元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

文字の大きさ
上 下
19 / 99

19)私の覚悟

しおりを挟む
 主人に鞭やベルトで打たれることは、幸か不幸か、初めてではなかった。
 皮の部分のみであれば痛くてもある程度耐えられる。だが、鞭打つ際に金具やバックル部分が肌に当たると、痛みも強く、数日間消えないほどの青アザになることもあった。

 私は覚悟を決めて、目隠しの向こう側で何やらごそごそと準備をされている水湊様の用意が整うのを静かに待つ。

 服を全て脱がされた状態で視界を塞がれると、芽生えるのは得も言われぬ不安だった。

 この目隠しの向こう側で、一体水湊様はどんな"準備"をなさっておいでなのだろう?
 
 さすがにいきなりベルトで鞭打たれることはないと思いたいが、不意打ちに備えて、私はドキドキしながら歯を食いしばった。





 少しして、水湊様が私の傍に歩んでこられる気配があった。仕方のない事と頭では理解していても、恐怖心は私の意思に反して頭をもたげる。

 けれども水湊様は私に向かって優しい声音で語りかけた。


「少し足を開いて立ちなさい。ああ、肩幅くらいでいい」


 命令の意図が分からない私は、言われるがままに少し足を開いて立った。
 すると太腿の付け根にひんやりとした硬いプラスチックの感触があり、それはするりと鼠径部そけいぶをなぞるように滑った。


「…………ッ」


 痛みを想定していた体は、その冷たさにビクリと跳ねた。
 それは感触からして野球ボールほどの大きさのようで、ある程度の重量があり、表面はつるりと滑らかだ。

 鋭い痛みを覚悟して敏感になっていた肌は、その冷たいプラスチックの感触に驚き、肩が僅かに震える。

 その反応がお気に召したらしい水湊様はふっと僅かに笑われて、吐息がかかるほどすぐ傍から囁かれた。


「怖いか?」


 そう問われた私は、少し迷った。
 今回の件は明らかに私に非がある。この折檻だって、私が自ら望んだのだ。
 その私が、折檻されるのを怖いと素直にに答えて良いものか……。
 
 けれども、経歴詐称で折檻を受けている私が、ここで怖くないと嘘を重ねるは何だか違う気がして。
 私は躊躇いながら、小さく答えた。
 


「怖い、です……」
「ふふ、そうか。安心しろ、少なくとも痛みはない」


 そう仰られた水湊様は、パチンと何かのスイッチを操作された。
 すると体のすぐ側からビィィンと重低音が響く。

 その電子音は、音の大きさや低さからして、ローターやバイブの類ではないようだ。それでも玩具や道具の類であることは間違いない。
 もしや、サイズの大きな新手のバイブ?
 
 痛みはないと水湊様は仰るけれど、そういった行為を行ったことのないこの体にいきなり玩具を挿入すれば、無事では済まないことは明らかだ。
 私はその痛みを想像して竦みそうになる膝を、気合でなんとかまっすぐに保つ。


「ひ……っ、あ」


 鼠径部に、突然先程の丸くて硬い何かが触れた。その強烈な振動にうっかり鳴きそうになるのを、私は慌てて抑える。
 
 振動の正体がわからない。
 
 けれど、それが触れた皮膚表面だけではなく、内側の筋肉までを震わせるような強力なその振動。それは、骨盤にあてがわれた途端、それに繋がる腹筋までもをブルブルと震わせた。


 はそのまま平らな腹部を滑るように上って、重低音を響かせながら私の胸元まで近づいてくる。
 
 そこで私は、それが電気マッサージ器であることに気がつく。

 巨大なマイクのような形状をしたその電気マッサージ器は、本来ならばその振動により患部の凝りの解消などのために使われるマッサージ器具だ。
 
 電池式のちゃちなアダルトグッズなどと比べれば、振動が強烈であるのは当然だった。

 そう言えば先程水湊様は『予定がなかったので、あいにく今日は専用の道具を用意していない』とおっしゃっていたっけ……。


 そんな事を考えていると、見透かすように水湊様が球体の先端を滑らせた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...