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第1章 召喚
オープニング
しおりを挟む世界のため
人々の生活を守るため
この世界の太陽も東から昇り、西へ落ちていく。
時間も二十四時間単位で四季もある。
大体が地球と同じだった。中世ヨーロッパ時代の地球とだが。
違う点は、この世界は空気に含まれる魔素を使い生活魔法を使う。
攻撃魔法だったり、補助魔法だったりは魔力が相当多くないと使えない。
この世界、魔力を蓄える器の大きさによって人は強大な魔法が使える者・生活魔法程度なら使える者・魔法が使えない者に分かれる。
つまり全ての人が魔法が使えるわけではなく、そういった魔法が使えない人達のために魔力が込められた魔石で動かせる道具が溢れている。
元の世界で言うと、電力の代わりが魔力、そして魔法が使えない人達が使うのが電池式の物。そんな感じだろう。
この世界は、精霊の力によって成り立っている。
精霊によって大気が安定し豊富な資源が生まれる。
精霊が飛び交う事により空気中に魔素が撒かれる。その魔素を吸い人は魔力に還元し、魔物はより強大な力を得ると言われている。そしてそんな魔物からは良質な魔石が手に入る。
つまり精霊が飛び交っていなければ、新たな魔素は生まれない。
そんな世界のバランスを担っている精霊が、ある日一斉に眠りについた。
新たな魔素が生まれず、このままでは魔法も道具も使えなくなってしまう。
精霊が眠りに付くということはそういうことだ。
そんな精霊の代わりとでも言うように現れたのが『霊鬼』
魔石も素材も何も残さず、成長のための魔素も必要としない、黒い靄を纏い、討伐すると消えていく謎の生き物。
人と魔物が弱体化する中、力を伸ばし始めたのが霊鬼だ。このままでは、世界は霊鬼によって滅ぼされてしまう。
魔力も魔石も枯渇していく中、考えたのが、『精霊の愛し子』の召喚。
愛し子の存在が精霊を目覚めさせる。
愛し子は精霊の寵愛を受け、様々な恩恵を受けるという。
さらに欲を言えば、魔法が使えない者でも、精霊に『溺愛』された愛し子の側にいれば、後天的に精霊がもたらす加護により魔法が使えるようになる者もいるらしい。まぁ、これは伝説の話だが。
つまり『精霊の愛し子』とはそんな特別な存在。愛し子に精霊は無条件に力を与え守る。
慈しみ惜しみない愛を与えたくさんの精霊が愛し子を中心に飛び交う。
今のこの状況こそ精霊の愛し子が必要なのに、今この世界に愛し子が生まれていない。
ーーー ならば
そんな精霊の力にしがみつくため、この世界で誕生しなくなった愛し子を呼ぶため、この国は召喚魔法を使った。
私はその召喚に巻き込まれた。
世界のため。
人々の生活を守るため。
召喚は強制だ。私の意思など関係ない。
精霊の力が無くなったなら無くなったでどうにかしろよ。
地球には精霊の力がなかった。
それでも知恵でなんとかしていた。
だから、追い詰められたら自分達で知恵を絞ってなんとかするだろう。
困っている人がいたら助けるのが正解かも知れないが、私は知らん。
まっぴらだね!
あんたらが求める人間になるなんて。
一緒に召喚された少女よ、王城で注目を浴びながら世界を救う役目はあなたに任せるので、どうぞよろしくお願いします。
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