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庭師(恋愛感情・恋愛関係なし)

馴れ初め 

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坊ちゃんが自分と庭師の部屋を繋ぐ抜け道を発見したのは偶然だった。本来であれば成長したら教わる非常時の抜け道なのだろう。私が庭師としてこの部屋を使い始めたのは最近だ。

運悪く、坊ちゃんが訪れたときに庭師は自己処理をしていた。

何してるの?と突然部屋に現れた坊ちゃんに驚くと共に顔射してしまったのだ。

うわッと坊ちゃんが反射的に目をつぶる。端正な顔がしばらく抜いていなかったねっとりとした白濁で汚される。

目を開けないで、動かないで下さい!と布巾を探しに行くが、見つからない。
まだダメなの?と待たされすぎて機嫌を崩し始めている坊ちゃんに焦り、やむを得ず近くにあった自分の下着でぬぐうことにした。
実際はズボンもあったのだが、その時の庭師は気が動転していた。

できるだけ丁寧に優しく触れたつもりが、おえッなんか臭いんだけどと坊ちゃんの眉間にしわが寄る。拭いている間、臭い信じられないと連呼し続けている。
庭師はイラッとしつつ、小さな鼻周りもぬぐう。坊ちゃんがやめろよぉと嗚咽しながら目尻に涙を浮かべ始め、す、すいませんとそっと下着を外す。

坊ちゃんは口では生意気だが、未だ目を閉じじっとし続けている従順さがあった。だが、うっまだ臭いぃと顔を顰めて文句は言い続けている。庭師はその隙にベット下に顔を拭いた下着を投げ入れた。

もう目開けていい?と少し元気なさそうに聞かれ、もちろんです、すいません!と庭師が頭を下げる。

坊ちゃんは庭師の顔をじっと見た後、
その視線を下にずらした。

そういえばしまうのを忘れていた。

お前、さっき何してたの?僕の顔にかけたの何?
坊ちゃんが庭師に詰め寄る。

はははっ、庭師は思わず笑ってしまった。

本人としてはドスを聞かせて、睨みつけているつもりなのだろうが、全く怖くない。

なんで笑うんだよ!しつれいだぞ!とベッドを叩くのも全く怖くない。むしろ、可愛げさえ感じた。
これまで見かけた、ご当主様の側で感情なくいい子にしている坊ちゃんより、ずっと良い。
庭師は自分のをしまいながら、これはいずれ坊ちゃんにも起こることなのですが…、と性教育を始めた。
坊ちゃんは時折身体をもぞもぞそわそわさせながらじっと話を聞いていた。

話終わり、僕もそうなる…と坊ちゃんが庭師の股間を見つめている。少し気まずいが、気になるのは当然か。

庭師がそろそろ部屋にお戻りに…と言いかけたところで部屋の扉が叩かれた。

庭師と坊ちゃん両者の肩が跳ねる。
「ーーーさん、夜分にすいません。明後日のお茶会のことで相談があります」この声はメイド長だ。坊ちゃんも気づいたらしく慌てている。黙ってここに来たのだろう。少し待ってください!!と叫び、咄嗟に坊ちゃんにベッド下を指さす。

勢いよくうなづき、坊ちゃんは寝そべってはっていった。完全に隠れたのを確認し、お待たせしてすいません、どうぞとドアの外に告げた。

  





坊ちゃんはベット下で庭師のことを少し見直していた。
あのままメイド長にバレていたら、もう寝る時間だってたくさん叱られていただろう。
もしかしたら父様と母様にも伝わって、と考えると悲しくなった。

意外とできるやつだ、庭師は。怒られないで済みホッとしていると仄暗い視界に何か見えた。
手を伸ばせば届きそうだ。そーっと引き寄せて目の前に持ってくると嗅いだことのある強い匂いがする。

声を出さなかった自分は偉い。さっき庭師が僕の顔を拭いたやつだ!この形はし、下着…!??信じられないと怒りで顔に熱がこもる。

あとで絶対殴る、と心に決める。相変わらず目の前の下着はひどい臭いを発していた。


メイド長と庭師はまだ話し続けている。
じーっと待っていると嫌でも下着が目に入る。

段々この臭いが平気になりかけている自分も嫌だった。でも僕は鼻も丈夫なのかもしれない。
すん、ともう一回嗅いでみるがやはり臭い。なんでこんなに臭いんだ。

臭すぎて頭がぼーっとしてきた。庭師の下着、大人の下着はみんなこんなに臭いのか?僕はおとなになってもこんな臭い下着になりたくないな、と思う。

立派な後継になるようにって言われているのに、父様と母様にこんなに臭い下着でって失望されたらどうしよう。そんな考えが浮かび、坊ちゃんは目に涙を浮かべた。この臭いになったら自分で気づかなきゃ、覚えておかなきゃ、と涙をこぼしながら必死に下着に鼻を近づける。

すんすん、ん゛ん゛っ、ううっくさいぃ、くさいぃ、庭師の下着に涙が落ち、にじんで斑点を作っていく。






坊ちゃん、話は終わりましたよ、もう出てきて平気ですよーとベッド下に呼びかけるが返事がない。

話が止まり静かになった部屋に、ひくっひくっと泣きじゃくる声が聞こえる。

おかしいなと思い、のぞきこむと坊ちゃんが寝そべりながら震えている。

大丈夫ですか坊ちゃん!どっかぶつけましたか!と慌てて足を引っ張って引き摺り出す。

すると坊ちゃんの顔と共に自分の下着も出てきてギョッとした。

何があったんですが坊ちゃん、と脇を持って持ち上げると涙と鼻水で顔面をべしょべしょにしている。

どうしたらいいかわからず、そーっと庭師が頭を撫でると、坊ちゃんが庭師の服をぎゅっと掴みながらすがりつく。

背中をとんとん叩いたり、大丈夫ですよーと声をかけていると段々と坊ちゃんも落ち着いてきたようだ。

鼻を啜りながら庭師の指をギュッと握った。
少し可愛いなと思い庭師の顔が綻ぶ。

だがすぐに反対の庭師の服の袖を持ってきて勝手に鼻水や涙をぬぐい始め、気分が下がった。
もはやすがりつかれた時点で服の胸元が冷たいから意味はないが、やめてほしい。

そのまま1人部屋に返すのも、と思ったのでその日は一緒に寝ることにした。
お互い服が汚れてしまったので一緒に着替える。

坊ちゃんは庭師の上着のみを羽織り、ぶかぶかだーと楽しそうに袖を振り回していた。
元気になったようでなによりだ。

共にベッドに入る。坊ちゃんがぴとっとくっつきながら庭師を見上げた。
なんかわからないが相当懐かれたなぁと庭師が坊ちゃんの頭をそっと撫でる。

だが可愛い上目遣いのまま繰り出された、
なぁ庭師、おとなっていつもお前みたいにあんなに下着が臭いのか?という言葉で庭師の安らぎの時間は終わった。

違いますよ!たまたま明後日に大規模な茶会があるから、仕事から帰ったらすぐ寝るってのを繰り返しただけでいつもは毎日取り替えますし、ていうかそんなに臭かったですか、と庭師が早口で説明する。

庭師の質問には答えず、そっか、おとながずっとみんなあの臭いなわけじゃないんだな…と坊ちゃんは安心し切った様子で微笑み、こくりこくりと眠り始めてしまった。

えぇーなんなんだよもう…と庭師はその安らかな寝顔を眺めながら、忙しくても毎日下着を取り替えようと誓うのだった。





数年後

「坊ちゃん、本当におひとりで大丈夫ですか?」
「お前がついてこないって言ったくせに」

館の前で、庭師は坊ちゃんの背中を見ていた。
坊ちゃんは振り返らない。入寮のため、彼は家を出る。
学園は貴族も扱いは平等。守衛は庭師より優秀だろう。何より坊ちゃんはもう1人で大丈夫だ。

庭師が自室へ戻る。クローゼットに何か挟まっている。カードだ。入学式で着ろ、と見覚えのある字で書かれている。
戸を開けると中にモスグリーンのスーツと革靴が入っていた。



入寮期限最終日。建物の前についた。坊ちゃんは庭師とギリギリまで一緒にいたかったのだ。今頃俺からのサプライズに驚いているだろう、と内心ほくそ笑む。

そんな時、彼の顔に上からブリーフが降ってきた。
「おほぉっ!?♡」強い匂いがする。
「ぉ♡」反射的にさらに嗅ぐ。
一秒後、理性で顔から剥がす。性器が反応を見せ始めていた。

突然寮の扉が開いた。
「洗濯物が!」と男子生徒が飛び出してくる。
「すまん!」と彼の手からブリーフを取った。

寮の前で、2人は出会った。桜の花びらで床が埋まっている。後の男子生徒とガキである。

ガキの目尻がとろけ、口が物欲しそうに開いてしまう。視線が男性生徒の手の中へ移る。庭師の下着の匂いをよく嘲笑っていたものだが、それとは違う。
「どっ、どうした?これ俺の下着で、ほんとすまん!」
「おまえの…♡いや、別に」

ガキが足早に寮の中へ入っていく。
男子生徒はしばらくその場に立ち尽くし、名前を聞けばよかったと下着を握りしめた。


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