(完結)大聖女を頑張っていた私が悪役令嬢であると勝手に決めつけられて婚約破棄されてしまいました。その子に任せたらあなたの人生は終わりですよ。

しまうま弁当

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一方その頃、王城の謁見の間ではフェルドが父親であるマルステイン国王に怒られていたのであった。

「フェルド!!貴様どういうつもりだ。マリー殿との婚約を破棄したそうではないか!!悪役令嬢などと無礼な事を言いまくっていたそうだな!!しかも余に無断でマリー殿を大聖女の地位からはく奪するという触れまで出したそうだな!!いつからお前は国王になったのだ??お触れは国王である余にしか出せぬのだぞ!!」

フェルドは激高する国王をなだめるしかなかったのだった。

「父上、お怒りを静めてください。」

国王がフェルドに言った。

「お前が余を怒らせておるのだ!!お前から王位継承権を取り上げる。良いな!!!」

フェルドは困惑した顔で国王に尋ねた。

「なぜにございますか!!!」

国王が大きな声でフェルドに言った。

「こんな愚かな事をする人間を王位になどつけられるか!!」

フェルドが国王に言った。

「父上!!これには理由があったのです。」

「どんな理由だ??言ってみよ。」

「実は婚約破棄を申し入れてきたのはマリーの方なのです。」

「なんだと??」

「それで私が仕方なく婚約破棄をしたのです。ですがお触れを出した事や悪役令嬢と宣言したなどという話も関しても全く知りません。きっと誰かが誤った情報を知らせたのでしょう。」

フェルドは王位継承権を取り上げられるのを恐れて事実とは正反対の大ウソを国王についたのだった。

フェルドの思惑通りにこれを聞いた国王は怒りを静めたのだった。

「そうだったのか。ならば構わん。マリー殿はいままでセリーナをよく助けてくれた。このマルステイン王国が平和でいられるのもマリー殿の力が大きかったからな。マリー殿がそう申されるのならばいた仕方がない。」

「しかしフェルド??それは事実なのであろうな??口から出まかせではないだろうな??嘘ならば許さんからな!!」
 
「もちろんです。父上!!すべて事実でございます。」

「そうか分かった。ただマリー殿が抜けた穴はとてつもなく大きい。これをどうするかだな??」

フェルドはここぞとばかりに国王に言った。

「父上その心配はございません。マリーが抜けた穴はスザンヌがカバーいたします。実はスザンヌは大聖女なのです。結界も張れますし、加護を与えたり大きな治癒の力も持っています。」

国王がフェルドに言った。

「ほう??スザンヌはそれすごい娘なのか?他に信託を受けた者がいるという話は聞いた事もないが?」

「父上、スザンヌならやってくれます。スザンヌはそれほどの大聖女なのです。」

「分かった、ではスザンヌをここに連れてきてくれ。」

フェルドは新しく用意したスザンヌの部屋に行って、スザンヌを連れてきたのだった。

謁見の間の外で小声でフェルドがスザンヌに言った。

「いいかい、スザンヌ、父上に何を聞かれても、スザンヌにお任せください、大丈夫です、と答えるんだ。」

スザンヌがフェルドに言った。

「分かりました。」

そしてフェルドとスザンヌは国王が待つ謁見の間に戻ったのだった。

謁見の間でスザンヌが国王に言った。

「お呼びですか?国王様??」

国王がスザンヌに言った。

「ふむ、スザンヌ呼び出してすまないが、おぬしが大聖女の資格があるいとうのは事実か?」

スザンヌが国王に言った。

「はいその通りです、私ならどんな奇跡だって起こせる気がします。」

国王がスザンヌに尋ねた。

「実は大聖女のやくを貴殿に任せようと考えておるが大丈夫か?」

スザンヌが国王に言った。

「はい、お任せください。」

国王がスザンヌに言った。

「無理ならば無理と言うのだぞ!!大聖女は大役なのだ。人々に加護を与えて、治癒院にやってきた人々に治療を行う。王国を守る神聖な結界を張ってそれを維持し続けねばならない。しくじればそれはそのまま王国の危機となってしまうからな。」

スザンヌが国王に言った。

「大丈夫です心配する必要は全くありません。国王様、このスザンヌ、きっと大聖女の仕事を果たしてみせます。」

国王はうなずきながらスザンヌに言った。

「分かった、そこまで言うなら任せよう!!」

国王がフェルドとスザンヌに言った。

「ではフェルド、スザンヌ!!二人で王国を守っていくのだぞ!!!」

二人がそれに答えた。

「はい、わかりました。」

「お任せください、父上!!!」

ですが国王はこの判断が大失敗である事をすぐに思い知らされるのでした。

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