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3話 国境の町
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それから俺は国境の近く町カリーナに到着した。
すでに時間は日暮れ時となっていた。
すると町の出入り口の所にミーシャとナタリーが待っていた。
「ジャン、盗賊さん達はどうなったの?」
「ああ、適度に痛めつけておいた。」
「それでミーシャ、団長はもう着いてるのか?」
「うん、レティシア様も他のみんなも宿屋に到着してる。あとは私達だけ。」
「そうか、分かった。」
俺達はすぐにカリーナの宿屋へと向かった。
カリーナの宿屋はかなり大きな宿屋だった。
宿屋のロビーに団長や竜騎士のみんなは集まって話し込んでいたのだった。
俺達が来た事に気がついた団長が俺に声を掛けてきた。
「ジャン、遅かったのう。盗賊達とやりあっておると聞いたから心配したぞ。」
「よしてください。あんな連中に遅れは取りませんよ。」
「それであれから何かありましたか?」
「さきほど王都より正式に通達があった。ワシらは全員国外追放処分だそうじゃ。クレシーが言った通りに3日以内にこのホルキス王国から出て行くようにとの事じゃ。」
「くそ本当にあいつら!!一体何様をつもりだ!!」
俺は改めてクレシーとラズバーに激しい怒りを覚えたのだった。
勇者クレシーも賢者ラズバーも増長してやりたい放題している。
あんな奴らに俺の今までやってきた事を否定されるいわれはどこにもない。
にも関わらず突然現れて俺達竜騎士がやってきた事を全否定しやがった。
俺はその事に怒りを感じずにはいられなかった。
俺は少しの間はらわたが煮えくり返っていたが、すぐに冷静さを取り戻して団長に尋ねた。
「それで団長、いつ出国するんですか?」
「うーむ、その事で一つ問題が発生しておってな。」
「問題ですか、何です?」
「出国先に困ておるところじゃ。」
「出国先ですか。」
「国外に出国するとなるとアルノヴァ帝国かグリンダムのどちらかとなるが。」
「ホルキス王国と国境を接しているのはこの2か国ですからね。」
俺達のいるホルキス王国はアルノヴァ帝国とグリンダムの二つの国と国境を接していた。
カリーナの町はこの2か国のどちらの国境とも近かった。
「まずアルノヴァ帝国じゃが。アルノヴァ帝国はワシらをとても警戒しているようじゃ。アルノヴァ帝国領内の村リーゼルに大軍を送り込んでおる。恐らく意地でもワシらを入国させないつもりじゃろうな。」
「リーゼルはこのカリーナからも近い。そうなるとアルノヴァはこれを何かの計略か何かだと疑ってる訳か。」
「ついこの前アルノヴァ帝国とやりあったばかりじゃかろう。ホルキス王国の竜騎士団が追放されましたと言われて、はいそうですか。とは思わんじゃろうな。」
ホルキス王国とアルノヴァ帝国の関係は良好とはほど遠い状態だった。
アルノヴァ帝国はつい2週間ほど前にこのカリーナとは別の国境付近での武力衝突がありアルノヴァ帝国の撃退作戦には俺達も参加していたのだった。
「団長、アルノヴァ帝国に行くつもりなんですか?」
「国外追放となった以上、アルノヴァ帝国かグリンダムに行くしかなかろう。」
「つい先日までアルノヴァと戦ってたんですよ。アルノヴァにはあまり行きたくありません。」
「ワシとしてもできればアルノヴァではなくグリンダムに行たいんじゃが。グリンダムはダメなんじゃよ。」
「レティシア様、なぜですか?グリンダムはホルキス王国と良好な関係なはず。それにグリンダムは商業国家だから人の往来も比較的自由にさせてくれるはず。」
「今回ワシらの追放を積極的に推し進めておったのは、大勇者クレシーと大賢者ラズバーじゃ。グリンダムの冒険者ギルドマスターはそのラズバーがやっておるのじゃぞ。グリンダムではラズバーが幅を利かせているとも聞いておるし、ワシらの入国を認めてくれるとはとても思えん。」
「まったくおかしな話だな。国外追放処分が出ているいうのに、どこにも出国できないなんてな。」
「まあ出国するという事は相手国からしたら入国になるから。ましてやホルキス王国竜騎士団となれば警戒されるのは仕方ない。」
団長は困った様子で頭を抱えていた。
「それで困っておったのじゃよ。」
するとナタリーが団長にこう言ったのだった。
「そうだ、その件でレティシア様に一つ提案したい事があるのですが。」
「ん、なんじゃナタリー?」
「グリンダムへの密入国ならば可能かもしれません。」
「グリンダムへの密入国じゃと。」
「実は私の叔父であるリール副市長から、さきほど連絡がありまして。密入国の手助けをしたいとの事でした。」
そういえばナタリーはグリンダムの出身だと前に聞いた事があった。
団長とナタリーは話を続けた。
「ほう、リールが密入国の手伝いをしてくれると。」
「はい、もちろん必要な物資なども用意してもらえるとの事でした。」
「ふむ、逃亡の手助けをしてくれるというならありがたい話じゃが、リールがワシらを密入国を手助けしてくれる理由はなんじゃ?」
「はい、それは。」
「ナタリー、すまんが後にしてもらおうかのう。」
「えっ?」
俺が団長に言った。
「おちおち話も聞いてられませんね。」
「全くじゃな。」
俺はこのカリーナの町に向かってたくさんの人間が近づいてきている事に気がついたからであった。
恐らく団長もそれに気がついてナタリーとの会話を止めたのだろう。
「ミーシャ、人数は分かるか?」
「たぶん2000はいると思う。二千人の武装した人間がこの町に向かってきてる。」
すると外から宿屋の中に町の人が飛び込んできたのだった。
「た、大変だ。カリーナにたくさんの盗賊達が向かってきてるぞ!!」
すでに時間は日暮れ時となっていた。
すると町の出入り口の所にミーシャとナタリーが待っていた。
「ジャン、盗賊さん達はどうなったの?」
「ああ、適度に痛めつけておいた。」
「それでミーシャ、団長はもう着いてるのか?」
「うん、レティシア様も他のみんなも宿屋に到着してる。あとは私達だけ。」
「そうか、分かった。」
俺達はすぐにカリーナの宿屋へと向かった。
カリーナの宿屋はかなり大きな宿屋だった。
宿屋のロビーに団長や竜騎士のみんなは集まって話し込んでいたのだった。
俺達が来た事に気がついた団長が俺に声を掛けてきた。
「ジャン、遅かったのう。盗賊達とやりあっておると聞いたから心配したぞ。」
「よしてください。あんな連中に遅れは取りませんよ。」
「それであれから何かありましたか?」
「さきほど王都より正式に通達があった。ワシらは全員国外追放処分だそうじゃ。クレシーが言った通りに3日以内にこのホルキス王国から出て行くようにとの事じゃ。」
「くそ本当にあいつら!!一体何様をつもりだ!!」
俺は改めてクレシーとラズバーに激しい怒りを覚えたのだった。
勇者クレシーも賢者ラズバーも増長してやりたい放題している。
あんな奴らに俺の今までやってきた事を否定されるいわれはどこにもない。
にも関わらず突然現れて俺達竜騎士がやってきた事を全否定しやがった。
俺はその事に怒りを感じずにはいられなかった。
俺は少しの間はらわたが煮えくり返っていたが、すぐに冷静さを取り戻して団長に尋ねた。
「それで団長、いつ出国するんですか?」
「うーむ、その事で一つ問題が発生しておってな。」
「問題ですか、何です?」
「出国先に困ておるところじゃ。」
「出国先ですか。」
「国外に出国するとなるとアルノヴァ帝国かグリンダムのどちらかとなるが。」
「ホルキス王国と国境を接しているのはこの2か国ですからね。」
俺達のいるホルキス王国はアルノヴァ帝国とグリンダムの二つの国と国境を接していた。
カリーナの町はこの2か国のどちらの国境とも近かった。
「まずアルノヴァ帝国じゃが。アルノヴァ帝国はワシらをとても警戒しているようじゃ。アルノヴァ帝国領内の村リーゼルに大軍を送り込んでおる。恐らく意地でもワシらを入国させないつもりじゃろうな。」
「リーゼルはこのカリーナからも近い。そうなるとアルノヴァはこれを何かの計略か何かだと疑ってる訳か。」
「ついこの前アルノヴァ帝国とやりあったばかりじゃかろう。ホルキス王国の竜騎士団が追放されましたと言われて、はいそうですか。とは思わんじゃろうな。」
ホルキス王国とアルノヴァ帝国の関係は良好とはほど遠い状態だった。
アルノヴァ帝国はつい2週間ほど前にこのカリーナとは別の国境付近での武力衝突がありアルノヴァ帝国の撃退作戦には俺達も参加していたのだった。
「団長、アルノヴァ帝国に行くつもりなんですか?」
「国外追放となった以上、アルノヴァ帝国かグリンダムに行くしかなかろう。」
「つい先日までアルノヴァと戦ってたんですよ。アルノヴァにはあまり行きたくありません。」
「ワシとしてもできればアルノヴァではなくグリンダムに行たいんじゃが。グリンダムはダメなんじゃよ。」
「レティシア様、なぜですか?グリンダムはホルキス王国と良好な関係なはず。それにグリンダムは商業国家だから人の往来も比較的自由にさせてくれるはず。」
「今回ワシらの追放を積極的に推し進めておったのは、大勇者クレシーと大賢者ラズバーじゃ。グリンダムの冒険者ギルドマスターはそのラズバーがやっておるのじゃぞ。グリンダムではラズバーが幅を利かせているとも聞いておるし、ワシらの入国を認めてくれるとはとても思えん。」
「まったくおかしな話だな。国外追放処分が出ているいうのに、どこにも出国できないなんてな。」
「まあ出国するという事は相手国からしたら入国になるから。ましてやホルキス王国竜騎士団となれば警戒されるのは仕方ない。」
団長は困った様子で頭を抱えていた。
「それで困っておったのじゃよ。」
するとナタリーが団長にこう言ったのだった。
「そうだ、その件でレティシア様に一つ提案したい事があるのですが。」
「ん、なんじゃナタリー?」
「グリンダムへの密入国ならば可能かもしれません。」
「グリンダムへの密入国じゃと。」
「実は私の叔父であるリール副市長から、さきほど連絡がありまして。密入国の手助けをしたいとの事でした。」
そういえばナタリーはグリンダムの出身だと前に聞いた事があった。
団長とナタリーは話を続けた。
「ほう、リールが密入国の手伝いをしてくれると。」
「はい、もちろん必要な物資なども用意してもらえるとの事でした。」
「ふむ、逃亡の手助けをしてくれるというならありがたい話じゃが、リールがワシらを密入国を手助けしてくれる理由はなんじゃ?」
「はい、それは。」
「ナタリー、すまんが後にしてもらおうかのう。」
「えっ?」
俺が団長に言った。
「おちおち話も聞いてられませんね。」
「全くじゃな。」
俺はこのカリーナの町に向かってたくさんの人間が近づいてきている事に気がついたからであった。
恐らく団長もそれに気がついてナタリーとの会話を止めたのだろう。
「ミーシャ、人数は分かるか?」
「たぶん2000はいると思う。二千人の武装した人間がこの町に向かってきてる。」
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