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20)負のループ
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次の週末。
俺はジンのくれた名刺と地図アプリを頼りに、繁華街から少し外れたその店を訪ねた。
無論、お礼をしてもらうためではない。あの時つい非難してしまった事を、ただ一言謝りたかったからだ。
「いらっしゃいませ」
お洒落なオルゴール調のクラッシックがかかるその店は、なんと喫茶店だった。出て来た店員らしき若い男にジンのくれた名刺を見せると、店の一番奥の席に案内される。
「ああ、アンタか」
作業中のノートパソコンを閉じたジンは、ちらりと俺に視線を送った後、この間は掛けていなかったはずの縁無しの眼鏡を外す。
「座ったら? アンタ、腹減ってる? 好き嫌いは?」
「な、無いけど……」
「多斑君、この人にナポリタンとフレンチトースト、あとオリジナルブレンド。ブレンドは二つ頼む」
「はい」
「えっ、ちょ……」
多斑と呼ばれた店員が立ち去ると、ジンは視線で俺に座るように促す。おずおずと向かい合った席に座った俺に、ジンが言った。
「俺は陣矢。皆にはジンって呼ばれてる。アンタ、名前は?」
「翔李、だけど」
「ショーリか。こないだはテツが悪かったな。あいつ、ああなると男に見境なくなっちまうんだよ」
「えっ、いや」
「うん? アイツに誘われなかったのか?」
「えっ。いや誘われた、けど……」
俺は運ばれてきた水に口を付けながら、モゴモゴと言葉を濁す。
「アイツ、ちぃとばかり性癖が特殊でな。恐らく育った環境のせいだと思うんだが、時折発作のように自分を痛め付けて欲しがったり、それに性的な興奮を覚えたり……。アンタもあの傷を見たんだろう? あの性癖のせいでアイツは何度も流血沙汰になったり、DV被害に遭ったりしてる。恋人や友人ができても、あの性癖のせいでどうもうまく行かない」
ジンが言っているのは、テツの体中にあった傷のことだろう。自称テツの保護者というだけあって、テツのことをよく把握しているらしい。
俺は先に運ばれてきた珈琲に砂糖とミルクを入れながら言った。
「ジンさんは……」
「ジンで良い」
「ジン……はテツの保護者だって言ってた割に、やることはヤッてるんだろ? テツのこと、好きなんじゃないのか?」
俺は誰もが当然思うであろう疑問をぶつけたが、ジンは珈琲をブラックのまま一口啜って言った。
「好きだよ。でも、やることをヤッちまったからこそ、俺じゃ駄目なんだ。アイツの中で俺はおそらく、都合のいいときに都合の良いセックスが出来る男の中の一人でしかない。むしろ、ショーリ。お前の方がよっぽどマシだ」
「は? なんで俺?」
「アイツに誘われたんだろう?」
「えっ、あー。いや、うん……」
「なんでヤラなかったんだ? 本当にバリネコや童貞と言う訳ではないんだろう? 特定の恋人が居るようにも見えないが」
『たまたま他所で散々ヤられた後だったから』とは流石に言えない。俺はバツが悪くなって目を逸らした。タイミング良く店員がナポリタンを運んできたので、これ幸いとばかりにフォークを取る。
というか、俺達がセックスをしていないことを、何故ジンは分かったんだろう……。
「まっ、まぁ、テツは友達だからな。……いただきます」
苦し紛れにそう言った俺は、口いっぱいにナポリタンを頬張った。
ナポリタンのあとに運ばれてきた、アイスクリームの乗ったフレンチトースト。そこまでをきっちり平らげた俺は、何やらイヤホンを片耳につけてノートパソコンに向かっているジンに話しかけた。
「でもさ、テツは俺ん家に来る前にジンに連絡してたんだろう?」
「ああ。その日は仕事で遠方に行くと言ってあったんだがな。そういう日に限って、あいつはああなるんだ」
「それって、ジンがいないって事がトリガーになってるんじゃないのか? あの性癖のせいで恋人と上手く行かないんなら、ジンが何としてもテツを口説き落として、テツと付き合うのは無理なのか? そしたらテツが怪我をすることもないし、寂しさのあまり男を漁ることも無いんだろ?」
俺がそう言うと、ジンはあの夜見せたような悲しそうな笑顔を浮かべた。
「テツがそれを望むなら、無論そうする。だが、そうした所で四六時中俺がテツを見張っていられる訳じゃない。あいつは寂しくなったら誰とでも寝るし、誰にでも好きだとか愛してるとか簡単に言うぞ? この界隈は狭いんだ。テツが知らない男とホテルに入った、前の男にフラれてすぐに別の男のところへ、二股してるらしい……なんて噂はしょっちゅう流れてくる。さっきも言ったようにテツの中で俺は都合の良い時に好みのセックス出来る男の一人でしか無いんだよ。そこに愛なんてもんはないし、恐らく生まれることも無い」
「そんなの分からない。本人に聞いてみたのか?」
「いいや、バンド内で気まずくなっても困るし。俺達はただの幼馴染で、あいつは大事なバンドメンバーでもあるんだ。それに好きは好きでも、俺は恋人を痛ぶる趣味はないんでな」
「は? でもあの時……」
そこまで話して、俺は合点がいく。
片思いの男に、趣味でもない嗜虐的なプレイを要求される。
代わりに、それをしている間は好きな男が腕の中に居てくれる。
けれど一度それをしてしまった事で、彼にとってジンは数多いる性欲処理の相手の一人でしか無くなってしまった。
それでも、テツに求められれば趣味でもないプレイにジンは応じている。それをしたところで、テツの心は手に入らないと分かっているのに……だ。
これじゃ、負のループだ。…………なんて皮肉な話だろう。
「仕方ないんだ。俺が我慢するしかないだろう。ああなったアイツをほっとくと、色々とヤバイんでね」
ジンの見せた悲しそうな顔は、つまりはそういうことだろう。好きなやつと極端に性癖が合わないってのは、個人的に結構深刻な問題だと思う。
「ジンはテツのことが本気で大切なんだな」
「そりゃ、幼馴染だからな。知らない男に流血沙汰にされるよりは俺が抱く方がマシだと思ったんだが、今は後悔しかないよ」
「大切って、幼馴染とかバンドメンバーとかそういう意味だけじゃなくて……」
そこまで言って、俺はふと今日ここに来た理由を思い出す。
「あ……てかごめん。俺今日はアンタに謝ろうと思って来たんだ。事情を知らなかったとはいえ、テツの寂しさにつけ込んでヤロうとしてるなんて、酷いことを言った……。俺、人のことを言えるような立場じゃなかったのに。悪かったよ」
俺はここに来た目的を思い出して、ジンに謝った。ジンは少し驚いた表情をした後、ニヤリと口元を歪めて笑った。
「ふーん。セックス出来なくてもテツがアンタを『友達』って言う訳だ」
「え……?」
「アンタ、いい人そうだな。テツのこと、これからもよろしく頼むよ。無論、『友達』としてな」
ジンはそう笑いながら、伝票を掴んで立ち上がった。
俺はジンのくれた名刺と地図アプリを頼りに、繁華街から少し外れたその店を訪ねた。
無論、お礼をしてもらうためではない。あの時つい非難してしまった事を、ただ一言謝りたかったからだ。
「いらっしゃいませ」
お洒落なオルゴール調のクラッシックがかかるその店は、なんと喫茶店だった。出て来た店員らしき若い男にジンのくれた名刺を見せると、店の一番奥の席に案内される。
「ああ、アンタか」
作業中のノートパソコンを閉じたジンは、ちらりと俺に視線を送った後、この間は掛けていなかったはずの縁無しの眼鏡を外す。
「座ったら? アンタ、腹減ってる? 好き嫌いは?」
「な、無いけど……」
「多斑君、この人にナポリタンとフレンチトースト、あとオリジナルブレンド。ブレンドは二つ頼む」
「はい」
「えっ、ちょ……」
多斑と呼ばれた店員が立ち去ると、ジンは視線で俺に座るように促す。おずおずと向かい合った席に座った俺に、ジンが言った。
「俺は陣矢。皆にはジンって呼ばれてる。アンタ、名前は?」
「翔李、だけど」
「ショーリか。こないだはテツが悪かったな。あいつ、ああなると男に見境なくなっちまうんだよ」
「えっ、いや」
「うん? アイツに誘われなかったのか?」
「えっ。いや誘われた、けど……」
俺は運ばれてきた水に口を付けながら、モゴモゴと言葉を濁す。
「アイツ、ちぃとばかり性癖が特殊でな。恐らく育った環境のせいだと思うんだが、時折発作のように自分を痛め付けて欲しがったり、それに性的な興奮を覚えたり……。アンタもあの傷を見たんだろう? あの性癖のせいでアイツは何度も流血沙汰になったり、DV被害に遭ったりしてる。恋人や友人ができても、あの性癖のせいでどうもうまく行かない」
ジンが言っているのは、テツの体中にあった傷のことだろう。自称テツの保護者というだけあって、テツのことをよく把握しているらしい。
俺は先に運ばれてきた珈琲に砂糖とミルクを入れながら言った。
「ジンさんは……」
「ジンで良い」
「ジン……はテツの保護者だって言ってた割に、やることはヤッてるんだろ? テツのこと、好きなんじゃないのか?」
俺は誰もが当然思うであろう疑問をぶつけたが、ジンは珈琲をブラックのまま一口啜って言った。
「好きだよ。でも、やることをヤッちまったからこそ、俺じゃ駄目なんだ。アイツの中で俺はおそらく、都合のいいときに都合の良いセックスが出来る男の中の一人でしかない。むしろ、ショーリ。お前の方がよっぽどマシだ」
「は? なんで俺?」
「アイツに誘われたんだろう?」
「えっ、あー。いや、うん……」
「なんでヤラなかったんだ? 本当にバリネコや童貞と言う訳ではないんだろう? 特定の恋人が居るようにも見えないが」
『たまたま他所で散々ヤられた後だったから』とは流石に言えない。俺はバツが悪くなって目を逸らした。タイミング良く店員がナポリタンを運んできたので、これ幸いとばかりにフォークを取る。
というか、俺達がセックスをしていないことを、何故ジンは分かったんだろう……。
「まっ、まぁ、テツは友達だからな。……いただきます」
苦し紛れにそう言った俺は、口いっぱいにナポリタンを頬張った。
ナポリタンのあとに運ばれてきた、アイスクリームの乗ったフレンチトースト。そこまでをきっちり平らげた俺は、何やらイヤホンを片耳につけてノートパソコンに向かっているジンに話しかけた。
「でもさ、テツは俺ん家に来る前にジンに連絡してたんだろう?」
「ああ。その日は仕事で遠方に行くと言ってあったんだがな。そういう日に限って、あいつはああなるんだ」
「それって、ジンがいないって事がトリガーになってるんじゃないのか? あの性癖のせいで恋人と上手く行かないんなら、ジンが何としてもテツを口説き落として、テツと付き合うのは無理なのか? そしたらテツが怪我をすることもないし、寂しさのあまり男を漁ることも無いんだろ?」
俺がそう言うと、ジンはあの夜見せたような悲しそうな笑顔を浮かべた。
「テツがそれを望むなら、無論そうする。だが、そうした所で四六時中俺がテツを見張っていられる訳じゃない。あいつは寂しくなったら誰とでも寝るし、誰にでも好きだとか愛してるとか簡単に言うぞ? この界隈は狭いんだ。テツが知らない男とホテルに入った、前の男にフラれてすぐに別の男のところへ、二股してるらしい……なんて噂はしょっちゅう流れてくる。さっきも言ったようにテツの中で俺は都合の良い時に好みのセックス出来る男の一人でしか無いんだよ。そこに愛なんてもんはないし、恐らく生まれることも無い」
「そんなの分からない。本人に聞いてみたのか?」
「いいや、バンド内で気まずくなっても困るし。俺達はただの幼馴染で、あいつは大事なバンドメンバーでもあるんだ。それに好きは好きでも、俺は恋人を痛ぶる趣味はないんでな」
「は? でもあの時……」
そこまで話して、俺は合点がいく。
片思いの男に、趣味でもない嗜虐的なプレイを要求される。
代わりに、それをしている間は好きな男が腕の中に居てくれる。
けれど一度それをしてしまった事で、彼にとってジンは数多いる性欲処理の相手の一人でしか無くなってしまった。
それでも、テツに求められれば趣味でもないプレイにジンは応じている。それをしたところで、テツの心は手に入らないと分かっているのに……だ。
これじゃ、負のループだ。…………なんて皮肉な話だろう。
「仕方ないんだ。俺が我慢するしかないだろう。ああなったアイツをほっとくと、色々とヤバイんでね」
ジンの見せた悲しそうな顔は、つまりはそういうことだろう。好きなやつと極端に性癖が合わないってのは、個人的に結構深刻な問題だと思う。
「ジンはテツのことが本気で大切なんだな」
「そりゃ、幼馴染だからな。知らない男に流血沙汰にされるよりは俺が抱く方がマシだと思ったんだが、今は後悔しかないよ」
「大切って、幼馴染とかバンドメンバーとかそういう意味だけじゃなくて……」
そこまで言って、俺はふと今日ここに来た理由を思い出す。
「あ……てかごめん。俺今日はアンタに謝ろうと思って来たんだ。事情を知らなかったとはいえ、テツの寂しさにつけ込んでヤロうとしてるなんて、酷いことを言った……。俺、人のことを言えるような立場じゃなかったのに。悪かったよ」
俺はここに来た目的を思い出して、ジンに謝った。ジンは少し驚いた表情をした後、ニヤリと口元を歪めて笑った。
「ふーん。セックス出来なくてもテツがアンタを『友達』って言う訳だ」
「え……?」
「アンタ、いい人そうだな。テツのこと、これからもよろしく頼むよ。無論、『友達』としてな」
ジンはそう笑いながら、伝票を掴んで立ち上がった。
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