元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

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47)虐められるのが好き?

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「ハンカチ……ですか?」
「んー、惜しい。これはガーゼ」


 そう言いながら洗面器の中に手を入れた詩月様は、中のガーゼを取り出してみせる。するとガーゼに纏う液体がトロリと糸を引いて、その液体が水ではなく粘度のある液体であることが分かった。恐らくローションかなにかだろう。


「日和って、このお屋敷に来てからオナニー出来てる?」
「…………えっ」

 
 突然のとんでもない質問に、私はフリーズする。 
 
 水湊様と夜を過ごしたあの日。
 私は悔しくて自慰などする気分ではなかった。その後体調を崩したこともあり、この屋敷に来てからそういった行為を行ったことはない。
 
 詩月様の質問の意図が分からないけれど、とりあえずは正直に答えてみる。


「いえ……その」
「えー、そうなの? 若いんだから、ちゃんと定期的に抜かないと体に悪いよ」
「え……。はい、申し訳ありま……あっ」


 うっかり謝りそうになって、私は慌てて自分の口を手で塞ぐ。
 詩月様はクスクス笑いながら、ローションに濡れた手で私の膝を撫でた。


「ざーんねんっ。日和、早速罰ゲーム。僕に向かって足を大きく開いて」
「わ、分かりました……」


 罰ゲームと仰るからには、なにか痛みを与えられるのだろうか。すると詩月様はローションで濡れた両手で私のペニスをやわりと包むように握られて、ぬめりに任せて扱かれる。

 何をされるのかと内心ビクビクしていたのが、顔に出てしまっていたのだろう。詩月様は優しい手付きでそこにぬめりを絡めながら、


「怖くないから。リラックス、リラックス」

 
 と声をかけてくださった。
 くちくちと、詩月様の手の動きに合わせてローションの粘る音が寝室に響く。リラックスと言って頂いたけれど、人の手でして貰う経験が少ない私は緊張しながら成り行きを見守った。
 
 ぬめる手でやわやわと扱かれると、初めは緊張に萎えていたそこはゆっくりと芯を得て、私に甘い疼きを与える。
 性器を包む皮ごと上下にゆるゆると刺激されたことにより先端から顔を出した雁首が、ぷっくりと熟れながら姿を表した。


「し、詩月様……?」

 
 詩月様の意図が分からない。けれどこれが罰ゲームということは、イカずに耐えろという意味なのだろうか?


「気持ちいい?」
「は、はい……」
「そういう時は、なんて言うんだっけ?」
「あ……」


 人質……とでも言うようにペニスを掴まれて、私はハッとする。そう、詩月様はゲームをしているのだった。


「言ってみて」
「き、気持ちいい……です」
「もっとして欲しい?」
「は、はい……。もっとして欲しい、です」


 促されるままに答えた私は、途端に激しく扱かれてビクリと跳ねた。すっかり剥き出しになった雁首や裏筋を容赦なく扱かれて、私の手は思わずシーツに縋る。


「あっ、あっ……、お待ちくださ……、いきなりそんなにしては……ぁぁっ」
「『しては?』 ふふ、これ以上したら日和がどうなるか。試してみてもいーい?」
「えっ……」


 楽しそうに微笑みを浮かべた詩月様が、私を眺めながらペロリと唇を舐める。


「だって日和はもっとして欲しいんでしょ?」
「え、ええと……ん、ぁ……」
「ふふ。足、閉じないでね」


 そう言いながら、詩月様は指の腹で鈴割れの先端にくりくりとローションを塗り込めた。茎を刺激されながら先端に与えられる強烈な感覚に、私は思わず上がりそうになった悲鳴を掌で押さえる。


「最初は喘ぎ声じゃなくてもいいからさ。日和の声、聞きたい」

 
 そう言われたけれど、私にそれを聞き入れるような余裕は無い。ローションにぬめる手で与えられる初めての快楽があまりに強烈で、私は勝手にイッてしまわないように耐えるだけで精一杯だった。

 聞きたいと言われているのだから、口をふさぐのを止めれば良い。そう思うのに、勇気が出ない。

 そうして私が躊躇う間にも、詩月様はぬめる掌と指先を使って、私の熱茎に楽しげに快楽を与えていく。


「日和、僕の名前は?」
「し……詩月様……っ、東條院……詩月様っ」
「そう。ここは土谷田邸じゃない。言っても分からないみたいだから、体に教えてあげるね」
「……しづ……ッ、ぁ」
「心配しなくても大丈夫。僕が上書きしてあげる」


 笑顔を浮かべたままそう仰る詩月様は、いつか見た支配階級特有の人間の目をしていた。
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