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1章 目を開けたらそこは異世界でした
勇者の言い伝え
しおりを挟むローラと話していてようやく気づいたのだが、スコットさんはどこに行ったのだろうか?
僕はローラに聞いてみた。
「スコットさんはどこにいるの?」
ローラが僕に答えた。
「勇者様が現れたって、村の皆に伝えに行ってるよ。」
その言葉通り、窓からスコットさんが家々を回っている姿が見えた。
するとローラがあらたまってしゃべり出した。
「ねえ勇者様、伝説に出てくる光の鍵盤って持ってるの?」
僕はローラに答えた。
「うん、持ってるよ。」
僕はメニュー画面を呼び出した。
ローラが僕に言った。
「すごい本当にあるんだ、これが光の鍵盤か。」
ローラは目を輝かせて、メニュー画面を覗き込んできた。
ローラの体が僕に密着するほど近づいてきたので、僕はとても恥ずかしかった。
一通り見終わってローラはやっと満足したのか、僕から離れてまたしゃべり始めた。
「ありがとうね勇者様。」
僕はローラに答えた。
「ああ。」
僕は恥ずかしさを忘れるようにローラに尋ねた。
「その光の鍵盤や伝説って?」
ローラは僕に答えた。
「昔からある言い伝えで、世界が混迷して闇に包まれる時に光の鍵盤を携えた勇者様が世界を救ってくれるっていう話よ。」
ローラは僕に続けて言った。
「でもこういう話は私よりスコットおじさんの方が詳しいよ。帰ってきたら聞いてみたら?」
僕はローラに答えた。
「うん、そうしてみるよ。」
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