3 / 29
3.煩いヤツと静かな子 ※
しおりを挟む「次オレっ! オレの番! オレもっ! 兄貴、早く変われよっ」
余韻も冷めないうちに背後でうるさく騒ぐヤツがいる。
「うるせぇなぁ」
「いいから早くっ」
ローガーが私のお尻を持って抱き上げると、ミチミチに詰まっていた肉の塊が抜けて空っぽになってしまったような感じがする。
うるさいのが私の太ももを強引に引っ張るから不安定で、ローガーの首にしがみついた。おかげで、上半身はローガーに支えられ、下半身はうるさいヤツが抱えるという変な格好になっている。
「へ~これがメスのアソコか~。兄貴の垂れてる。中に出しても漏れちゃうんだな。このビラビラなに?」
「ぎゃっ!? 引っ張んないでっ」
なんなんだコイツっ!
「おい、爪伸びてんだろ、触んな」
「わかったって。もう入れる」
「っう!?」
「――――っ、キモチイイ!」
間髪入れずに突っ込んで叫んだ。
「なんだこれっ! 気持ちイイ、めちゃくちゃイイ、あー、イイ、出るっ」
最初からトップスピードでピストンして、すぐイった。あまりのことに驚き過ぎてついていけない。
「あー、もう一回、もう一回する、あーヤベ、止まんない、良すぎる、メスすげぇ」
「強くし過ぎんな、弱ぇんだから」
「うんうん、優しく優しく、あーイイ、あー出そう、あっあっあっ、あーーーーーー、すげーーーナニこれ」
なにこれってこっちのセリフだって。イったあとグリグリ動かして、あーだの、うーだの言っている。
「早く離れろ」
「もう一回イイだろ」
「離れろ、ヴィリ」
「ぅぅぅぅ」
「おい」
唸るヴィリへ発した、怒りを含んだローガーの低い声が、触れてる胸から響いた。
「……わかった」
ローガーが私の腰を掴んで抱き寄せたら、唸り声を止めてしぶしぶ手を離す。何がなんだか驚いてるうちに終わった。
混乱しつつも、いい加減に足が疲れたのでローガーの腕の中で横抱きにしてもらい、足を閉じる。ガタイがいいから姫抱っこでも安定感がすごい。
「ヴィム、こっちにこい」
「……うん」
1人だけ離れたところに立っていた人は、語尾が消えそうな返事をしてこっちにきた。目がキョロキョロして不安そうに見える。
「コイツも初めてなんだよ」
さっきのヤツは論外だけど、不安そうなこの子は優しくしたほうがいいかな。
突っ立ったままダランと下げてる腕に触ったら、遠慮がちに近づいてきた。というか、またローガーに抱っこされたままヤルらしい。
ヴィムと呼ばれた子は2人より毛が多くてフワフワしてる。毛の生えてる大きな手を取って指を絡ませ、頬ずりした。ヴィムに向かってもう片手を伸ばしたら、手を取ってくれたのでひっぱる。近付いたヴィムの顔に手を伸ばしてフワフワの頬を撫でた。
頬から顎の線を指先で撫でたら少し目を細めたから、反応は悪くない。ヴィムの頬を両手で挟んで引き寄せ、口の合わせ目にキスをする。何回か繰り返したら静かにため息を吐き、頬に置いた私の指のあいだに指を絡ませてきた。
続けても大丈夫みたいなので、少し開いた口の牙を舐める。荒くなる息と微かな喘ぎ声に安心して、舌を奥に伸ばした。大きな舌にふれたら全身をビクリとさせ、絡めたままの太い指に力を入れる。
大丈夫の意味を込めて指先で撫でたら力を抜いた。ヴィムは反応が素直で可愛い。舌を絡めて誘えば、遠慮なく絡みついてくる。
「ズリィ、オレはしなかったのに。オレも、オレもしたい」
お前はいきなり突っ込んできたからだろーが。
うるさいのは無視してキスの続きをする。ヴィムも無視するらしく、顔の角度を変えて深く口を合わせ、私の口の中を動き回った。熱い息が吹き込まれ、手に絡む指もせわしなく肌を撫でる。
息を切らして口を外した緑色の目は、熱に浮かされたように潤んでた。
膝の裏を腕で支えてたローガーが片足を離し、ヴィムに渡す。広がった足のあいだを凝視されるのは恥ずかしいけど、ヴィムが勃起してるので一安心。
「ココ、ココに入れんだぜ」
ヴィリが横から手を出して割れ目を広げるという暴挙に出た。あまりのことに何も言えない。コイツはホントにどうしようもねぇな。
「ヴィリ、触んなっつたろ」
「教えただけだろ」
ぶつくさ言いつつ、ローガーに叱られて離れた。いちいち割り込んでくるなよ。脳内がツッコミで忙しくなるだろうがよ。
ヴィリが離れてから、ヴィムが遠慮がちにそばに寄る。勃起したモノを手に取って、もどかしいぐらいゆっくり入ってくる。
「ぅ、……ふ、ぁ」
「な? キモチイイだろ? すげぇよな?」
ヴィムが根元まで入れてため息をもらしたら、ヴィリが喜々として話しかけてきた。呆れるのを通り越して、いっそ感心してしまう。ローガーもヴィムも気にしてないから、これが通常運転なんだろうけどさ。
ここで挫けたらヴィムが気の毒なので、気を取り直してヴィムに意識を向ける。
呆けた顔してるヴィムに腕を伸ばしたら、上半身を倒してキスしてきた。腰を抱えてゆっくり奥まで押し込めるように動いてる。ヴィムの後頭部の毛を撫でながら、長いざらついた舌と絡み合う。
執拗に絡みつく舌と動きの止まらない腰が、ヴィムの熱を伝えてくれる。口の中に零れてくる微かな喘ぎが可愛くて、下腹が疼いた。私の熱もジワリと上がり、ヴィムの腰に足を絡めて擦りつける。
「っは、あ……、ぁあ、ん、ヴィム」
「……ぅ、……あ、出るっ」
腰を抱えてる手に力が入り、ギュッと押し付けられた。可愛がりたい気持ちを込めて息を切らしてるヴィムの頭を撫で、フワフワ柔らかい毛を掻きまわす。
「シュロ」
首筋に熱い息がかかり、ザラリと舐められた。
「もう一回?」
「うん」
ヴィムが首を舐めながら腰を動かす。穏やかな熱が心地よく、緩やかに甘い快感が体に広がっていく。このまましてたらイクかもしれないと思ってたら、ヴィムの限界がきて終わった。
「終わりだ」
ローガーがそう告げると、ヴィムは大人しく離れてヴィリが体を乗り出した。
「オレはもう一回するっ」
「もう終わりでしょ」
うるさく主張するヴィリをお断りする。
「なんでだよっ」
「あんまりすると、腫れるんだからね」
とくにお前のような高速ピストンは。
「……じゃあ、口だけ。オレだけしてねぇもん、いいだろ」
「はぁ……、おいで」
途端、嬉しそうに目を真ん丸くして駆け寄ってきた。ウザいけどちょっと可愛い。
いつまでもうるさそうなので仕方ない。口先だけにキスして終わろうとしたら、顎から鼻までベロベロ舐められた。
ホントにコイツは、コノヤロー。
「お終いっ」
「途中だろっ」
頭を押し退けてんのにムリヤリ舐めようとするのをヤメロ!
「止めないと、もうしない」
ピタッと動きが止まり、面白くなさそうな顔でやっと離れた。
あーもーめんどくせーなコイツ。
「体洗うから降ろして」
「わかった」
やっと解放されてホッとする。
「使ったものはちゃんと洗うんだよ」
「わかった」
全員が股間洗ってるってマヌケだなと思いつつ、べとべとにされた顔も洗った。
寝床は床にそれぞれ一人用の敷物を敷いてるだけだった。今は寒くないからいいけど、冬になったらどうすんだろ。
パジャマ用に借りたケモノ臭い大きなシャツを着てローガーの腕枕に抱かれてたら、ヴィリが隣に敷物引っ張ってきて寝転んだ。
「へへ」
無邪気に笑って尻尾をパタンパタン鳴らしてる。こういうとこ可愛いんだけどね~。
これからどうなるのかとぼんやり思い、明日のことは明日にしようと目をつぶる。とにかく疲れた。
「お休み」
上を向いてそう言ったら、それぞれが返事をして静かになった。
1
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説

1泊2日のバスツアーで出会った魔性の女と筋肉男
狭山雪菜
恋愛
富士川紗英は、32歳の社会人。
疲れた身体を癒そうと、自宅のポストに入っていた葡萄狩りツアーに申し込む。
バスツアー当日に出会った、金田郁也と意気投合して…
こちらの作品は「小説家になろう」に掲載しております。

二人の彼に溺愛されて [異世界は突然に……Anotherstory]
あみにあ
恋愛
私はある日突然この世界へ召喚されて、新しい世界で暮らす事になった。
そこで出会ったのは、俺様な王子様と、意地悪な魔導師、影のある騎士、王都の医者、そして聖獣。
女性が生まれなくなってしまった歪な世界。
右も左もわからぬ中、彼らと共に過ごした。
だけれども色々あって、私は別の場所へ飛ばされることになってしまった。
そこは普通では到達できない場所。
だから彼らにもう一度会うことは出来ない、そう思っていた。
でも目覚めると、そこには居るはずのない二人の姿があった。
※すでに投稿しております《長編:異世界は突然に……》のキャラが登場します。
※ストーリー性は薄いです。
※長編のストーリーを読んでいなくても、わかるようになっております。
以前コメントを頂いた際、ご要望頂いた二人と主人公を書いてみました。
現在進んでいるストーリー上では、到底作れそうになかったので、別の短編として投稿しております。
ご了承下さい。

婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる