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13話 ラズバーとの対決
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俺達はラズバーと対峙していた。
ラズバーは俺の予想通りに自分から結界の外に出てきたのだった。
ラズバーは大笑いしながら俺達が待つ大広間に現れたのだった。
大広間でラズバーと対峙する形になった。
ラズバーの野郎が大きな声で言った。
「はっはっはっ!!竜にまたがるだけの無能めが!!わざわざこの大賢者ラズバー様にやられに来るとはな!!」
「ラズバー!!テメエを倒しにきてやったぞ。このジャン・リヒターがテメエをぶっ倒す!!」
「ふん、無能ふぜいがいきがるな。ジャン・リヒター!!お前のような無能では何も成す事はできんのだよ。まあいいだろう、竜にまたがるだけの無能!!少しだけ相手をしてやろう。ただし少しだけだ。この大賢者ラズバー様にはこの後ミリアとの楽しい一夜が待っているのだからな。」
ラズバーはミリアさんにそんな事をしようとしていたのか。
本当にどこまで腐ってやがるんだこいつは。
変な事をされる前にミリアさんを救出できて本当に良かったぜ。
「本当にクズ野郎だなテメエは!!だが残念だった!!ミリアさんならとっくに俺が助けたぜ。」
「なんだと?」
ラズバーは驚いた様子だった。
「さっき俺がミリアさんを救出したからな。」
「ふん、何を言いだすかと思えばそんなのどうせ嘘であろう?」
「嘘ではないぞ。この宮殿にいた兵士達はあらかたジャンが片づけてくれた。現にこの大広間には誰も駆けつけてこんじゃろうが。」
「何?」
団長の言う通りで大広間に駆けつけてくる宮殿の兵士はだれもいなかった。
そしてそれは俺達がラズバーの大宮殿を制圧した事を意味していた。
「なぜ誰もこない、まさか本当にミリアを誘拐したというのか?」
「ミリアさんを誘拐したのはテメエだろうが!!」
「おのれ!!ジャン・リヒター!!許さん、許さんぞ!!竜にまたがるだけの無能ごときが!!やっとミリアと一夜を共にできると思っておったのに!!」
「それはこっちの言葉だ。ラズバー!!テメエは絶対に許さねえ!!」
「竜にまたがるだけの無能!!光栄に思うがいい!!この大賢者ラズバー様が直々に相手をしてやるのだからな!!」
ラズバーとの戦闘が遂に始まった。
ラズバーが魔法の詠唱を始めた。
「閃光の輝きによってその身を貫け、サンダースパーク!!」
ラズバーが中級魔法のサンダースパークを唱えた。
中規模の雷の玉がラズバーの前に現れた。
俺はすぐに広域防御魔法であるラージプロテクションを発動する。
「ここにある全ての者達に魔法の盾を与えたまえ!!ラージプロテクション!!」
団長や俺の前にラージプロテクションの大きな魔法の盾が現れた。
その魔法の盾がサンダースパークを全て弾き飛ばしたのだった。
団長も俺も俺の防御魔法のおかげでノーダメージだった。
俺は次のラズバーの魔法攻撃に備えていた。
ラズバーが最上級の魔法である超級魔法を使ってくるのを警戒していたからだ。
するとラズバーが初級魔法のスパークを使ってきた。
「閃光よここに現れろ!!スパーク!!」
ラズバーが唱えた小さな雷の玉がラズバーの前に現れた。
その雷の玉が俺に向かって飛んできたが、俺の前にはラージプロテクションによる強力な魔法の盾が現れており、その雷の玉を弾き飛ばしたのだった。
ラズバーがこの場面で電撃の初級魔法であるスパークをなぜ使ってきた理由が分からずに俺はもう少し様子を伺う事にした。
するとまたラズバーが初級魔法のスパークを唱えた。
「閃光よここに現れろ!!スパーク!!」
またスパークの効果で雷の玉が俺に向かって飛んできたが、ラージプロテクションの効果で魔法の盾がまた雷の玉を弾き飛ばした。
スパークで油断させておいて超級魔法を使ってくる気かもしれないと考え、俺は警戒を緩めなかった。
するとラズバーが突然笑い出したのだった。
「はっはっはっ!!すでに勝負がついてしまったな。これが絶対的な強者と弱者の差というものだ。お前達はこの大賢者ラズバー様の魔法攻撃の前には手も足も出せない事がこれで分かったであろう。」
ラズバーは何を言ってるんだ?
俺はラズバーが俺を油断させて超級魔法による攻撃を仕掛けてくると考え、警戒を続ける。
だがラズバーは一向に詠唱をせずに話を始めたのだった。
「まあ竜にまたがる無能にしてはがんばった方だろうな。だが相手が悪かった。なにせお前たちの目の前に立ち塞がっているのはこの大賢者ラズバー様だったのだからな。これほど不運な事はないだろうからな。」
やはりラズバーは訳分からない事を言っている。
俺はラズバーの放ったサンダースパークやスパークではダメージを全く負っていなかった。
俺は完全にノーダメージだった。
俺のラージプロテクションの効果で団長もたぶんあまりダメージは受けていないだろう。
だがラズバーが笑いながら訳分からない事を言い続けた。
「竜にまたがるだけの無能、ジャン・リヒターよ。お前は本当に不運だったな。お前の相手がこの大賢者ラズバー様だったのがな!!」
ラズバーは一向に魔法攻撃を仕掛けてくる気配がなかったので、俺は一旦戦闘を中断してラズバーに尋ねる事にした。
「なあラズバー、さっきからテメエ何を言ってるんだ?」
「この大賢者ラズバー様のサンダースパークやスパークを食らってしまったのだ。お前は大ダーメージを食らってもはや立っているのもやっとなはずだ。」
やはりラズバーは訳の分からない事を言っている。
「いやさっきのサンダースパーク全然効かなかったぞ。俺はダメージなんか食らってないぞ。ノーダメージだ。」
「はっはっはっ!!強がるな、お前がやせ我慢をしている事ぐらいお見通しだ。さっさと倒れてしまった方が楽になれるぞ。」
「いやだからさっきのサンダースパークで俺はノーダメージだったんだ。」
だがラズバーは俺の話を聞かずに、話を続けるのだった。
「そうだ、このままこの大賢者ラズバー様の圧勝というのも面白くない。少しハンデをくれてやろう。ジャン・リヒター!!お前の魔法を一発いや大サビースで3発食らってやろう!!!お前らのような無能者ではこの大賢者ラズバー様にかすり傷一つすら負わせられないだろうからな。」
「なんだと?」
ラズバーが両手を広げて俺に言った。
「さあ遠慮はいらん。お前の魔法をサービスで3発食らってやるぞ!!お前の魔法をこの大賢者ラズバー様に放ってみろ!!もちろん防御魔法もかけんぞ!!」
そうか分かった。
俺はラズバーの望み通りに魔法を放つ事にした。
俺は超級魔法であるサンダーストームの詠唱を始めた。
「その猛々しい閃光で全ての物を貫け!!サンダーストーム!!!」
俺の前に凄い数の電撃が集まっていき、その電撃は周囲の空間を走り回ってその数はどんどん増えていった。
そしてすさまじい数の電撃が集まり、それら全ての電撃がラズバーを貫いたのだった。
次の瞬間、ラズバーは口から大量の血を吐き出してしまうのだった。
「ぐはっ!!何だと?」
ラズバーが血まみれになって床に倒れてしまった。
ラズバーが大きな声を出して苦しんでいた。
「ぐああああーー!!痛いーー、痛い!!なんだ、この痛みは!!なんなんだ激痛は?」
ラズバーは床をのたうち回りながら苦しんでいた。
そして少しして体を起こして立ち上がってきたのだった。
「ま、まさか、本当に私の魔法は効いていなかったのか!!」
ラズバーは心底驚いているようだった。
「だからさっきからそう言ってるだろうが!!ラズバー!!お前全然強くないぞ!!少なくとも俺よりはるかに弱い。」
「この大賢者ラズバー様が竜にまたがる無能よりも弱いだと!!そんな!!」
「ブーストした超級魔法を使わなければ俺にダメージなんて通らないぞ!!あれぐらいの威力だったら俺にダメージを与える事なんてできない。なんでさっき超級魔法のサンダーストームを使わなかったんだ?」
「この大賢者ラズバー様は超級魔法のサンダーストームなんて覚えていない。サンダースパークがこの大賢者ラズバー様が覚えている最上位の魔法だ。」
「サンダースパークなんて中級魔法だろうが!!」
「超級魔法のサンダーストームも上級魔法のサンダーエリアも覚えておらんのか?」
「超級魔法も上級魔法も一切使えん。この大賢者ラズバー様の最上位の魔法はサンダースパークなのだ。」
「よくそんな実力で大賢者なんて名乗っていられるな全く。」
「ジャンの言う通りじゃ。大賢者を名乗っているくせに自分の力量すら分からんようじゃのう。」
「まあラズバーの方が無能だっていうのは知ってたけどな。」
「おい、この大賢者ラズバー様は無能ではない。グリンダムの町に置いてあるゴーレムを見ただろう。あのゴーレムはこの大賢者ラズバー様の最高傑作なのだ。非のつけどころがない素晴らしいゴーレムだっただろう。つまりこの大賢者ラズバー様は賢者としてはとても優秀なのだ。」
「えっ、あのゴーレムそんなにすごいゴーレムじゃなかったぞ。簡単に魔導回路を書き換えられたし。俺の攻撃一発でぶっ壊れてたぞ。」
「なんだと私の最高傑作の魔導回路をお前が書き換えたというのか?」
「ああ、そうだよ。」
ラズバーは頭を抱えてさらに大きなショックを受けていた。
「馬鹿な、この優秀な大賢者ラズバー様が、竜にまたがるだけの無能よりも劣っているというのか。この大賢者ラズバー様よりもジャン・リヒターの方が勝っているというのか。魔法の能力も賢者としての優秀さもこの大賢者ラズバー様よりもお前の方が上だというのか。そんな馬鹿なーーー!!!」
「ラズバー、お主はとんでもない無能者じゃぞ。ようやくそれに気がついたか。」
「そうだぞ、町のみんなもお前を大賢者だなんて微塵も思ってなかったぞ。」
ラズバーは両手を頭に抱えていた。
賢者としての自信を大きく喪失しているようだった。
「ううー、そんな・・バカな!!この大賢者ラズバー様が無能だったなんて!!うああああー!!」
ラズバーは大きくうなだれていた。
「よくこんな実力で魔王討伐ができたもんじゃのう。不思議で仕方ない。」
「まあこいつは所詮クレシーの腰巾着ですからね。」
そうだ忘れるところだった。
「そういえば自称大賢者様、もう2発俺は魔法を食らわしてもいいんだったよな?」
ラズバーが慌てた様子で俺に聞き返した。
「な、なに?」
「大サービスで3発攻撃していいんだったよな、まだあと2発残ってるぞ。」
するとラズバーが慌てたのだった。
「待て、待て!!はやまるな。」
そしてラズバーは俺にびびって後ずさりを始めたが、俺は構わずに再びサンダーストームの詠唱を始めた。
「その猛々しい閃光で全ての物を貫け!!サンダーストーム!!!」
俺の前に凄い数の電撃が集まっていき、その電撃は周囲の空間を走り回ってその数はどんどん増えていった。
すさまじい数の電撃が再びラズバーを貫いたのだった。
ラズバーは再び全身血まみれになって絶叫をあげる。
「ウギャー!!!痛いー、痛いー!!!死ぬー!!!」
ラズバーが再び床に倒れ込むと床の上を苦しそうにのたうち回っていた。
「うあああー!!あああーー!!」
するとラズバーが持っていたエリクサーやポーションが床に周囲に散乱したのだった。
ラズバーはその事を気にする余裕はないようで、床の上を苦しそうにのたうちまわっていた。
「痛いー!!痛いー!!」
俺は苦しむラズバーの様子を見ながらこうラズバーに言ってやった。
「さてとサンダーストームばっかりじゃ芸がないよな。最後の一発は炎魔法をお見舞いしてやるとするか!!」
ラズバーが苦痛に悶えた顔で俺を見上げた。
「な・・・に・・?」
するとラズバーは慌てて近くの床に落ちていたエリクサーの蓋を開けて口に含んだのだった。
俺はお構いなしに超級魔法のテラフレアの詠唱を始めた。
「今この地にあるものをその灼熱の炎で焼き尽くせ!!テラフレア!!」
俺の周囲はすさまじい高温となり、俺の前に特大の火球が形成されてそれはさらに大きくなっていった。そしてそれがラズバーめがけて飛んでいきラズバーはその火球に飲み込まれたのだった。
「ウギャー!!!あああ、あああ!!!あ・・あつい!!」
ラズバーが本当に苦しそうに悶えていた。
ラズバーは苦しそうに床をのたうち回っていた。
「ああああ!!た・・た・・助けて。」
そしてしばらくしてラズバーはその場で失神してしまうのだった。
俺達はこの様子を見届けていた。
「とりあえず終わったの、ジャン。」
「ええ、そうですね。」
「グリンダムはこれで大丈夫じゃろう。」
俺はラズバーの逮捕状を取り出して失神しているラズバーに大きな声で読み上げた。
「自称大賢者ラズバー!!!ミリアさんの誘拐及びその他多くの罪によってこの場で貴様を捕縛する。」
そして俺はラズバーを縛り上げると、そのままグリンダムの町へと連れて帰ったのだった。
ラズバーは俺の予想通りに自分から結界の外に出てきたのだった。
ラズバーは大笑いしながら俺達が待つ大広間に現れたのだった。
大広間でラズバーと対峙する形になった。
ラズバーの野郎が大きな声で言った。
「はっはっはっ!!竜にまたがるだけの無能めが!!わざわざこの大賢者ラズバー様にやられに来るとはな!!」
「ラズバー!!テメエを倒しにきてやったぞ。このジャン・リヒターがテメエをぶっ倒す!!」
「ふん、無能ふぜいがいきがるな。ジャン・リヒター!!お前のような無能では何も成す事はできんのだよ。まあいいだろう、竜にまたがるだけの無能!!少しだけ相手をしてやろう。ただし少しだけだ。この大賢者ラズバー様にはこの後ミリアとの楽しい一夜が待っているのだからな。」
ラズバーはミリアさんにそんな事をしようとしていたのか。
本当にどこまで腐ってやがるんだこいつは。
変な事をされる前にミリアさんを救出できて本当に良かったぜ。
「本当にクズ野郎だなテメエは!!だが残念だった!!ミリアさんならとっくに俺が助けたぜ。」
「なんだと?」
ラズバーは驚いた様子だった。
「さっき俺がミリアさんを救出したからな。」
「ふん、何を言いだすかと思えばそんなのどうせ嘘であろう?」
「嘘ではないぞ。この宮殿にいた兵士達はあらかたジャンが片づけてくれた。現にこの大広間には誰も駆けつけてこんじゃろうが。」
「何?」
団長の言う通りで大広間に駆けつけてくる宮殿の兵士はだれもいなかった。
そしてそれは俺達がラズバーの大宮殿を制圧した事を意味していた。
「なぜ誰もこない、まさか本当にミリアを誘拐したというのか?」
「ミリアさんを誘拐したのはテメエだろうが!!」
「おのれ!!ジャン・リヒター!!許さん、許さんぞ!!竜にまたがるだけの無能ごときが!!やっとミリアと一夜を共にできると思っておったのに!!」
「それはこっちの言葉だ。ラズバー!!テメエは絶対に許さねえ!!」
「竜にまたがるだけの無能!!光栄に思うがいい!!この大賢者ラズバー様が直々に相手をしてやるのだからな!!」
ラズバーとの戦闘が遂に始まった。
ラズバーが魔法の詠唱を始めた。
「閃光の輝きによってその身を貫け、サンダースパーク!!」
ラズバーが中級魔法のサンダースパークを唱えた。
中規模の雷の玉がラズバーの前に現れた。
俺はすぐに広域防御魔法であるラージプロテクションを発動する。
「ここにある全ての者達に魔法の盾を与えたまえ!!ラージプロテクション!!」
団長や俺の前にラージプロテクションの大きな魔法の盾が現れた。
その魔法の盾がサンダースパークを全て弾き飛ばしたのだった。
団長も俺も俺の防御魔法のおかげでノーダメージだった。
俺は次のラズバーの魔法攻撃に備えていた。
ラズバーが最上級の魔法である超級魔法を使ってくるのを警戒していたからだ。
するとラズバーが初級魔法のスパークを使ってきた。
「閃光よここに現れろ!!スパーク!!」
ラズバーが唱えた小さな雷の玉がラズバーの前に現れた。
その雷の玉が俺に向かって飛んできたが、俺の前にはラージプロテクションによる強力な魔法の盾が現れており、その雷の玉を弾き飛ばしたのだった。
ラズバーがこの場面で電撃の初級魔法であるスパークをなぜ使ってきた理由が分からずに俺はもう少し様子を伺う事にした。
するとまたラズバーが初級魔法のスパークを唱えた。
「閃光よここに現れろ!!スパーク!!」
またスパークの効果で雷の玉が俺に向かって飛んできたが、ラージプロテクションの効果で魔法の盾がまた雷の玉を弾き飛ばした。
スパークで油断させておいて超級魔法を使ってくる気かもしれないと考え、俺は警戒を緩めなかった。
するとラズバーが突然笑い出したのだった。
「はっはっはっ!!すでに勝負がついてしまったな。これが絶対的な強者と弱者の差というものだ。お前達はこの大賢者ラズバー様の魔法攻撃の前には手も足も出せない事がこれで分かったであろう。」
ラズバーは何を言ってるんだ?
俺はラズバーが俺を油断させて超級魔法による攻撃を仕掛けてくると考え、警戒を続ける。
だがラズバーは一向に詠唱をせずに話を始めたのだった。
「まあ竜にまたがる無能にしてはがんばった方だろうな。だが相手が悪かった。なにせお前たちの目の前に立ち塞がっているのはこの大賢者ラズバー様だったのだからな。これほど不運な事はないだろうからな。」
やはりラズバーは訳分からない事を言っている。
俺はラズバーの放ったサンダースパークやスパークではダメージを全く負っていなかった。
俺は完全にノーダメージだった。
俺のラージプロテクションの効果で団長もたぶんあまりダメージは受けていないだろう。
だがラズバーが笑いながら訳分からない事を言い続けた。
「竜にまたがるだけの無能、ジャン・リヒターよ。お前は本当に不運だったな。お前の相手がこの大賢者ラズバー様だったのがな!!」
ラズバーは一向に魔法攻撃を仕掛けてくる気配がなかったので、俺は一旦戦闘を中断してラズバーに尋ねる事にした。
「なあラズバー、さっきからテメエ何を言ってるんだ?」
「この大賢者ラズバー様のサンダースパークやスパークを食らってしまったのだ。お前は大ダーメージを食らってもはや立っているのもやっとなはずだ。」
やはりラズバーは訳の分からない事を言っている。
「いやさっきのサンダースパーク全然効かなかったぞ。俺はダメージなんか食らってないぞ。ノーダメージだ。」
「はっはっはっ!!強がるな、お前がやせ我慢をしている事ぐらいお見通しだ。さっさと倒れてしまった方が楽になれるぞ。」
「いやだからさっきのサンダースパークで俺はノーダメージだったんだ。」
だがラズバーは俺の話を聞かずに、話を続けるのだった。
「そうだ、このままこの大賢者ラズバー様の圧勝というのも面白くない。少しハンデをくれてやろう。ジャン・リヒター!!お前の魔法を一発いや大サビースで3発食らってやろう!!!お前らのような無能者ではこの大賢者ラズバー様にかすり傷一つすら負わせられないだろうからな。」
「なんだと?」
ラズバーが両手を広げて俺に言った。
「さあ遠慮はいらん。お前の魔法をサービスで3発食らってやるぞ!!お前の魔法をこの大賢者ラズバー様に放ってみろ!!もちろん防御魔法もかけんぞ!!」
そうか分かった。
俺はラズバーの望み通りに魔法を放つ事にした。
俺は超級魔法であるサンダーストームの詠唱を始めた。
「その猛々しい閃光で全ての物を貫け!!サンダーストーム!!!」
俺の前に凄い数の電撃が集まっていき、その電撃は周囲の空間を走り回ってその数はどんどん増えていった。
そしてすさまじい数の電撃が集まり、それら全ての電撃がラズバーを貫いたのだった。
次の瞬間、ラズバーは口から大量の血を吐き出してしまうのだった。
「ぐはっ!!何だと?」
ラズバーが血まみれになって床に倒れてしまった。
ラズバーが大きな声を出して苦しんでいた。
「ぐああああーー!!痛いーー、痛い!!なんだ、この痛みは!!なんなんだ激痛は?」
ラズバーは床をのたうち回りながら苦しんでいた。
そして少しして体を起こして立ち上がってきたのだった。
「ま、まさか、本当に私の魔法は効いていなかったのか!!」
ラズバーは心底驚いているようだった。
「だからさっきからそう言ってるだろうが!!ラズバー!!お前全然強くないぞ!!少なくとも俺よりはるかに弱い。」
「この大賢者ラズバー様が竜にまたがる無能よりも弱いだと!!そんな!!」
「ブーストした超級魔法を使わなければ俺にダメージなんて通らないぞ!!あれぐらいの威力だったら俺にダメージを与える事なんてできない。なんでさっき超級魔法のサンダーストームを使わなかったんだ?」
「この大賢者ラズバー様は超級魔法のサンダーストームなんて覚えていない。サンダースパークがこの大賢者ラズバー様が覚えている最上位の魔法だ。」
「サンダースパークなんて中級魔法だろうが!!」
「超級魔法のサンダーストームも上級魔法のサンダーエリアも覚えておらんのか?」
「超級魔法も上級魔法も一切使えん。この大賢者ラズバー様の最上位の魔法はサンダースパークなのだ。」
「よくそんな実力で大賢者なんて名乗っていられるな全く。」
「ジャンの言う通りじゃ。大賢者を名乗っているくせに自分の力量すら分からんようじゃのう。」
「まあラズバーの方が無能だっていうのは知ってたけどな。」
「おい、この大賢者ラズバー様は無能ではない。グリンダムの町に置いてあるゴーレムを見ただろう。あのゴーレムはこの大賢者ラズバー様の最高傑作なのだ。非のつけどころがない素晴らしいゴーレムだっただろう。つまりこの大賢者ラズバー様は賢者としてはとても優秀なのだ。」
「えっ、あのゴーレムそんなにすごいゴーレムじゃなかったぞ。簡単に魔導回路を書き換えられたし。俺の攻撃一発でぶっ壊れてたぞ。」
「なんだと私の最高傑作の魔導回路をお前が書き換えたというのか?」
「ああ、そうだよ。」
ラズバーは頭を抱えてさらに大きなショックを受けていた。
「馬鹿な、この優秀な大賢者ラズバー様が、竜にまたがるだけの無能よりも劣っているというのか。この大賢者ラズバー様よりもジャン・リヒターの方が勝っているというのか。魔法の能力も賢者としての優秀さもこの大賢者ラズバー様よりもお前の方が上だというのか。そんな馬鹿なーーー!!!」
「ラズバー、お主はとんでもない無能者じゃぞ。ようやくそれに気がついたか。」
「そうだぞ、町のみんなもお前を大賢者だなんて微塵も思ってなかったぞ。」
ラズバーは両手を頭に抱えていた。
賢者としての自信を大きく喪失しているようだった。
「ううー、そんな・・バカな!!この大賢者ラズバー様が無能だったなんて!!うああああー!!」
ラズバーは大きくうなだれていた。
「よくこんな実力で魔王討伐ができたもんじゃのう。不思議で仕方ない。」
「まあこいつは所詮クレシーの腰巾着ですからね。」
そうだ忘れるところだった。
「そういえば自称大賢者様、もう2発俺は魔法を食らわしてもいいんだったよな?」
ラズバーが慌てた様子で俺に聞き返した。
「な、なに?」
「大サービスで3発攻撃していいんだったよな、まだあと2発残ってるぞ。」
するとラズバーが慌てたのだった。
「待て、待て!!はやまるな。」
そしてラズバーは俺にびびって後ずさりを始めたが、俺は構わずに再びサンダーストームの詠唱を始めた。
「その猛々しい閃光で全ての物を貫け!!サンダーストーム!!!」
俺の前に凄い数の電撃が集まっていき、その電撃は周囲の空間を走り回ってその数はどんどん増えていった。
すさまじい数の電撃が再びラズバーを貫いたのだった。
ラズバーは再び全身血まみれになって絶叫をあげる。
「ウギャー!!!痛いー、痛いー!!!死ぬー!!!」
ラズバーが再び床に倒れ込むと床の上を苦しそうにのたうち回っていた。
「うあああー!!あああーー!!」
するとラズバーが持っていたエリクサーやポーションが床に周囲に散乱したのだった。
ラズバーはその事を気にする余裕はないようで、床の上を苦しそうにのたうちまわっていた。
「痛いー!!痛いー!!」
俺は苦しむラズバーの様子を見ながらこうラズバーに言ってやった。
「さてとサンダーストームばっかりじゃ芸がないよな。最後の一発は炎魔法をお見舞いしてやるとするか!!」
ラズバーが苦痛に悶えた顔で俺を見上げた。
「な・・・に・・?」
するとラズバーは慌てて近くの床に落ちていたエリクサーの蓋を開けて口に含んだのだった。
俺はお構いなしに超級魔法のテラフレアの詠唱を始めた。
「今この地にあるものをその灼熱の炎で焼き尽くせ!!テラフレア!!」
俺の周囲はすさまじい高温となり、俺の前に特大の火球が形成されてそれはさらに大きくなっていった。そしてそれがラズバーめがけて飛んでいきラズバーはその火球に飲み込まれたのだった。
「ウギャー!!!あああ、あああ!!!あ・・あつい!!」
ラズバーが本当に苦しそうに悶えていた。
ラズバーは苦しそうに床をのたうち回っていた。
「ああああ!!た・・た・・助けて。」
そしてしばらくしてラズバーはその場で失神してしまうのだった。
俺達はこの様子を見届けていた。
「とりあえず終わったの、ジャン。」
「ええ、そうですね。」
「グリンダムはこれで大丈夫じゃろう。」
俺はラズバーの逮捕状を取り出して失神しているラズバーに大きな声で読み上げた。
「自称大賢者ラズバー!!!ミリアさんの誘拐及びその他多くの罪によってこの場で貴様を捕縛する。」
そして俺はラズバーを縛り上げると、そのままグリンダムの町へと連れて帰ったのだった。
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冒険者ギルドに所属しているエンジは剣と魔法の才能が無く、文字を書くことだけが取り柄であった。落ちこぼれスキル【転写】を使いギルド帳の筆記作業で生計を立てていた。そんなある日、立ち寄った勇者パーティーの貴重な古代書を間違って書き写してしまい、盗人扱いされ、勇者によってギルドから追放されてしまう。
追放されたエンジは、【転写】スキルが、物やスキル、ステータスや魔法に至るまで何でも【コピー】できるほどに極められていることに気が付く。
やがて彼は【コピー】マスターと呼ばれ、世界最強の冒険者となっていくのであった。
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劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
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海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
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一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
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Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
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シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
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これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
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異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
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山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
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その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
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