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第一章 巫女ってなんなんですか

13.夜は赤い花 Side ヴェルナー ※

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 Side ヴェルナー

 夕食の席でサヤカに笑いかけたら、ぎこちない微笑みが返ってきた。緊張しているのかもしれない。

「昼はヴェルナーと花見したのか?」
「うん。レイルードって奇麗だね。ラルフも明日お花見する?」
「いいな、そうするか。神官、明日の昼メシ頼む。酒も飲みてぇな」
「外で食事できるように用意しますが、神殿での飲酒は禁止されていますのでお水です」
「お酒禁止なの? つまんない」
「我慢してくださいね、巫女」

 親し気に話す2人に胸がチリチリした。

 湯浴みのあとサヤカの部屋を訪った。ドアが開き緊張した面持ちのサヤカが招き入れてくれる。

「早かったか?」
「大丈夫。お茶飲む?」
「ああ、私が淹れよう」
「ありがとう」

 精霊石のついた水差しからお湯を注ぎ、お茶を入れた。蒸らしてからカップにつぐ。しばらく無言で飲んだ。
 緊張感ただよう空気を破りたくてサヤカの隣に移動して手を握った。

「緊張するのは当然だ。優しくするから、嫌なことがあれば教えてほしい」
「うん、あったら言う」

 硬い声で答えるサヤカを膝の上で横抱きにした。腰に腕をまわし、もう片方の手で頬を撫でる。

「重いよ」
「これくらいなんともない。寄りかかって」

 緊張したままだけれど素直に体を寄せてきた。可愛らしくて抱きしめたら口付けしたくなる。唇で頬にふれると腕の中の体にピクリと緊張が走った。それでもそのまま静かに動かない。何度もふれるうち、私の我慢が効かなくなり顎をすくって唇を食んだ。
 柔らかな唇がおずおずと応えてくれる喜びに肌が粟立つ。唇に舌を這わせると、サヤカの手が私の寝間着を掴んだ。彼女の手が私へ伸びたことに興奮し、口内に舌を侵入させる。あたたかい舌が私を迎えてヌルリと撫でる。後頭部を抱き寄せて口を深く合わせ、ヌラヌラと舌を夢中で絡め合わせた。
 寝間着の下の下着をつけていない乳房に手を這わせると、手の平に硬くなった乳首が擦れる。手に余るくらいの乳房を揉みしだけば、鼻にかかった喘ぎをもらして体を小さく捩った。
 頭に血が昇っておかしくなりそうな自分を止めるために唇を離す。

「ベッドに」

 短く告げ、サヤカを抱き上げてベッドまで運んだ。自分の服を脱ぎすてて、サヤカの寝間着も脱がす。恥ずかしそうに身を縮めながら大人しく脱がされる姿に煽られて、下半身がズクズクと疼いた。暴走しそうな自分を押し留め、そっと寝かせる。膝を立てて隠す仕草に衝動を我慢できず、太腿を割って顔を埋めた。まだあまり潤っていない割れ目に唾液を擦り付けるように舌を這わせる。

「っぁ、ん…………、ぁあ」

 恥じらって閉じようとする足に肩や耳をくすぐられ、ゾクゾクした欲望が湧き上がる。押し開いて密やかな部分まで、すべてを晒したい。
 声を押し殺して体を強張らせているのに、受け入れて応えようとする健気さがたまらなく私を昂らせる。我慢できず割れ目をペニスでなぞった。目をつぶり口を押さえているサヤカの声を上げさせたい。膣口からなぞり、クリトリスを押し上げると腰を揺らしてくぐもった声を出した。なぞるごとにヌメリが広がりって粘ついた水音が荒い呼吸音に混じり始める。私がもう持ちそうにない。

「サヤカ、もう、ここに、っは、っうぅくっ」
「んんっ、っぁ、やぁっ、つ」

 膣口に先端を当て、長い射精をした。出し切ったあとも硬さは変わらず、出し足りなさで疼いている。
 サヤカは困ったような顔をして恥ずかし気に私を見ている。

「嫌なことが?」
「あ、初めてで、今のが変な感じ」
「っ!? 経験が?」
「ううん、違って、えーと、中に出されるの? が。カバー付けてたから」
「直接そそがれたことがない?」
「うん。不思議な感じしただけだから。大丈夫」

 熱が上がった気がする。彼女の中へ私が初めて注いだ。混じり合うのは私が初めて。心臓がうるさくて頭がまわらない。
 サヤカの腰を抱え、できるだけゆっくり押し込む。根元まで繋がった、その事実に湧き上がるたまらない興奮を抑えたくて息を吐いた。呼吸を整えたいのに上手くいかず、射精したくてどうしようもない。衝動に突き動かされ、息を切らしながら腰を打ち付けた。優しくすると言ったのに止めることができない。

「はっ、ふっぅ、サヤカ、っはっくう、ぅあぁ」
「ん、あぁ、ああっあ、ぁアアアっ」

 仰け反って突き出されたサヤカの乳房が腰を打ち付けるたびに揺れ、誘惑されているように感じる。立て続けに射精しても収まらず、最奥を穿っては掻き回した。押し付けて恥骨が擦れるとサヤカが叫び声を上げてもがき、私の腕に掴まった。中の柔肉が締め付けて射精を誘う。サヤカの快感を追いたくて同じ動きを繰り返すと、大きくビクついて硬直した。サヤカのビクつきにつられて私も硬直する。

 サヤカの呼吸が落ち着くまで動かずに待った。息が整うと困った顔で私を見る。

「足が疲れたから外してほしい」
「わかった」

 残念だが、そう言われてしまえばしかたがない。それに衝動的に動き過ぎたから負担がかかったはず。でも、この温かくて柔らかな場所から離れたくない。
 半分柔らかくなったペニスを引き出すと、すぐに足を閉じて丸まった。私も隣に横たわり、頬に首に口付けを繰り返す。抜いた代わりに肌に吸い付いて赤い花びらを散らすと、胸に満足感が広がった。
 ずっと会いたかった。私を見てほしかった。触れたかった。今、こうして私の腕の中にいる。こうして触れて私の痕をつけることができる。胸にこみ上げる喜びに突き動かされ、サヤカにいくつも口付けを落とした。

 胸元にも花を咲かせ、打ち付けるたびに揺れていた乳房を口に含んだ。唇で乳輪からしごくと、腰を捩って身悶える。もう片方を指で押し込むように捏ねたら、腰を揺らして声を上げた。
 サヤカが感じているのだと思うとジワリと熱が湧き、また硬さを取り戻し始めた。サヤカの柔らかな足のあいだに体を割り込ませ、割れ目を擦るように動かす。私の指に両方の乳首を捏ねられて、喘ぎ声を上げる舌に吸い付いた。サヤカの腰が動き、自分から擦りつけて感じていることに興奮する。今すぐ挿入して腰を振り立て奥に注ぎたい。乳首を押し込んで揺らすと、もどかし気に体を揺すった。

「サヤカ、もっとしても?」
「ん、ッン、ふっ、うん」

 潤んだ目に見上げられ、たまらず口付け舌を絡みつけた。膝裏を押して足を広げ、開いた割れ目の真ん中に挿入し奥を抉る。

「んんーーー、っ、ん、っん」

 私の首に抱き付いたサヤカが舌を震わせて呻き声をあげた。恥骨を押し付けながら、掬い上げるように奥を穿つと、キュウキュウとペニスに吸い付く。腰をゆすってねだる仕草に興奮し射精感がこみ上げた。なんでこんなに、そそるんだ。
 興奮のまま、グリグリ押し付けていたら締め付けが強くなり、快感を我慢できずに熱のかたまりを吐き出した。
 それでも収まらず、体が緩んですぐ動かす。サヤカも私にしがみ付いて腰をゆすり、あまりたたずに達した。求め合っている喜びに突き動かされ、また射精する。

 2人で荒い息を吐き抱き合う幸福のなんと甘美なことだろう。
 このまま抱きしめていたいが、また体を痛めるといけないから、隣に横たわってから腕の中に抱き込んだ。

「サヤカ」
「なに」
「嫌なことは?」
「ないよ」
「良いとこは?」
「あった」

 嬉しくてニヤケてしまう。こめかみにいくつも口付けた。

「続きは?」
「え? また?」

 返事の代わりに肩へ吸い付いて、花びらを散らす。

「朝まで大丈夫だから」
「私は大丈夫じゃない」

 そんなことを言うのに赤い痕を付ける私を止めない。今度は体中につけようと思ったのに、お尻を甘噛みするたび、身悶えて声を上げるサヤカに欲望が湧き上がる。そうしてまた繋がり、夜更けまで交わった。最後は眠ってしまったサヤカに注ぎ、無防備な寝顔に口付けた。
 力の抜けた体を抱きしめて、満足感と共に目をつぶる。


 隣で起き上がる気配がして目を覚ますと、座り込んだサヤカから光の玉が産まれていた。紫色の光が体の中から出てきて、スウッと天窓まで昇り、窓から出て消えていく。いくつもいくつも水しぶきのように湧き出し、夜明けの薄暗さが残った部屋で光が泳ぐ神秘的な光景に目を奪われた。光が消えたあとも、光の粒が漂っているような残像で目がチカチカする。

 しばらくして光が消え、呆けたままサヤカに目を移したら、同じく呆けた顔で私を見返した。

「凄いな」
「うん」

 そう言って大きな息を吐き、ベッドに横たわった。

「体が怠い」
「精霊を産んだせいか?」
「そうだと思う。腰が痛いのは昨日のせい」
「え、あ、すまない。体力ないんだな。腰を揉もうか?」
「ううん、怠くて眠いから眠る。気にしないで」
「そうか。神官に起こさないように言っておこう」
「よろしく」

 目をつぶっておっくうそうに喋り、会話が途切れるとすぐ眠りについた。精霊産みは随分と体に負担らしい。普通の出産だと、その日は寝込んだままと聞いたことがあるから、勝手に産まれる精霊でもそれなりに疲れるのだろう。起きてからもう一度と思っていたが、無理なら仕方がない。

 愛しい静かな寝顔に口付けて部屋を出、夢見心地で自室に戻った。


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