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19)私の覚悟
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主人に鞭やベルトで打たれることは、幸か不幸か、初めてではなかった。
皮の部分のみであれば痛くてもある程度耐えられる。だが、鞭打つ際に金具やバックル部分が肌に当たると、痛みも強く、数日間消えないほどの青アザになることもあった。
私は覚悟を決めて、目隠しの向こう側で何やらごそごそと準備をされている水湊様の用意が整うのを静かに待つ。
服を全て脱がされた状態で視界を塞がれると、芽生えるのは得も言われぬ不安だった。
この目隠しの向こう側で、一体水湊様はどんな"準備"をなさっておいでなのだろう?
さすがにいきなりベルトで鞭打たれることはないと思いたいが、不意打ちに備えて、私はドキドキしながら歯を食いしばった。
少しして、水湊様が私の傍に歩んでこられる気配があった。仕方のない事と頭では理解していても、恐怖心は私の意思に反して頭をもたげる。
けれども水湊様は私に向かって優しい声音で語りかけた。
「少し足を開いて立ちなさい。ああ、肩幅くらいでいい」
命令の意図が分からない私は、言われるがままに少し足を開いて立った。
すると太腿の付け根にひんやりとした硬いプラスチックの感触があり、それはするりと鼠径部をなぞるように滑った。
「…………ッ」
痛みを想定していた体は、その冷たさにビクリと跳ねた。
それは感触からして野球ボールほどの大きさのようで、ある程度の重量があり、表面はつるりと滑らかだ。
鋭い痛みを覚悟して敏感になっていた肌は、その冷たいプラスチックの感触に驚き、肩が僅かに震える。
その反応がお気に召したらしい水湊様はふっと僅かに笑われて、吐息がかかるほどすぐ傍から囁かれた。
「怖いか?」
そう問われた私は、少し迷った。
今回の件は明らかに私に非がある。この折檻だって、私が自ら望んだのだ。
その私が、折檻されるのを怖いと素直にに答えて良いものか……。
けれども、経歴詐称で折檻を受けている私が、ここで怖くないと嘘を重ねるは何だか違う気がして。
私は躊躇いながら、小さく答えた。
「怖い、です……」
「ふふ、そうか。安心しろ、少なくとも痛みはない」
そう仰られた水湊様は、パチンと何かのスイッチを操作された。
すると体のすぐ側からビィィンと重低音が響く。
その電子音は、音の大きさや低さからして、ローターやバイブの類ではないようだ。それでも玩具や道具の類であることは間違いない。
もしや、サイズの大きな新手のバイブ?
痛みはないと水湊様は仰るけれど、そういった行為を行ったことのないこの体にいきなり玩具を挿入すれば、無事では済まないことは明らかだ。
私はその痛みを想像して竦みそうになる膝を、気合でなんとかまっすぐに保つ。
「ひ……っ、あ」
鼠径部に、突然先程の丸くて硬い何かが触れた。その強烈な振動にうっかり鳴きそうになるのを、私は慌てて抑える。
振動の正体がわからない。
けれど、それが触れた皮膚表面だけではなく、内側の筋肉までを震わせるような強力なその振動。それは、骨盤にあてがわれた途端、それに繋がる腹筋までもをブルブルと震わせた。
丸い何かはそのまま平らな腹部を滑るように上って、重低音を響かせながら私の胸元まで近づいてくる。
そこで私は、それが電気マッサージ器であることに気がつく。
巨大なマイクのような形状をしたその電気マッサージ器は、本来ならばその振動により患部の凝りの解消などのために使われるマッサージ器具だ。
電池式のちゃちなアダルトグッズなどと比べれば、振動が強烈であるのは当然だった。
そう言えば先程水湊様は『予定がなかったので、あいにく今日は専用の道具を用意していない』とおっしゃっていたっけ……。
そんな事を考えていると、見透かすように水湊様が球体の先端を滑らせた。
皮の部分のみであれば痛くてもある程度耐えられる。だが、鞭打つ際に金具やバックル部分が肌に当たると、痛みも強く、数日間消えないほどの青アザになることもあった。
私は覚悟を決めて、目隠しの向こう側で何やらごそごそと準備をされている水湊様の用意が整うのを静かに待つ。
服を全て脱がされた状態で視界を塞がれると、芽生えるのは得も言われぬ不安だった。
この目隠しの向こう側で、一体水湊様はどんな"準備"をなさっておいでなのだろう?
さすがにいきなりベルトで鞭打たれることはないと思いたいが、不意打ちに備えて、私はドキドキしながら歯を食いしばった。
少しして、水湊様が私の傍に歩んでこられる気配があった。仕方のない事と頭では理解していても、恐怖心は私の意思に反して頭をもたげる。
けれども水湊様は私に向かって優しい声音で語りかけた。
「少し足を開いて立ちなさい。ああ、肩幅くらいでいい」
命令の意図が分からない私は、言われるがままに少し足を開いて立った。
すると太腿の付け根にひんやりとした硬いプラスチックの感触があり、それはするりと鼠径部をなぞるように滑った。
「…………ッ」
痛みを想定していた体は、その冷たさにビクリと跳ねた。
それは感触からして野球ボールほどの大きさのようで、ある程度の重量があり、表面はつるりと滑らかだ。
鋭い痛みを覚悟して敏感になっていた肌は、その冷たいプラスチックの感触に驚き、肩が僅かに震える。
その反応がお気に召したらしい水湊様はふっと僅かに笑われて、吐息がかかるほどすぐ傍から囁かれた。
「怖いか?」
そう問われた私は、少し迷った。
今回の件は明らかに私に非がある。この折檻だって、私が自ら望んだのだ。
その私が、折檻されるのを怖いと素直にに答えて良いものか……。
けれども、経歴詐称で折檻を受けている私が、ここで怖くないと嘘を重ねるは何だか違う気がして。
私は躊躇いながら、小さく答えた。
「怖い、です……」
「ふふ、そうか。安心しろ、少なくとも痛みはない」
そう仰られた水湊様は、パチンと何かのスイッチを操作された。
すると体のすぐ側からビィィンと重低音が響く。
その電子音は、音の大きさや低さからして、ローターやバイブの類ではないようだ。それでも玩具や道具の類であることは間違いない。
もしや、サイズの大きな新手のバイブ?
痛みはないと水湊様は仰るけれど、そういった行為を行ったことのないこの体にいきなり玩具を挿入すれば、無事では済まないことは明らかだ。
私はその痛みを想像して竦みそうになる膝を、気合でなんとかまっすぐに保つ。
「ひ……っ、あ」
鼠径部に、突然先程の丸くて硬い何かが触れた。その強烈な振動にうっかり鳴きそうになるのを、私は慌てて抑える。
振動の正体がわからない。
けれど、それが触れた皮膚表面だけではなく、内側の筋肉までを震わせるような強力なその振動。それは、骨盤にあてがわれた途端、それに繋がる腹筋までもをブルブルと震わせた。
丸い何かはそのまま平らな腹部を滑るように上って、重低音を響かせながら私の胸元まで近づいてくる。
そこで私は、それが電気マッサージ器であることに気がつく。
巨大なマイクのような形状をしたその電気マッサージ器は、本来ならばその振動により患部の凝りの解消などのために使われるマッサージ器具だ。
電池式のちゃちなアダルトグッズなどと比べれば、振動が強烈であるのは当然だった。
そう言えば先程水湊様は『予定がなかったので、あいにく今日は専用の道具を用意していない』とおっしゃっていたっけ……。
そんな事を考えていると、見透かすように水湊様が球体の先端を滑らせた。
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