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54)本能と恐怖心
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「あっ……んんん」
「ん、ここかな? 変な感じする?」
「はい……」
それほど深くはない、腹側の内壁。そこを指の腹で優しくなぞられて、私は本能的に体に力が入る。
痛かったり苦しかったりした訳ではない。なんと言うか、不思議な違和感があったからだ。
「そう。もう少し我慢出来る? 痛くしないようにするから」
「………………」
痛くして頂いても構わないのに……。私にも愛玩奴隷としての需要があると、この身に痛みで刻み込んで欲しい……。
そんな言葉を飲み込んだ私は、静かに頷いた。
詩月様の華奢な二本の指がゆっくりと私の中で蠢いて、違和感のあるその壁を一定のリズムで揺らす。
「……ぁ、あ……っ、ん、く……んっ」
私が僅かに声を上げると、詩月様は嬉しそうに私へ視線を送ってくださる。
それから空いている方の手を私の性器に添えて、私へ再び自慰を促すようにゆるゆる撫でて下さった。
後孔の不思議な感覚に気を取られ、つい手が止まってしまっていたようだ。
私は再び自らのモノに手を添えると、イッてしまわないよう加減しながらゆっくりとそこを扱く。
すると再びゆるゆると馴染みある快感の波が押し寄せて、私の段々と意識は前に向いていった。
「三本目、入れるよ。力抜いててね」
「あ……っ」
声がかかるとほぼ同時に、小さな窄まりに三本目の指が突き立てられた。
いくら詩月様の指が華奢であるとはいえ、目一杯広げられた菊蕾は流石にきつい。ぐるりと円を描くように内側から解されて、駄目だと分かっているのに、恐怖で窄まりに力が入ってしまう。
その瞬間ピリリと小さな鋭い痛みが走って、改めてその器官が限界まで広げられていることを認識した。
いつかの夜、主人との初夜を迎えた仲間の血まみれに裂けた秘所。そこへ薬を塗布した私は、その傷を勲章のように羨ましく眺めていた。
けれど、あれだけ派手に裂けて内側の粘膜がめくれ上がったら、さぞ痛かっただろうと思う。
仲間の皆も、もれなく辛そうにしていたり、泣いたりしていた。
辛すぎて、主人に『大人にして頂いた』ばかりの愛玩奴隷の中には、屋敷から逃げようとした者もいたほどだ。
『大人にして頂くことは愛玩奴隷の喜び』
頭では分かっていても、やっぱり怖い……。
「…………より、……日和っ」
ギュッと目を瞑っていた私は、ふと詩月様に名前を呼びれている事に気が付いた。目を開けると目の前に私の顔を覗き込む詩月様の美しい顔があって、同時に中に埋め込まれていた指がゆっくりと抜かれていく感覚があった。
「また手、止まってるよ? もしかして、怖かった?」
「あ……いえ。申し訳ありません」
「無理しないで。ここの開発は、もう少し時間をかけよっか」
ニッコリ微笑まれた詩月様は、ベッドから立ち上がると再びずらりと並んだ玩具を物色なさった。すぐに戻ってきた詩月様の手の中には、不思議な形に湾曲した白い器具が握られている。
「これ、日和の中に入れてもいい?」
「それは……?」
「エネマグラっていうんだ。これなら小さいし、入れてさえしまえば根元は細いから痛くないと思う」
そう話しながら、詩月様はその器具に丁寧にローションを絡めて下さった。
初めて見るその玩具は、確かに男根よりはだいぶ小ぶりなようだ。
本体は親指ほどの太さのその玩具だが、その根元は詩月様の仰る通りきゅっと細くなっていて、小指の先程の太さに見える。
長さも十センチに満たないほどの小ぶりなので、確かに男性器やそれを模した玩具を受け入れるよりは遥かに恐怖心が少ない。
「お願いします……」
私が短くそう答えると、ローションをくぐらせたそれの先端はすぐに私の秘孔へとあてがわれた。先程まで詩月様によって丁寧に慣らされたそこは、驚くほど簡単にエネマグラを飲み込む。
根元が細いせいか、飲み込んでさえしまえば痛みはおろか、異物感すらほとんどない。
私はホッとしながら詩月様を見た。
「痛くない?」
「はい」
私の痛みや恐怖心を気にかけてくださる詩月様は本当にお優しい。
私は愛玩奴隷なのだから、ご自分さえ楽しければ私の身など痛くても構わないはずなのに。
「ん、ここかな? 変な感じする?」
「はい……」
それほど深くはない、腹側の内壁。そこを指の腹で優しくなぞられて、私は本能的に体に力が入る。
痛かったり苦しかったりした訳ではない。なんと言うか、不思議な違和感があったからだ。
「そう。もう少し我慢出来る? 痛くしないようにするから」
「………………」
痛くして頂いても構わないのに……。私にも愛玩奴隷としての需要があると、この身に痛みで刻み込んで欲しい……。
そんな言葉を飲み込んだ私は、静かに頷いた。
詩月様の華奢な二本の指がゆっくりと私の中で蠢いて、違和感のあるその壁を一定のリズムで揺らす。
「……ぁ、あ……っ、ん、く……んっ」
私が僅かに声を上げると、詩月様は嬉しそうに私へ視線を送ってくださる。
それから空いている方の手を私の性器に添えて、私へ再び自慰を促すようにゆるゆる撫でて下さった。
後孔の不思議な感覚に気を取られ、つい手が止まってしまっていたようだ。
私は再び自らのモノに手を添えると、イッてしまわないよう加減しながらゆっくりとそこを扱く。
すると再びゆるゆると馴染みある快感の波が押し寄せて、私の段々と意識は前に向いていった。
「三本目、入れるよ。力抜いててね」
「あ……っ」
声がかかるとほぼ同時に、小さな窄まりに三本目の指が突き立てられた。
いくら詩月様の指が華奢であるとはいえ、目一杯広げられた菊蕾は流石にきつい。ぐるりと円を描くように内側から解されて、駄目だと分かっているのに、恐怖で窄まりに力が入ってしまう。
その瞬間ピリリと小さな鋭い痛みが走って、改めてその器官が限界まで広げられていることを認識した。
いつかの夜、主人との初夜を迎えた仲間の血まみれに裂けた秘所。そこへ薬を塗布した私は、その傷を勲章のように羨ましく眺めていた。
けれど、あれだけ派手に裂けて内側の粘膜がめくれ上がったら、さぞ痛かっただろうと思う。
仲間の皆も、もれなく辛そうにしていたり、泣いたりしていた。
辛すぎて、主人に『大人にして頂いた』ばかりの愛玩奴隷の中には、屋敷から逃げようとした者もいたほどだ。
『大人にして頂くことは愛玩奴隷の喜び』
頭では分かっていても、やっぱり怖い……。
「…………より、……日和っ」
ギュッと目を瞑っていた私は、ふと詩月様に名前を呼びれている事に気が付いた。目を開けると目の前に私の顔を覗き込む詩月様の美しい顔があって、同時に中に埋め込まれていた指がゆっくりと抜かれていく感覚があった。
「また手、止まってるよ? もしかして、怖かった?」
「あ……いえ。申し訳ありません」
「無理しないで。ここの開発は、もう少し時間をかけよっか」
ニッコリ微笑まれた詩月様は、ベッドから立ち上がると再びずらりと並んだ玩具を物色なさった。すぐに戻ってきた詩月様の手の中には、不思議な形に湾曲した白い器具が握られている。
「これ、日和の中に入れてもいい?」
「それは……?」
「エネマグラっていうんだ。これなら小さいし、入れてさえしまえば根元は細いから痛くないと思う」
そう話しながら、詩月様はその器具に丁寧にローションを絡めて下さった。
初めて見るその玩具は、確かに男根よりはだいぶ小ぶりなようだ。
本体は親指ほどの太さのその玩具だが、その根元は詩月様の仰る通りきゅっと細くなっていて、小指の先程の太さに見える。
長さも十センチに満たないほどの小ぶりなので、確かに男性器やそれを模した玩具を受け入れるよりは遥かに恐怖心が少ない。
「お願いします……」
私が短くそう答えると、ローションをくぐらせたそれの先端はすぐに私の秘孔へとあてがわれた。先程まで詩月様によって丁寧に慣らされたそこは、驚くほど簡単にエネマグラを飲み込む。
根元が細いせいか、飲み込んでさえしまえば痛みはおろか、異物感すらほとんどない。
私はホッとしながら詩月様を見た。
「痛くない?」
「はい」
私の痛みや恐怖心を気にかけてくださる詩月様は本当にお優しい。
私は愛玩奴隷なのだから、ご自分さえ楽しければ私の身など痛くても構わないはずなのに。
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