【完】真面目で苦労人の長男に、アラサー男が一目惚れした話。

唯月漣

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15)二人のペース。*

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「ココ、少し慣らすけど……いいか?」
「う、うん……」
「あ、痛かったら、無理せず言うこと」

 
 そう将貴に念を押して、俺は将貴の腰の下にタオルとクッションを挟む。将貴の片足を己の体で支える形で開かせると、将貴の腹の上にたっぷりのローションを流し、手にもたっぷりと馴染ませてからチラリと将貴の表情を窺う。
 
 将貴は案の定、不安でいっぱいの表情でこちらを見つめていて、俺はそれを和らげるべく、まずは将貴の性器に手を伸ばした。
 不安で少し萎えてしまった将貴のそれを、優しい手付きで包むように握ると、やわやわとリズムをつけて皮ごと扱いてやる。


「あっ、あっ……あ……」


 俺の手の動きに合わせて、将貴は甘い声を漏らした。再び性器は硬さを増して、将貴はトロンとした表情になっていく。
 
 それを確認した俺は、もう一方の手で尻の穴にローションを塗りつけるようにヌルヌルとなぞり、中指を少しだけ中に侵入させた。一瞬眉をひそめた将貴だったが、中指を動かすのと同時に性器を扱かれると、再び甘い声を漏らし始める。

 指を徐々に深く挿し込みながら何度か抜き挿しをすると、硬く窄まっていたその穴は僅かに弛み始める。
 弛み始めた入り口に少しだけローションを追加すると、俺は将貴の膝に軽くキスを落として言った。


「もう一本、頑張れそうか?」


 コクコク頷く将貴を確認して、俺は二本目の指を侵入させる。
 浅い部分で何度かゆっくりと出し入れを繰り返し、ローションを馴染ませるように内側の粘膜に塗りつけた。

 ローションの滑りを使ってもう一度、今度は少し深く二本の指を挿し入れると、二本の指を中でバラバラに動かすようにして中を広げる。
 反対の手では、将貴が苦しくないよう再び性器を扱いて、快楽で将貴の意識を逸らせた。

 将貴が性器への刺激でイキそうになると手を緩めて、今度は挿し込んだ穴の奥、僅かに届く前立腺を、突くように刺激してやる。


「あっ、そこ、は……」
「ここ、不思議な感じがするだろ? ここらへんが前立腺だな。慣れると気持ちいいんだけどねー。まぁ、ペニスだともうちょっとちゃんと届くんだけど、さすがにいきなりはなー。今度玩具とか使ってみる?」


 俺はそう言って、今度はペニスと前立腺を同時に刺激してやりながら、冗談半分でそんな事を聞いてみる。が、将貴はもうあまり余裕がないらしく、うわ言のように俺の名前を読んだ。


「奏さん……奏さん……っ。僕、もう……っ」
「あー、うん。じゃあ、ちょっと我慢な?」


 そんな事を言いながら、俺はペニスへの刺激を止めて、二本の指の間から三本目の指を滑り込ませる。
 三本の指をゆっくりと動かすと、入り口がキツく締まり、将貴も眉根を寄せて耐えるような表情になった。


「あー。やっぱり、まだキツイか……。ごめんな。今、三本指が入ってるよ。今日はあんまし動かさないから、少ーしだけこのまま我慢な?」


 そう言って、俺は三本の指を深く挿し込んだまま、将貴のペニスを扱いてやった。


「あっ、あっ、前っ、前はもうダメ、それ以上は……だめ、もうイクっ……イクから……っ!」
「イッていいよ。ほら」


 そう言って、俺は将貴の腹の上のローションを絡めとって、その手で激しく性器を扱いてやる。将貴は気持ちいいのか、ビクビクと性器を震わせた。


「ひぁ……、あ、あ、あ……っっっ!」


 将貴の性器から、勢いよく白濁がほとばしる。白濁は何かに突き上げられるように何度か溢れ出し、その度にビクビクと太ももが震えていた。俺はその動きを助けるように、優しく陰茎を扱いてやる。


「ん、いっぱい出たな」


 俺は白濁が出きったのを確認して、尻の穴からゆっくりと指を抜き、今度は将貴の性器に口を近づけた。


「あっ、や……っ! イッたばっかり……っ!」


 将貴があわてて静止したが、俺は構わずに性器の先端を軽く口に含み、性器の中に残った精液を軽く吸い出して、ベッドサイドのティッシュを抜いてその中に吐き出した。
 俺その仕草を見て、将貴は勘違いにカァッと赤面する。


「照れた顔、可愛い。前、気持ちよかった?」
「う、はい……。でも、僕ばっかり、こんな……」


 将貴は、もじもじと言い淀む。


「奏さんのも、その……。勃ってるのに……」
「あはは。バレてたか。じゃー、もうちょっとだけな?」


 俺のものも、実は既に限界まで猛りきってきた。
 初めての将貴に無体を働くまいと、実は将貴がシャワーを浴びている間に一度抜いていたんだが。
 やはり愛する人の痴態をみて我慢できるほど、俺も枯れてはいなかったらしい。

 ベッド際に腰を掛けて、ズボンのファスナーを下ろして前をくつろげる。固くなった俺の性器は、反り返って腹に付くほど硬く張り詰めていた。


「後ろ向きに四つん這いになって、足、閉じられるか?」
「? ……は、はい」


 何をするのか分かっていない将貴は、緊張した様子で言われるがままに四つん這いになって、俺に尻を向けた。


「緊張しなくていいよ、痛いことはしないから。足、ピッタリ閉じててな? 将貴、この体制で自分のペニス、片手で扱けるか?」


 そう言って、俺はベッドサイドのローションを己の猛りに流し絡めると、将貴の浴衣を腰までめくりあげて、両腿の間に自身のそれを挟み込む。

 その行為で、将貴も何をされるのか悟ったのだろう。将貴はコクリと頷いて、きゅっと足を閉じる。
 恥ずかしいのか躊躇いがちに自らのそれに手を伸ばすと、言われるがままにおずおずとそれをこすり始めた。
 俺もそれに合わせて、将貴の腰を掴んでゆさゆさとリズミカルに揺すった。

 将貴の柔らかい二つの膨らみや内股が、ヌルリと俺の性器を包み込んでいる。将貴の尻と俺の腹がぶつかって、いやらしい音が響いた。


「あ、うん……っ、奏さん、好き。好きぃ……」


 熱に浮かされたうわ言のように、将貴が甘い声を漏らす。その声が可愛らしくて、俺のそれは更に猛る。俺は激しく腰を突き動かして、将貴の柔らかな白い尻を強く掴む。


「くっ……将貴、気持ちいい。俺も、将貴が好きだ。好き、っ、……は……」
「あっ、あ……、僕も、奏さん、と……」
「ん、一緒にイこう、か……」
「んああっ、っ……!」


 一瞬視界が弾けるような感覚とともに、ポタポタと白い液が弾ける。将貴のそれにも数秒違わずにほとばしりが見えて、安堵とともにどっと倦怠感が押し寄せた。
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