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【15 skit6 鋭い】
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・【15 skit6 鋭い】
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「この世界のこと、大体分かってきたよ」
僕がそう言うと、リーエは優しい目をして微笑んだ。
「敵は”鈍”で味方が”鋭”なんだね」
「おっ、いいねぇ~、いいねぇ~」
「鈍器のようなモノを持った敵、スピードが遅いも鈍いだ、にぶい色した世界も全部”鈍い”じゃないか」
「ん~、分かってくれて嬉しいよ~」
でも、分からないこともある。
「で、僕はどうしてそんな世界にいるんだろう?」
「そこは最後になったら分かるんじゃないかな、そういうもんだよ、ネタバレはしないからね、アタシは」
「まるでゲームみたいだね、リーエも、この世界自体も」
「まあ電子ってところじゃないかな、おっと、ネタバレしちゃったかなぁ~」
「僕、変なゲームでも家にしていたかな……」
と僕が呟くと、リーエは小バカにするように笑いながら、
「観察眼が足りないよ? それじゃ元の世界に戻ってもダメだよ?」
「観察眼……まあ確かに僕は学校の上履きをしているから、学校で何か起きたんだろうけどもさ」
「そうそう~、学校の恰好をしているということは学校で何かがあったんだろうねぇ、さて、何があったのかな?」
「リーエは、全部知っているんだね」
「案内だからね。アタシはね、ヒロにずる賢くなってほしいんだよ、真正直に学級委員なんてやってちゃダメだよ」
僕は少し沈黙してから、考えていることを言うことにした。
「この世界をクリアしたら、僕はリーエとはもう会えないのかな」
「おっ、もしかすると本当にアタシに恋しちゃった? そりゃまあそうかー、命の恩人だもんねぇー」
「リーエ、真面目に答えてよ」
「真面目だけじゃ生きていけないよ」
「そうかもしれないけども、僕にとってこれは大切なことなんだ」
「大切なモノなんだ、じゃない?」
「リーエ、僕はリーエのことモノとして扱っていないよ」
「別にアタシはモノでもいいんだよ」
「ダメだよ、男子も女子も平等にさ」
と言ったところで、リーエはフッと切なげに笑ってから、こう言った。
「アタシがモノだったらどうする?」
「えっ?」
つい生返事をしてしまった僕。
リーエは伏し目がちにこう言った。
「まあこういう世界も生まれたし、神がかり的なことが起きればいいんだけどね」
「リーエって、モノ、なのかい……?」
「さっきアタシ、言わなかった? ちゃんと言ったことを思い出してよ、ヒロにとって大切なアタシが言った大切な言葉を」
「電子って」
と僕が呟くと、間髪入れずリーエが、
「そう、そろそろ思い出した?」
「いや何も……」
「アタシはずっと好きだったよ、ヒロの真面目なところが。結局一番優しく扱ってくれていたのがヒロだったし」
「えっ、僕、リーエとなんて出会っていない」
「出会っているよ、モノだけどね」
そう言って優しく微笑んだリーエ。
そこに鋭さなんてどこにも無くて。
「ヒロ、最後にアタシの手を握って」
そう言って僕の手を握ってきたリーエ。
その手はほんのり暖かくて、どこかで触ったような懐かしさがあった。
「アタシって暖かいでしょ、使い過ぎるとこうなるんだ。さて、そろそろお別れだね。アタシはちょっと休むからさ、ヒロは一人で最上階に行くといいよ」
そう言うと、リーエは階段に腰かけて、目を閉じた。
「リーエ、ちょっと、リーエ、最後まで一緒に居ようよ。ここまで来たんだからさ」
でもリーエは一切動かない。
まるで機械のように。
リーエは機械だったのか? それも僕が触れたことのある機械?
いやでも進まなければ、リーエが一人で最上階に行くといいと、最後にまた導いてくれた。
ここはきっと僕が一人で行かないといけないんだ。
リーエをお姫様抱っこするのではなく、一人で。
僕は階段を一歩一歩着実に進んでいった。
・【15 skit6 鋭い】
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「この世界のこと、大体分かってきたよ」
僕がそう言うと、リーエは優しい目をして微笑んだ。
「敵は”鈍”で味方が”鋭”なんだね」
「おっ、いいねぇ~、いいねぇ~」
「鈍器のようなモノを持った敵、スピードが遅いも鈍いだ、にぶい色した世界も全部”鈍い”じゃないか」
「ん~、分かってくれて嬉しいよ~」
でも、分からないこともある。
「で、僕はどうしてそんな世界にいるんだろう?」
「そこは最後になったら分かるんじゃないかな、そういうもんだよ、ネタバレはしないからね、アタシは」
「まるでゲームみたいだね、リーエも、この世界自体も」
「まあ電子ってところじゃないかな、おっと、ネタバレしちゃったかなぁ~」
「僕、変なゲームでも家にしていたかな……」
と僕が呟くと、リーエは小バカにするように笑いながら、
「観察眼が足りないよ? それじゃ元の世界に戻ってもダメだよ?」
「観察眼……まあ確かに僕は学校の上履きをしているから、学校で何か起きたんだろうけどもさ」
「そうそう~、学校の恰好をしているということは学校で何かがあったんだろうねぇ、さて、何があったのかな?」
「リーエは、全部知っているんだね」
「案内だからね。アタシはね、ヒロにずる賢くなってほしいんだよ、真正直に学級委員なんてやってちゃダメだよ」
僕は少し沈黙してから、考えていることを言うことにした。
「この世界をクリアしたら、僕はリーエとはもう会えないのかな」
「おっ、もしかすると本当にアタシに恋しちゃった? そりゃまあそうかー、命の恩人だもんねぇー」
「リーエ、真面目に答えてよ」
「真面目だけじゃ生きていけないよ」
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「リーエ、僕はリーエのことモノとして扱っていないよ」
「別にアタシはモノでもいいんだよ」
「ダメだよ、男子も女子も平等にさ」
と言ったところで、リーエはフッと切なげに笑ってから、こう言った。
「アタシがモノだったらどうする?」
「えっ?」
つい生返事をしてしまった僕。
リーエは伏し目がちにこう言った。
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「リーエって、モノ、なのかい……?」
「さっきアタシ、言わなかった? ちゃんと言ったことを思い出してよ、ヒロにとって大切なアタシが言った大切な言葉を」
「電子って」
と僕が呟くと、間髪入れずリーエが、
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「いや何も……」
「アタシはずっと好きだったよ、ヒロの真面目なところが。結局一番優しく扱ってくれていたのがヒロだったし」
「えっ、僕、リーエとなんて出会っていない」
「出会っているよ、モノだけどね」
そう言って優しく微笑んだリーエ。
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「リーエ、ちょっと、リーエ、最後まで一緒に居ようよ。ここまで来たんだからさ」
でもリーエは一切動かない。
まるで機械のように。
リーエは機械だったのか? それも僕が触れたことのある機械?
いやでも進まなければ、リーエが一人で最上階に行くといいと、最後にまた導いてくれた。
ここはきっと僕が一人で行かないといけないんだ。
リーエをお姫様抱っこするのではなく、一人で。
僕は階段を一歩一歩着実に進んでいった。
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