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さてどうしましょうか?こういう時は実家に戻るというのが普通なんでしょうけど。
私は離宮の門の所で実家のメドリス伯爵領に戻るために馬車を呼んで、待っていました。
すると勢い良く走ってきた馬車がマリーの目の前で止まると一人の青年が慌てて降りてきました。
金色の髪に青い瞳を持ち顔立ちの整った青年が私に言いました。
「マリーすまない!!!王宮主催の舞踏会に出席したかったんだが、間に合わせる事ができなかった!!君にはなんと詫びればいいか。」
彼は私の幼なじみのミハエルです。彼はグスタリア公爵家の長男のミハエルで私と同い年です。
わが父のメドリス伯爵家とミハエルのお父様であるグスタリア公爵とは親友同士らしく、昔から我がメドリス伯爵家とグスタリア公爵家とは家ぐるみの付き合いをしており、幼い時からミハエルとは長い時間を一緒に過ごしてきました。楽しい事も辛い事もミハエルと一緒に分かち合ってきました。
私はミハエルに言いました。
「いえもう大丈夫です。実はもう王宮にはいる事ができなくなってしまったので。」
私の含みある言い方にミハエルが私に尋ねました。
「マリー??もしかして何かあったのかい??」
「はい実は。」
私はミハエルにフェルドから婚約破棄された事を話したのです。
ミハエルは驚いた様子で私に言いました。
「なんだって??それで婚約破棄されたうえに大聖女の地位も取り上げられて王宮を追い出されてしまったのかい?」
私がミハエルに言います。
「はい、そうです。さらに貴族学院の退学とこの王国からの追放処分も宣言されました。」
するとミハエルはすごく怒った様子で言いました。
「フェルドの奴!!よくもマリーに恥をかかせてくれたな!!」
駆けだそうとするミハエルに私は尋ねました。
「ミハエル??どこにいくのですか?」
ミハエルが私に言いました。
「フェルドの奴をぶん殴りに行ってくる。マリーにこんな恥をかかせた事を後悔させてやらないと気がすまない。フェルドの奴ふざけた事をしやがって!!」
私がミハエルに尋ねました。
「ミハエル、私の事を心配してくれるのですか?」
ミハエルが私に言いました。
「当然だ、マリーがひどい目にあわされたんだ。怒るに決まっているだろう。おのれフェルドをやつめ!!マリーと婚約できるなんてこの大陸一の幸せ者だぞ!!!それを自ら捨てるなんてどうかしている!!フェルドの奴を許す事なんてできるわけがない。」
私はミハエルを落ち着かせる為に彼に言いました。
「ありがとうございます。でももう大丈夫です。正直今回の事でフェルドには愛想が尽きました。もうフェルドと一緒にいたいと思っていませんので。」
それを聞いたミハエルは少し落ち着いた様子で私に言いました。
「そうなのかい??いやそうだとしてもやはりフェルドを許す事はできないな。マリーを困らせた事には変わりないわけだ。」
私がミハエルに言いました。
「本当に大丈夫ですから、それよりもミハエル?一つお願いがあるんですけどいいですか?」
「なんだい?」
「ミハエルの実家であるグスタリア公爵領に連れっててもらえませんか?」
「えっ?別に構わないけど?実家のメドリス伯爵領には戻らなくていいのかい?」
「実家に戻っていると間に合わなくなってしまうんです。」
「間に合わなくなるというのは?」
「おそらくこれから大きな危機が訪れると思います。」
「大きな危機??」
「はい、ですので急いで準備に取り掛かりたいのです。」
「分かった。ならすぐにグスタリア公爵領に向かうとしよう。」
「ミハエル?あなたは私の言葉を信じてくれるのですか?」
「当然だ、俺はマリーをこの大陸で一番信用しているからね。それにマリーが家に来てくれるというのなら、歓迎するのは当然の事だろう?」
私はミハエルの馬車に乗ってグスタリア公爵領に向かいました。
私は離宮の門の所で実家のメドリス伯爵領に戻るために馬車を呼んで、待っていました。
すると勢い良く走ってきた馬車がマリーの目の前で止まると一人の青年が慌てて降りてきました。
金色の髪に青い瞳を持ち顔立ちの整った青年が私に言いました。
「マリーすまない!!!王宮主催の舞踏会に出席したかったんだが、間に合わせる事ができなかった!!君にはなんと詫びればいいか。」
彼は私の幼なじみのミハエルです。彼はグスタリア公爵家の長男のミハエルで私と同い年です。
わが父のメドリス伯爵家とミハエルのお父様であるグスタリア公爵とは親友同士らしく、昔から我がメドリス伯爵家とグスタリア公爵家とは家ぐるみの付き合いをしており、幼い時からミハエルとは長い時間を一緒に過ごしてきました。楽しい事も辛い事もミハエルと一緒に分かち合ってきました。
私はミハエルに言いました。
「いえもう大丈夫です。実はもう王宮にはいる事ができなくなってしまったので。」
私の含みある言い方にミハエルが私に尋ねました。
「マリー??もしかして何かあったのかい??」
「はい実は。」
私はミハエルにフェルドから婚約破棄された事を話したのです。
ミハエルは驚いた様子で私に言いました。
「なんだって??それで婚約破棄されたうえに大聖女の地位も取り上げられて王宮を追い出されてしまったのかい?」
私がミハエルに言います。
「はい、そうです。さらに貴族学院の退学とこの王国からの追放処分も宣言されました。」
するとミハエルはすごく怒った様子で言いました。
「フェルドの奴!!よくもマリーに恥をかかせてくれたな!!」
駆けだそうとするミハエルに私は尋ねました。
「ミハエル??どこにいくのですか?」
ミハエルが私に言いました。
「フェルドの奴をぶん殴りに行ってくる。マリーにこんな恥をかかせた事を後悔させてやらないと気がすまない。フェルドの奴ふざけた事をしやがって!!」
私がミハエルに尋ねました。
「ミハエル、私の事を心配してくれるのですか?」
ミハエルが私に言いました。
「当然だ、マリーがひどい目にあわされたんだ。怒るに決まっているだろう。おのれフェルドをやつめ!!マリーと婚約できるなんてこの大陸一の幸せ者だぞ!!!それを自ら捨てるなんてどうかしている!!フェルドの奴を許す事なんてできるわけがない。」
私はミハエルを落ち着かせる為に彼に言いました。
「ありがとうございます。でももう大丈夫です。正直今回の事でフェルドには愛想が尽きました。もうフェルドと一緒にいたいと思っていませんので。」
それを聞いたミハエルは少し落ち着いた様子で私に言いました。
「そうなのかい??いやそうだとしてもやはりフェルドを許す事はできないな。マリーを困らせた事には変わりないわけだ。」
私がミハエルに言いました。
「本当に大丈夫ですから、それよりもミハエル?一つお願いがあるんですけどいいですか?」
「なんだい?」
「ミハエルの実家であるグスタリア公爵領に連れっててもらえませんか?」
「えっ?別に構わないけど?実家のメドリス伯爵領には戻らなくていいのかい?」
「実家に戻っていると間に合わなくなってしまうんです。」
「間に合わなくなるというのは?」
「おそらくこれから大きな危機が訪れると思います。」
「大きな危機??」
「はい、ですので急いで準備に取り掛かりたいのです。」
「分かった。ならすぐにグスタリア公爵領に向かうとしよう。」
「ミハエル?あなたは私の言葉を信じてくれるのですか?」
「当然だ、俺はマリーをこの大陸で一番信用しているからね。それにマリーが家に来てくれるというのなら、歓迎するのは当然の事だろう?」
私はミハエルの馬車に乗ってグスタリア公爵領に向かいました。
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