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15)魔力と生命力。①*

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逃げようとするカヴァの腰を押さえつけて、唾液をたっぷりと溜めた口腔にその熱棒を埋めてを2度3度と舌で舐(ねぶ)る。
 口の中のそれは浮き出る血管すらもが硬く滾っていて、赤く腫れた先端からは快楽に耐える透明の証がトロリと流れ落ちていた。
 それを優しく舐めとって、俺はカヴァに優しく話しかけた。


「お前の事は俺が絶対に助ける。辛いだろうけど、俺を信じて耐えてくれ……」


 朦朧としてしまっているらしいカヴァに、俺の言葉が聞こえているかは分からない。けれど、これは俺が俺自身に言い聞かせた決意でもあった。

 俺は再びカヴァの陰茎を握り込んで、ぷっくりと熱を持つ先端の割れ目に口付けた。魔力を混ぜ込んだ唾液をカヴァの体液に混ぜるようにして擦り付けると、ドクンと脈打つと同時にカヴァはあっさりと果てる。


「ひっ……ぁ」


 わずかに上がる声と共に朱に染まった瞳が見開かれ、手の中のものが白濁を吐き出しながらヒクヒクと痙攣した。


「俺の魔力で何回だってイカせてやる。この魔力全部、お前にやるよ。お前の生命力なんて削らせない。だから薬の効き目が切れるまで、安心してイキ続けていいぜ」


 そう言って俺は微かに微笑み、カヴァに唇を重ねた。何度も舌を吸い上げて、水音を立てながら粘膜のぬめりを貪る。
 たったそれだけでカヴァの果てたばかりの性器は早くもわなわなと勃ち上がり、物欲しそうに先走りを零した。


「ぁ……あ、う……」


 唇を離すと、カヴァはハァハァと呼吸を乱した。

 焦点の定まらないカヴァの赤い瞳が、僅かに涙を滲ませる。
 俺の舌を欲しがるように自らのそれを伸ばすカヴァはとても扇情的で、俺はたまらずそのしなやかな体を抱きしめた。

 求められるままに唇を何度も重ね、口移しで魔力をたっぷりと注ぎ込む。うっとりとした表情でそれを享受するカヴァは、俺の唇が離れると、首筋に薄く滲んだ俺の汗をぺろりと舐めとった。

 俺の体液に含まれる魔力を取り入れるための本能なのだろうが、ペロペロと肌を舐める仕草を繰り返すカヴァを見ると、心臓が絞られるような気持ちになった。


「……いいよ、好きなだけ貪って。いくらでもお前にやるから」


 俺は優しくそう言ってカヴァの胸元に顔を埋めると、既に硬く尖った胸元の小さな実にちゅっと吸い付いた。
 魔力を相手へ与えるという感覚に徐々に慣れてきた俺は、チロチロと舌先で弾きながら、唾液に濡れるその部分へと魔力を流す。

 いわゆる性感帯と言われる部分ほど、魔力はスムーズに相手へと流れていく感じがする。それならば、一番良い方法はきっと……。


「たっ……か、………っ」


 不意に両手首を拘束する枷がカシャンと音を立て、カヴァが俺を抱きしめ返そうとしてくれている事に気が付く。朦朧とする意識の中で、僅かでも俺を認識してくれたのだろうか……?


「ああ、俺だよ。分かるか? 絶対助けるからな」
「あ、ダ…………ぁっ」


 うわ言を零しながら首を横に振るカヴァは、僅かに顔を歪める。けれども圧倒的な欲求には勝てないらしく、胸元を俺の身体に擦り付けて、得られた摩擦の僅かな刺激に、切ない喘ぎを漏らした。


「ふ、っ……ご、……め、……っ」
「いいから。気持ちいいこと以外、何も考えるな」


 俺はそう苦笑してカヴァから一旦体を離すと、纏っていた衣類を脱ぎ捨てた。


「やっ……あ、」


 僅かに体を離しただけなのに、泣きそうな顔で俺に付いてこようとしたカヴァを、両手首の鎖が音を立ててベッドへと引き戻す。
 無機質な鎖の音に絶望し涙を零したカヴァの側に、俺はすぐに戻った。
 再び俺の肌が合わさると、カヴァは安心したように何度も唇を重ねた。恍惚としたその表情は、瞳の奥に僅かに背徳の色を宿していた。

 そんな顔で求められたら、正気のはずの俺の方がどうにかなってしまいそうだ……。
 美味しそうに俺の唾液を貪るカヴァが、何だかとても愛おしかった。

 四天王との勝負が終わった今、どうせ魔力なんて持っていても使い道などない。……その魔力でカヴァの命が助かるのなら、カヴァにあげられるだけの魔力をあげたかった。


 俺は碧君から預かった鍵で、カヴァの手錠を外した。途端にカヴァが起き上がり、俺の体をベッドへ組み敷いた。
 はぁはぁと荒い呼気が瞳に降り、赤い瞳のカヴァが飢えた獣のようにギラギラと光っていた。けれども僅かに残る理性が迷いを生んでいるのか、俺を組み敷いた手が僅かに震えている。


「カヴァ、いいんだ。好きなだけ貪ってくれ」


 そう言った刹那、俺は本当に喰われるかと思うほどの熱い眼差しを向けられた。すぐに体中に、雨のように口付けが降る。不意にチュッと音を立てて吸われると、そこには赤い印がいくつも浮かび上がる。


「んん、く……はぁ、っ」


 呼吸すらも煩わしい様子で浮き上がる汗までも丁寧に舐めとったカヴァは、俺の両足を大きく開かせて、中心に息づいた欲望の芯へ勢い良くむしゃぶり付いた。

 その仕草があまりに獣じみていて、歯を立てられるかと警戒したが、それはすぐに杞憂に終わる。
 カヴァは大切な物を慈しむかのような手付きでそれを口に含むと、剥けた皮の内側から顔を出す敏感な部分に優しく舌を這わせた。先端から滲む欲情の蜜を美味しそうに舐めとって、深く含みながら吸われる。
 腹の奥に縮こまっていた劣情を吸い出されるかのような強烈な快感に、蜜をこぼす先端の粘膜が震えた。


「うっ。はぁ、っ………」


 吸われるたびじんわりとした気持ちよさが激しい波のように押し寄せて、四肢が緩む。
 トロトロと熱をもつ淫らな茎は、理性を失っては駄目だと思えば思うほど、俺の理性を快楽の渦中へと溶かしていった。
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