その日暮らしの自堕落生活

流風

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帝国 辺境の都フルオール

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 ヴラディの街の様子も気になるが、追っ手が迫っているためアッテムト国から逃亡する事にした。帝国へ逃亡するのに、人に見つからないようにと、街を避けて迂回するように進んだ。



 レイが脱出した魔導師長の領地から少し離れただけなのに、目にする光景はずいぶん違っていた。ずっと大小の石が転がる荒れ地なのだ。
 小さな小川の周辺は平らな土地なのに、開墾もされず荒れ果てたまま。この先も目視できる範囲は岩山や丘陵が続く手つかずの状態だった。

「ヴラディの街とはずいぶん違うな」

 思わずと言ったようにフィオが呟いた。  


 先程、中には入らなかったが小さな集落があった。建物は雨風が凌げたら良いといった最低限のもので、その側には痩せ細った老人が立っている姿が見えた。フィオとレイが生活していたヴラディの街とは違い活気もない。

「おそらく働き手はみんな徴兵されているんだろう。残った女や年寄りの手では現状の農地の維持が精いっぱいで、土壌の改善や農地の拡張まで手が回らないのだろうな」

「アッテムト国は馬鹿だね。自国の開発を疎かにして、肥沃な土地を奪い取ろうと侵略戦争を起こし、そのせいで国が荒れて、ますます不足する食糧を求めて侵略戦争に躍起となる。悪循環のループに嵌っているよね」

「まったくその通りだ。レイは賢いな。ここを見ただけで、そこまでアッテムト国の現状を読んでしまうのだからな。それなのに、アッテムト国の支配者らにはそれが見えんらしい」

 呆れたと言わんばかりに溜息を吐きながらも足を進めるヴァン。周囲を警戒しながら荒れ地の道を進んでいくと、離れたところに黒く焦げた家の残骸が残る村跡が見えた。

「アッテムト国の実情は、そこに暮らす民人のほうが良くわかるのだろう。川を越えて帝国に逃れてくる難民が引きも切らないという。遠からずアッテムト国は滅びるだろうな」

 丘陵の少し切り立った岩崖の向こうは荒れ地が広がり、あまり身を隠す場所がない。

 ふと横を向くと視線の先には遠く北の山脈が連なるのが見える。その麓に深く大きな森が広がっていた。

「あの山脈の向こうが魔族領だな」

 なるほど。確かに自然豊かだ。

「あの森は『迷いの森』と人族には言われている。近づかない方がいいぞ」

 森の中に入った勇気ある者――無謀とも言う――が何人もいたそうだが、誰一人として戻って来た者がいなかったらしい。中は迷路のようになっていて、入ったら最後迷って出られなくなると噂が立ち、いつからか『迷いの森』と呼ばれて誰も立ち入らなくなったと聞く。

「絶対に近づかない!」

「ま、帝国側に魔族領に行く街道はあるからな。魔族領に行きたくなったらそこを通ればいい」

「そうする。というか、ヴァンさんを頼るよ」




 フィオの背に乗ったり自力で歩いたり…数日かけて移動した先には川と木でできた橋があった。この橋を渡ると帝国の領土となる。
 木でできた…ロープも蔦を使った橋が風でゆらゆら揺れている。徳島県にある『かずら橋』を彷彿とさせる…もっと長く伸ばした感じの橋は見る限りとても頼りない。

「これ、渡るの?」

「あぁ。ちゃんとした橋は王都近くにあるんだがな。今回はこの橋を使うぞ。大丈夫。橋が落ちたら飛べ」

 ジャンプしろ?高く飛び上がれって事ですか?目線を橋から上へと上げると、50m程先の対岸に緑生い茂る草原と森が見える。

「ええ~…、他のルートは……」

 揺れてる。頼りない。川面から高いなぁ。レイが渡るのをぐずぐずしていると、フィオがカプッとレイを口に咥えて橋を駆け抜ける。

 フィオの口に咥えられ一気に橋を駆ける。

 口に咥えられ、手足をだらんとさせた状態で、眼下には木の板の隙間から見える川。横っ面に叩きつけるような風。

 ーーー こわい。

「ギャァァァァッ!!」

「レイ、喧しい」

 飄々とした顔で駆け抜けるヴァン。うるさいと言わんばかりに耳を伏せて駆け抜けるフィオ。最近、こんなのばっかだと泣きたい気持ちのレイ。

 橋を乗り越え、帝国の地へと降り立った。

 ゆっくりと伸びをするヴァンとフィオ。ぐったりと地に伏せ唸るレイの声は深い森の静謐を破って響くが、木漏れ日に輝く緑の葉がさやさやと鳴るばかりだった。



◇◇◇



 森を抜けると、そこには異世界らしい景色が広がっていた。


 丘上から見える景色は石造りの家々が並ぶ街と、その奥にギリシャの神殿っぽい建物。外門から神殿らしき建物の後ろまで街をぐるりと囲む高い外壁。外壁の向こうには山脈が見え、まるでヨーロッパを連想させるような風景が広がっている。

 鳴き声が聞こえて空を見上げると山脈に向かって、長い尾が2つの青い鳥がいく羽も飛んで行った。
 『幸せの青い鳥』がたくさん飛んでる…。ちょっとありがたみがないなぁと思わず遠い目になってしまった。
 それでも、綺麗に整備された目の前に広がる光景は、風景などとりわけ興味のないレイでさえ感動するほどの景色だ。
 快適な気候も手伝って、橋の上での嫌な事が吹き飛んだ。今後に不安だってあるはずなのに、遠くからでもわかる街の活気を見て迫り上がる期待感に似た感情が抑えられない。

 不可抗力とはいえ違う世界で生まれ変わったのだ。新しく生き直す事のできるチャンスなどそう巡ってくるものではない。ユウキを見捨てた形となってしまったのがずっと気にかかっているが、それは仕方がないとして、できればここで平和に生きたい。
 そしてのんびりとした温かい家を作りたい。そこまで考えて、それはとてもいい目標な気がした。
 門の兵士が見ているのも気に留めず大きく深呼吸すると、レイとフィオは足取りも軽く丘を駆け下りた。



「ここは辺境の都、フルオールだ。ここの領主とは知り合いで、事前に知らせていたが…」

 ヴァンは辺境伯と…フルオール伯爵様と知り合いなのか。さすがフラフラしていても魔族の長だ。そう感心しながら外門へと近づいていくと、何やらガヤガヤとしている。冒険者タグで名前を確認すると、丁重に誘導されながら外門を通過した。外から感じられる、慌ただしい気配。

 「こちらでお待ち下さい」と言われて待機していると、周辺に、少しずつ手練れの者達が集まってくる。騎士や魔導師だろう。ヴァンがSランク冒険者だからか、魔族の王だからか、緊張感が漂っているように感じられた。少し離れたところには、何事かと集まった民間人も結構いるようだ。ざわつきが聞こえてくる。それも、しばらくすれば消えたが。

 その数分後、声が掛けられた。

「大変お待たせしました、ヴァン殿。辺境伯がおみえになりました」

「ご苦労」

 ヴァンの指示にレイは頷き、小犬サイズになったフィオと共に着いていく。

「少しだけ、ここで待っていてくれ」

 頷くと、ヴァンは出迎えている辺境伯の方へ向かう。大杖を持っている、髭の長い御老人。彼がフルオール領の領主か。この場を静かに威圧しているのも。
 ヴァンもブワッと魔力を溢れさせたのは、魔族の王としての威厳を示す為か、それともこっちを見てくる者達への牽制か。ともかくあちらはヴァンの領分なので任せておこうとレイは周囲の観察へと意識を向けた。

 現状、敬礼している騎士達がレイを見ることは無い。彼らはヴァンを迎える為にここにいるのだ。相手は領主である辺境伯の知り合いで魔族の王でSランク冒険者。小さなレイに意識を向けていたら、職務怠慢どころの話ではない。
 警備兵達も仕事をしている。辺境伯が相手をしているイケメンを拝見しようと民間人がたくさん集まっているので、彼らの意識はほぼそちらへ。

 その集まってきている民間人の目が、大半はヴァンと領主に向いている。しかし一部がレイに向いていた。黒髪黒目のレイが珍しいのか、頭へと視線が向いているのがわかる。

 5分ほどで辺境伯との挨拶が終了し、ヴァンがこちらに戻ってくる。

「レイ待たせたな。今夜は宿屋を用意してもらっているから、行くか」

 宿屋?辺境伯が用意してくれたんですか?そんな質問をする間も与えてはくれず、引きずられるようにヴァンに辺境伯の元へ連れられていった。

「この方が、噂の召喚者ですかな。ほっほっほっ、お噂はかねがね。儂はヤイコブ・フルオールと申します」

「……レイです。よろしくお願いします」

 軽く会釈されたので、レイも返しておいた。
 辺境伯は見るからに魔導師であり、内包されている魔力もデカい。たぶんユウキ以上レイ未満だ。よく鍛練しつつ、長生きしているからだろう。

 それにしても、噂とはなんだろう? 

「あの…フルオール様、噂というのは?」

 レイは気になってしまいつい尋ねてしまった。辺境伯はゆっくり歩を進めつつ、長い髭を撫でる。

「辺境の地ゆえ隣国の情報は絶えず仕入れておりましてな。アッテムト国が孤児を集めて召喚魔法を使った情報と、ヴァンからの連絡でお嬢さんの事も知っておったのじゃ。アッテムト国の言いなりにならずここまで逃げてきてくれたことに感謝と同時に、召喚魔法でお嬢さんの日常を突然奪ってしまった事を、この世界の人間として謝罪する。すまなかったの」

「いえ、フルオール様が悪いわけではありませんから、謝罪は結構です。でも、感謝は受け取っておきます」

 レイが頭を下げると、軽く頷き杖を付きながら、再びゆっくり足を進める辺境伯。レイ達はそれに合わせて歩いていく。

「ヴァンがお嬢さんをここまで連れてきてくれて良かった。アッテムト国は魔法大国と呼ばれていた国で、お嬢さんがあの国に留まっていたら、またよからぬ事に巻き込まれかねないからのぅ」

「よからぬ事ですか?」

「うむ。アッテムト王家に代々伝わる魔法技術が残されているのじゃよ」

「ふっ、本当に愚かだからな。国が衰退していっているのは明らかなのに碌な事をしない。いっそ滅ぼしてやろうか」

 碌な事をしてないのはわかる。だが威圧してまで、怒りを露にしながら物騒な事を言うのは止めてくれないかな。後方から、フィオの「滅ぼしてやれ」という呟きも聞こえてくる。辺境伯もまた、ほっほっほっと笑っているし。



 宿屋に到着。辺境伯も今日はこの宿屋に泊まるようだ。わざわざレイ達のために領都からこの街まで来てくれたのだろうか。

(ヴァンが私のために呼びつけたんじゃないよね?)

 とレイは考えながら、妙に居た堪れない気持ちになってしまった。

 部屋で休む前に、お茶でも飲もうと辺境伯の部屋へと案内された。この宿で一番良い部屋なのだろう。広くて綺麗な部屋にまずソファとローテーブルが目に入った。そして部屋の奥にはダイニングテーブルらしきものもある。

 ソファの向こうにある窓から、夕焼けに染まっていく様子が見えるのを何となくのほほんと眺めていると「お嬢さん、こちらへどうぞ」と勧められた。指示された通りに座ると、すっと紅茶が差し出された。とても良い香りがする紅茶を一口啜る。うん。美味しい。レイの口元が綻んだのを見て優しく微笑みながら、辺境伯は口を開いた。

「このヴァンとは腐れ縁での。儂がまだ10代の頃からの付き合いなんじゃが…その頃から見た目が変わらん。儂はこんなに老いぼれたというのに」

 はぁ…と息を吐きながらヴァンをチラッと見ているが、「まだほんの半世紀程度の付き合いだ」と少しズレた返答をしている。この場で桁違いな話だと遠い目をしているのは辺境伯とレイだけだ。

「しかし、ヴァンがお嬢さん方をここに連れてきてくれて良かった。もし、お嬢さんが良ければ、領都の隣にサンディという街があるんじゃが、そこに住まないか?小さいながらも家は用意できるぞ」

「え?家を用意してくれるんですか?」

 持ち家?けっこうな金額になるんじゃ…。さすが伯爵、太っ腹。
 しかし、美味い話には裏があると言うし…。

「何か、私にして欲しい事があるんですか?」

「フォッフォッ。なかなか聡いお嬢さんじゃ。ふむ、頼みたい事は……お嬢さん、浄化魔法は使えないかの?」

「浄化魔法ですか?一応使えますが…」

 チラッとヴァンを見ると、軽く頷いてきたため、話しても問題ないと判断して浄化魔法が使える事を教えた。
 この世界で、レイの力を悪用しようとする人間がいるかもしれない。慎重に…とは思うが、疑いすぎても生きづらいしな。

「それは僥倖。では、お嬢さんに仕事を依頼したい」
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