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番外編
番外編)フライング・クリスマス*(後編)
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ベッドの上の夏目は赤い顔をして、困ったようにしながらも僕の甘噛みを甘んじて受けている。引き締まった腹筋にがぶりと歯型を付けると、流石に痛かったのかやんわりと手でガードされた。
その仕草にクスクスと再び笑った僕は、微笑みを浮かべながら小さな乳首に尖らせた唇でキスをした。
「っぁ……ッ。雪平さん、好きッス……ほんと、どうしょうもないくらい好きッス……!」
ぎゅっと抱きしめられて、情熱的な愛の言葉を貰う。
自分が愛されているという実感が常にある夏目との関係は、恋人であると同時に僕に安心感を与えた。それは過去の恋人達からは得られなかったものだったように思う。
「……ん。ありがと」
「え~っ。それだけっスかー?」
僕の返答に少しだけ不満そうに唇を尖らせた夏目に、僕は今度はちゅっと唇へのキスをした。唇を離して間近で彼を見据えた僕は、少し微笑んで悪戯に片目を瞑る。
「それだけだよ。……言葉では、ね」
「……っ!」
それは彼の欲情スイッチに触れたようで、彼は上半身を起こして僕を抱きしめたまま、熱っぽい呼吸を繰り返しながら僕の閉じた瞼に口付けた。髪を掻き分けられて中に隠れる耳朶を食まれ、更に白い首筋に吸い跡を付けられる。
「ちょっ。外から見えるところには……っ」
「すんません。でも、雪平さんは俺のものだって印、いっぱい付けたいんス……」
「だ、め……っ、んんん……っ」
言葉を封じるように口付けられて、その情熱的なキスにするりと理性が綻んでゆく。
部屋着をぺろりとめくりあげられて、ひんやりとした空気を感じたのも束の間。後ろに押し倒されて、覆い被さられる形で胸の突起を貪られた。
ちゅっ、ちゅっ、と音を立ててそこにキスをされて、執拗に吸われる。
時折僕の反応を見るように視線を上げる夏目は、情熱的に吸われて熟れた小さな赤い実を、僕に見せつけるように舌で弾いた。
「ん、修一……っ」
「気持ちいいっスか? 赤い顔の怜さんも可愛いっス」
僕の顔に一目惚れしたと言うだけあって、夏目はしょっちゅう僕の顔を見ているし、よく目が合う。それはセックスの最中でも同じで、こうしていちいち反応を見られながら抱かれるから参ってしまう。
「……気持ちいいけど。もっと修一の好きに抱いてくれてもいいのに」
「好きに抱いてるっスよ? 俺、怜さんの感じてる顔を見るのが好きなんス」
へへっ、と小さく笑った夏目が、反対側の赤い実へ吸い付いた。夏目の唇によって同じようにぷっくりと膨れさせられたそれは、僕の白い肌の上で存在を主張する。
僕が恥ずかしさに胸元を左手で覆うと、夏目は僕の左手の薬指に口付けた。
続いて指の間を舐められて、くすぐったさに怯んだ手はあっさりと退けられた。
平らな腹を滑りながら下へと向かう唇は、不意打ちのように道すがら気紛れなキスマークをつける。力強い夏目のキスマークはまるで体の上から赤い花びらを散らされたかのように鮮やかで、色素の薄い僕の肌を淫靡に彩った。
「……ぁ、んっ……、修一っ……しゅ……いちっ……」
「好きです、怜さん……っ」
肌を重ねる毎に、僕はどんどん夏目を好きになっていく気がする。たくましいその腕に抱かれながら、僕は思考が快楽にとろけていくのを自覚した。
◆◇◆◇◆◇
「……さっきの話だけど。プロポーズはともかく、付き合って一年以上経つし。ペアリングくらいなら、つけても良いんじゃない……?」
「…………!! ほ、ホントっスか!?」
ベッドの上で上半身を元気よく起こした夏目は、キラキラした目で僕を見つめる。純粋すぎる夏目の眼差しに、僕はこくんと頷いてふんわり微笑む。
「じゃ、じゃあ、また俺、お金を貯めて……」
逸る気持ちを抑えきれない様子の夏目を尻目に、僕はベッドから立ち上がってクローゼットの最奥を漁る。
大切に仕舞い込んでいたケースから取り出したものを、そっと夏目の目の前にかざして見せた。
「雪平さん?」
「……ふふ。僕も、クリスマスまで我慢できなくなっちゃった。夏目がフライングするから」
「こっ、こここ、これはもしやっ……!!?」
僕は手の中にあったシルバーのリングを、夏目の左手薬指にあてがう。
「これ。夏目のココに嵌めてもいい?」
「…………っ!!」
言葉にならないままコクコクと頷く夏目の指に、僕はそっとその指輪を嵌めた。空手をしていた彼の拳ダコが浮いた浅黒い左手に、シルバーリングが良く映えている。
先程ベッドの中で彼がした、薬指にキスをする仕草。それを僕は彼へとやり返して、上目遣いでふんわりと微笑む。
興奮に頬を赤らめた夏目は、うっとりと指輪に見とれ、次に僕の笑顔に見とれ、そして僕のキスの仕草にまた見とれている様子だ。
「修一、ポーッとしすぎだよ?」
分かり易すぎる夏目の表情を覗き込むと、ハッと我に返ったらしい夏目が突然自分の頬をつねった。
「痛い……。ゆ、夢じゃない……」
「夢のほうが良かった?」
答えのわかりきった質問に、夏目は大慌てでブンブンと首を横に振った。
「俺……こんな……雪平さんに貰えるなんて思ってなくて……めちゃくちゃ嬉しくて、もうなんか、色々ヤバいっス」
「ふふ、良かった。ちょっと早いけど、メリークリスマス」
「め、メリークリスマス……。ていうか、雪平さんこそ俺のこと煽ってますよね? 明日仕事なのに、こんなんされたら俺、帰れないっスよぉ」
甘えるようにそう言って、再び僕をベッドへ引き戻そうとする夏目の手を、僕は笑顔でするりと躱す。
「続きはクリスマスに……ね」
「…………!!」
赤い顔でコクコクと頷く夏目に、僕は幸せな気持ちでふわりと微笑んだ。
その仕草にクスクスと再び笑った僕は、微笑みを浮かべながら小さな乳首に尖らせた唇でキスをした。
「っぁ……ッ。雪平さん、好きッス……ほんと、どうしょうもないくらい好きッス……!」
ぎゅっと抱きしめられて、情熱的な愛の言葉を貰う。
自分が愛されているという実感が常にある夏目との関係は、恋人であると同時に僕に安心感を与えた。それは過去の恋人達からは得られなかったものだったように思う。
「……ん。ありがと」
「え~っ。それだけっスかー?」
僕の返答に少しだけ不満そうに唇を尖らせた夏目に、僕は今度はちゅっと唇へのキスをした。唇を離して間近で彼を見据えた僕は、少し微笑んで悪戯に片目を瞑る。
「それだけだよ。……言葉では、ね」
「……っ!」
それは彼の欲情スイッチに触れたようで、彼は上半身を起こして僕を抱きしめたまま、熱っぽい呼吸を繰り返しながら僕の閉じた瞼に口付けた。髪を掻き分けられて中に隠れる耳朶を食まれ、更に白い首筋に吸い跡を付けられる。
「ちょっ。外から見えるところには……っ」
「すんません。でも、雪平さんは俺のものだって印、いっぱい付けたいんス……」
「だ、め……っ、んんん……っ」
言葉を封じるように口付けられて、その情熱的なキスにするりと理性が綻んでゆく。
部屋着をぺろりとめくりあげられて、ひんやりとした空気を感じたのも束の間。後ろに押し倒されて、覆い被さられる形で胸の突起を貪られた。
ちゅっ、ちゅっ、と音を立ててそこにキスをされて、執拗に吸われる。
時折僕の反応を見るように視線を上げる夏目は、情熱的に吸われて熟れた小さな赤い実を、僕に見せつけるように舌で弾いた。
「ん、修一……っ」
「気持ちいいっスか? 赤い顔の怜さんも可愛いっス」
僕の顔に一目惚れしたと言うだけあって、夏目はしょっちゅう僕の顔を見ているし、よく目が合う。それはセックスの最中でも同じで、こうしていちいち反応を見られながら抱かれるから参ってしまう。
「……気持ちいいけど。もっと修一の好きに抱いてくれてもいいのに」
「好きに抱いてるっスよ? 俺、怜さんの感じてる顔を見るのが好きなんス」
へへっ、と小さく笑った夏目が、反対側の赤い実へ吸い付いた。夏目の唇によって同じようにぷっくりと膨れさせられたそれは、僕の白い肌の上で存在を主張する。
僕が恥ずかしさに胸元を左手で覆うと、夏目は僕の左手の薬指に口付けた。
続いて指の間を舐められて、くすぐったさに怯んだ手はあっさりと退けられた。
平らな腹を滑りながら下へと向かう唇は、不意打ちのように道すがら気紛れなキスマークをつける。力強い夏目のキスマークはまるで体の上から赤い花びらを散らされたかのように鮮やかで、色素の薄い僕の肌を淫靡に彩った。
「……ぁ、んっ……、修一っ……しゅ……いちっ……」
「好きです、怜さん……っ」
肌を重ねる毎に、僕はどんどん夏目を好きになっていく気がする。たくましいその腕に抱かれながら、僕は思考が快楽にとろけていくのを自覚した。
◆◇◆◇◆◇
「……さっきの話だけど。プロポーズはともかく、付き合って一年以上経つし。ペアリングくらいなら、つけても良いんじゃない……?」
「…………!! ほ、ホントっスか!?」
ベッドの上で上半身を元気よく起こした夏目は、キラキラした目で僕を見つめる。純粋すぎる夏目の眼差しに、僕はこくんと頷いてふんわり微笑む。
「じゃ、じゃあ、また俺、お金を貯めて……」
逸る気持ちを抑えきれない様子の夏目を尻目に、僕はベッドから立ち上がってクローゼットの最奥を漁る。
大切に仕舞い込んでいたケースから取り出したものを、そっと夏目の目の前にかざして見せた。
「雪平さん?」
「……ふふ。僕も、クリスマスまで我慢できなくなっちゃった。夏目がフライングするから」
「こっ、こここ、これはもしやっ……!!?」
僕は手の中にあったシルバーのリングを、夏目の左手薬指にあてがう。
「これ。夏目のココに嵌めてもいい?」
「…………っ!!」
言葉にならないままコクコクと頷く夏目の指に、僕はそっとその指輪を嵌めた。空手をしていた彼の拳ダコが浮いた浅黒い左手に、シルバーリングが良く映えている。
先程ベッドの中で彼がした、薬指にキスをする仕草。それを僕は彼へとやり返して、上目遣いでふんわりと微笑む。
興奮に頬を赤らめた夏目は、うっとりと指輪に見とれ、次に僕の笑顔に見とれ、そして僕のキスの仕草にまた見とれている様子だ。
「修一、ポーッとしすぎだよ?」
分かり易すぎる夏目の表情を覗き込むと、ハッと我に返ったらしい夏目が突然自分の頬をつねった。
「痛い……。ゆ、夢じゃない……」
「夢のほうが良かった?」
答えのわかりきった質問に、夏目は大慌てでブンブンと首を横に振った。
「俺……こんな……雪平さんに貰えるなんて思ってなくて……めちゃくちゃ嬉しくて、もうなんか、色々ヤバいっス」
「ふふ、良かった。ちょっと早いけど、メリークリスマス」
「め、メリークリスマス……。ていうか、雪平さんこそ俺のこと煽ってますよね? 明日仕事なのに、こんなんされたら俺、帰れないっスよぉ」
甘えるようにそう言って、再び僕をベッドへ引き戻そうとする夏目の手を、僕は笑顔でするりと躱す。
「続きはクリスマスに……ね」
「…………!!」
赤い顔でコクコクと頷く夏目に、僕は幸せな気持ちでふわりと微笑んだ。
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