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衛兵の一人が兜を脱いで顔を出した。
「それはこちらのセリフだ。王子様への暴行が許されると思っているのか??」
すると薄汚い格好の男性は自分の髪の毛を引き抜いた。
いや引き抜いたのではなく黒髪のカツラを投げ捨てたのだった。
そして金髪の綺麗な髪がなびくのだった。
「ク、クリフ王子様???」
青い顔をした貴族達はそう叫ぶと慌ててその男性の前に並んで膝をつき始めた。
兜を脱いだ衛兵がその男性に言った。
「王子、お戯れはほどほどになさいませ。すぐにお召し物を用意致しますのでお着換えください。」
「ああ、すまい。」
クリフ王子は広間の奥に下がっていった。
少しして煌びやかな衣装を着たクリフ王子が現れた。
「さて、みなすまない待たせてしまったね。」
「クリフ王子様、この度はご尊顔を拝して誠に喜ばしい事にございます。」
するとクリフ王子様が私の前にやってきた。
「レイヤー伯爵家の令嬢エリゼ様??このグリュンダル・エトゥーダル・クリフはあなた様に恋をしております。私の妃になっていただけませんでしょうか?」
するとクリードが大声で言った。
「お待ちください!!!クリフ王子様!!!そいつは下民の血が混ざってるのです。純粋な貴族ではありません!!そんなクズを王家に入れれば末代までの恥になりますよ!!」
クリフ王子がクリードに言った。
「これほど可憐でお優しい方に私は会った事がありません。」
「ですからそいつは下民の出なんです!!」
「それは大した問題なのですか??」
「何という事だ。クリフ王子様がこのような下民の女にたぶらかされるとは。」
すると兜を脱いだ衛兵がクリードに言った。
「クリード!!!大事な事を忘れていないか??」
クリードがキレた様子で睨み返した。
「ああっ??」
「お前はクリフ王子様に対して暴行を行った。子爵家の当主ともあろう者が王子に暴行を加えるなどあってはならん事だ。」
「それはクリフ王子様が卑しい下民の格好をしていたからでしょう。」
「ほう、では何か?王子様が汚れた服を着ていたら殴ろうが蹴ろうが構わない!!!そう言いたいのか!!」
「王子の腰巾着ふぜいが図にのるな!!!」
「ならワシが直接言ってやろう!!!」
声がした方を振り返ると国王様が現れたのだった。
「国王様??」
「父上??」
今度は貴族達が国王様のもとに整列するのだった。
国王がみなに言った。
「せっかくの舞踏会を邪魔してすまぬな。」
すると国王がクリードに言った。
「デリーク子爵!!!貴殿から子爵の位と子爵領であるバステニアを取り上げる!!!」
クリードが驚いて言った。
「何??」
「バステニアの領民達からワシ宛に直訴状が届いておる。デリーク子爵の過酷な税の取り立てにもう耐えられないとな!!!」
「なんだとクソ下民共が!!!この子爵様があれだけいたぶったり搾り取ってやったのに!!その恩義を忘れやがって!!!」
「それに加えてレイヤー伯への恐喝行為と我が息子クリフへの暴行、爵位を取り上げられて当然であろう!!」
そして衛兵達がクリード子爵を取り囲んで、彼を取り押さえたのだった。
「はなせ!!!馬鹿野郎共!!!俺は子爵様だぞ!!!」
クリードは大声でわめき散らしながら地下牢へと連れていかれたのだった。
私はその様子を見ながらため息をついた。
「まったくとんでもない奴ね。あんなのと婚約する予定だったと思うとぞっとするわ。」
「エリゼ様、災難でしたね。」
クリフ王子は屈託のない笑顔を私に向けてくる。
そうだクリードが喚き散らしていたせいで忘れていたがクリフ王子様から求婚されたのだった。
私はどうしていいか分からず変な返答をしてしまった。
「えっと?あの??クリフ王子様??」
やばい、どうしよう??クリフ王子様から求婚されるなんて??
「エリゼ様は可愛くて素敵ですね。」
クリフ王子様は屈託のない笑顔でそう言ってくる。
すると急に私の心臓はドキドキと脈を打って、顔は真っ赤になっていただろう。
私はドギマギした気持ちを自分で感じながらクリフ王子様に見られているのが恥ずかしくなりました。
「少し歩きませんか?」
私はクリフ王子様と庭園を歩く事にしました。
庭園は綺麗な噴水や花々が手入れされており、とても美しかった。
「クリフ様?いつから私の事を??」
「ずっと前からです。舞踏会で会う度にとても素敵な方だと思っておりました。」
「突然の事で困惑されるのも当然でしょう。ゆっくりお考えください。返答はいくらでもお待ちいたしますので。」
「あのうクリフ様?いつもあのような格好で城の外に出歩かれるのですか?」
「ええちょくちょく出かけていますよ。この王国の人々の営みをこの目で直接見ていきたいと思っていますので。王子の格好で行けばみな私に気を使わせてしまいますからね。」
クリフ王子様はちゃんと王国の人々と向き合おうとしている。
どっかの誰かさんとはえらい違いですね。
するとクリフ王子は私に笑顔で言いました。
「クリフで構いませんよ。エリゼ様。あなたにはクリフと呼ばれたいですしね。」
「分かりました。」
「でしたら私の事もエリゼと呼んでください。」
「分かりました。エリゼ様。」
「クリフ??」
「すいません、エリゼ様とお話しできてとても舞い上がっているのです。心臓がドキドキしているのです。」
えっ??クリフも私と同じ事を思ってたの??
「ぷっ!!クスクス!!」
「ひどいですよエリゼ!!勇気を出してあなたに告白したのですよ。」
「ごめんなさい。クリフ。実は私も一緒なのです。クリフの前では心臓がドキドキして恥ずかしくなってしまうのです。」
「えっ?それじゃあ。」
クリフと一緒にいられたらどれだけ幸せだろう。
クリフとお話した時間はひと時でしたが本当に楽しくて心地よいひと時でした。
「クリフ、お受けします。私もクリフが大好きになりました。あなたと添い遂げたいです。あなたにとっての大事な人でありたいです。」
クリフといつまでも一緒にいたい心からそう思いました。
ずっとクリフの側にいたい。クリフと添い遂げたい。心からそう思えて心からそう願えたんです。
END
「それはこちらのセリフだ。王子様への暴行が許されると思っているのか??」
すると薄汚い格好の男性は自分の髪の毛を引き抜いた。
いや引き抜いたのではなく黒髪のカツラを投げ捨てたのだった。
そして金髪の綺麗な髪がなびくのだった。
「ク、クリフ王子様???」
青い顔をした貴族達はそう叫ぶと慌ててその男性の前に並んで膝をつき始めた。
兜を脱いだ衛兵がその男性に言った。
「王子、お戯れはほどほどになさいませ。すぐにお召し物を用意致しますのでお着換えください。」
「ああ、すまい。」
クリフ王子は広間の奥に下がっていった。
少しして煌びやかな衣装を着たクリフ王子が現れた。
「さて、みなすまない待たせてしまったね。」
「クリフ王子様、この度はご尊顔を拝して誠に喜ばしい事にございます。」
するとクリフ王子様が私の前にやってきた。
「レイヤー伯爵家の令嬢エリゼ様??このグリュンダル・エトゥーダル・クリフはあなた様に恋をしております。私の妃になっていただけませんでしょうか?」
するとクリードが大声で言った。
「お待ちください!!!クリフ王子様!!!そいつは下民の血が混ざってるのです。純粋な貴族ではありません!!そんなクズを王家に入れれば末代までの恥になりますよ!!」
クリフ王子がクリードに言った。
「これほど可憐でお優しい方に私は会った事がありません。」
「ですからそいつは下民の出なんです!!」
「それは大した問題なのですか??」
「何という事だ。クリフ王子様がこのような下民の女にたぶらかされるとは。」
すると兜を脱いだ衛兵がクリードに言った。
「クリード!!!大事な事を忘れていないか??」
クリードがキレた様子で睨み返した。
「ああっ??」
「お前はクリフ王子様に対して暴行を行った。子爵家の当主ともあろう者が王子に暴行を加えるなどあってはならん事だ。」
「それはクリフ王子様が卑しい下民の格好をしていたからでしょう。」
「ほう、では何か?王子様が汚れた服を着ていたら殴ろうが蹴ろうが構わない!!!そう言いたいのか!!」
「王子の腰巾着ふぜいが図にのるな!!!」
「ならワシが直接言ってやろう!!!」
声がした方を振り返ると国王様が現れたのだった。
「国王様??」
「父上??」
今度は貴族達が国王様のもとに整列するのだった。
国王がみなに言った。
「せっかくの舞踏会を邪魔してすまぬな。」
すると国王がクリードに言った。
「デリーク子爵!!!貴殿から子爵の位と子爵領であるバステニアを取り上げる!!!」
クリードが驚いて言った。
「何??」
「バステニアの領民達からワシ宛に直訴状が届いておる。デリーク子爵の過酷な税の取り立てにもう耐えられないとな!!!」
「なんだとクソ下民共が!!!この子爵様があれだけいたぶったり搾り取ってやったのに!!その恩義を忘れやがって!!!」
「それに加えてレイヤー伯への恐喝行為と我が息子クリフへの暴行、爵位を取り上げられて当然であろう!!」
そして衛兵達がクリード子爵を取り囲んで、彼を取り押さえたのだった。
「はなせ!!!馬鹿野郎共!!!俺は子爵様だぞ!!!」
クリードは大声でわめき散らしながら地下牢へと連れていかれたのだった。
私はその様子を見ながらため息をついた。
「まったくとんでもない奴ね。あんなのと婚約する予定だったと思うとぞっとするわ。」
「エリゼ様、災難でしたね。」
クリフ王子は屈託のない笑顔を私に向けてくる。
そうだクリードが喚き散らしていたせいで忘れていたがクリフ王子様から求婚されたのだった。
私はどうしていいか分からず変な返答をしてしまった。
「えっと?あの??クリフ王子様??」
やばい、どうしよう??クリフ王子様から求婚されるなんて??
「エリゼ様は可愛くて素敵ですね。」
クリフ王子様は屈託のない笑顔でそう言ってくる。
すると急に私の心臓はドキドキと脈を打って、顔は真っ赤になっていただろう。
私はドギマギした気持ちを自分で感じながらクリフ王子様に見られているのが恥ずかしくなりました。
「少し歩きませんか?」
私はクリフ王子様と庭園を歩く事にしました。
庭園は綺麗な噴水や花々が手入れされており、とても美しかった。
「クリフ様?いつから私の事を??」
「ずっと前からです。舞踏会で会う度にとても素敵な方だと思っておりました。」
「突然の事で困惑されるのも当然でしょう。ゆっくりお考えください。返答はいくらでもお待ちいたしますので。」
「あのうクリフ様?いつもあのような格好で城の外に出歩かれるのですか?」
「ええちょくちょく出かけていますよ。この王国の人々の営みをこの目で直接見ていきたいと思っていますので。王子の格好で行けばみな私に気を使わせてしまいますからね。」
クリフ王子様はちゃんと王国の人々と向き合おうとしている。
どっかの誰かさんとはえらい違いですね。
するとクリフ王子は私に笑顔で言いました。
「クリフで構いませんよ。エリゼ様。あなたにはクリフと呼ばれたいですしね。」
「分かりました。」
「でしたら私の事もエリゼと呼んでください。」
「分かりました。エリゼ様。」
「クリフ??」
「すいません、エリゼ様とお話しできてとても舞い上がっているのです。心臓がドキドキしているのです。」
えっ??クリフも私と同じ事を思ってたの??
「ぷっ!!クスクス!!」
「ひどいですよエリゼ!!勇気を出してあなたに告白したのですよ。」
「ごめんなさい。クリフ。実は私も一緒なのです。クリフの前では心臓がドキドキして恥ずかしくなってしまうのです。」
「えっ?それじゃあ。」
クリフと一緒にいられたらどれだけ幸せだろう。
クリフとお話した時間はひと時でしたが本当に楽しくて心地よいひと時でした。
「クリフ、お受けします。私もクリフが大好きになりました。あなたと添い遂げたいです。あなたにとっての大事な人でありたいです。」
クリフといつまでも一緒にいたい心からそう思いました。
ずっとクリフの側にいたい。クリフと添い遂げたい。心からそう思えて心からそう願えたんです。
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