元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

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96)言いにくいこと(律火視点)

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 僕は日和さんの足の間にあった鏡を一旦片手で脇に避ける。そうして日和さんの太腿の間に座り直すと、お尻の下に敷いていたクッションと布団の間に膝を割り込ませた。


「!??」
「日和さん。自分の足を自分で持って、そのまま後ろに転がれるかな」
「はい…………こう、ですか? ――――あっ」


 訳も分からず素直に従う日和さんはすぐに自分の取らされた恥ずかしい体勢に気が付いたようだったけれど、もう遅い。

 赤ん坊のオムツ替えのような恥ずかしい態勢の日和さんが元の態勢に戻れなくなるよう、僕は素早く彼の腰の下にさらに深く膝を割り込ませた。

 クッションと僕の膝で底上げされた腰。
 そのせいで後転の途中のような体制になった日和さんは、僕の言いつけ通り自分の太ももを辛うじて支えているけれど、その顔は恥ずかしい気持ちを通り越して涙目だ。


「こっちは僕が支えてるから、もう手を離しても大丈夫だよ」

 
 彼の無防備なその場所が僕の顔の間近にあって、そんな可愛い顔を見せられたら。

 Sっけなんて無いに等しい筈の僕ですら、日和さんに悪戯をしたい気分になってしまう。


「じゃあ今度は教わった事を自分でしてみようか」
「はい……」


 目前の蕾に敢えて冷たいままのローションを足して、ヒクンとうごめく反応を楽しむ。

 
 こんな時じゃなかったら、めちゃくちゃに可愛がってあげるのに。
 
『雇用主』としてじゃなく、『可愛い日和さんを甘やかす存在』として。
 
 そんなことを考えながら、日和さんが蕾に指を這わせるのを間近から見守った。

 先程の僕の指でもうとっくに緩んでいるであろう菊花の中心に、日和さんの白く長い指が這う。
 
 教わった通りに窄まりのヒダに沿ってローションを馴染ませた日和さんは、恐る恐ると言った様子で中心に指を突き立てた。

 二本の指があっさりと中ほどまで飲み込まれて、不慣れな動きながらも窄路さくろを拡げていく。


「三本目、イケそう?」
「……っ。やってみます」


 四苦八苦しながらも三本の指を中に潜り込ませる事に成功した日和さんは、眉根を寄せて少し苦しそうだ。
 
 限界まで引き伸ばされた菊蕾のヒダは、日和さんが僅かに指を抽挿する度に内側の赤い粘膜を覗かせている。

 思いの他狭いその器官に悪戦苦闘しつつ、日和さんは三本の指をゆっくりと深く埋めていった。

 とてつもなく扇情的なその光景に目を細めつつ、僕は視線を逸らしてあるものを探した。
 拾い上げたそれを確認すると、日和さんに手渡す。

 
「日和さん。そろそろコレを挿れてみようか」


 そう言って僕が日和さんに手渡したのは詩月のエネマグラだ。
 これだけ入口を広げたんだから、この位はすんなり挿入るはず。

 けれどもエネマグラを受け取った日和さんの表情が何故か一瞬寂しそうな表情になって、僕は首を傾げる。


「――――日和さん? どうかした?」
「あ……いえ。大丈夫です」
「日和さんの作り笑顔が分からないほど、鈍くないつもりだけど?」
「…………あっ、やっ!?」


 人質……とでも言うように、僕は日和さんのペニスに手を伸ばす。先程イッて以降触れていなかったその部分は、すっかり回復してゆる勃ちしていた。


「ねぇ日和さん。今、何を考えた?」
「ちょっ……お待ちくださ、りっ……! んんんっ」


 意地悪く親指の爪を鈴口に軽く突き立てて、何事も無かったかのように竿部分を扱く。すっかり固くなったことを確認してから握り込むように亀頭を手の平に包んで、僕は改めて日和さんをジッと見つめた。


「言って。怒らないから」
「あっ……あっ……」
「僕には言いにくいこと?」


 散々恥ずかしいこともしてきたし、言わせてきた。
 そんな日和さんが言い淀む理由は、一体なんだろう。


「あの……だってっ、律火様は……?」
「……? 僕が、なに?」
「いえ、だって。その」


 赤い顔をした日和さんは、チラリと僕の顔を見た。
 その後視線をゆっくりと移し、僕の下半身へと視線を向ける。


「……!」


 日和さんの視線の先にあったもの。
 それは僕の両足の間にある、スラックスの膨らみだった。
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