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【10 トースくんのこと】
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・【10 トースくんのこと】
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ちょうど休んでいるし、少しトースくんがどんな子なのか知りたくて質問してみることにした。
「トースくんって発想を飛ばすために練習していることとかある?」
するとトースくんは満面の笑みになって喋り出した。
「やっぱりランダム性ですね! ランダム性が自分を育むんです!」
「ランダム性ってサイコロみたいなこと?」
「そんな! サイコロステーキみたいなこと言われましても!」
そうツッコミのテンションで言ったトースくんだったけども、私は、
「全然そんなことないよ、ゼリーよりもステーキ食べたかったなぁ、じゃないよ」
「すみません! 俺ちょっと電波系って言われてまして!」
「電波系?」
と私が小首を傾げると、壁太郎くんが、
「訳の分からないことを言ってしまう人という意味だべ、でもそれはただの個性というか感性だべ。電波系と括るのもどうかしてるべ」
と答えるとトースくんが壁太郎くんにニッコリ微笑んで、
「そんなこと言ってくださるなんて! 嬉しいです! 何か壁太郎も変わりましたね! いい感じです!」
サムズアップしたトースくんに何だか照れるように前髪を触った壁太郎くんは、
「そんな、変わってないべ」
「いいえ! 壁太郎はそもそもバトルなんてするようなヤツじゃなかったです! しかも強いです! これはもう感服ですよ!」
「全て緋色さんのおかげだべ」
と言って私に会釈してきたので、私は首をブンブン横に振って、
「そんなことないよ! でも言うなれば二人の力だよね! そしてこれからは三人に!」
トースくんはニコニコしながら、
「俺のことも仲間に入れてくださってありがとうございます! 俺に圧勝した二人を全面的に支持します!」
「別に圧勝じゃないべ、トースの発想を飛ばすことは本当に強いべ」
「そうだよね! そうそうそれ! トースくんの発想、ランダム性で育むと言っていたけども、どういうことっ?」
するとトースくんがポケットから単語帳を二個取り出して、こう言った。
「この単語帳には単語が書かれています。その単語帳を二つとも適当にめくると二つのランダムの言葉が出ますよね?」
「うん、それは分かる」
「それを無理やり繋げようと思考するんです。その思考遊びが発想を育むんです。だからランダム性に身を任すことも楽しいことなんです」
私は感嘆の息を漏らしながら、納得した。
なるほど、あえてランダムな、自分の意志ではないモノで思考したほうが確かにより鍛えられそうだ。
ところで、
「壁太郎くんは何か鍛えていることある?」
「僕は全然だべ。できるだけ毎日能力を使って、能力を使える体力を付けるだけだべ」
「でもそれも地道ですごいと思うよ!」
トースくんも頷きながら、
「俺もそれはいいと思います! 俺は思考遊びばかりして能力使わない日もあります! 壁太郎の積み重ねる感じ、良いと思います!」
喋っていて思ったけども、壁太郎くんもトースくんも仲が悪い感じじゃなくて良かった。
それともトースくんが壁太郎くんのことを認めたからかな?
まあどちらにしても、今、仲良く、かつ、尊敬し合って会話しているからいい感じだ。
これから仲間になるあやかしとはみんな仲良くなって、闇に引き込むあやかしを倒したら、私の中では一緒に遊ぶ予定なのだ。
ゼリーも食べ終えて、少し休んで、また私たちは七不思議の解決へ進みだした。
・【10 トースくんのこと】
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ちょうど休んでいるし、少しトースくんがどんな子なのか知りたくて質問してみることにした。
「トースくんって発想を飛ばすために練習していることとかある?」
するとトースくんは満面の笑みになって喋り出した。
「やっぱりランダム性ですね! ランダム性が自分を育むんです!」
「ランダム性ってサイコロみたいなこと?」
「そんな! サイコロステーキみたいなこと言われましても!」
そうツッコミのテンションで言ったトースくんだったけども、私は、
「全然そんなことないよ、ゼリーよりもステーキ食べたかったなぁ、じゃないよ」
「すみません! 俺ちょっと電波系って言われてまして!」
「電波系?」
と私が小首を傾げると、壁太郎くんが、
「訳の分からないことを言ってしまう人という意味だべ、でもそれはただの個性というか感性だべ。電波系と括るのもどうかしてるべ」
と答えるとトースくんが壁太郎くんにニッコリ微笑んで、
「そんなこと言ってくださるなんて! 嬉しいです! 何か壁太郎も変わりましたね! いい感じです!」
サムズアップしたトースくんに何だか照れるように前髪を触った壁太郎くんは、
「そんな、変わってないべ」
「いいえ! 壁太郎はそもそもバトルなんてするようなヤツじゃなかったです! しかも強いです! これはもう感服ですよ!」
「全て緋色さんのおかげだべ」
と言って私に会釈してきたので、私は首をブンブン横に振って、
「そんなことないよ! でも言うなれば二人の力だよね! そしてこれからは三人に!」
トースくんはニコニコしながら、
「俺のことも仲間に入れてくださってありがとうございます! 俺に圧勝した二人を全面的に支持します!」
「別に圧勝じゃないべ、トースの発想を飛ばすことは本当に強いべ」
「そうだよね! そうそうそれ! トースくんの発想、ランダム性で育むと言っていたけども、どういうことっ?」
するとトースくんがポケットから単語帳を二個取り出して、こう言った。
「この単語帳には単語が書かれています。その単語帳を二つとも適当にめくると二つのランダムの言葉が出ますよね?」
「うん、それは分かる」
「それを無理やり繋げようと思考するんです。その思考遊びが発想を育むんです。だからランダム性に身を任すことも楽しいことなんです」
私は感嘆の息を漏らしながら、納得した。
なるほど、あえてランダムな、自分の意志ではないモノで思考したほうが確かにより鍛えられそうだ。
ところで、
「壁太郎くんは何か鍛えていることある?」
「僕は全然だべ。できるだけ毎日能力を使って、能力を使える体力を付けるだけだべ」
「でもそれも地道ですごいと思うよ!」
トースくんも頷きながら、
「俺もそれはいいと思います! 俺は思考遊びばかりして能力使わない日もあります! 壁太郎の積み重ねる感じ、良いと思います!」
喋っていて思ったけども、壁太郎くんもトースくんも仲が悪い感じじゃなくて良かった。
それともトースくんが壁太郎くんのことを認めたからかな?
まあどちらにしても、今、仲良く、かつ、尊敬し合って会話しているからいい感じだ。
これから仲間になるあやかしとはみんな仲良くなって、闇に引き込むあやかしを倒したら、私の中では一緒に遊ぶ予定なのだ。
ゼリーも食べ終えて、少し休んで、また私たちは七不思議の解決へ進みだした。
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