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91)気持ち良くなっても良いんだよ
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前の主人は、二次性徴後の私を一切気にかけて下さらない方だった。それに比べて今の私はこんなにも優しい主人に恵まれている。
己の申し訳ない気持ちからつい行為を止めてしまったけれど。
本来愛玩奴隷である私にとって、求めて頂けること自体が幸せな事のはずだ。
この幸せすぎる状況に、慣れなくて。
気持ちがうまくついてこない程に幸せで、困ってしまう。
すると律火様は私の頭をよしよしするように優しく撫でて、私の潤んだ目元に優しくキスを落としてくださった。
「正直な気持ちを話してくれてありがとう」
「こちらこそ、申し訳あ……」
謝りかけて、ふっと思う。
そうだ、私は教えて貰った。
こんなときは、謝るのではなく……。
「いえ。こちらこそ……話を聞いて下さり、ありがとうございます」
そう言って微笑んだ私に、律火様は嬉しそうな微笑みを返してくださる。
「どういたしまして。けどね、日和さん。こんな考え方もできるよ? 『日和さんは今勤務時間外なのに、宿題を手伝うことを口実に日和さんの部屋に押し掛けて、可愛い日和さんのプライベートを独り占めしてるズルい主人』って」
「……!」
勤務時間外……プライベート!
律火様に言われるまで考えてみたこともなかった。
私の様子を見た律火様が、悪戯な顔のまま私の耳元に唇を寄せる。
「こう考えてみたら? 勤務時間外に日和さんが何をしようが、日和さんの自由。僕は日和さんが大好きだから、好意で宿題を手伝う。その代償として、日和さんを可愛がる時間を貰ってる。僕は好きに可愛がっているだけだから、それで日和さんが気持ち良くなってもなんの問題もない」
「私が気持ち良くなっても……問題ない」
「そう。だって今はプライベートだもの。今だけは主人でも愛玩奴隷でもない。一緒に宿題をする、仲良しさん同士ってことで。――――なんてね。ちょっと僕に都合良すぎるかな?」
可憐な表情でそう微笑む律火様に、私はぶんぶんと首を横に振る。
肯定の意味を込めてぎゅっと律火様に抱きついた私は、抱き返してくださる律火様の腕の温かさに安堵した。
律火様がどこまでも優しすぎて、なんだか胸がいっぱいだ。
私は腕を緩めてひと呼吸ついたあと、律火様が続きをしやすいように改めてゆっくりと両足を大きく開いた。
「いえ……。では今日は仲良しさんで……お願いします」
今度こそ消え入りそうな声で何とかそう言って、恥ずかしさに俯いた。
「うん。照れてる顔も可愛いな、日和さんは」
やり取りの間すっかり萎えてしまった両足の中心に律火様の吐息がかかって、更なる恥ずかしさに思わず目を閉じてしまう。
律火様の柔らかい手のひらに包まれて、二度三度と硬さを確かめるように扱かれる熱茎。
啄むように先端にキスを落とされて、すぐに温かな舌が柔らかくその部分を撫でた。
「あっ……んっ、ふ」
手で口を塞いで押し殺すように喘ぎかけてから、私は思い直して自分の口元から手を退けた。
舌は先端を避けて、焦らすように熱茎の側面へと這わされる。
かと思うと不意に先端へ親指の腹で優しく唾液をぬるりと擦り付けられて、先走りがじわりと溢れた。
「あっ、あっ……。気持ちい、んっ、……」
小さくそう喘いで、それでも少しの恐怖心から薄目で律火様を覗き見る。
やはり私のような低い声で喘ぐことは、多少なりとも相手をしらけさせてしまうのでは……と。
けれどもそれはすぐに私の杞憂だとわかる。
すぐに律火様目が合った律火様が、優しく微笑み返してくださったからだ。
「日和さんは本当にいい子だね。詩月に教わったことをきちんと覚えて、ちゃんと成長してる」
「ん、ふ……っ、ぁ……、舐めながら……っ、話さ、な……っ、で……」
「日和さん声、詩月から聞いていた以上にすごく可愛い」
「そんな、こと……ひ、ぅっ」
兄弟間でも特別仲の良い様子の詩月様と律火様。
律火様は、詩月様から一体何を聞いたのだろう……。
そんなことを考えていたら不意に裏筋を大きく舐められて、私は思わず仰け反った。
己の申し訳ない気持ちからつい行為を止めてしまったけれど。
本来愛玩奴隷である私にとって、求めて頂けること自体が幸せな事のはずだ。
この幸せすぎる状況に、慣れなくて。
気持ちがうまくついてこない程に幸せで、困ってしまう。
すると律火様は私の頭をよしよしするように優しく撫でて、私の潤んだ目元に優しくキスを落としてくださった。
「正直な気持ちを話してくれてありがとう」
「こちらこそ、申し訳あ……」
謝りかけて、ふっと思う。
そうだ、私は教えて貰った。
こんなときは、謝るのではなく……。
「いえ。こちらこそ……話を聞いて下さり、ありがとうございます」
そう言って微笑んだ私に、律火様は嬉しそうな微笑みを返してくださる。
「どういたしまして。けどね、日和さん。こんな考え方もできるよ? 『日和さんは今勤務時間外なのに、宿題を手伝うことを口実に日和さんの部屋に押し掛けて、可愛い日和さんのプライベートを独り占めしてるズルい主人』って」
「……!」
勤務時間外……プライベート!
律火様に言われるまで考えてみたこともなかった。
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「こう考えてみたら? 勤務時間外に日和さんが何をしようが、日和さんの自由。僕は日和さんが大好きだから、好意で宿題を手伝う。その代償として、日和さんを可愛がる時間を貰ってる。僕は好きに可愛がっているだけだから、それで日和さんが気持ち良くなってもなんの問題もない」
「私が気持ち良くなっても……問題ない」
「そう。だって今はプライベートだもの。今だけは主人でも愛玩奴隷でもない。一緒に宿題をする、仲良しさん同士ってことで。――――なんてね。ちょっと僕に都合良すぎるかな?」
可憐な表情でそう微笑む律火様に、私はぶんぶんと首を横に振る。
肯定の意味を込めてぎゅっと律火様に抱きついた私は、抱き返してくださる律火様の腕の温かさに安堵した。
律火様がどこまでも優しすぎて、なんだか胸がいっぱいだ。
私は腕を緩めてひと呼吸ついたあと、律火様が続きをしやすいように改めてゆっくりと両足を大きく開いた。
「いえ……。では今日は仲良しさんで……お願いします」
今度こそ消え入りそうな声で何とかそう言って、恥ずかしさに俯いた。
「うん。照れてる顔も可愛いな、日和さんは」
やり取りの間すっかり萎えてしまった両足の中心に律火様の吐息がかかって、更なる恥ずかしさに思わず目を閉じてしまう。
律火様の柔らかい手のひらに包まれて、二度三度と硬さを確かめるように扱かれる熱茎。
啄むように先端にキスを落とされて、すぐに温かな舌が柔らかくその部分を撫でた。
「あっ……んっ、ふ」
手で口を塞いで押し殺すように喘ぎかけてから、私は思い直して自分の口元から手を退けた。
舌は先端を避けて、焦らすように熱茎の側面へと這わされる。
かと思うと不意に先端へ親指の腹で優しく唾液をぬるりと擦り付けられて、先走りがじわりと溢れた。
「あっ、あっ……。気持ちい、んっ、……」
小さくそう喘いで、それでも少しの恐怖心から薄目で律火様を覗き見る。
やはり私のような低い声で喘ぐことは、多少なりとも相手をしらけさせてしまうのでは……と。
けれどもそれはすぐに私の杞憂だとわかる。
すぐに律火様目が合った律火様が、優しく微笑み返してくださったからだ。
「日和さんは本当にいい子だね。詩月に教わったことをきちんと覚えて、ちゃんと成長してる」
「ん、ふ……っ、ぁ……、舐めながら……っ、話さ、な……っ、で……」
「日和さん声、詩月から聞いていた以上にすごく可愛い」
「そんな、こと……ひ、ぅっ」
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律火様は、詩月様から一体何を聞いたのだろう……。
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