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【昔話を明るくツッコむ】
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・【昔話を明るくツッコむ】
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「なのっ、実は菜乃、暗い青春時代を過ごしてきたの」
いや
「急にそんな、どうしたんだよ、菜乃。ジメジメしたスタート切りすぎだろ」
「ううん、別にツッコまなくてもいいの、でも菜乃の昔話を聞いてほしいの、ダメ?」
いや、まあ、
「とにかく菜乃は自分の意志で昔話を聞いてほしいということか、それなら別にいいけども、自分の意志なら」
「うん、自分が喋りたくて話すの。話を聞いて、時折相槌を打ってくれればいいの」
そう言ってしっとりとした菜乃。
いや、
「ゴメン、菜乃。俺、ツッコミの特訓中だからツッコむよ、めちゃくちゃツッコむよ」
「なの……そうしてほしいの……」
少し瞳を潤ませながら、そう言った菜乃。
これは悲しい話なのだろうか、いやでも俺はツッコんでやる。
菜乃を絶対楽しませてやる、そう心に誓った。
「じゃあ話始めるの、菜乃の暗さ、オープンなの」
「いやでもスタートは底無しの明るさだな、オープンって陽の言葉だから、新装開店の言葉だから」
「誰がパチンコ屋なの」
「いや菜乃のツッコミは大丈夫だから、新装開店・イコール・パチンコ屋のJKはちょっと嫌だから」
菜乃は一息ついてから、語り出した。
「菜乃はなかなか周りと馴染めなかったの、言うなれば良い香りのお花畑に置かれたクサいタバコのカスなの、菜乃は」
「タバコで自分を例えなくていいから、JKがパチンコ屋の次にタバコという語彙の連鎖、かなり嫌だから」
「明るく振る舞おうとしているだけなのに、無視されることもあって。菜乃、鼻眼鏡で登校したの、良くなかったのかな? ズレてたの?」
「それはもうすごいズレだね、そういうボケがウケるのは元々人気のある人だけだよ」
菜乃は肩をすぼませながら、こう言った。
「実際菜乃は本当にズレているの。明るい挙手をしたくて、クラッカーを仕込んで鳴らしたらヒカれちゃったこともあるの」
「それはもう火薬の匂い含めて良くないね、明るい挙手は大きな声だけで十分だからね」
「そうなの、菜乃の学校で一時期火薬禁止令出たけども、それは菜乃のせいなの」
「まあ学校はそんな禁止令出さなくても、本来火薬禁止だろうけども」
菜乃は一息ついてから、
「あと匂いで言えば、オナラ騒ぎの時、めちゃくちゃ騒いだらクラスのカースト一位の女子のオナラで、泣かれちゃって、すごいひんしゅくを買ったことがあるの」
「そうだね、めちゃくちゃ騒いでいいことなんてないからね、騒ぐという日本語は良い意味を持っていないからね」
「結局菜乃はカースト上位から無理やり授業中、オナラを三発させられたの」
「でもよく出せたね、それがアメージングだよ、サッカーなら三発快勝って言われるヤツだよ、三発って」
菜乃は少し照れ臭そうに笑ってから、
「良い下剤があったの」
「いやオナラの音は口と腕で鳴らしなよ、そこのズレがすごいよ、下剤でガチのオナラ鳴らさなくても大丈夫だったよ、きっと」
「多分そうだったの……結果的にちょっと漏れたの……」
「もうそれはJKのトドメだね、JKのウンコ漏れた話は何だかよく分からないけどもトドメだね」
菜乃は唇を噛んでから、
「だから中学時代は大変だったの」
「いや女子中学生のオナラ騒ぎはかなりダメだよ、小学生の話だと思っていただけに目を丸くしたよ」
「中学生じゃないと下剤なんて買えないの」
「いやまあ中学生もまだ下剤に頼る年齢じゃないけどもね、きっとお父さんの下剤だと思って薬剤師も売ったと思うよ」
菜乃は少し上のほうを見て、
「そうだったのかなぁ、菜乃の顔見てあの薬剤師は”超下剤”だと思ったんじゃないのかなぁ」
「菜乃は全然下剤顔じゃないよ、普通に可愛いよ」
「菜乃、普通に可愛いと言われちゃったの……嬉しいの……」
「だから鼻眼鏡なんて必要無いよ、菜乃は笑顔を見せてくれるだけでいいんだよ」
フフッと笑ってから菜乃は俺のほうをしっかり見ながら、こう言った。
「菜乃……ズレている菜乃と一緒にいてくれる? ずっと一緒にいてくれるの……?」
「大丈夫、俺の人生はもっとズレ始めたから。何なら菜乃のズレと俺のズレがちょうどいい方向に噛み合って、最高の形になるかもな」「最高の形って何なの……?」
「まあ普通に考えて一ミリのズレも無い、完璧な曲線のハートマークじゃないか?」
と言ったところでシューカが俺と菜乃の間に物理的に割って入ってきて、
「このままキスするヤツやん! もうアカン! 止めさせてもらうわ!」
いや
「キスはしないわ、こんなオヤッサンのいるところでしないわ、この人、怖いもん」
するとオヤッサンがデカい声で、
「でもオヤッサンのおかげで怪奇が出てないでぇい! オヤッサンは基本的に怪奇から嫌われているでぇい!」
いや!
「やっぱりそうなんかい! 薄々感じていたけども!」
「そして悟志少年は怪奇から好かれているでぇい、アツアツでぇい」
「いや俺は菜乃からだけ好かれたいんだよ!」
とツッコんだところで、菜乃は顔を真っ赤にしながら、
「なの……恥ずかしいの……」
と言ったが、それに対してすぐさまシューカが、
「今さらやねん! ずっとハズいねん! 自分ら!」
そんな感じで俺たち四人は喋り合った。
正直楽しかった。
もし全放映状態を手にし、ツッコミの練習をしなくても良くなったとしても、またこの四人で集まってワイワイ遊びたいなとは思った。
・【昔話を明るくツッコむ】
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「なのっ、実は菜乃、暗い青春時代を過ごしてきたの」
いや
「急にそんな、どうしたんだよ、菜乃。ジメジメしたスタート切りすぎだろ」
「ううん、別にツッコまなくてもいいの、でも菜乃の昔話を聞いてほしいの、ダメ?」
いや、まあ、
「とにかく菜乃は自分の意志で昔話を聞いてほしいということか、それなら別にいいけども、自分の意志なら」
「うん、自分が喋りたくて話すの。話を聞いて、時折相槌を打ってくれればいいの」
そう言ってしっとりとした菜乃。
いや、
「ゴメン、菜乃。俺、ツッコミの特訓中だからツッコむよ、めちゃくちゃツッコむよ」
「なの……そうしてほしいの……」
少し瞳を潤ませながら、そう言った菜乃。
これは悲しい話なのだろうか、いやでも俺はツッコんでやる。
菜乃を絶対楽しませてやる、そう心に誓った。
「じゃあ話始めるの、菜乃の暗さ、オープンなの」
「いやでもスタートは底無しの明るさだな、オープンって陽の言葉だから、新装開店の言葉だから」
「誰がパチンコ屋なの」
「いや菜乃のツッコミは大丈夫だから、新装開店・イコール・パチンコ屋のJKはちょっと嫌だから」
菜乃は一息ついてから、語り出した。
「菜乃はなかなか周りと馴染めなかったの、言うなれば良い香りのお花畑に置かれたクサいタバコのカスなの、菜乃は」
「タバコで自分を例えなくていいから、JKがパチンコ屋の次にタバコという語彙の連鎖、かなり嫌だから」
「明るく振る舞おうとしているだけなのに、無視されることもあって。菜乃、鼻眼鏡で登校したの、良くなかったのかな? ズレてたの?」
「それはもうすごいズレだね、そういうボケがウケるのは元々人気のある人だけだよ」
菜乃は肩をすぼませながら、こう言った。
「実際菜乃は本当にズレているの。明るい挙手をしたくて、クラッカーを仕込んで鳴らしたらヒカれちゃったこともあるの」
「それはもう火薬の匂い含めて良くないね、明るい挙手は大きな声だけで十分だからね」
「そうなの、菜乃の学校で一時期火薬禁止令出たけども、それは菜乃のせいなの」
「まあ学校はそんな禁止令出さなくても、本来火薬禁止だろうけども」
菜乃は一息ついてから、
「あと匂いで言えば、オナラ騒ぎの時、めちゃくちゃ騒いだらクラスのカースト一位の女子のオナラで、泣かれちゃって、すごいひんしゅくを買ったことがあるの」
「そうだね、めちゃくちゃ騒いでいいことなんてないからね、騒ぐという日本語は良い意味を持っていないからね」
「結局菜乃はカースト上位から無理やり授業中、オナラを三発させられたの」
「でもよく出せたね、それがアメージングだよ、サッカーなら三発快勝って言われるヤツだよ、三発って」
菜乃は少し照れ臭そうに笑ってから、
「良い下剤があったの」
「いやオナラの音は口と腕で鳴らしなよ、そこのズレがすごいよ、下剤でガチのオナラ鳴らさなくても大丈夫だったよ、きっと」
「多分そうだったの……結果的にちょっと漏れたの……」
「もうそれはJKのトドメだね、JKのウンコ漏れた話は何だかよく分からないけどもトドメだね」
菜乃は唇を噛んでから、
「だから中学時代は大変だったの」
「いや女子中学生のオナラ騒ぎはかなりダメだよ、小学生の話だと思っていただけに目を丸くしたよ」
「中学生じゃないと下剤なんて買えないの」
「いやまあ中学生もまだ下剤に頼る年齢じゃないけどもね、きっとお父さんの下剤だと思って薬剤師も売ったと思うよ」
菜乃は少し上のほうを見て、
「そうだったのかなぁ、菜乃の顔見てあの薬剤師は”超下剤”だと思ったんじゃないのかなぁ」
「菜乃は全然下剤顔じゃないよ、普通に可愛いよ」
「菜乃、普通に可愛いと言われちゃったの……嬉しいの……」
「だから鼻眼鏡なんて必要無いよ、菜乃は笑顔を見せてくれるだけでいいんだよ」
フフッと笑ってから菜乃は俺のほうをしっかり見ながら、こう言った。
「菜乃……ズレている菜乃と一緒にいてくれる? ずっと一緒にいてくれるの……?」
「大丈夫、俺の人生はもっとズレ始めたから。何なら菜乃のズレと俺のズレがちょうどいい方向に噛み合って、最高の形になるかもな」「最高の形って何なの……?」
「まあ普通に考えて一ミリのズレも無い、完璧な曲線のハートマークじゃないか?」
と言ったところでシューカが俺と菜乃の間に物理的に割って入ってきて、
「このままキスするヤツやん! もうアカン! 止めさせてもらうわ!」
いや
「キスはしないわ、こんなオヤッサンのいるところでしないわ、この人、怖いもん」
するとオヤッサンがデカい声で、
「でもオヤッサンのおかげで怪奇が出てないでぇい! オヤッサンは基本的に怪奇から嫌われているでぇい!」
いや!
「やっぱりそうなんかい! 薄々感じていたけども!」
「そして悟志少年は怪奇から好かれているでぇい、アツアツでぇい」
「いや俺は菜乃からだけ好かれたいんだよ!」
とツッコんだところで、菜乃は顔を真っ赤にしながら、
「なの……恥ずかしいの……」
と言ったが、それに対してすぐさまシューカが、
「今さらやねん! ずっとハズいねん! 自分ら!」
そんな感じで俺たち四人は喋り合った。
正直楽しかった。
もし全放映状態を手にし、ツッコミの練習をしなくても良くなったとしても、またこの四人で集まってワイワイ遊びたいなとは思った。
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