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【07 skit2 僕】
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・【07 skit2 僕】
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また長い回廊を真っ直ぐ歩いていると、リーエが口を開いた。
「さっきはアタシのこと質問攻めにしたけどさぁ」
「質問攻めにはしていないつもりだけども」
「今度はアタシがヒロのこと聞くね!」
「それはまあいいけども」
と答えつつも、何を言われるのか少し戦々恐々していると、
「ヒロはさ、学校ではどんな人だった?」
学校での僕、どう答えればいいんだろうか、また何を言っても陰キャと言われそうだったから、ここはまず陰キャじゃないことを言わないといけいないな。
「僕は学級委員だったよ、みんなを取り仕切る役割というか」
「へぇ、じゃあ警察官ということ? 保安官かな?」
「そんな保安官だなんて西部劇みたいな言い方を試されても、まあ警察官で合ってるのかな?」
「銃とかぶっ放しまくり?」
「だからそれは保安官じゃないか、いや保安官なのかも本当のところは分からないけども」
と僕が普通にそう言うと、リーエは少し不満そうに、
「ちょっと、ツッコミのキレが悪いよ、そういう時は『保安官じゃん!』とぶった斬ったほうがテンポが良いよ!」
「いやリーエ、ボケのつもりで言っていたのっ?」
「当たり前じゃん! マジで保安官だとは思ってないよ! それとも輪っかになった縄でも投げるのっ?」
「馬に乗ってそういったものを投げたりはしないよ」
「そうそう」
そう言って満足げに頷いたリーエ。
いや、
「そうそうじゃなくて、ボケ・ツッコミをしたかったの? リーエは」
「まあね、お堅い感じよりはやっぱり会話は楽しくないと、ヒロはずっと真面目だったの?」
ずっと真面目か、そう改めて問われると確かに僕はずっと真面目だったと思う。
だから、
「そうだね、悪いことは悪いと言っていたし、でも正しいことは称賛したり、真面目だったとは思うよ」
「あんまり堅苦しいのは良くないよ? 良好な関係を築き上げる、政治も大切だよ?」
「政治って正しいことをすることじゃないの?」
「そうじゃないよ~、政治というのはいかに円滑に回して自分の思い通りにするかなんだよ~、だから正しくあるだけじゃダメなんだって」
そう言って僕の肩を押してきたリーエ。
僕はそうなのかなぁと少し俯いてしまうと、リーエは少し僕の前に出て、僕の顔を覗き込みながら、
「正しいことを言い過ぎることは煙たがられるよ、本当に伝えたい時にはもう見向きもされなくなっちゃうかも!」
「本当に伝えたい時?」
「そう! ここぞ! という! 銃を放つ時!」
「いやだから保安官じゃないんだって」
「でもここぞと心の臓を貫きたい時にさ、良好な関係を築き上げていないと、ただ反発されちゃうよ。だから大切なことはどうでもいい正義を振りかざさないこと! 昼からバーでだらだらしているくらいは文句を言わない!」
「そんなずっと保安官例えをされても」
と言ったところで、リーエが嬉しそうに、
「いいね! 今のツッコミ!」
と僕の後方にまた戻り、背中を叩いた。
「いやツッコミのつもりは無いけども、ただ困惑していただけども」
「その困惑ツッコミいいね!」
「いやだからツッコミじゃなくてマジなんだけども」
「で! アタシの言っていること分かった? そんな正し過ぎちゃダメだからね!」
「まあ、一応、善処します」
するとリーエが快活に笑ってから、
「何それ! しないヤツの言い方じゃん! でもね! 今度からずる賢く生きたほうがいいからね!」
リーエは何だか明るい人だ。
まるで僕の真逆。
僕もこうやって冗談を言うような人間だったら良かったのかな。
いや良かったのかなって何だ、今の自分の中の言い方は。
一瞬、過去を強く思い出そうとしたその時にまた頭痛が響いた。
・【07 skit2 僕】
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また長い回廊を真っ直ぐ歩いていると、リーエが口を開いた。
「さっきはアタシのこと質問攻めにしたけどさぁ」
「質問攻めにはしていないつもりだけども」
「今度はアタシがヒロのこと聞くね!」
「それはまあいいけども」
と答えつつも、何を言われるのか少し戦々恐々していると、
「ヒロはさ、学校ではどんな人だった?」
学校での僕、どう答えればいいんだろうか、また何を言っても陰キャと言われそうだったから、ここはまず陰キャじゃないことを言わないといけいないな。
「僕は学級委員だったよ、みんなを取り仕切る役割というか」
「へぇ、じゃあ警察官ということ? 保安官かな?」
「そんな保安官だなんて西部劇みたいな言い方を試されても、まあ警察官で合ってるのかな?」
「銃とかぶっ放しまくり?」
「だからそれは保安官じゃないか、いや保安官なのかも本当のところは分からないけども」
と僕が普通にそう言うと、リーエは少し不満そうに、
「ちょっと、ツッコミのキレが悪いよ、そういう時は『保安官じゃん!』とぶった斬ったほうがテンポが良いよ!」
「いやリーエ、ボケのつもりで言っていたのっ?」
「当たり前じゃん! マジで保安官だとは思ってないよ! それとも輪っかになった縄でも投げるのっ?」
「馬に乗ってそういったものを投げたりはしないよ」
「そうそう」
そう言って満足げに頷いたリーエ。
いや、
「そうそうじゃなくて、ボケ・ツッコミをしたかったの? リーエは」
「まあね、お堅い感じよりはやっぱり会話は楽しくないと、ヒロはずっと真面目だったの?」
ずっと真面目か、そう改めて問われると確かに僕はずっと真面目だったと思う。
だから、
「そうだね、悪いことは悪いと言っていたし、でも正しいことは称賛したり、真面目だったとは思うよ」
「あんまり堅苦しいのは良くないよ? 良好な関係を築き上げる、政治も大切だよ?」
「政治って正しいことをすることじゃないの?」
「そうじゃないよ~、政治というのはいかに円滑に回して自分の思い通りにするかなんだよ~、だから正しくあるだけじゃダメなんだって」
そう言って僕の肩を押してきたリーエ。
僕はそうなのかなぁと少し俯いてしまうと、リーエは少し僕の前に出て、僕の顔を覗き込みながら、
「正しいことを言い過ぎることは煙たがられるよ、本当に伝えたい時にはもう見向きもされなくなっちゃうかも!」
「本当に伝えたい時?」
「そう! ここぞ! という! 銃を放つ時!」
「いやだから保安官じゃないんだって」
「でもここぞと心の臓を貫きたい時にさ、良好な関係を築き上げていないと、ただ反発されちゃうよ。だから大切なことはどうでもいい正義を振りかざさないこと! 昼からバーでだらだらしているくらいは文句を言わない!」
「そんなずっと保安官例えをされても」
と言ったところで、リーエが嬉しそうに、
「いいね! 今のツッコミ!」
と僕の後方にまた戻り、背中を叩いた。
「いやツッコミのつもりは無いけども、ただ困惑していただけども」
「その困惑ツッコミいいね!」
「いやだからツッコミじゃなくてマジなんだけども」
「で! アタシの言っていること分かった? そんな正し過ぎちゃダメだからね!」
「まあ、一応、善処します」
するとリーエが快活に笑ってから、
「何それ! しないヤツの言い方じゃん! でもね! 今度からずる賢く生きたほうがいいからね!」
リーエは何だか明るい人だ。
まるで僕の真逆。
僕もこうやって冗談を言うような人間だったら良かったのかな。
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