10 / 29
10.ガキ扱いすんな Side ヴィリ
しおりを挟むSide ヴィリ
クソ兄貴。
自分が見つけたからって、シュロを独り占めしようとしやがって。森がなんか変な感じするって言ったのオレなんだぜ。
そりゃ、兄貴とヤってるときのほうが気持ち良さそうだけど、オレだってそのうち上手くなるのに。
メスなんてメンドクセーだけだったんだけど。いちいち細かいこと言って、いきなり怒り出してうるせーから興味なかったんだけど、シュロはイイ。キモチイイし、柔くてあったかいし、怒るけどご褒美くれるし。
シュロはなんかイイんだよな。なんか違う。毛が無いせいか、ポヤポヤしてる。
メスの良さがわかるようになったってことか。オレもいっぱしのオスってことだよな。うん、まあ23だし、いつまでも13のガキじゃねぇよ、オレも。
シュロが食える魔獣を飼いたいらしくて、兄貴が『腐肉漁り』を獲ってやった。こいつらは敵がきても逃げるし、反撃したとしても突進してくるだけだから鈍くさいシュロでも大丈夫だ。
オレとヴィムで掘った穴に『腐肉漁り』を入れて、オレが採ってきた木の実をエサにやってる。しばらく木の実で飼って肉が旨くなるか試すらしい。シュロは変わったこと知ってんだ。
エサの木の実やら果物はオレが採ってやる。シュロは1人で森歩きできないから仕方ない。シュロにご褒美もらいたいからって、ヴィムがたまに手を出してくるのがうぜえ。オレがやるって言ってんのによ。
オレがやんのは、まあ、オスの役目ってヤツだ。弱いメスの頼みは聞いてやんなきゃな。ご褒美はそれのお礼だしもらってやるのが礼儀ってもんだろ、うん。
オレはこうやってオスの役目してんのに、シュロがいつまでもガキ扱いすんのが面白くない。オレとヴィムに『かわいい』って言ってよ、そんなのオスの褒め言葉じゃねぇだろ。ヤっても、なんか兄貴のときのシュロと違うし。
ヴィムと2人で水汲みに出たときに、ムカムカする気分を吐き出した。
「ヴィム、なぁ、オレ、ガキ扱いされてる」
「俺もだよ」
「なんでだよ。シュロのできねぇことやってんのに。それはオスだからだろ」
「うーん、でも、子供も親の手伝いするし」
「親子じゃねぇ」
「一緒に暮らしてたら協力するのが当たり前だから、それでオスってことにはならないんじゃない。シュロがオスでも木の実採ってあげるくらいするだろ」
「オス相手にこんな探して色んなの採らねぇよ」
だって、オレはシュロに渡したいから。シュロができねぇことはオレの役目だろ。だってツガイはそうすんだろ。別にツガイじゃねぇけど、ツガイみたいなもんだし。
そう考えたら、なんか胸がムズムズしたから水瓶をガシガシ洗った。新しく水を汲んで、足の水を飛ばす。
でも、シュロはそう思ってない。オスとして足りねぇんだろうな。シュロより強いから頼りないってことはないだろ。やっぱたぶん、まだ下手だから。……仕方ない。
歩きながら、やろうかどうか迷ってたことを打ち明けた。
「たぶん、まだオレ1人じゃ足りねぇんだ。手伝えよ、ヴィム」
「何を?」
「2人で一緒にシュロとヤる。半分ずつ触ればいいだろ」
「半分ずつ……、口は?」
「口は交代。入れんのも交代。爪はこんだけ短くしとけば大丈夫か?」
「シュロに聞こう。2人一緒に触っていいかも聞かないと。シュロのことはちゃんと聞いてからじゃないと」
「そうだな」
顔舐めるのも聞かなきゃいけねぇし。つまんねーの。シュロなら、オレをいつでも舐めていいのに。オレは、オレならシュロに何されてもいいのによ。つまんねぇ。
夜になって体を洗うとき、シュロに聞いてみた。
「なー、オレとヴィムと一緒にヤっていい?」
「一緒に? いっぺんにってこと? うーん、まあ、いいかな。後ろの穴も使う?」
「後ろの穴? 後ろの穴ってケツの穴? ウンコすんのに?」
「……洗ってからね。使わないならそれでいいけど。あ、クリームとかないよね? じゃあ、どっちにしろできないか」
いきなりクリームとかわけわかんないことをシュロが言ったら、兄貴が口出ししてきた。
「ケツの穴なら俺が舐めてやる」
「遠慮します」
「兄さんはダメ。俺が舐める」
「ヴィムもダメ。そのあとで口付けるのぜったい嫌だ」
ヴィムも兄貴も何いってんだ?
「お前、ケツの穴舐めんの? すげぇな」
「シュロならいい」
ヴィムが当然みたいな顔するから、なんか負けた気がした。でも、ケツの穴だぜ?
「だいたい、なんで舐めなきゃなんねぇんだよ?」
「メスの穴みたく濡れねぇんだよ。狭いとこに入れんだから滑りやすくしねぇと痛ぇだろ」
「痛いなら使わなきゃいいだろ。メス穴あんだから。意味わかんねぇ」
「お前ぇは13だったもんなぁ。猥談もしてねぇか」
「うっせーな、ガキだって言いたいのかよ。ヴィムだって同じだろ」
「俺は知ってるから」
「は?」
兄貴面する兄貴にイラついたら、ヴィムにも裏切られた。
そーいや、ヴィムはあんま川遊びに来なかった。オレの知らねぇトコで、1人だけ楽しんでたってことかよ。
兄貴とヴィムがオレに教えてくれた話は聞いたことない話だった。だって、メスに興味なかったし。そんなの知るわけねぇだろ。
オレだけ知らないのが面白くなくてガシガシ体を洗ってたら、いつのまにか洗い終わったシュロがオレの背中を洗ってる。なんだよ、慰めかよ。そんなの、ガキ扱いと同じじゃねぇか。
面白くなくて知らんぷりしてたら、背中を洗い終わったシュロの手がシッポを掴んだ。付け根を掻きまわすようにさわるから、ゾワゾワしてシッポが立ち上がる。背中の毛が逆立つみたいな変な感じで、体が捩れた。
「変な触りかたすんなっ」
「ごめん」
びっくりしたからデカい声が出て、シュロがパッと手を離した。そのままどっか行こうとするから慌てて腕を捕まえる。
「別に怒ってねーし」
「うん。ごめん。触らないようにする」
「違うっ、変な感じしただけで嫌じゃないっ」
だから、だから、触らないって言うな。そんなこと言うな。
「うん、わかった」
シュロは口を閉じて笑った顔をした。笑ってないのに笑った顔した。オレ、そんなつもりじゃないのに。胸と喉が苦しくなって何も出てこない。
「オレ、……違う」
「うん」
腕を掴んだままのオレをシュロが抱きしめる。抱きしめて頭を撫でられて、それにちょっと安心したオレはやっぱガキかもって思った。
シュロの手が頭から背中を通ってシッポの近くで止まる。
「触っていい?」
「いい」
いい。なんでもいいから触れよ。シュロをギュッと抱きしめて少し硬くなったものを押し付けた。
シュロの手がシッポをクルクル巻いて先っぽをつまむ。
「長い尻尾ってドアに挟んだりしない?」
「たまにある」
「痛そう」
「痛い」
「ふふふ」
シュロが笑ってシッポを撫でる。オレも笑ってシュロに頬ずりした。
「寝床行く?」
「行く」
ヴィムの声にハッとして返事をした。
今すぐ寝床に行こうとしたら、体を離したシュロが後片付けを始める。仕方ないから、体から水を飛ばして急いで片付けを終わらせた。
シュロを抱えて寝床に運ぶあいだ、シッポの付け根がウズウズしてしょうがなかった。
1
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

二人の彼に溺愛されて [異世界は突然に……Anotherstory]
あみにあ
恋愛
私はある日突然この世界へ召喚されて、新しい世界で暮らす事になった。
そこで出会ったのは、俺様な王子様と、意地悪な魔導師、影のある騎士、王都の医者、そして聖獣。
女性が生まれなくなってしまった歪な世界。
右も左もわからぬ中、彼らと共に過ごした。
だけれども色々あって、私は別の場所へ飛ばされることになってしまった。
そこは普通では到達できない場所。
だから彼らにもう一度会うことは出来ない、そう思っていた。
でも目覚めると、そこには居るはずのない二人の姿があった。
※すでに投稿しております《長編:異世界は突然に……》のキャラが登場します。
※ストーリー性は薄いです。
※長編のストーリーを読んでいなくても、わかるようになっております。
以前コメントを頂いた際、ご要望頂いた二人と主人公を書いてみました。
現在進んでいるストーリー上では、到底作れそうになかったので、別の短編として投稿しております。
ご了承下さい。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

洞窟ダンジョン体験ツアー案内人役のイケメン冒険者に、ラッキースケベを連発してしまった私が患う恋の病。
待鳥園子
恋愛
人気のダンジョン冒険ツアーに参加してきたけど、案内人のイケメン冒険者にラッキースケベを連発してしまった。けど、もう一度彼に会いたいと冒険者ギルド前で待ち伏せしたら、思いもよらぬことになった話。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる