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【11 skit4 突発的に】
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・【11 skit4 突発的に】
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長い長い登りの階段。
両端は手すりが無いので、気を付けて歩かないと。
とはいえ、道幅はそこそこあるので、真ん中を歩いていれば安心だろう。
「ヒロ! さっきの地面を切っていたヤツ! あういうの良くないから!」
急にリーエが大きな声を出したので、驚いていると、リーエはそのまま捲し立てる。
「ノコギリが大切なキーアイテムなことは分かっていたんだから、もっと丁重に扱わないと! そしてアタシも!」
「いやリーエのことをぞんざいに扱ったことは無いけども」
「女子のことは特に優しく扱わないとダメなんだから!」
「完全にリーエにすり替わっているじゃないか、それは分かっているから」
そう、そんなことは分かっている。
何よりも分かっている、という言葉が体内でヤマビコのように反響している。
何で”ここまで”反芻してしまうのかは分からないけども、それは本当に重々承知のつもりだ。そう、つもり。少しだけ何かが体内に刺さっている。この感覚は一体何なのだろうか。
リーエは続ける。
「とにかくさ! 女子には綿飴を扱うように優しくしないとダメなんだからね!」
「それは女子も男子も一緒じゃないかな、みんな優しく扱うことが平等でいいことじゃないかな」
「まあそうだけどねぇ~、でもアタシのことも丁寧に扱ってね!」
「扱うだなんて、モノじゃないんだから人として丁寧に接するよ」
「おっ、それはいいねぇ~」
そう言ってニコニコしているリーエ。
まあリーエが上機嫌ならいいけども。
するとリーエの表情が急に曇り、こっちを見ながら、
「って! バカ! 突発的に行動しちゃダメという話だよ! はぐらかさないで!」
「いやそれは勝手にリーエがすり替えたんでしょ、女子の話に」
「そんなことないよ! 全く! ホント、ヒロは女子が大好きなんだから!」
「何でそうなったんだい、別に女子も男子も普通、みんな平等だよ」
「分かった、ヒロの人間愛は分かったけどさ、あういう考えナシみたいな行動は身を滅ぼすよ」
「うん、それも分かった。ちゃんと思考するよ」
「ヒロは頭が良いんだからさ、ちゃんと考えれば答えに辿り着くからさ」
そう怒ってくれるリーエが有難い。
そう言えば、こうやって注意してくれた人なんてそんないなかったから。
僕はずっと優等生として生きてきた。
それなりに正しいつもりだったし、間違ったことなんて一度も無かったと自負している。
でもどういうわけか、こういう世界に来てしまい。
悩む度にリーエが正解のほうへ手引きしてくれて、案内してくれて。
リーエとなら、どんな困難でも戦っていけるような気がした。
リーエは溜息をついてから、こう言った。
「とにかくっ、しっかり思考すること。時間制限みたいなものがあったとしても、しっかり冷静にならないとダメだよっ」
「分かったよ、リーエ、肝に銘じるよ」
「でもまあ時間アウトになったらダメだけどね! 百メートル走みたいに!」
「百メートル走は時間アウトとか無いよ、駅伝とかなら繰り上げがあるけども」
「同じじゃん、両方走ることっ」
「全然違うよ、走るって距離によって本当に全然違うからね」
そんなボケ・ツッコミのような会話をしていたら、部屋に着いた。
・【11 skit4 突発的に】
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長い長い登りの階段。
両端は手すりが無いので、気を付けて歩かないと。
とはいえ、道幅はそこそこあるので、真ん中を歩いていれば安心だろう。
「ヒロ! さっきの地面を切っていたヤツ! あういうの良くないから!」
急にリーエが大きな声を出したので、驚いていると、リーエはそのまま捲し立てる。
「ノコギリが大切なキーアイテムなことは分かっていたんだから、もっと丁重に扱わないと! そしてアタシも!」
「いやリーエのことをぞんざいに扱ったことは無いけども」
「女子のことは特に優しく扱わないとダメなんだから!」
「完全にリーエにすり替わっているじゃないか、それは分かっているから」
そう、そんなことは分かっている。
何よりも分かっている、という言葉が体内でヤマビコのように反響している。
何で”ここまで”反芻してしまうのかは分からないけども、それは本当に重々承知のつもりだ。そう、つもり。少しだけ何かが体内に刺さっている。この感覚は一体何なのだろうか。
リーエは続ける。
「とにかくさ! 女子には綿飴を扱うように優しくしないとダメなんだからね!」
「それは女子も男子も一緒じゃないかな、みんな優しく扱うことが平等でいいことじゃないかな」
「まあそうだけどねぇ~、でもアタシのことも丁寧に扱ってね!」
「扱うだなんて、モノじゃないんだから人として丁寧に接するよ」
「おっ、それはいいねぇ~」
そう言ってニコニコしているリーエ。
まあリーエが上機嫌ならいいけども。
するとリーエの表情が急に曇り、こっちを見ながら、
「って! バカ! 突発的に行動しちゃダメという話だよ! はぐらかさないで!」
「いやそれは勝手にリーエがすり替えたんでしょ、女子の話に」
「そんなことないよ! 全く! ホント、ヒロは女子が大好きなんだから!」
「何でそうなったんだい、別に女子も男子も普通、みんな平等だよ」
「分かった、ヒロの人間愛は分かったけどさ、あういう考えナシみたいな行動は身を滅ぼすよ」
「うん、それも分かった。ちゃんと思考するよ」
「ヒロは頭が良いんだからさ、ちゃんと考えれば答えに辿り着くからさ」
そう怒ってくれるリーエが有難い。
そう言えば、こうやって注意してくれた人なんてそんないなかったから。
僕はずっと優等生として生きてきた。
それなりに正しいつもりだったし、間違ったことなんて一度も無かったと自負している。
でもどういうわけか、こういう世界に来てしまい。
悩む度にリーエが正解のほうへ手引きしてくれて、案内してくれて。
リーエとなら、どんな困難でも戦っていけるような気がした。
リーエは溜息をついてから、こう言った。
「とにかくっ、しっかり思考すること。時間制限みたいなものがあったとしても、しっかり冷静にならないとダメだよっ」
「分かったよ、リーエ、肝に銘じるよ」
「でもまあ時間アウトになったらダメだけどね! 百メートル走みたいに!」
「百メートル走は時間アウトとか無いよ、駅伝とかなら繰り上げがあるけども」
「同じじゃん、両方走ることっ」
「全然違うよ、走るって距離によって本当に全然違うからね」
そんなボケ・ツッコミのような会話をしていたら、部屋に着いた。
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