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第二章 精霊産みといろいろ
83.お試し精霊王産み 中編 ※
しおりを挟むぼんやりとした相槌が返事になってしまい、ゲルトの腰が動き出した。下から私を抱きしめて体を固定すると、息を荒げて突き上げる。伸びた喉から空気がうなるような音が聞こえる。
「くぅっ、うっ、あ、……ふっ、は、ぁあぅっ、サヤ、カ」
「んんっ、あぁっ、あ」
夢中なゲルトに合わせて腰を動かす。すごく気持ち良さそうな喘ぎ声にゾクゾクする。ふいにお尻をギュッと揉まれて声が出た。ゲルトの動きと手のズレがもどかしさを生んで、中がもっと欲しくなった。
「あっ、や、もっと、あぁっ」
「っは、サヤカ、サヤ、カ、……っうぅくっ、はっ、あ……うぁっあっ」
ゲルトにしがみついて声をあげたら、突き上げが強くなった。お尻の肉を揉み込まれながら奥をゴリゴリ抉られて収縮する。ギュッと縮まるのがわかり、飲み込みたい衝動が湧き上がった。
お互いにしがみついて叫ぶ。
硬直した体が緩んでから、下のゲルトに体重がかからないよう体を丸めて呼吸をした。
「風呂に入るか?」
「うん」
ラルフに返事をしたら、私の両腕を掴んで自分の首に巻き付かせて抱き上げた。お腹から太腿が湿って気持ち悪い。私を軽々と持ち運ぶラルフの逞しい体に頭を持たせかける。
「力もちだよね」
「大きさは同じくらいでも人族より力が強いからな、ヴェルナーぐらいでも抱えられる」
「ふふふっ、見てみたい」
「あんなゴツイの抱えても楽しくねぇよ」
ゲルトもやってきて一緒に3人でお風呂に入った。
「ヘビ族も力強いの?」
「はい。同じくらいの人族よりは。獣化したらもっと強くなります」
「獣化してるときは違うんだね。ウロコの模様は色々あるの? 家族は同じ?」
「そうですね、我が家は親に似てます。人族の顔みたいにそっくりだったり全然似てなかったり、いろいろです」
「同じじゃないんだ、そっか。オオカミ族は? ラルフは模様ないけど」
「色の違いは多少あるけど、オレの知ってる範囲じゃ模様はねぇな。色の境目なら他人による。でもまあ、似たり寄ったりだ。オオカミ族は見慣れねぇと区別付きにくいらしいぞ」
他愛のない話をして体を流し湯船から上がった。
リーリエが嫌がるだろうからと、2人は服を着てそのまま部屋を出て行く。ベッドの上に浅く腰かけたリーリエが、足の上で手を握り締め緊張した顔で私を見上げる。
「待たせてごめんね。平気? 今日は止めようか?」
「……あ」
「いいんだよ、無理しなくて。他の5人の成功を確認してから参加したら? 私も昼寝しようかな」
リーリエに立ってもらい、汚れたシーツを剥がして拭き綺麗な物と交換した。ベッドに腰掛けて薄いガウンの合わせを整えリーリエを見上げる。
リーリエに何もできなかったけど、何かして欲しそうにも見えなかった。2人の前じゃ嫌なのかと思ったけど、繁殖期の反動で私に近づきたくないのかもしれない。今朝からよそよそしく感じる。リーリエの言う通り普通の妖精族になったのかな。
「あ、……どうやって参加したらいいのか」
「そうだよね。手を繋いでもいいし、口付けしてもいいよ。ラルフみたく背中にくっついてもいい。したいことして」
「嫌じゃありませんか? ……邪魔されてるみたいで」
「みんなでするときはみんなが前提だから邪魔とは思わないよ。リーリエならいつでもいいし」
「私ならいつでも?」
「うん」
そうしないといつまでも待ってそうで。俯いてるリーリエがなんだか寂しそうに見えた。
「リーリエのこと、触ってもいいの?」
「……はい。巫女ならいつでも、大丈夫です」
「繁殖期が終わったからもういらないかと思って」
「っ、違いますっ。違います、巫女。……まだ、普通の妖精族になっていません。隣に行っていいですか?」
「いいよ。一緒に寝る?」
「はい」
ガウンのままベッドに寝転がった私の隣に、急いで裸になったリーリエが潜り込んできた。ガウンの紐を解いてはだけた中に腕を回して抱き付いてくる。髪を梳きながら胸に埋まる頭の天辺にキスをした。
「……、一人に慣れなくてはいけないから、巫女から離れようと」
「そっか」
「巫女、巫女の中に入ってもいいですか?」
乳首に吸い付いて甘え、舌で弾き、もう片方を指で捏ねまわす。
まだあまり濡れてないから迷ってたら、指が伸びてきて乾いた割れ目を撫でた。
「体を洗ったばっかりだから」
「はい。柔らかいです」
陰唇をスリスリ撫でている。指先がお尻の穴にふれた。
「巫女も気持ち良いのですか?」
「…………うん」
「玩具を使いますか?」
「ううん」
「指だけなんですね」
「……あー、えーと、ラルフに、入れられたかな」
「指を入れてましたね」
「えー、あー、指以外も」
「……? ……陰茎を? 精霊もできないのに?」
「ほら、あれだよ、口に咥えても気持ち良いでしょ。それと同じ」
いったい何の羞恥プレイなんだよ。止めてほしい。嘘ついて揉めたくないから話すけど、正直に言いたいわけないだろうがよ。
「少し濡れてきました」
「……そうだね」
実況中継も止めてほしい。
言ってほしくないことばかり話すリーリエの口を塞ぎたくて、甘えたことを言ってみる。
「リーリエは私に口付けしてくれないの?」
「……してもいいですか?」
「うん、沢山して」
「……巫女」
嬉しそうな顔で、甘い吐息と一緒に私を呼び唇が触れた。抱き合って啄み合う。足を絡めて舌も絡ませた。リーリエのしっとりした白い肌と傷痕が残るサラサラした肌のコントラストはいつも不思議。
リーリエの舌が隅々まで舐めようと口の中で動く。手は乳房を揉んで腰は擦りつけられている。全身で求める可愛らしさに胸がキュッとなった。
「巫女、中に入れてください」
「きて」
「……ぁ、あぁ、巫女、っあぁ」
リーリエが根元まで挿入してブルブルと震える。私にくっついて鳥肌の立った背中を撫でた。
「ん、あぁ、みこ、みこ、ああぁ」
甘えた声で私を呼んで腰を振る。リーリエはいつも求められる喜びを教えてくれる。
できるだけ優しい声で呼ぶ。
「リーリエ」
「みこ、っあぁ、ああ、ん、あっ、……っは、あぁふっ……、っあぁ」
可愛い声で喘ぎ、ギュッと抱き付いて硬直した。足でリーリエを挟んで髪を梳いて撫でる。力が抜けたらもう一度抱き付いて大きく息を吐いた。
「巫女、もう一度」
「うん、リーリエ、あのね」
「はい」
「楽しかったよ。リーリエと2人でいるの。だからあんまり気に病まないで」
「……みこ」
リーリエとしっかり抱き合う。
面倒だと思ったり体力も使ったけど、これはホント。求めてくるリーリエだけを見て2人で過ごすのは、小箱の中に閉じこもってるみたいで落ち着いた。自分の感情から目を逸らしてるだけと言ったらそうなんだけど。だから、みんなとの精霊産みを嫌がられても、それはそれで結果良かったんだよね。
リーリエは嫌がったことを気にしてるみたいだけどさ。繁殖期のせいだって言っても、職務に忠実だから後ろめたいんだろうな。
何度もして慣れてしまったキスをする。絡めた舌を離すと、ピチャリと小さな音がした。
「口付けも慣れたね」
「はい。でも今も嬉しいです」
「うん。リーリエはいつも可愛い」
笑ったら、リーリエも笑った。すごく嬉しそうに。とても綺麗で目が奪われる。
「綺麗だね、すごく」
「……そんなこと」
「あるよ。またリーリエを可愛がりたくなっちゃった」
「……ぁ、あの、精霊王産みなので」
「うん、また今度」
「……はい」
目の縁を染めてはにかんだ可愛いリーリエにキスをする。抱き合ってキスを繰り返し、足を絡めて体を押し付け合った。
終わって眠くなった私をリーリエが優しく布団でくるんでくれるから、安心して目を閉じた。
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