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第一章 巫女ってなんなんですか

33.重い人と軽い人 ※

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 ラルフがニヤっと笑って後ろから腰を抱き、布をまくってお尻を揉みだした。抗議しようとした両腕をヴェルナーが掴んで唇を塞ぎ、舌を捩じ込んでくる。ヌルヌルする暖かい舌がねちっこく絡みついてゾクゾクする快感を送りこむ。

「エロいけど邪魔だな」

 ラルフに布を剥ぎ取られた体がスースーして心許ない。足のあいだを柔らかいものがなぞった。薄くてよく動く舌が窪みを撫で擦り甘い痺れが膣口に広がる。喉から出た声はヴェルナーの舌にかき消され、乳首を柔らかく揉み込む絶え間ない刺激で体の力が抜けそうになった。ヴェルナーに掴まってなんとか姿勢を保つ。2人からこんなことされるなんて、初めてで恥ずかしいのに気持ち良くて抵抗できない。さっきまでの発情がぶり返したみたいだ。ラルフの舌がクリトリスをチロチロ舐めだして足が震える。立っていられなくなった私の体をヴェルナーが抱きしめて支えた。

「っぁ、ダメ」
「乾かしてベッドに行くか」
「眠るだけって言ったのに」
「ヴェルナーが泣くぞ」
「嫌な言い方して」

 ラルフの笑う横でヴェルナーが優しい手つきで乾かしてくれる。無言のまま抱きかかえられて運ばれ、ベッドに寝かされた。ヴェルナーが紫の目を細めて私を見つめ、唇を優しく食む。押さえ付けられて舌を吸われてたら、ラルフの気配がしてベッドが軋んだ。ラルフの手に太腿を撫でられて体が動いてしまう。柔らかく胸を揉まれて足がベッドの上で泳いだ。

「っん、ん、なんで3人で」
「したことねぇのか? テレてんの? カワイイな」
「バカ」

 小さく笑う声が聞こえ恥ずかしさで顔が熱くなった。それなのに鳥肌の立った体がその先の刺激を期待する。

「サヤカ」

 鼻の頭をすり合わせるヴェルナーの濡れた目が、熱をたたえて覗き込んできた。

「焦った。少しでも振り向いてほしくて」

 頬を撫でて唇が触れる。

「待っている」

 静かな呟きのあとキスが繰り返された。

 こんなこと言われたら切なくなっちゃうし、同じ気持ちじゃないことに罪悪感が沸いてしまう。イケメンだし優しいし好意的でとても良い人だと思うけど、なんかこう警戒心がとけないというか。私には良い相手過ぎて違和感が大きいんだよ。
 好意に応えられないのに気持ち良くなっていいのか、申し訳なくてエロい気分が消えてしまった。

「はぁ、オマエはホントぶち壊すなぁ」
「なんだ?」
「わかってねぇし。オマエもそうだけど他の奴らもヒデェからなぁ。サヤカに子守りさせてよ。もっと気楽な相手だったらよかったのにな、オレみてぇに」
「ふっ、ふふ、そうだね、ラルフは気楽」
「酷い目に遭わされているのか?」
「ううん、そこは大丈夫」
「オマエみたいに自分のことで頭がいっぱいなんだよ。ろくに経験ないから仕方ないっちゃーないけど」
「よくわかるね」
「ヴェルナーみてぇに経験豊富でも生かせねぇから同じか」
「私もそんなに豊富じゃないよ」
「だよなぁ。もうちょっと強気にあしらっていいんだぜ? んな、優しくしなくってさ」

 笑いながら頭を撫でるからホッとした。一人でモヤモヤ抱えてたことをわかってくれて嬉しい。ラルフって他人のことよく見てるよね。
 ラルフと笑ってるとヴェルナーに抱き付かれた。

「今はサヤカだけだ」
「精霊の種があると他の人とできないんだってね。大変だよね」
「違う、サヤカがいるからそれでいい」
「そっか」

 そこまで気に入られてるのは嬉しいと思いつつ腑に落ちない。嬉しいだけで良いのかな。
 ヴェルナーの頭を撫でてたら、背中にラルフがくっついて背骨を指でなぞった。

「オマエはいちいち重すぎんだよ。サヤカ、ヴェルナーなんかほっといて続きしようぜ」
「お前はもういいだろ、眠ってろ」
「オマエこそ」

 ラルフにお尻を甘噛みされ、牙が肌に当たる感触にゾクゾクする。長い舌が陰唇を丁寧に撫でるもどかしい刺激に腰が震えた。

「気持ち良いだけでイイんだ。他のコトは考えなくたって」

 ラルフの手が太腿をゆっくり撫でた。気にしなくていいと、慰めてくれる優しさに気持ちが緩む。頬を掬われて目を合わせたヴェルナーに心の中で謝った。手を重ねてキスをする。今は唇だけでゆるして。

 唇を食んで舌を絡める。ヌルヌル絡みつく気持ち良さだけを追うように目を閉じた。大きな手の中で乳房が揉まれ、乳輪から乳首までしごかれる刺激に背中が仰け反るのに下半身は押さえ付けられて動かない。ラルフの柔らかな舌がクリトリスにふれ、腰が震えた。

「んぁぁっ、ん、っん」
「2人からされんのイイだろ?」

 恥ずかしさで体が熱くなる。笑ったラルフにチロチロとくすぐられるように舐められ、鋭い快感に足先が泳いだ。
 腰をゆらしていたら、ジュルっと舌を吸ったあとヴェルナーの口が離れ、鷲掴んだ胸の先に移動した。乳首が舌で弾かれる甘い痺れが背中を這い上がる。もう片方は指先でこすられ、もどかしさに興奮を煽られた。
 体のあちこちから送られる刺激に下腹の奥が悶えて収縮する。足を突っ張って絶頂する私をヴェルナーが抱きしめた。

 息がなかなか整わない。2人からされるってスゴイ。なんかスゴイわ。でもやっぱり恥ずかしいなーと息を吐いたら、ラルフに耳を舐められた。目を向けたら可笑しそうな顔してる。ひとのことからかってさ。まあ気は楽になるんだけど。

 ラルフを見てたらヴェルナーが首に強く吸いついた。足のあいだに体を割り込ませて腰を当ててくる。何か言いたげに私を覗き込むヴェルナーの脇に腕をまわして抱き寄せ、膣口に当てられた亀頭に腰を近付けた。ギュッと抱き合って、繋がる。

 ヴェルナーの濡れたため息が気持ちを波立たせた。背中を撫でながらヴェルナーが起こす波に揺られる。切なさに胸が痛み始めたら、髪の毛を優しく梳くラルフの指が気持ちを和らげてくれた。耳を這う舌の感触に首を仰け反らせると、存在を主張するように腰の動きが強まる。かまってちゃんだな、まったく。
 申し訳なさが消えて呆れた気分になる。私の腰を押さえるヴェルナーの手を取って親指に歯を立てた。我儘で自分勝手な愛情にギリギリ噛み付いたら紫色の目が歪んで光った。力尽くでも欲しいなら、力尽くで返してあげようか。

「っうぁ、サヤカっ、サヤカぁっ、うっぅ、うあっあぁっ」

 腰をグリっと押し付けて吐き出し、休む間もなく動き始める。ギラついた目で息を切らして腰をふる姿はラルフより獣じみてた。口の中の親指をもっと噛めというように顎を掴むので、ご要望通りに歯を立てたら声を上げて悶える。口の中でねだるように動く親指へ吸い付き舌で撫でまわせば、甘い喘ぎを漏らした。なんとまあ可愛いじゃないですか。

 手を鷲掴んで親指を口から出し、人差し指の根元へ齧りついて強めに歯を立てる。叫び声を上げてメチャクチャに腰を振り立てたと思うと、私の上に倒れ込んで体を震わせた。

 荒い息の合間に掠れた声で呟く。

「サヤカ、いるんだ、本当にここにいる」

 きつく抱きしめて頭の上に頬ずりをしてる。
 すごく喜ばれてるのが照れくさいので汗ばんだ背中を撫でて応えた。よく分かんないけど好かれてるらしいし。

「そろそろ、オレに代われよ」

 感動的な雰囲気をぶち壊す、かる~いふざけた声がした。

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