど!)
ユウヤが言う
「だけど 今 警察は 狂気に支配されたヴァンパイアを 人間の餌を使ってまでして ゲートキーパーズの このアジトへ向かわせて居るんだ …それほど 大掛かりな事をして居るのに 警察内の… この街の警察との連携が取られていないなんて そんな事があるとは」
ユウヤが思う
(…思えないっ)
テールが言う
「え!?そうなのか!?」
リックが言う
「だったら そいつを止めさせようって事なのかもしれねぇ 指定された場所は この街と隣街との境だ それに、その狂気に支配されたヴァンパイアってぇのが もし そこらの吸血鬼じゃなく 俺らが想定している奴だとしたら 尚更 俺らが行く必要がある …ラミ」
ラミが言う
「ええ 久し振りに 本気で戦う事になるのかしら?私の実力を見せる 良いチャンスね?」
ユウヤが言う
「それは どう言う…?」
リックが言う
「このミルス街の警察が 俺へ依頼して来たんだ この街にアジトを置く ゲートキーパーズの代表として こいつは断れねぇ だから行く それから出来るだけ戦力は多い方が良い 相手が狂ってるなら お前らの銃だって当たる筈だ ゲートキーパーズは総出で行くぞ」
テールが言う
「おう!それじゃ!ゲートキーパーズは全員集合だな!?」
リックが言う
「ああ …だが、ヴィンは別だ」
ユウヤが言う
「え?」
リックが言う
「アイツはここに残す アジトの見張りと 万が一に備える」
ユウヤが言う
「ヴィンを1人で残すって事か?」
リックが言う
「ああ、先ずは ヴィンを除く全員で 総攻撃を掛ける …まぁ 俺が居るんだ そこで負けるなんて事はねぇ筈だが 万が一の場合は そこで深手を負った奴に ヴィンが止めを刺すって寸法だ」
ユウヤが言う
「…なるほど」
ユウヤが思う
(万が一の場合を想定しての作戦か… それなら)
リックが言う
「全員に出来るだけの装備をさせろよ?」
テールが言う
「出来るだけの装備だな!?分かった!」
ユウヤが思う
(リックがここまで慎重を期しているって事は… その想定している相手は 相当な力の持ち主だって事か…?でも)
ユウヤが言う
「けど リック 俺は… 俺もアジトに残って良いかな?」
リックが言う
「あん?ヴィン以外は総出だって言ってンだろう?」
ユウヤが言う
「だけど 万が一に備えるなら… いくらなんでも ヴィンを1人だけで残すって言うのは… それに 俺はヴィンの獲物だし だったら?」
ラミが言う
「あら 折角ユウヤに私の勇姿を見せるチャンスなのに」
リックが言う
「…ふん 確かに 今回は初めてヴィンに獲物が付いたんだ ユウヤの言う事も一理あるか?…とは言え ヴァンパイア相手なら てめぇの銃の腕にも 多少は期待したんだがよ?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え…?」
ユウヤが思う
(リックが俺に期待を…?)
リックが言う
「まぁ良い それならそうで 他の連中を早く集めろ 集まり次第 指定の場所へ向かうぜ」
テールが言う
「分かった!」
テールがユウヤを見る ユウヤが頷く


続く
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令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

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JKがいつもしていること

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大衆娯楽
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