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51)快楽の上書き
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私は受け取った栓を片手に、恐る恐る自らの尻を探る。窄まった中心に指を這わせると、まずはそっと中指を入れてみた。
自慰をした経験は流石にあるけれど、自分で後ろを弄ったことは無い。ローションで濡れた中指は、驚くほどあっさりと菊蕾の中心に飲み込まれた。第一関節……第二関節と半分ほど入れてみたけれど、全く痛みはない。
私は緊張しながら、先程詩月様に渡されたその器具を中心に突き立てる。私の菊花は指より僅かに太い程度のその器具を、ツルンと咥え込んだ。
痛みはなく、力を入れると窄まりに何かが挟まっているような僅かな違和感だけがある。
「口では強がってても、そんな小さいアナルプラグをおっかなびっくり入れてたんじゃ、怖がってるのバレバレ」
「うう……すみ……、っ」
流石の私も、今回は謝罪しそうになる前に気が付いて言葉を飲み込んだ。ホッと息を吐きながら、体勢を戻す。
詩月様がクスクス笑いながら、傍らに落ちていたガーゼを拾い、再びローションの入った洗面器に戻す。
「そーいえば。この間学校に来た日。図書館で大海原と何話してたの?」
「え?」
『藤倉さんも東條院家の隠し子って訳じゃないんだよね?』
あの日大海原君が口を滑らせたあの言葉を、ふと思い出す。あれはきっと、私が聞いてはいけなかった言葉だ。
きっと、彼に悪意はなかったのだと思う。
大海原君とは、あれ以来たまにメールをやり取りする仲になった。
詩月様との他愛無い日常のエピソードを教えたり、大海原君のお母さんや彼の趣味の話を聞いたり。
そんな当たり障りのないやり取りではあったが、覚えたてのメール機能を使ってやり取りをすることが、私はとても楽しかった。
彼は外の世界に来てから、初めての友達。
詩月様に憧れているらしい彼の失言を詩月様に言いつけるような真似は、出来ればしたくない。
「ええと。詩月様が去年生徒会副会長になって、あの図書館を一般に開放するよう学校に掛け合われたというお話をお聞きしました」
「それだけ?」
「はい、それだけです」
「……。ふーん、そう」
主人に隠し事をするなんて、少しだけドキドキした。けれど振り返った詩月様は笑っていらしたので、私はホッとする。その瞬間、性器の先にひやりと冷たいガーゼを乗せられて、私はビクリと小さく震えた。
すっかり冷めてしまったローションは、媚薬のせいで熱を持ったそこを冷やすように、ピッタリと張り付く。
「――三分」
「……え?」
「今からすることに三分間耐えられたら、イイコト教えてあげる。ギブアップしてもいいけど、その場合は別のお仕置きをするからね」
言い終わるやいなや詩月様は時計をチラりと見て、ローションまみれのガーゼをゆっくりと左右に動かした。
媚薬でジンジンと熱を持っていた先端が、容赦なくざらついたガーゼに擦れていく。
自分の手で加減しながらやっていた時も強烈な快楽が走っていたが、それは容赦のない他人の手で行われることによって格段に強い刺激が走る。
「――ッッッ!? あぁ――――っ、ぁっ、あぁっ!」
強すぎる刺激に、腰が跳ねる。私の体が跳ねる度、胸元でチリンと鳴る鈴の音がいやらしく寝室に響いた。
快楽に足が痺れ、両肩が震えた。
気持ち良いという感覚だけが麻薬のように脳を侵して、擦られるたび腰から下が別の生き物のように痙攣する。
悲鳴のような嬌声が自分の口から上がって、私は慌てて両手で口を塞いだ。けれどもすぐにその手からも力が抜けて、私はシーツの中へと沈む。
「あはは、すごい。反応いいね。気持ちいい?」
「んんっ、お、お待、下さ……、ちょっ……お待……あっ、ひっ、ぁ――っ……!」
強過ぎる刺激を静止しようと口を開けば、途端に悲鳴しみた声が出てしまう。けれど、この強烈な行為を続けられるのは耐え難い。
「声、勝手に出るでしょう? ローションガーゼって、大の男が悲鳴を上げる位気持ち良いんだって。鳴けない日和にはピッタリだよね」
「あっ、あっ、し、づきっ、さまぁ……ッ、詩月……様ぁっ……!」
「ねぇ、もっと鳴きなよ。前の主人とのトラウマなんて、僕が吹き飛ばしてあげる。日和の新しい主人は僕なんだって、その身体に刻み込んでいこうね」
詩月様が何か仰っているけれど、自分の叫び声でかき消されてしまって良く聞こえない。
面白いほどガクガクと震える腰に合わせて、舌の根までがブルブルと震える。
「あと二分」
「――ッッッ、ああっ!!」
ゆっくりだったガーゼの動きが、少しだけ早められる。すると、先程の尿意に似た感覚が、再び私の中で頭をもたげだ。
自慰をした経験は流石にあるけれど、自分で後ろを弄ったことは無い。ローションで濡れた中指は、驚くほどあっさりと菊蕾の中心に飲み込まれた。第一関節……第二関節と半分ほど入れてみたけれど、全く痛みはない。
私は緊張しながら、先程詩月様に渡されたその器具を中心に突き立てる。私の菊花は指より僅かに太い程度のその器具を、ツルンと咥え込んだ。
痛みはなく、力を入れると窄まりに何かが挟まっているような僅かな違和感だけがある。
「口では強がってても、そんな小さいアナルプラグをおっかなびっくり入れてたんじゃ、怖がってるのバレバレ」
「うう……すみ……、っ」
流石の私も、今回は謝罪しそうになる前に気が付いて言葉を飲み込んだ。ホッと息を吐きながら、体勢を戻す。
詩月様がクスクス笑いながら、傍らに落ちていたガーゼを拾い、再びローションの入った洗面器に戻す。
「そーいえば。この間学校に来た日。図書館で大海原と何話してたの?」
「え?」
『藤倉さんも東條院家の隠し子って訳じゃないんだよね?』
あの日大海原君が口を滑らせたあの言葉を、ふと思い出す。あれはきっと、私が聞いてはいけなかった言葉だ。
きっと、彼に悪意はなかったのだと思う。
大海原君とは、あれ以来たまにメールをやり取りする仲になった。
詩月様との他愛無い日常のエピソードを教えたり、大海原君のお母さんや彼の趣味の話を聞いたり。
そんな当たり障りのないやり取りではあったが、覚えたてのメール機能を使ってやり取りをすることが、私はとても楽しかった。
彼は外の世界に来てから、初めての友達。
詩月様に憧れているらしい彼の失言を詩月様に言いつけるような真似は、出来ればしたくない。
「ええと。詩月様が去年生徒会副会長になって、あの図書館を一般に開放するよう学校に掛け合われたというお話をお聞きしました」
「それだけ?」
「はい、それだけです」
「……。ふーん、そう」
主人に隠し事をするなんて、少しだけドキドキした。けれど振り返った詩月様は笑っていらしたので、私はホッとする。その瞬間、性器の先にひやりと冷たいガーゼを乗せられて、私はビクリと小さく震えた。
すっかり冷めてしまったローションは、媚薬のせいで熱を持ったそこを冷やすように、ピッタリと張り付く。
「――三分」
「……え?」
「今からすることに三分間耐えられたら、イイコト教えてあげる。ギブアップしてもいいけど、その場合は別のお仕置きをするからね」
言い終わるやいなや詩月様は時計をチラりと見て、ローションまみれのガーゼをゆっくりと左右に動かした。
媚薬でジンジンと熱を持っていた先端が、容赦なくざらついたガーゼに擦れていく。
自分の手で加減しながらやっていた時も強烈な快楽が走っていたが、それは容赦のない他人の手で行われることによって格段に強い刺激が走る。
「――ッッッ!? あぁ――――っ、ぁっ、あぁっ!」
強すぎる刺激に、腰が跳ねる。私の体が跳ねる度、胸元でチリンと鳴る鈴の音がいやらしく寝室に響いた。
快楽に足が痺れ、両肩が震えた。
気持ち良いという感覚だけが麻薬のように脳を侵して、擦られるたび腰から下が別の生き物のように痙攣する。
悲鳴のような嬌声が自分の口から上がって、私は慌てて両手で口を塞いだ。けれどもすぐにその手からも力が抜けて、私はシーツの中へと沈む。
「あはは、すごい。反応いいね。気持ちいい?」
「んんっ、お、お待、下さ……、ちょっ……お待……あっ、ひっ、ぁ――っ……!」
強過ぎる刺激を静止しようと口を開けば、途端に悲鳴しみた声が出てしまう。けれど、この強烈な行為を続けられるのは耐え難い。
「声、勝手に出るでしょう? ローションガーゼって、大の男が悲鳴を上げる位気持ち良いんだって。鳴けない日和にはピッタリだよね」
「あっ、あっ、し、づきっ、さまぁ……ッ、詩月……様ぁっ……!」
「ねぇ、もっと鳴きなよ。前の主人とのトラウマなんて、僕が吹き飛ばしてあげる。日和の新しい主人は僕なんだって、その身体に刻み込んでいこうね」
詩月様が何か仰っているけれど、自分の叫び声でかき消されてしまって良く聞こえない。
面白いほどガクガクと震える腰に合わせて、舌の根までがブルブルと震える。
「あと二分」
「――ッッッ、ああっ!!」
ゆっくりだったガーゼの動きが、少しだけ早められる。すると、先程の尿意に似た感覚が、再び私の中で頭をもたげだ。
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