24 / 32
【無限ツッコミ】
しおりを挟む
・
・【無限ツッコミ】
・
「シューカちゃんがサトシンのことツッコむから、サトシンはさらにシューカちゃんにツッコむんや。無限にツッコミしていって、ツッコめなくなったほうが負けや」
まあ言わんとしていることはなんとなく分かった、と思っていると、菜乃がこう言った。
「これはトーナメントにして、菜乃とオヤッサンも参加するの」
「いや暇なのかよ」
俺がそうツッコむと、菜乃が真っすぐ俺の瞳を見ながら、
「暇なの」
「じゃあトーナメント形式でやるか、そっちのほうが楽しいだろうし」
と俺が返事すると、オヤッサンが、
「楽しくなければ人生じゃないからでぇい」
と言って頷いた。
シューカは柏手一発叩いてから、
「ほな! 変則トーナメントにしたらええで! サトシンが一回戦から闘って、菜乃、オヤッサン、シューカちゃんの順番で対戦や!」
菜乃は同意しながら、
「確かに! 悟志くんの特訓だからそれがいいのー!」
俺はまあいいかと思いつつ、
「何か各階に門番が待ち構える塔みたいだな」
と言うと、オヤッサンが、
「オヤッサンは小腸で待ってるでぇい」
「いや塔で例えろよ、何だよ小腸って、俺、誰かの肛門の中に入っていってるのか?」
シューカは大きな声で、
「塔や! 半分以上JKで肛門とかアカンねん!」
「いやまあJKも塔にはいないけども」
そんな会話はそこそこに、まず一回戦、菜乃と俺のツッコミ無限対決になった。
菜乃はグッと拳を握ってから、
「じゃあまず菜乃からいくのー! 塔にいるJKだってきっといるの!」
「そりゃまあいるだろうけども、大半は109だから。ビルだから」
「なのー! JKはオシャレだと思い過ぎているのー!」
「でも思うに越したことないだろ、決して失礼な話じゃないんだから」
と俺が返したところで、菜乃が、
「褒められてムズムズするのー! もう負けでいいのー! てへへなのっ」
そう言って舌を出してから笑った菜乃。
いや
「守備力低すぎるだろ、よくそれでトーナメントの案を持ち出したな」
「菜乃は自分を過信していたの」
「まあ悪いことじゃないけどな、自分を信じるということは」
と言ったところでオヤッサンが割って入ってきた。
「オヤッサンは自信満々HEYでぇい!」
いや!
「まずスタートがツッコミじゃない! こっちに対して何かを言うんだよ!」
「悟志少年はあれだな、JKの友達が多くていいんだなぁ」
「いや満面の笑みで”いいんだなぁ”じゃないんだよ! ただ羨ましがるオジさんじゃないんだよ!」
そうツッコんだところでシューカがズイッと一歩前に出てから、
「オヤッサン、ちゃんとツッコミせんとTKO負けやで?」
「わっ! 分かってるでぇい! 酢飯でぇい!」
本当に分かっていたら酢飯なんて言わないだろ、と思いつつ、試合は再開になった。
オヤッサンは叫んだ。
「悟志少年はもっと酢飯を学ぶべきだろ!」
「そんなことない上に、学べるなら寿司を学びたいわ」
「そんな簡単に寿司なんて学べるわけないでぇい! 寿司の歴史を舐めるなでぇい!」
何だこれ、本当にツッコミ合戦になってるのか? と思いつつも、俺は、
「歴史というモノは学ぼうと思ったら学ぶべきだろ! そして先輩は素直に教えることがその文化の繁栄に繋がるんだろ!」
「正論! セイロンティーでぇい!」
「オヤッサンそれ好きだな! でももっと寿司を好きであれ! セイロンティーより寿司で言えよ!」
「さよりぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「ただただ勢いじゃん! オヤッサンの寿司屋、ネタがさよりしかないのかよ!」
とツッコんだところでシューカが割って入ってきて、
「普通にオヤッサンはボケやねんて」
そう言われたオヤッサンは膝から崩れ落ちたので、
「いや口砂近付いてきたな!」
とツッコんだら、すぐさまオヤッサンが立ち上がったので、
「口砂案件、めちゃくちゃビビってるじゃん!」
「オヤッサンはもう口砂嫌でぇい」
「そりゃみんな嫌だけども」
まあそんなやり取りは置いといて、シューカは喋りだした。
「結局シューカちゃんとサトシンのバトルやな、早速いくで! 口砂って何やねん! そんな言葉無いねん!」
「でも状況が状況だけに伝わっているだろ! 伝わっていればそれでいいだろ!」
「受け手に委ね過ぎやねん! もっと分かりやすく説明せぇや!」
「いいんだよ別に! 英語だって単語だけでも十分いけるだろ! 日本語も単語だけでいけるだろ!」
シューカは一瞬止まって考えてから、こう言った。
「そうやって受け手に依存すんなや! 依存症やぞ! 口砂恐怖症よりアカンわ!」
「いやまず口砂恐怖症なんてないんだよ! というかシューカが使うなよ! その言葉を!」
「ええねん! 言葉は自由やねん! 好きに使わせろや!」
「じゃあ口砂に文句言うなよ! 口砂の権利を最初から認めろよ!」
シューカは矢継ぎ早に言う。
「一旦否定するのもええやん! 否定したい年頃やん!」
「反抗期を他人に発表するなよ! 身内でやるんだよ! 反抗期って!」
「もはや身内やん! それくらいの気持ちでいんねん! こっちは!」
「何だよ! ちょっとありがたいじゃねぇか! 親身になってくれて嬉しいわ!」
ここでシューカがピタっと止まってから、静かにこう語り出した。
「いや何か褒め合いになりそうでハズいわ、というかサトシンはあれやな、こういう人間タラシみたいなとこあるわ」
「人間タラシって人間に優しくされている妖怪みたいに言うなよ」
「いやここはツッコまんでええねん、やっぱあれや、サトシンはちょっと魅力あんねんて。みんなつい気にしてまうんて」
「そんなことないだろ、最初こういう状態になった時、すごい無視されたわ」
と言ったところで、菜乃がこう言った。
「ううん、やっぱり悟志くんは魅力があるの。だから好きなのっ」
ちょっと、急にそういうこと言うのは反則だろと思った刹那、
「てやんでぇい! べらんめぇい! オヤッサンも股間押しつけたくらい大好きでぇい!」
と叫んできたので、それに対してはもう本当に堂々と、
「台無しじゃねぇか!」
とツッコミを荒らげた。
それを見ていたシューカは、
「まあ無限対決はサトシンの勝利やな、ええツッコミやったで」
何故かちょっと嬉しかった。
シューカに認められたみたいで。
いや認められたところで何なの? というところもあるんだけども。
シューカは感慨深そうに頷いてから、こう言った。
「最後はつらい昔話に対して明るくツッコんで、その話自体明るくしようやな」
いや
「何だよそのちょっと重そうなテーマ」
「シューカちゃんもちゃんとそう思ってるで」
「じゃあ何でやるんだよ」
と言ったところで、菜乃が前に出てきた。
一体何だろうと思っていると、シューカが、
「こっからは菜乃ちゃんの時間やで」
そう言って一歩下がった。
えっ、菜乃のつらい昔話ということ?
むしろ今じゃないの?
俺みたいなもんと一緒にいる今、つらいことを人から言われたりするとかじゃないの?
いやでもまあ菜乃は”学校で浮いていた”みたいな話を前に屋上でしたし、いろいろあるんだろうな、過去も。
・【無限ツッコミ】
・
「シューカちゃんがサトシンのことツッコむから、サトシンはさらにシューカちゃんにツッコむんや。無限にツッコミしていって、ツッコめなくなったほうが負けや」
まあ言わんとしていることはなんとなく分かった、と思っていると、菜乃がこう言った。
「これはトーナメントにして、菜乃とオヤッサンも参加するの」
「いや暇なのかよ」
俺がそうツッコむと、菜乃が真っすぐ俺の瞳を見ながら、
「暇なの」
「じゃあトーナメント形式でやるか、そっちのほうが楽しいだろうし」
と俺が返事すると、オヤッサンが、
「楽しくなければ人生じゃないからでぇい」
と言って頷いた。
シューカは柏手一発叩いてから、
「ほな! 変則トーナメントにしたらええで! サトシンが一回戦から闘って、菜乃、オヤッサン、シューカちゃんの順番で対戦や!」
菜乃は同意しながら、
「確かに! 悟志くんの特訓だからそれがいいのー!」
俺はまあいいかと思いつつ、
「何か各階に門番が待ち構える塔みたいだな」
と言うと、オヤッサンが、
「オヤッサンは小腸で待ってるでぇい」
「いや塔で例えろよ、何だよ小腸って、俺、誰かの肛門の中に入っていってるのか?」
シューカは大きな声で、
「塔や! 半分以上JKで肛門とかアカンねん!」
「いやまあJKも塔にはいないけども」
そんな会話はそこそこに、まず一回戦、菜乃と俺のツッコミ無限対決になった。
菜乃はグッと拳を握ってから、
「じゃあまず菜乃からいくのー! 塔にいるJKだってきっといるの!」
「そりゃまあいるだろうけども、大半は109だから。ビルだから」
「なのー! JKはオシャレだと思い過ぎているのー!」
「でも思うに越したことないだろ、決して失礼な話じゃないんだから」
と俺が返したところで、菜乃が、
「褒められてムズムズするのー! もう負けでいいのー! てへへなのっ」
そう言って舌を出してから笑った菜乃。
いや
「守備力低すぎるだろ、よくそれでトーナメントの案を持ち出したな」
「菜乃は自分を過信していたの」
「まあ悪いことじゃないけどな、自分を信じるということは」
と言ったところでオヤッサンが割って入ってきた。
「オヤッサンは自信満々HEYでぇい!」
いや!
「まずスタートがツッコミじゃない! こっちに対して何かを言うんだよ!」
「悟志少年はあれだな、JKの友達が多くていいんだなぁ」
「いや満面の笑みで”いいんだなぁ”じゃないんだよ! ただ羨ましがるオジさんじゃないんだよ!」
そうツッコんだところでシューカがズイッと一歩前に出てから、
「オヤッサン、ちゃんとツッコミせんとTKO負けやで?」
「わっ! 分かってるでぇい! 酢飯でぇい!」
本当に分かっていたら酢飯なんて言わないだろ、と思いつつ、試合は再開になった。
オヤッサンは叫んだ。
「悟志少年はもっと酢飯を学ぶべきだろ!」
「そんなことない上に、学べるなら寿司を学びたいわ」
「そんな簡単に寿司なんて学べるわけないでぇい! 寿司の歴史を舐めるなでぇい!」
何だこれ、本当にツッコミ合戦になってるのか? と思いつつも、俺は、
「歴史というモノは学ぼうと思ったら学ぶべきだろ! そして先輩は素直に教えることがその文化の繁栄に繋がるんだろ!」
「正論! セイロンティーでぇい!」
「オヤッサンそれ好きだな! でももっと寿司を好きであれ! セイロンティーより寿司で言えよ!」
「さよりぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「ただただ勢いじゃん! オヤッサンの寿司屋、ネタがさよりしかないのかよ!」
とツッコんだところでシューカが割って入ってきて、
「普通にオヤッサンはボケやねんて」
そう言われたオヤッサンは膝から崩れ落ちたので、
「いや口砂近付いてきたな!」
とツッコんだら、すぐさまオヤッサンが立ち上がったので、
「口砂案件、めちゃくちゃビビってるじゃん!」
「オヤッサンはもう口砂嫌でぇい」
「そりゃみんな嫌だけども」
まあそんなやり取りは置いといて、シューカは喋りだした。
「結局シューカちゃんとサトシンのバトルやな、早速いくで! 口砂って何やねん! そんな言葉無いねん!」
「でも状況が状況だけに伝わっているだろ! 伝わっていればそれでいいだろ!」
「受け手に委ね過ぎやねん! もっと分かりやすく説明せぇや!」
「いいんだよ別に! 英語だって単語だけでも十分いけるだろ! 日本語も単語だけでいけるだろ!」
シューカは一瞬止まって考えてから、こう言った。
「そうやって受け手に依存すんなや! 依存症やぞ! 口砂恐怖症よりアカンわ!」
「いやまず口砂恐怖症なんてないんだよ! というかシューカが使うなよ! その言葉を!」
「ええねん! 言葉は自由やねん! 好きに使わせろや!」
「じゃあ口砂に文句言うなよ! 口砂の権利を最初から認めろよ!」
シューカは矢継ぎ早に言う。
「一旦否定するのもええやん! 否定したい年頃やん!」
「反抗期を他人に発表するなよ! 身内でやるんだよ! 反抗期って!」
「もはや身内やん! それくらいの気持ちでいんねん! こっちは!」
「何だよ! ちょっとありがたいじゃねぇか! 親身になってくれて嬉しいわ!」
ここでシューカがピタっと止まってから、静かにこう語り出した。
「いや何か褒め合いになりそうでハズいわ、というかサトシンはあれやな、こういう人間タラシみたいなとこあるわ」
「人間タラシって人間に優しくされている妖怪みたいに言うなよ」
「いやここはツッコまんでええねん、やっぱあれや、サトシンはちょっと魅力あんねんて。みんなつい気にしてまうんて」
「そんなことないだろ、最初こういう状態になった時、すごい無視されたわ」
と言ったところで、菜乃がこう言った。
「ううん、やっぱり悟志くんは魅力があるの。だから好きなのっ」
ちょっと、急にそういうこと言うのは反則だろと思った刹那、
「てやんでぇい! べらんめぇい! オヤッサンも股間押しつけたくらい大好きでぇい!」
と叫んできたので、それに対してはもう本当に堂々と、
「台無しじゃねぇか!」
とツッコミを荒らげた。
それを見ていたシューカは、
「まあ無限対決はサトシンの勝利やな、ええツッコミやったで」
何故かちょっと嬉しかった。
シューカに認められたみたいで。
いや認められたところで何なの? というところもあるんだけども。
シューカは感慨深そうに頷いてから、こう言った。
「最後はつらい昔話に対して明るくツッコんで、その話自体明るくしようやな」
いや
「何だよそのちょっと重そうなテーマ」
「シューカちゃんもちゃんとそう思ってるで」
「じゃあ何でやるんだよ」
と言ったところで、菜乃が前に出てきた。
一体何だろうと思っていると、シューカが、
「こっからは菜乃ちゃんの時間やで」
そう言って一歩下がった。
えっ、菜乃のつらい昔話ということ?
むしろ今じゃないの?
俺みたいなもんと一緒にいる今、つらいことを人から言われたりするとかじゃないの?
いやでもまあ菜乃は”学校で浮いていた”みたいな話を前に屋上でしたし、いろいろあるんだろうな、過去も。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
FLY ME TO THE MOON
如月 睦月
ホラー
いつもの日常は突然のゾンビ大量発生で壊された!ゾンビオタクの格闘系自称最強女子高生が、生き残りをかけて全力疾走!おかしくも壮絶なサバイバル物語!
冀望島
クランキー
ホラー
この世の楽園とされるものの、良い噂と悪い噂が混在する正体不明の島「冀望島(きぼうじま)」。
そんな奇異な存在に興味を持った新人記者が、冀望島の正体を探るために潜入取材を試みるが・・・。
扉をあけて
渡波みずき
ホラー
キャンプ場でアルバイトをはじめた翠は、男の子らしき人影を目撃したことから、先輩の中村に、ここは"出る"と教えられる。戦々恐々としながらもバイトを続けていたが、ひとりでいるとき、その男の子らしき声がして──
ドリームホテル
篠崎マーティ
ホラー
訪れた者の願いが叶う不思議なホテル”ドリームホテル”
今日も訪れた客の夢は、思いもよらない形となって成就し、彼らを奈落の底に引きずり込んでいく……。
一話完結型のグロテスク胸糞系インモラルホラー小説集。
客は大体みんな発狂するか死にます。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる