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1章 最強のウィザード様
嗚呼、私のウィザードさま 「ウィザードさまとウィザード様」
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通路
マリアが後方を伺ってからホッと息を吐いて思う
(良かった… 一瞬付いて行くべきか悩んだけど いつもの灯魔儀式の時だって 奉者も案内の人に続いて行くし 後は…?控え出口まで ウィザード様に同行すれば良いのかな?…それにしても ”奉者の力も大切” って言ってたけど あれって どう言う事?私も… 何かするの?)
マリアが悩むと係員が立ち止まり 道を示して言う
「1番から3番までの控え室の方はこちらの通路をお進み下さい 通路の出口に番号が振られておりますので そちらの方へお願い致します 4番以降の方はこちらになります」
係員が4番以降を先導する レイが言われた通路へ向かう マリアが続き2番3番のウィザードと奉者が続く
レイが1番の番号が記されている出口へ向かう マリアが付いて来て1番の番号を確認して視線を向けると 出口の先に大灯魔台が見える マリアが驚いて言う
「わぁ… 大きい…っ いつもの灯魔台より 10倍くらいあるみたい」
レイが言う
「そうだな?何しろ6人… あぁ 7人掛りだもんな?」
マリアが言う
「そうですね?7人ものウィザード様で… あら?そう言えば 7人目の方は?ホールにもいらっしゃらなくて ご挨拶が出来ませんでしたが?」
レイが言う
「ああ、わざとだろ?一度 儀式を失敗させてるんだから」
マリアが驚いて言う
「えっ!?」
レイが真っ直ぐ見据えて言う
「それでも 生き残ったウィザードだからな?けど、まさか 本当に来るなんてさ?その根性には 俺も 驚いたよ?」
マリアが疑問していた状態から レイの視線の先を見て驚き 目を見開いて言う
「”ウィザードさま”…っ!?」
レイが言う
「あれこそ 奉者の力だろうな?マリア」
マリアが驚いて言う
「えっ」
マリアが思う
(奉者の!?それじゃっ!?)
レイがマリアを見て微笑する マリアがウィザードを見ていた状態から その横に居る ソニアを見て息を飲んで言う
「お母さん…っ!?」
マリアの視線の先
ソニアが驚いていて言う
「マリアが…っ どうして…っ?」
ウィザードが言う
「マリア?」
ウィザードがマリアを見る
マリアがウィザードの視線にハッとすると 間を遮るようにレイが立つ マリアが気を取り直してレイを見上げる レイが言う
「法衣もお揃いで 従えている奉者が 親子だなんてさ?普通なら面白い所だけど マリア?今日の事 お母さんと話でもしてたのか?」
マリアがハッとして言う
「い、いえ…っ!今日の準備に忙しかった事もあって 母には… 何も…」
マリアが思う
(まさか ここで お母さんと会っちゃうだなんてっ 考えても居なかった… 大灯魔台の灯魔儀式が 無事に終わったら 伝えようと思ってたのに…)
レイが言う
「そうなのか うん?マリア もしかして あのウィザードが来る事 知らなかったのか?」
マリアが言う
「ウィザード様は ご存知だったのですかっ!?」
レイが言う
「うん 灯魔台の灯魔儀式をやる順番を決めるのに 他の町の灯魔状況を見てたからな?」
マリアが視線を落として言う
「そう… だったんですか…」
レイが言う
「マリア?」
マリアが苦笑して言う
「あっ いえ!?何でもないですっ」
アナウンスが流れる
『これより 大灯魔台 灯魔儀式を…』
マリアが思う
(奉者になった事を伝える所か 一緒に…っ 大灯魔台の灯魔儀式に 奉者として参列する事になるだなんて… でも)
マリアがレイを見て思う
(このウィザード様と一緒なら きっと… 儀式は成功するっ だって ”私のウィザード様”は 最強のウィザード様だから!)
アナウンスの続きが聞こえる
『それでは ウィザード様方 灯魔儀式を お願い致します』
マリアがレイへ向いて言う
「あ、あのっ ウィザード様っ」
レイがマリアへ向いて言う
「うん?」
マリアが微笑して言う
「頑張って下さいね!」
レイが一瞬呆気に取られた後 笑んで言う
「ああ!任せとけっ!」
マリアが微笑する レイが微笑してから大灯魔台へ向かって行く
マリアが出口付近へ行き 大灯魔台へ向かって行くウィザードたちを見た後 周囲の状況を見る 他の奉者たちがマリアと同じく 出口付近でウィザードたちを見つめている
マリアがソニアを見る ソニアも他の奉者たちと同じく 自分のウィザードを見詰めている マリアが思う
(今は 私も… お母さんや 他の奉者たちと同じ様に 儀式の成功を…っ ウィザード様たちの 無事を祈ろう!)
マリアが祈りの手を握ってから レイを見る
ウィザードたちの一部が各自の灯魔位置で立ち止まる レイが灯魔口へ向かう ウィザードがレイに続くと 他のウィザードたちが続く レイが灯魔口で5大属性を確認して目を細める ウィザードが言う
「大灯魔台の属性は 起動作業を終えるまでは 分からないぞ?」
ウィザード2が言う
「彼ほどの能力があれば 分かるんじゃないのか?」
レイが言う
「いや 先輩の言う通りだ 完全に魔力が抜けてる」
ウィザード3が言う
「では どうする?その”先輩”に倣って 火で行くか?」
レイがウィザードへ向いて言う
「あの大灯魔台の属性は 結局 なんだったんだ?」
ウィザードが言う
「…水だったな」
ウィザード4が言う
「真逆か 失敗する訳だ」
レイが言う
「水だと分かったのは?」
ウィザードが言う
「起動を終えた時だ」
レイが言う
「何で変えなかった?」
ウィザードが言う
「灯魔は補助灯魔台の全ての灯魔と連動する …誰も 1からやり直そう とは言わなかった」
ウィザード2が言う
「押し通すつもりだったのか」
ウィザード3が言う
「そう言う連中は多い 20年前に神に選ばれたウィザードも その1人だろう?」
レイが言う
「彼は炎のエキスパートだった 基礎魔法の火に頼る お前たちとは違うよ?」
皆が反応して不満と言葉を飲む ウィザードが苦笑して言う
「流石に言ってくれる」
ウィザード2が言う
「ならどうする?属性を合わせるのか?」
レイが言う
「もちろん」
ウィザードが言う
「エキスパートではない 我々で成功させるには それしかない」
ウィザード3が不満そうに言う
「…チッ 面倒だな どうせ 今世代選ばれるのは エキスパートの子息殿に決まっているのに… それに付き合わされるだなんて」
他のウィザードたちが反応する レイが言う
「俺はいくつもりは無い 最後まで残れよ?譲ってやるから」
皆が驚く ウィザードが言う
「…本気か?」
レイがウィザードへ微笑して言う
「先輩と同じだよ 流石 親娘だよな?ウィザードを惚れさせちゃうなんてサ?」
ウィザードが一瞬驚いた後 視線を逸らす ウィザードの後方にソニアが居る 皆が各自の灯魔場所へ向かう マリアがソニアを見る ソニアが一度マリアを見てからウィザードへ向き直る マリアがレイへ向く
ウィザードたちが各自 灯魔場所に立つと皆の視線がレイへ向く
レイの前に杖が浮かび魔力が収集され 周囲に炎が集まる ウィザードたちがそれを見て各自の構えで魔力を収集し炎を集める ウィザードたちの炎が終結し 大灯魔台の上部に集まる マリアが息を飲んで思う
(す、凄い…っ いつもの灯魔儀式の何倍だろう?こんなに距離があるのに ここまで空気が熱くて… 呼吸が苦しい位…っ)
マリアが息を飲み周囲の状況を見る 他の奉者たちも圧倒されつつ ぐっと堪えている マリアが気を入れて思う
(そうよね!?自分のお仕えするウィザード様が… 頑張っているんだもんっ 私たちだって…っ!)
マリアがレイを見る
ウィザードたちが横目に他のウィザードの様子を気に掛ける ウィザードがレイを見る レイは誰も見ずにいつも通り行っている マリアがレイを見つめる
炎が大きくなりやがて意思を持って7つに分かれ ウィザードたちへ襲い掛かって来る マリアがハッとすると 炎が各ウィザードたちの杖に防がれる マリアが見つめる中 レイが杖を取り振り上げると炎が弾かれ大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちが次々それに倣う 7つの炎が灯魔口に入ると 大灯魔台に連動した補助灯魔台の1つに炎が灯る マリアが呆気に取られて 炎の灯った灯魔台を見る
レイの前に杖が浮かぶ マリアがそれに気付いて目を向けると レイの周囲に水が集まる マリアが他のウィザードたちを見る 他のウィザードたちも同様に水の魔法を集める マリアが思う
(今度は水…?あ、もしかして?)
マリアが補助灯魔台を見る 補助灯魔台は5つある 大灯魔台の上空に集められた水が徐々に大きくなり やがて意思を持って7つに分かれ ウィザードたちへ襲い掛かって来る レイが杖を振り上げると 水が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に水が灯る マリアが思う
(あの灯魔台に 5つの灯魔を 全て灯すのかも…?)
レイの前に杖が浮かび上がる マリアが見つめる レイが杖を振り上げると 砂が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に砂が灯る マリアが思う
(いつもは 午前と午後に1度づつ… …1度だけ午後に2回 続けた事はあったけど… それを5回も続けてだなんて …大丈夫なのかな?)
マリアが心配する
レイの前に杖が浮かび上がる マリアが見つめる レイが杖を振り上げると 雷が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に雷が灯る ウィザード5と6が僅かに苦しそうにする マリアが気付き目を向けて思う
(やっぱり辛そう…)
マリアがレイを見る レイの前に杖が浮かび上がる マリアが心配して 苦しがっていたウィザード2人を見る ウィザードの2人が気を取り直し構える レイが杖を振り上げると 風が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に風が灯る
2,3,4番のウィザードが僅かに苦しそうにする マリアがハッとしてウィザードを見る ウィザードも僅かに息を上げてから大灯魔台を見上げる マリアがその視線を追って視線を向けると 驚いて言う
「あっ ウィザード様っ!?」
レイが灯魔口へ手をかざし 表情をしかめて言う
「…まだ 分からないな?」
マリアが見つめていると レイの下にウィザードが来て言う
「どうだ?」
レイがウィザードを見て言う
「分からない 僅かな差はあるけど」
ウィザード2が来て言う
「分からないだって?」
ウィザード3も来て言う
「それじゃ どうするんだ?」
レイが言う
「どの属性かは 分からないけど 補助灯魔台には全ての属性を灯しているんだ だったら もう一度ずつ投下すれば 正しい属性だけが灯るだろ?」
ウィザード4が来て言う
「後5回も やれって言うのか?」
ウィザードが言う
「当たりを 引けなければな?」
ウィザード5が来て言う
「無理だ… 火だけなら兎も角 もう一度全属性をやるなんて 持たない」
ウィザードがレイへ向いて言う
「同感だ 2属性を試して 無理なら 今回は潔く諦めるか?」
レイが言う
「先輩たちは合計で8回 灯魔を成功させていたじゃないか?」
ウィザードが言う
「一属性だ 基本魔法の火だけを」
ウィザード2が言う
「その方が良かったかもな 今回はエキスパートの子息殿が居たんだし」
レイが言う
「俺は父親ほど 優秀じゃない」
ウィザードが苦笑して言う
「謙虚だな?」
レイが言う
「事実だよ」
ウィザード6が言う
「何にしても 一度休憩を入れないか?ここまで来たら 少し時間を空けるのだって 同じだろう?」
レイが言う
「そうだな?起動灯魔力が少し位下がった所で 一属性で押し通す訳じゃないんだ 灯魔力に影響は無い」
ウィザードが言う
「休憩を入れると 立ち上がりは 苦しくなるのだがな」
レイが笑んで言う
「先輩は歳だから」
ウィザードが苦笑して言う
「言うなよ」
ウィザード2が疑問して言う
「仲良いな?知り合いか?」
レイが言う
「そうかもな?」
ウィザードが言う
「だろうな?」
ウィザードたちが各番号の出口へ向かう マリアが一瞬疑問してレイを見上げる レイが微笑して言う
「少し 休憩だって?」
マリアが微笑して言う
「はい お疲れ様です!」
レイとマリアが歩いて行く
控え室
マリアがドアを閉めてから向き直って歩きつつ言う
「他のウィザード様たちと 何かお話しを していましたよね?」
レイがソファに座って言う
「うん 何の魔法にしようか?って」
マリアが微笑して言う
「あ、なるほど?それは大切ですね」
レイが言う
「後は ちょっとした 世間話とかかな?」
マリアが衝撃を受けて言う
「せ、世間話っ!?」
レイが微笑して言う
「うん!」
マリアが困惑して思う
(失敗をすれば 命に関わるような 大事な儀式の時に 世間話って…っ?…やっぱり ウィザード様たちって 分からないわ…)
マリアが呆れて息を吐く
「はぁ…」
レイが言う
「マリア」
マリアが疑問する レイが微笑して言う
「マリアも座りなよ?ずっと立ってて 疲れただろ?」
マリアが苦笑して言う
「あ… はい… でも 緊張していて それ頃じゃないですけど」
レイが言う
「この後も 少し続くかもしれないから 遠慮せずに!」
レイが身を寄せて 自分の隣を空ける マリアが苦笑して言う
「あ… はい では…」
マリアがソファに向かいつつ思う
(何で この控え室って ソファ1つ以外に 椅子が無いのかな?奉者の事考えてないの?)
マリアがソファに腰を下ろして思う
(これじゃ まるで ウィザード様のお部屋に居る時みた… いっ!?)
マリアが衝撃を受けると レイがマリアに抱き付いている マリアが呆れて思う
(もしかして こういう目的の為…?)
レイが言う
「うーん こうしてると やっぱ 落ち着くなぁ…」
マリアが思う
(こっちは 儀式はもちろん お母さんを前に すっごい緊張しているのに…っ)
レイがマリアの頭を撫でる マリアが心の中で溜息を吐く
(はぁあ~…)
続く
マリアが後方を伺ってからホッと息を吐いて思う
(良かった… 一瞬付いて行くべきか悩んだけど いつもの灯魔儀式の時だって 奉者も案内の人に続いて行くし 後は…?控え出口まで ウィザード様に同行すれば良いのかな?…それにしても ”奉者の力も大切” って言ってたけど あれって どう言う事?私も… 何かするの?)
マリアが悩むと係員が立ち止まり 道を示して言う
「1番から3番までの控え室の方はこちらの通路をお進み下さい 通路の出口に番号が振られておりますので そちらの方へお願い致します 4番以降の方はこちらになります」
係員が4番以降を先導する レイが言われた通路へ向かう マリアが続き2番3番のウィザードと奉者が続く
レイが1番の番号が記されている出口へ向かう マリアが付いて来て1番の番号を確認して視線を向けると 出口の先に大灯魔台が見える マリアが驚いて言う
「わぁ… 大きい…っ いつもの灯魔台より 10倍くらいあるみたい」
レイが言う
「そうだな?何しろ6人… あぁ 7人掛りだもんな?」
マリアが言う
「そうですね?7人ものウィザード様で… あら?そう言えば 7人目の方は?ホールにもいらっしゃらなくて ご挨拶が出来ませんでしたが?」
レイが言う
「ああ、わざとだろ?一度 儀式を失敗させてるんだから」
マリアが驚いて言う
「えっ!?」
レイが真っ直ぐ見据えて言う
「それでも 生き残ったウィザードだからな?けど、まさか 本当に来るなんてさ?その根性には 俺も 驚いたよ?」
マリアが疑問していた状態から レイの視線の先を見て驚き 目を見開いて言う
「”ウィザードさま”…っ!?」
レイが言う
「あれこそ 奉者の力だろうな?マリア」
マリアが驚いて言う
「えっ」
マリアが思う
(奉者の!?それじゃっ!?)
レイがマリアを見て微笑する マリアがウィザードを見ていた状態から その横に居る ソニアを見て息を飲んで言う
「お母さん…っ!?」
マリアの視線の先
ソニアが驚いていて言う
「マリアが…っ どうして…っ?」
ウィザードが言う
「マリア?」
ウィザードがマリアを見る
マリアがウィザードの視線にハッとすると 間を遮るようにレイが立つ マリアが気を取り直してレイを見上げる レイが言う
「法衣もお揃いで 従えている奉者が 親子だなんてさ?普通なら面白い所だけど マリア?今日の事 お母さんと話でもしてたのか?」
マリアがハッとして言う
「い、いえ…っ!今日の準備に忙しかった事もあって 母には… 何も…」
マリアが思う
(まさか ここで お母さんと会っちゃうだなんてっ 考えても居なかった… 大灯魔台の灯魔儀式が 無事に終わったら 伝えようと思ってたのに…)
レイが言う
「そうなのか うん?マリア もしかして あのウィザードが来る事 知らなかったのか?」
マリアが言う
「ウィザード様は ご存知だったのですかっ!?」
レイが言う
「うん 灯魔台の灯魔儀式をやる順番を決めるのに 他の町の灯魔状況を見てたからな?」
マリアが視線を落として言う
「そう… だったんですか…」
レイが言う
「マリア?」
マリアが苦笑して言う
「あっ いえ!?何でもないですっ」
アナウンスが流れる
『これより 大灯魔台 灯魔儀式を…』
マリアが思う
(奉者になった事を伝える所か 一緒に…っ 大灯魔台の灯魔儀式に 奉者として参列する事になるだなんて… でも)
マリアがレイを見て思う
(このウィザード様と一緒なら きっと… 儀式は成功するっ だって ”私のウィザード様”は 最強のウィザード様だから!)
アナウンスの続きが聞こえる
『それでは ウィザード様方 灯魔儀式を お願い致します』
マリアがレイへ向いて言う
「あ、あのっ ウィザード様っ」
レイがマリアへ向いて言う
「うん?」
マリアが微笑して言う
「頑張って下さいね!」
レイが一瞬呆気に取られた後 笑んで言う
「ああ!任せとけっ!」
マリアが微笑する レイが微笑してから大灯魔台へ向かって行く
マリアが出口付近へ行き 大灯魔台へ向かって行くウィザードたちを見た後 周囲の状況を見る 他の奉者たちがマリアと同じく 出口付近でウィザードたちを見つめている
マリアがソニアを見る ソニアも他の奉者たちと同じく 自分のウィザードを見詰めている マリアが思う
(今は 私も… お母さんや 他の奉者たちと同じ様に 儀式の成功を…っ ウィザード様たちの 無事を祈ろう!)
マリアが祈りの手を握ってから レイを見る
ウィザードたちの一部が各自の灯魔位置で立ち止まる レイが灯魔口へ向かう ウィザードがレイに続くと 他のウィザードたちが続く レイが灯魔口で5大属性を確認して目を細める ウィザードが言う
「大灯魔台の属性は 起動作業を終えるまでは 分からないぞ?」
ウィザード2が言う
「彼ほどの能力があれば 分かるんじゃないのか?」
レイが言う
「いや 先輩の言う通りだ 完全に魔力が抜けてる」
ウィザード3が言う
「では どうする?その”先輩”に倣って 火で行くか?」
レイがウィザードへ向いて言う
「あの大灯魔台の属性は 結局 なんだったんだ?」
ウィザードが言う
「…水だったな」
ウィザード4が言う
「真逆か 失敗する訳だ」
レイが言う
「水だと分かったのは?」
ウィザードが言う
「起動を終えた時だ」
レイが言う
「何で変えなかった?」
ウィザードが言う
「灯魔は補助灯魔台の全ての灯魔と連動する …誰も 1からやり直そう とは言わなかった」
ウィザード2が言う
「押し通すつもりだったのか」
ウィザード3が言う
「そう言う連中は多い 20年前に神に選ばれたウィザードも その1人だろう?」
レイが言う
「彼は炎のエキスパートだった 基礎魔法の火に頼る お前たちとは違うよ?」
皆が反応して不満と言葉を飲む ウィザードが苦笑して言う
「流石に言ってくれる」
ウィザード2が言う
「ならどうする?属性を合わせるのか?」
レイが言う
「もちろん」
ウィザードが言う
「エキスパートではない 我々で成功させるには それしかない」
ウィザード3が不満そうに言う
「…チッ 面倒だな どうせ 今世代選ばれるのは エキスパートの子息殿に決まっているのに… それに付き合わされるだなんて」
他のウィザードたちが反応する レイが言う
「俺はいくつもりは無い 最後まで残れよ?譲ってやるから」
皆が驚く ウィザードが言う
「…本気か?」
レイがウィザードへ微笑して言う
「先輩と同じだよ 流石 親娘だよな?ウィザードを惚れさせちゃうなんてサ?」
ウィザードが一瞬驚いた後 視線を逸らす ウィザードの後方にソニアが居る 皆が各自の灯魔場所へ向かう マリアがソニアを見る ソニアが一度マリアを見てからウィザードへ向き直る マリアがレイへ向く
ウィザードたちが各自 灯魔場所に立つと皆の視線がレイへ向く
レイの前に杖が浮かび魔力が収集され 周囲に炎が集まる ウィザードたちがそれを見て各自の構えで魔力を収集し炎を集める ウィザードたちの炎が終結し 大灯魔台の上部に集まる マリアが息を飲んで思う
(す、凄い…っ いつもの灯魔儀式の何倍だろう?こんなに距離があるのに ここまで空気が熱くて… 呼吸が苦しい位…っ)
マリアが息を飲み周囲の状況を見る 他の奉者たちも圧倒されつつ ぐっと堪えている マリアが気を入れて思う
(そうよね!?自分のお仕えするウィザード様が… 頑張っているんだもんっ 私たちだって…っ!)
マリアがレイを見る
ウィザードたちが横目に他のウィザードの様子を気に掛ける ウィザードがレイを見る レイは誰も見ずにいつも通り行っている マリアがレイを見つめる
炎が大きくなりやがて意思を持って7つに分かれ ウィザードたちへ襲い掛かって来る マリアがハッとすると 炎が各ウィザードたちの杖に防がれる マリアが見つめる中 レイが杖を取り振り上げると炎が弾かれ大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちが次々それに倣う 7つの炎が灯魔口に入ると 大灯魔台に連動した補助灯魔台の1つに炎が灯る マリアが呆気に取られて 炎の灯った灯魔台を見る
レイの前に杖が浮かぶ マリアがそれに気付いて目を向けると レイの周囲に水が集まる マリアが他のウィザードたちを見る 他のウィザードたちも同様に水の魔法を集める マリアが思う
(今度は水…?あ、もしかして?)
マリアが補助灯魔台を見る 補助灯魔台は5つある 大灯魔台の上空に集められた水が徐々に大きくなり やがて意思を持って7つに分かれ ウィザードたちへ襲い掛かって来る レイが杖を振り上げると 水が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に水が灯る マリアが思う
(あの灯魔台に 5つの灯魔を 全て灯すのかも…?)
レイの前に杖が浮かび上がる マリアが見つめる レイが杖を振り上げると 砂が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に砂が灯る マリアが思う
(いつもは 午前と午後に1度づつ… …1度だけ午後に2回 続けた事はあったけど… それを5回も続けてだなんて …大丈夫なのかな?)
マリアが心配する
レイの前に杖が浮かび上がる マリアが見つめる レイが杖を振り上げると 雷が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に雷が灯る ウィザード5と6が僅かに苦しそうにする マリアが気付き目を向けて思う
(やっぱり辛そう…)
マリアがレイを見る レイの前に杖が浮かび上がる マリアが心配して 苦しがっていたウィザード2人を見る ウィザードの2人が気を取り直し構える レイが杖を振り上げると 風が弾かれて大灯魔台の灯魔口へ叩き込まれる 他のウィザードたちも同じくする 補助灯魔台に風が灯る
2,3,4番のウィザードが僅かに苦しそうにする マリアがハッとしてウィザードを見る ウィザードも僅かに息を上げてから大灯魔台を見上げる マリアがその視線を追って視線を向けると 驚いて言う
「あっ ウィザード様っ!?」
レイが灯魔口へ手をかざし 表情をしかめて言う
「…まだ 分からないな?」
マリアが見つめていると レイの下にウィザードが来て言う
「どうだ?」
レイがウィザードを見て言う
「分からない 僅かな差はあるけど」
ウィザード2が来て言う
「分からないだって?」
ウィザード3も来て言う
「それじゃ どうするんだ?」
レイが言う
「どの属性かは 分からないけど 補助灯魔台には全ての属性を灯しているんだ だったら もう一度ずつ投下すれば 正しい属性だけが灯るだろ?」
ウィザード4が来て言う
「後5回も やれって言うのか?」
ウィザードが言う
「当たりを 引けなければな?」
ウィザード5が来て言う
「無理だ… 火だけなら兎も角 もう一度全属性をやるなんて 持たない」
ウィザードがレイへ向いて言う
「同感だ 2属性を試して 無理なら 今回は潔く諦めるか?」
レイが言う
「先輩たちは合計で8回 灯魔を成功させていたじゃないか?」
ウィザードが言う
「一属性だ 基本魔法の火だけを」
ウィザード2が言う
「その方が良かったかもな 今回はエキスパートの子息殿が居たんだし」
レイが言う
「俺は父親ほど 優秀じゃない」
ウィザードが苦笑して言う
「謙虚だな?」
レイが言う
「事実だよ」
ウィザード6が言う
「何にしても 一度休憩を入れないか?ここまで来たら 少し時間を空けるのだって 同じだろう?」
レイが言う
「そうだな?起動灯魔力が少し位下がった所で 一属性で押し通す訳じゃないんだ 灯魔力に影響は無い」
ウィザードが言う
「休憩を入れると 立ち上がりは 苦しくなるのだがな」
レイが笑んで言う
「先輩は歳だから」
ウィザードが苦笑して言う
「言うなよ」
ウィザード2が疑問して言う
「仲良いな?知り合いか?」
レイが言う
「そうかもな?」
ウィザードが言う
「だろうな?」
ウィザードたちが各番号の出口へ向かう マリアが一瞬疑問してレイを見上げる レイが微笑して言う
「少し 休憩だって?」
マリアが微笑して言う
「はい お疲れ様です!」
レイとマリアが歩いて行く
控え室
マリアがドアを閉めてから向き直って歩きつつ言う
「他のウィザード様たちと 何かお話しを していましたよね?」
レイがソファに座って言う
「うん 何の魔法にしようか?って」
マリアが微笑して言う
「あ、なるほど?それは大切ですね」
レイが言う
「後は ちょっとした 世間話とかかな?」
マリアが衝撃を受けて言う
「せ、世間話っ!?」
レイが微笑して言う
「うん!」
マリアが困惑して思う
(失敗をすれば 命に関わるような 大事な儀式の時に 世間話って…っ?…やっぱり ウィザード様たちって 分からないわ…)
マリアが呆れて息を吐く
「はぁ…」
レイが言う
「マリア」
マリアが疑問する レイが微笑して言う
「マリアも座りなよ?ずっと立ってて 疲れただろ?」
マリアが苦笑して言う
「あ… はい… でも 緊張していて それ頃じゃないですけど」
レイが言う
「この後も 少し続くかもしれないから 遠慮せずに!」
レイが身を寄せて 自分の隣を空ける マリアが苦笑して言う
「あ… はい では…」
マリアがソファに向かいつつ思う
(何で この控え室って ソファ1つ以外に 椅子が無いのかな?奉者の事考えてないの?)
マリアがソファに腰を下ろして思う
(これじゃ まるで ウィザード様のお部屋に居る時みた… いっ!?)
マリアが衝撃を受けると レイがマリアに抱き付いている マリアが呆れて思う
(もしかして こういう目的の為…?)
レイが言う
「うーん こうしてると やっぱ 落ち着くなぁ…」
マリアが思う
(こっちは 儀式はもちろん お母さんを前に すっごい緊張しているのに…っ)
レイがマリアの頭を撫でる マリアが心の中で溜息を吐く
(はぁあ~…)
続く
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エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
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