【完】大きな俺は小さな彼に今宵もアブノーマルに抱かれる

唯月漣

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番外編)欲望のバレンタイン6*

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「中に……なんですか? 欲しいのは、もっと太いバイブ? それとも前みたいにチューペットでも入れます?」
「ち、が……ぁっ、ちが、あぁ……ッ、んんん……」
「じゃあ何が欲しいんですか?」


 由岐はそう言って上半身を起こして、俺の脇の下あたりに跨るように膝をついた。俺の言葉を促すように、既に芯を持ち始めている自身のそれを俺の目の前に晒す。


「あ……。かなで、の……っ、舐めたい……舐め、…………ンンッ!」


 欲しくてたまらないものが目の前にあって、俺は思わず恥ずかしい台詞でそうねだる。
 すると俺が言い終わるか終わらないかのうちに、由岐の熱いモノで唇を犯された。喉奥を深く抉るようにグリグリと掻かれて、胃液が込み上がりそうになるのを必死にこらえる。俺は何度もえずきながら、必死にそれを舐めた。


「ん゛ん゛……ッ、あぅっ、う゛んんん……ぅ、……んんッッ」


 苦しさに涙が流れると、由岐は親指でそれを優しく拭ってくれる。苦しくて苦しくてたまらないのに、由岐が愛おしい。涙目のまま由岐を見上げると、由岐とすぐに目が合う。俺の表情を見た由岐は、ふわりと表情を緩めた。


「すみません、ちょっと虐めすぎました」
「ケホッ、ケホ……ッ」


 口から熱棒を抜き取った由岐は、そう言って優しく俺の頭を軽く撫でた。目の前にある猛りきったそれに、俺は堪らず自ら足を開く。膝を立てて、ピンク色の細いコードがはみ出ているであろうその場所をいやらしく由岐に示した。


「かっ……かなでの……! かなでの……っ、ペニス……、俺の……アヌ……スにっ、いれ…………――――ァァッッ!!!」
 

 俺が言い終わるか否か。そんなタイミングで、今度はいきなり秘孔を由岐に深く貫かれた。熱い質量のあるそれは、中にあったローターを奥深くへと押し込んでいく。貫かれた衝撃に崩れ落ちそうになる俺の膝を掴んだ由岐は、腰の下に素早く枕を挟み込む。


「翔李さんの中、ヒクヒク痙攣して熱いです」
「あ、あ、あ……っ、かなで……っ、好き……好きだ……、っぁ……!」
「僕もですよ、翔李さん。愛しています」


 由岐がそう言って、俺の中を熱いモノで深く穿つ。硬いローターの先端が深いところにコツンと当たって、ピリピリと痺れた。


「っ、あ……、やだっ、待っ……、あ、あ……っ、ーーーーっ!!」


 ペニスの先でぐいと前立腺を押されて、俺は声にならない悲鳴を上げる。


「ふ、深い……っ、かなで……だめぇ、当たってる……ぁた、って……っ、んっ……、ひあっ!」
「ふふふ。翔李さんの中、入り口はヒクヒク震えてるのに、奥はきゅうきゅうと締め付けて来ますよ」
「あ……っ、駄目っ……気持ちいいよぉ……かなでぇ……っ、気持ち……っ、い……!」


 そこばかりを狙って突かれたかと思うと、不意打ちのようにぐいっと更に奥にローターを押し込まれ、ガクガクと顎や舌までもが快楽に痺れる。
 徐々に激しくなる抽挿に、由岐の表情からも次第に余裕がなくなっていった。腰を揺らしながら由岐は俺に微笑みかけて、弾む呼吸を縫って熱っぽい息を吐いた。


「翔李さんの体温がトロトロに熱くて……、僕まで溶かされてしまいそうです」
「イッ、いきそ……っ、かなで……イッ、イク……ッ!」
「イッてもいいですよ……っ。ずっと突いていてあげます」


 由岐が吐息混じりにそう言って、僅かにビストンを早める。


「あっ、あーーっ、い……ッ、イッ……く、い……く、んふ……ッッ」


 その瞬間俺の中でのぼり詰めた何かが弾けて、勃起していないペニスの先から透明の蜜が溢れる。
 感電したかのような強烈な快楽に、俺は中にいる由岐を締め付けた。けれどもまだ達していないらしい由岐のそれは硬さを保ったまま、イッたばかりの俺を再び快楽の中へと引き戻した。


「だ、っ……、待って……お願い、由岐……ぃ、イッてる……まだイッてる……ぁぁぁぁっ、い゛いっ! ああ!」


 イッている最中に前立腺を揺らされて、再び押し寄せた快楽の大波に俺はもはや狂いそうだった。
 体の奥がじんじんと熱くなって、達したときの絶頂が腹の奥へマグマのように居座り続けて、いつまで待っても引かない。


「やっ……かなで、おかし……俺、おかしくなってる……っ、イッてるのに、も、イッている……のに……っ!」
「もしかして翔李さん、ずーっとイッてます……?」
「や、……ッ、分からな……っ、イッてるのに……また気持ち、い……!」
「じゃあ、分かるまでこうしてます?」
「やっ……!! 駄目、かなで、だめぇ……!」


 抜き差しに合わせて皮膚がぶつかる乾いた音が室内に響いて、擦れる粘膜の感覚にクラクラする。
 傍で鳴り続けているはずのバイブレーションの音が遠い。


「なんて…………冗談です。僕も、そろそろ……っ、限界、ですから……っ」


 由岐が何か言っている。けれども頭が霞んで言葉の意味が理解できない。

 体内にいる由岐の体温と快楽だけが、むき出しの神経から侵入してきて、ドラッグのように俺を狂わせる。


「っ……、そろそろ、イキます……!」
「あ……ッッ、かなでっ、いい……っ、気持ちいいよぉ……!」


 いっそう激しくなる抽挿ののち、体内で由岐が果てる。けれども俺の中は変わらずヒクヒクと中を締め付けていて、気持ち良すぎてもう嫌なのに、中にあるローターの振動を咥えこんでいる。


「あっ……あ……、かな……っ、かな、で……!! 俺っ、おかし……っ、イッているのに……ずっと気持ち、……いぃ……ッ! 」


 イキっぱなしの体は、内側を含めたあちらこちらが痙攣して、ただ快楽を享受するだけの器のようだ。


「……もしかして翔李さん、今メスイキしてます?」
「や、しらな……ッ」
「それ、多分暫くは何されても気持ちいいですよ」
「なっ……!? んん、ぁっ、やぁ……っ」


 俺の中の楔を抜き取った由岐は、ゴムを処理しながらクスクスと笑った。


「翔李さん、可愛い。僕のモノが回復するまで、バイブでも入れます?」
「やっ……やめ……っ!」
「どうして? 射精しなくてもイキつづけるなんて最高でしょう?」
「ちが……っ、ローターやだ……っ、もう取って……っ」


 腹の奥で依然快楽の炎を撒き散らすそれは、気が遠くなりそうなほど俺の中を苛んでいる。すぐにでも引っ張り出してしまいたいのに、依然両腕は頭の後ろだ。
 由岐は少しだけ思案顔をした後、俺に向かって笑う。


「ああそうだ。そこはそもそも排泄器官なわけですから、自分で出してみたらいかがです?」
「な、何言って……っ」
「ふふ。それなら四つん這いが可愛いと思うので、縄は外してあげますね?」


 青ざめながら慌てる俺に、由岐が天使のような笑顔を俺に向ける。


 こうして、俺達のバレンタインの夜は更けていく。

 こうして今宵も、大きな俺は小さな彼かなでに、アブノーマルに抱かれるのであった。
    
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感想 4

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みんなの感想(4件)

りん
2022.02.20 りん

|ू•ω•)チラッ

もじもじ…
あのね、バレンタインの番外良かったのー(*/ω\*)キャー!!

唯月先生のお話は、全部好きだー‼️

2022.02.20 唯月漣

わー、ありがとうございます❤(◍•ᴗ•◍)
新作も頑張って書いているので、是非また読みに来てやってください(。•̀ᴗ-)✧

解除
人間
2022.01.24 人間
ネタバレ含む
2022.01.24 唯月漣

 まずは一ヶ月間に渡り、拙作をお読み頂き誠に有難うございました。

 私の想いや書きたかった事、伝えたかった事を、ここまで丁寧に汲み取って下さる読者様がいらっしゃった事に、私も泣いてしまいそうなほど感動しました。
 BLを読む事に抵抗がある中で、数ある中から拙作を選んで読んでくださった事にも感謝です。

 長い感想、むしろめちゃくちゃ嬉しいですよ〜!(^^)
 
 ジンとテツのお話も、いつか番外編で書いてみたいなぁと思ってはいるのですが、あの二人はテーマが由岐より更に重たくなりそうなので、まだ構想を練っております。
 今書いている新作が書き上がったら、忘れた頃にポロッと書くかもしれません。
 気長に待っていただけたらと思います。


 素敵な感想を有難うございました☆
 頂いた感想は、感謝の気持ちで大切に包んで、宝物にしたいと思います。

解除
ritkun
2022.01.23 ritkun
ネタバレ含む
2022.01.23 唯月漣

 丁寧な感想を下さり、誠に有難うございます。
 テツは当初、翔李と由岐のしている行為を、テツを通して翔李が客観視できるようにするため作ったキャラでした。
 ただの当て馬キャラでなく、翔李や由岐の良き友達として、『性にはだらしないけれど、何故か憎めない子』に映ってくれたら嬉しく思います。
 カレー鍋の温もりのシーンは私もお気に入りなので、同じように感じてくださる方がいて嬉しいです。
 今回は私にしては珍しくエロ特化の作品でしたので、キュンと来たシーンがあったと言ってもらえるのが本当に幸せな事だと感じました。

 素敵な感想、本当にありがとうございました(*^^*)

解除

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