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番外編3)まだ、ひっくり返らない。*
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こちらは0721の日特別企画で書いたものです。
攻めオナと喘ぎシーンがありますので、地雷の方はお読みにならないよう、お願い致します。
***
「奏さん、僕とする前に一度抜いてたって言ってましたよね?」
「あー……その話、まだ引っ張る?」
情事後シャワーを浴び終えた俺は、上半身裸のまま麦茶片手に将貴を振り返った。同じくシャワーを浴び終えた将貴は、もはや勝手知ったるうちのキッチンの冷蔵庫から麦茶を出して、上目遣いで俺を見上げた。
「だって、感度の良い奏さん、可愛すぎて。僕、更に奏さんに夢中になっちゃいそうです」
将貴はそう言って、麦茶でひんやり冷えた唇を、俺の喉元に押し当てるようにキスをした。冷たさにドキリと反応する心臓が、終えたばかりの欲情のスイッチをくすぐる。
「あーもー、将貴はそうやって、また俺をからかう。あれをカミングアウトするの、どれだけ勇気がいったと思ってるんだよ……」
湧き上がる僅かな興奮を抑え込むように、俺は息をゆっくり吐きながらそう言って笑った。
だが、最近妙に積極的な将貴は、片腕を俺の肩の上にのせて、間近から俺の顔を覗き込む。
何かを見透かすようなその表情は、更に俺の欲情スイッチを煽った。
瞳の中に俺の変化を見留めたらしい将貴は、口元を僅かに緩めた。
「ねぇ。僕、奏さんが一人でするとこ、今度見たいなぁ」
「……はっ!? い、いや……さすがにそれは」
「僕、ずーっと奏さんに避けられてるって思って、寂しかったなー」
「えっ……、いや、それは悪かったと思ってるけど……いや、だからって」
「この一件は、ソレで許すってことで、どうですか?」
知り合った頃は純情だったはずの将貴に、自慰を見せて欲しいと言われる日が来るなんて。
将貴、キミ、最近なんだか積極的になりすぎじゃない?!
「なんなら玩具、使います? もしかして、一人でするときは後ろもしないとイケない?」
「いっ、いや! それはナイ! 前だけで大丈……」
「じゃあ、決まりですね!」
「ええっ!? いや、ちょっ……待っ」
将貴は俺の反論をキスで封じて、将貴はご機嫌だ。
「次の土曜日、夜勤明けにまた来ますね。それまでは、一人で抜いちゃ駄目ですよ」
「え。それって」
「奏さん。僕のために、三日間自慰を我慢して下さい。感度マックスになった奏さんが一人でするところ、僕だけに見せて」
「はいぃ!?」
将貴くん、キミ自分が何言ってるか分かってる!?
アラサー男の自慰を見て、将貴は一体何が楽しいんだ……。
カミングアウトによって、ようやく胸のもやもやが晴れたと思っていた俺は、再び今夜、別のもやもやを抱え込むことになるのだった。
***
三日後の、早朝。
約束通り我が家を訪ねてきた将貴に、手を引かれて寝室に導かれる。二人並んでベッドの縁に座ると、将貴は上着を脱ぎながら俺の方を見る。
「ちゃんと約束、守ってくれていましたか?」
「ま、まあ……」
仕事が立て込んでいるときならば、自慰などする暇もなく三日間以上が経過するなんて事はザラだ。
だが、こんなときに限って仕事が捗りに捗ってしまい、俺は昨日一日を悶々と過ごす羽目になってしまった。
自慰を見せるのは正直恥ずかしい。
けれど、あんなカミングアウトをして、嫌われなかっただけ良かったじゃないか、と俺は自分に言い聞かせた。
「えーっと。夜勤お疲れ様。あ、俺、お茶でも……」
「奏さん、往生際が悪いですよ」
将貴はそう言って、立ち上がりかけた俺をベッドの縁に引き戻した。
うう。そんなことを言われても、この空気の中で「じゃあ」と言って自慰を始められるほど、俺は変態ではない。
俺の困ったような表情に気がついたのか、将貴はクスリと笑って言った。
「いつもはどんなふうにしていたんですか? やっぱり、僕のことを考えて? それとも、あす……」
「将貴の事を考えてしてるよ」
俺は食い気味にそう答えて、はぁと小さく息を吐いた。そう言えば昔、遊眞にも見られながら自慰をやらされたことがあった。そんな過去の黒歴史の記憶を封印すべく、俺は渋々スエットのゴムに手をかけた。
下にずりおろしたそこから、そろりと性器を取り出す。
「ふふ、もう少し勃ってますね。なんだか嬉しいです」
「いっ、いいからちょっと離れてて……」
吐息がかかる程の距離に顔を近づけてきた将貴を、俺は右手で押しやる。
そのまま左手を使って陰茎を軽くしごき始めると、目を閉じてまぶたの裏に将貴を思い浮かべた。
だが、本人に見られていると思うと、なかなか思うように事が進まない。
「うっ……ふ、んん……」
吐息のような小さな呻きが静かな寝室に響き、恥ずかしさだけがじわじわと高まる。
手の動きを早めてなんとか達しようと頑張るが、将貴に見られていると思うだけでプライドや羞恥心が邪魔をして、結局達せないまま俺は手を止めてしまった。
「おしまい、ですか?」
将貴が再び側に寄ってきて、俺の顔を覗き込みながらそう聞いた。俺は答えに詰まって、気まずいまま視線をそらした。
「本人に見られてると思うと、さすがに……な」
「うーん。じゃあ、目隠ししますか?」
「は!? いや、そういう問題じゃなくてだな」
「目隠しをして、僕の手にされてるって思いながらする、っていうのはどうですか? 確かこの辺に、アイマスクありましたよね」
将貴が、にっこりと笑ってそんな提案をしてくる日が来るなんて、誰が想像しただろうか?
ねえ、将貴。キミ、最近ちょっと遊眞に似てきてない!?
俺の心の中のツッコミが将貴に伝わるはずもなく、あれよあれよと言う間に俺は将貴の手によって目隠しを施されてしまう。
「ちょっ、将貴。これもはや、何のプレイ?」
「え、でも奏さん、割とこういうのお好きですよね?」
「え……っ!? あ、駄目だって……」
アイマスクの隙間から僅かに見える将貴が、俺の肩に手を置いた。そのままグイッと後ろに押され、俺は将貴にベッドに押し倒される体勢になる。
両足の間を将貴の膝に割り開かれると、見えないはずのアイマスクの向こう側に、将貴の熱い視線を感じた気がした。
「奏さん、扱いて。僕にされていると思いながら」
そう促されて、俺は再び陰茎を擦り始める。
将貴が触れている肩口と両足の間が甘く火照る。全身が敏感になっているのか、顔面にかかる将貴の吐息までもが、ふわりと俺の官能を撫でた。
「まさ、たか……っ、んん……っ」
口の中で僅かにそう名を呼ぶと、将貴の柔らかな髪の毛先が額に触れる。鼻腔をくすぐる僅かな汗の匂いは、ごく間近に将貴が居ることを俺に伝えた。
「奏さん、すっごく可愛い………」
「かわい……とか、言うな……っ」
俺はそう言い返したけれど、正直に言えば、将貴のその言葉に興奮していた。
陰茎から先端に向かって皮ごと上下に扱きたて、俺は徐々にその行為に夢中になっていく。
固く張り詰めた手の中のものは、薄っすらと血管を浮き上がらせ始めていた。
「イケそうですか?」
「あっ、ちょっ……!」
不意に将貴が俺の左手に自分の手を添えて、手の動きに合わせて先端をグリグリと撫でた。
既に先端からぬめりを浮き上がらせていたそれは、にゅるにゅると柔らかな将貴の親指の腹に刺激されて、俺を快楽で追い立てる。
追い打ちをかけるように何度も雁首を往復され、俺は小さく声を上げながら唇を震わせた。
「ちょ、もう……イ……ッ……! ンンンッ!!」
限界を訴えかけた口を、将貴にキスで塞がれた。
その瞬間に熱が弾けて、ドロリと濃い白濁が俺の腹に飛び散った。欲望を放ちながら震えるそれを数回ほど扱かされて、やがて心地よい倦怠感とともに唇を開放される。
「奏さん……」
呼吸を整えている最中の俺の太ももに、将貴が屹立した自身の物を押し付けるように示した。
甘えるようにそう名前を呼ばれては、俺は将貴に敵わない。
俺はアイマスクを外すと、そのまま将貴のズボンのベルトに手をかけて、窮屈なその場所から勃ち上がったペニスを開放してやった。
「今度は、将貴が一人でするところを俺に見せる番」
俺はそう言って体を起こし、アイマスクを将貴に付け直す。将貴の手に自分の手を重ねるようにしてペニスを握らせると、促すようにニ~三度扱いてやった。
「えっ……あ、やっ……僕、そんなつもりじゃ……!」
将貴が慌てて腰を引くが、勿論許してやるつもりは無い。
「俺にも、将貴の可愛い所を見せて」
俺は将貴の耳元でそう囁いて、頬にキスをした。
攻めオナと喘ぎシーンがありますので、地雷の方はお読みにならないよう、お願い致します。
***
「奏さん、僕とする前に一度抜いてたって言ってましたよね?」
「あー……その話、まだ引っ張る?」
情事後シャワーを浴び終えた俺は、上半身裸のまま麦茶片手に将貴を振り返った。同じくシャワーを浴び終えた将貴は、もはや勝手知ったるうちのキッチンの冷蔵庫から麦茶を出して、上目遣いで俺を見上げた。
「だって、感度の良い奏さん、可愛すぎて。僕、更に奏さんに夢中になっちゃいそうです」
将貴はそう言って、麦茶でひんやり冷えた唇を、俺の喉元に押し当てるようにキスをした。冷たさにドキリと反応する心臓が、終えたばかりの欲情のスイッチをくすぐる。
「あーもー、将貴はそうやって、また俺をからかう。あれをカミングアウトするの、どれだけ勇気がいったと思ってるんだよ……」
湧き上がる僅かな興奮を抑え込むように、俺は息をゆっくり吐きながらそう言って笑った。
だが、最近妙に積極的な将貴は、片腕を俺の肩の上にのせて、間近から俺の顔を覗き込む。
何かを見透かすようなその表情は、更に俺の欲情スイッチを煽った。
瞳の中に俺の変化を見留めたらしい将貴は、口元を僅かに緩めた。
「ねぇ。僕、奏さんが一人でするとこ、今度見たいなぁ」
「……はっ!? い、いや……さすがにそれは」
「僕、ずーっと奏さんに避けられてるって思って、寂しかったなー」
「えっ……、いや、それは悪かったと思ってるけど……いや、だからって」
「この一件は、ソレで許すってことで、どうですか?」
知り合った頃は純情だったはずの将貴に、自慰を見せて欲しいと言われる日が来るなんて。
将貴、キミ、最近なんだか積極的になりすぎじゃない?!
「なんなら玩具、使います? もしかして、一人でするときは後ろもしないとイケない?」
「いっ、いや! それはナイ! 前だけで大丈……」
「じゃあ、決まりですね!」
「ええっ!? いや、ちょっ……待っ」
将貴は俺の反論をキスで封じて、将貴はご機嫌だ。
「次の土曜日、夜勤明けにまた来ますね。それまでは、一人で抜いちゃ駄目ですよ」
「え。それって」
「奏さん。僕のために、三日間自慰を我慢して下さい。感度マックスになった奏さんが一人でするところ、僕だけに見せて」
「はいぃ!?」
将貴くん、キミ自分が何言ってるか分かってる!?
アラサー男の自慰を見て、将貴は一体何が楽しいんだ……。
カミングアウトによって、ようやく胸のもやもやが晴れたと思っていた俺は、再び今夜、別のもやもやを抱え込むことになるのだった。
***
三日後の、早朝。
約束通り我が家を訪ねてきた将貴に、手を引かれて寝室に導かれる。二人並んでベッドの縁に座ると、将貴は上着を脱ぎながら俺の方を見る。
「ちゃんと約束、守ってくれていましたか?」
「ま、まあ……」
仕事が立て込んでいるときならば、自慰などする暇もなく三日間以上が経過するなんて事はザラだ。
だが、こんなときに限って仕事が捗りに捗ってしまい、俺は昨日一日を悶々と過ごす羽目になってしまった。
自慰を見せるのは正直恥ずかしい。
けれど、あんなカミングアウトをして、嫌われなかっただけ良かったじゃないか、と俺は自分に言い聞かせた。
「えーっと。夜勤お疲れ様。あ、俺、お茶でも……」
「奏さん、往生際が悪いですよ」
将貴はそう言って、立ち上がりかけた俺をベッドの縁に引き戻した。
うう。そんなことを言われても、この空気の中で「じゃあ」と言って自慰を始められるほど、俺は変態ではない。
俺の困ったような表情に気がついたのか、将貴はクスリと笑って言った。
「いつもはどんなふうにしていたんですか? やっぱり、僕のことを考えて? それとも、あす……」
「将貴の事を考えてしてるよ」
俺は食い気味にそう答えて、はぁと小さく息を吐いた。そう言えば昔、遊眞にも見られながら自慰をやらされたことがあった。そんな過去の黒歴史の記憶を封印すべく、俺は渋々スエットのゴムに手をかけた。
下にずりおろしたそこから、そろりと性器を取り出す。
「ふふ、もう少し勃ってますね。なんだか嬉しいです」
「いっ、いいからちょっと離れてて……」
吐息がかかる程の距離に顔を近づけてきた将貴を、俺は右手で押しやる。
そのまま左手を使って陰茎を軽くしごき始めると、目を閉じてまぶたの裏に将貴を思い浮かべた。
だが、本人に見られていると思うと、なかなか思うように事が進まない。
「うっ……ふ、んん……」
吐息のような小さな呻きが静かな寝室に響き、恥ずかしさだけがじわじわと高まる。
手の動きを早めてなんとか達しようと頑張るが、将貴に見られていると思うだけでプライドや羞恥心が邪魔をして、結局達せないまま俺は手を止めてしまった。
「おしまい、ですか?」
将貴が再び側に寄ってきて、俺の顔を覗き込みながらそう聞いた。俺は答えに詰まって、気まずいまま視線をそらした。
「本人に見られてると思うと、さすがに……な」
「うーん。じゃあ、目隠ししますか?」
「は!? いや、そういう問題じゃなくてだな」
「目隠しをして、僕の手にされてるって思いながらする、っていうのはどうですか? 確かこの辺に、アイマスクありましたよね」
将貴が、にっこりと笑ってそんな提案をしてくる日が来るなんて、誰が想像しただろうか?
ねえ、将貴。キミ、最近ちょっと遊眞に似てきてない!?
俺の心の中のツッコミが将貴に伝わるはずもなく、あれよあれよと言う間に俺は将貴の手によって目隠しを施されてしまう。
「ちょっ、将貴。これもはや、何のプレイ?」
「え、でも奏さん、割とこういうのお好きですよね?」
「え……っ!? あ、駄目だって……」
アイマスクの隙間から僅かに見える将貴が、俺の肩に手を置いた。そのままグイッと後ろに押され、俺は将貴にベッドに押し倒される体勢になる。
両足の間を将貴の膝に割り開かれると、見えないはずのアイマスクの向こう側に、将貴の熱い視線を感じた気がした。
「奏さん、扱いて。僕にされていると思いながら」
そう促されて、俺は再び陰茎を擦り始める。
将貴が触れている肩口と両足の間が甘く火照る。全身が敏感になっているのか、顔面にかかる将貴の吐息までもが、ふわりと俺の官能を撫でた。
「まさ、たか……っ、んん……っ」
口の中で僅かにそう名を呼ぶと、将貴の柔らかな髪の毛先が額に触れる。鼻腔をくすぐる僅かな汗の匂いは、ごく間近に将貴が居ることを俺に伝えた。
「奏さん、すっごく可愛い………」
「かわい……とか、言うな……っ」
俺はそう言い返したけれど、正直に言えば、将貴のその言葉に興奮していた。
陰茎から先端に向かって皮ごと上下に扱きたて、俺は徐々にその行為に夢中になっていく。
固く張り詰めた手の中のものは、薄っすらと血管を浮き上がらせ始めていた。
「イケそうですか?」
「あっ、ちょっ……!」
不意に将貴が俺の左手に自分の手を添えて、手の動きに合わせて先端をグリグリと撫でた。
既に先端からぬめりを浮き上がらせていたそれは、にゅるにゅると柔らかな将貴の親指の腹に刺激されて、俺を快楽で追い立てる。
追い打ちをかけるように何度も雁首を往復され、俺は小さく声を上げながら唇を震わせた。
「ちょ、もう……イ……ッ……! ンンンッ!!」
限界を訴えかけた口を、将貴にキスで塞がれた。
その瞬間に熱が弾けて、ドロリと濃い白濁が俺の腹に飛び散った。欲望を放ちながら震えるそれを数回ほど扱かされて、やがて心地よい倦怠感とともに唇を開放される。
「奏さん……」
呼吸を整えている最中の俺の太ももに、将貴が屹立した自身の物を押し付けるように示した。
甘えるようにそう名前を呼ばれては、俺は将貴に敵わない。
俺はアイマスクを外すと、そのまま将貴のズボンのベルトに手をかけて、窮屈なその場所から勃ち上がったペニスを開放してやった。
「今度は、将貴が一人でするところを俺に見せる番」
俺はそう言って体を起こし、アイマスクを将貴に付け直す。将貴の手に自分の手を重ねるようにしてペニスを握らせると、促すようにニ~三度扱いてやった。
「えっ……あ、やっ……僕、そんなつもりじゃ……!」
将貴が慌てて腰を引くが、勿論許してやるつもりは無い。
「俺にも、将貴の可愛い所を見せて」
俺は将貴の耳元でそう囁いて、頬にキスをした。
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