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番外編 実家への挨拶回りと結婚式
11.ヴェルナーの実家 後編 Side ヴェルナー ※
しおりを挟むSide ヴェルナー
「…………小さな女の子が泣いている夢」
覗いてみたサヤカの夢は、精神に同調した私の胸を酷く痛ませた。
自分を押し殺す苦しさ、それでも愛されない寂しさ、虚しさ。夢で見ていたよりも、ずっと悲しかった。小さなサヤカを抱きしめて愛してると言いたいのに、何も出来ない自分が歯がゆかった。
魔法を止めても痛みは残ったまま。それなのに、一人を選ぶサヤカにイラつくなんて自分勝手にもほどがある。深い傷は癒えるのに時間がかかると知っていたのに。
「……そう」
「悪かった。二度としない。すまない」
謝った私に静かに笑いかけるサヤカを抱きしめた。悪いのは私なのに優しく背中を撫でている。尊重されていなかったと知っているのに、私も同じことをした。怒ってもなじっても当然なのに、それをしないサヤカを悲しく思う。
「大丈夫。もうしないならそれでいいよ」
「すまない。私は泣かせない。大事にする」
「うん。大事にして」
する。誰よりも、死ぬまで。
「愛している、サヤカ」
「ヴェルナー、愛してる」
穏やかに微笑んで囁かれた愛の言葉が心にしみる。幸せで泣きそうになるなんて、考えもしなかった。
私の頬に添えられた小さな手を掴んで口付ける。丸みのある頬は柔らかい。黒いまつ毛は艶やかで、私を見つめる目は潤んで揺れている。唇にふれて食むと、あなたの唇が応えて優しく動く。舌で合わせ目をなぞって誘えば、可愛らしい舌先が迎えてくれた。
温かくヌルついた舌を絡め合わせたら、興奮が高まるのはなぜだろう。あなたの内側だから? 絡みつく動きが求められているみたいだから?
手の中の乳房を柔らかく揉んで、指で乳首をくすぐる。硬くなった突起は敏感に反応して、絡めている舌がビクッとした。指先で押し込んで円を描けば腰が揺れて動きだす。
いつも私を誘う、吸い付いて離そうとしない肉の窪み。早く入れて一つになりたいと、勃起したペニスが疼く。
ああ、中に入りたい。熱く蠢く肉襞に絡みつかれたい。あなたの中を私で埋め尽くしたい。
あなたの手が形を確かめるように触れて握る。その可愛い手に、このまま擦りつけて射精したい。
首筋にいくつも赤い痕をつけて胸元へ移動する。プクリと膨らんだ乳首を舌で転がして味わう。私の髪の毛を掻きまわして、悪戯をするあなたの手が愛しい。
舌で弾き続けると、背中を反らして硬直した。
弛緩した足の付け根は溢れた蜜でぬめっている。私に抱かれるあなたが達することも濡れることも、嬉しくてたまらない。
足を広げて覗き込めば、あなたもヒクついて私を待っている。亀頭を押し込むとヌプリと蜜が溢れた。熱い。私を奥へ飲み込もうとする柔らかな肉に従って、根元まで繋がった。
あぁ、気持ち良い。熱くてヌルヌル吸い付いて。サヤカ、あなたがもっともっと欲しくなる。
お腹側をこするように動かせば体を捩って乱れる。黒髪がシーツに広がって艶めかしい。あなたの喘ぎ声が頭の中いっぱいに響き、心臓がうるさくなる。
「ヴィー、あっああ、ああぁ、っあ、……ぁあん」
「サヤカ、気持ち良い?」
「うん、いい、あぁ、ヴィー、すごく」
「私も、気持ち良い。サヤカ、はっ、あっ、……ぅ」
動かすたびに絡まる肉襞が、どうにかなりそうなくらい気持ち良い。グチュグチュ音を立てる結合部が卑猥でよけいに興奮を煽る。妊娠中だから優しくしたいのに、なんでこんなに情欲を駆り立てるんだ。
中が締まり始めてたまらない。射精したい。でもサヤカが。あぁ、気持ち良い、サヤカ。
「ヴィー、あぁぁぁアアっあっあああーーーー」
収縮して吸い付くサヤカの中へ射精する。我慢していたすべての熱を吐き出して息をついた。
くったりしたサヤカから出て隣へ寝転び、抱きしめて口付けを繰り返す。妊娠中だから何度もできない。おさまらない体がジリジリする。頬ずりを繰り返す私を笑って、サヤカが体を起こした。
手を引かれて桶のお湯で体を拭かれる。サヤカはお終いにすべく拭いてるのだろうに、私はまだ硬い。腰に熱がわだかまったままだ。
萎える気配のない私をサヤカが笑って口に咥えた。唇で甘噛みし、舌でゆっくり撫でられる。根元まで咥えると少し苦しそうにして、また先端まで戻った。
私を見上げて悪戯っぽく笑う可愛らしさに、反応してしまう。口で前後に動かされ、ため息が出た。
サヤカが歯を立てて甘噛みをする。私が喜ぶと知っていてしてくれる。齧りついて舌先で先端の穴を嬲られ膝が震えた。
サヤカの頭を押さえて片方の歯列にそって擦りつける。切なそうに私を見上げるサヤカが、舌をヌルリヌルリ当てて私を煽る。
愛する人が私の性器を口に含んで目を潤ませている。あの淫らな窪みもきっと、潤っていることだろう。あぁ、この夢みたいな光景は夢じゃない。ゾクゾクと射精感がこみ上げる。歯列にこすれる痛みが、現実だと私に告げる。
「サヤ、サヤカっ、……っあ、うっぅっくぅぅっぅ」
温かい口内で私を受け止め最後まで吸い付いてくれた。口から抜いてすぐ、指で掻き出しうがいをしてもらう。
「サヤカはもういいのか?」
指を伸ばして確かめたら、たっぷり潤って花びらまで濡れている。
「私を舐めて興奮した?」
「……うん」
恥ずかしそうに目をそらすから、たまらない。やっと萎えたのにまた硬くなった。
抱き上げてベッドに寝かせる。足が楽なように交互に合わせ、ドロドロに蕩けた窪みへ沈めた。負担にならないよう、ゆっくり動かしているのに奥へ到達するたび、サヤカの中がギュウと抱き付くように締め付けて離れ難くする。
「っは、サヤカ、そんなにしては、っふ、ぅ、っはっ」
「ぁあ、ん、ぁ、だって、ずっと、気持ち良くて、すごく、よくて、ずっと、あぁ、ほしくなる」
「サヤカ、サヤ、私も、ずっと抱いていたい」
「んっ、あぁ、ダメなのに、っあぁ」
喉を仰け反らせ、足はシーツを引っ掻いている。
「っぁ、あ、奥が、あっあっあ、あぁっ」
「っふ、ここか?」
「んっ、んあっああ、ヴィー、ヴィー、あっあっあっ、アアッああぁあーーーーー」
ブルブル震えて収縮する中にもっていかれ、射精した。吸い付かれたまま飲み込まれる感覚に私の腰も震える。最後の一滴まで出したくて擦りつけたら、また軽く達してビクビク痙攣した。
弛緩するまで待って離れ、水を飲ませる。
なんとなく不安になり、隣の部屋からリーリエを連れてきた。
「無理はさせてないが念のため診てくれ」
「大丈夫なのに」
「不安だ」
リーリエが膨らんだお腹に手を当てている。サヤカは目をつぶってジッとしていた
「大丈夫ですよ。なんともありません」
「ありがとう、リーリエ」
「助かった」
「いえ、ゆっくり休んでください」
サヤカに布団を掛けて隣の部屋へ帰って行った。
「心配性になったね」
「サヤカが見たことない達しかたをしたから。そんなに良かったか?」
「……うん」
「何が良かった?」
「ヴィーがすごく気持ち良さそうな顔してたとこ」
「私が?」
私が気持ち良いと嬉しいのか? それで興奮する?
自分がそんなふうに見られているのは変な感じがする。でも、そうだ、サヤカが気持ち良さそうだと私も興奮する。同じか。
ふつふつと喜びが湧き上がって笑ってしまう。
「私はサヤカに好かれているのだな」
「そうだよ。知らなかった?」
「知っていたが、そんなに好かれてるとは知らなかった、ハハハッ」
嬉しくて嬉しくて笑いが止まらない。随分とだらしない顔をしてるだろう。サヤカも笑って私の手を握った。2人で笑い合う幸福で胸がいっぱいになる。
私の妻。魂の伴侶。サヤカ、絶対に離さない。
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