上 下
3 / 7

03

しおりを挟む
するとそこに金髪のロングヘアーでスタイルの良い青い瞳の男子が現れました。

「二人とも何をしているんだ??」

ヒューベル様がその男子に言いました。

「おおライオルド!!いい所に来た!!」

ライオルド王子様がヒューベル様に言いました。

「いい所とは??」

アウラがライオルド王子様に言いました。

「ライオルド王子、実はこのゴミ女を地下牢に放り込んでその後に国外追放にしようと思うんですよ」

「ライオルドお前の権限でこのゴミ女をまず地下牢に放り込んでくれ」

「王子の私が持っている権限なんて所詮は小さなものだ。国外追放なんて俺の権限ではできない」

「なんだ、そうなのかよ、使えねえなー!!第一王子のくせに」

「悪いができないものはできない」

「ちっ??なんとかできないのライオルド王子??」

「まあ貴族評会(きぞくひょうかい)を開きでもすれば可能ではあるが」

「そうか貴族評会(きぞくひょうかい)よ!!貴族評会(きぞくひょうかい)でこの女に決闘を申し込めばいいのよ」

「貴族評会??なんだそりゃ??俺がこのゴミ女と決闘するなんて絶対に嫌だぞ。痛いのはゴメンだからな」

「実際に決闘をするわけじゃないんです。やるのは貴族達を集めての二つの案を比べて採決をするだけです」

「貴族評会というのは決闘制度の代わりとして創設された貴族家同士の問題を解決する制度だ。いつまでも野蛮な殺し合いをするなんて文化的ではないからな。挑戦者が欲しい物と掛ける物の両方を設定して相手に決闘を申し込む。そして決闘を受けた受諾者がそれを受諾して、判定者がアンティと要求が釣り合っていると判断した場合、貴族評会を開く事ができるわけだ。そしてその場にいる貴族達によって二つの案を吟味して採決が行われるわけだ。多くの賛同を得た方が勝者となる」

「要するに貴族達の賛同が得られればこのゴミ女に国王様の判断なしで懲役30年を課してさらに国外追放にもできる制度という事です」

「それはいいな。ではこれより貴族評会を行う」

「貴族評会を開くとなれば大事だ。貴族評会の決定は父上のお触れ以上の効力があり、一旦貴族評会の決定が下されれば父上ですらそれを取り消すのは不可能になるぞ」

「いいじゃないか、このゴミ女の懲役や国外追放が取り消せなくなるって事だろう」

私は泣き止んで茫然と話を聞いていましたがとんでもない方向に話が進んでいました。

このままだと私が地下牢に放り込まれた上に国外追放にされてしまいます。

でも私はどうすればいいか分からずにうろたえるだけでした。

そんな事はお構いなしにヒューベル様とアウラとライオルド王子の三人は話を進めていきました。

「そうだ、せっかくだからこいつの家の領地や財産も頂きましょうよ」

「それは名案だな。リンデルス伯爵領はいい土地がたくさんあるからな。おいライオルド??領地も要求できるのか??」

「ああ要求できるが相応のアンティも当然必要になるぞ。領地を要求する場合は領地をアンティに出す場合が多い」

「バイドル公爵領を掛けるなんてできないぞ。アンティに領地を掛けたなんて言ったら親父に何を言われるか??」

「ライオルド王子??決闘者というのは二人でも問題ないの??」

「実際に命を掛けた決闘をするわけではないからな。人数は何人でも構わない。要は要求する物と掛けるアンティが釣り合っているかどうかが重要なんだ」

「ヒューベル様!!やりましょう!!」

「アンティはどうするんだ?公爵領の領地なんてかけられないぞ!!」

「大丈夫です。私に考えがあります。領地を掛けずに済むはずです」

「そうか!!よし」

「ライオルド!!!貴族評会の開催を要求する」

「承った!!ではまず要求から聞こう」

「このゴミ女ことミリア・リンデルスの懲役30年と国外追放処分とリンデルス伯爵領の領地を含めた全財産をこのゴミ女に要求するわ」

懲役30年??国外追放処分??なんでですか??私悪い事なんて何もしてないのになんで牢屋に放り込まれないといけないんですか?なんでこんなひどい事ばかりするんですか?

私はただ涙を流して泣きました。とにかく悲しくて悲しくて泣いていました。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

前世の記憶を持つ守護聖女は婚約破棄されました。

さざれ石みだれ
恋愛
「カテリーナ。お前との婚約を破棄する!」 王子殿下に婚約破棄を突きつけられたのは、伯爵家次女、薄幸のカテリーナ。 前世で伝説の聖女であった彼女は、王都に対する闇の軍団の攻撃を防いでいた。 侵入しようとする悪霊は、聖女の力によって浄化されているのだ。 王国にとってなくてはならない存在のカテリーナであったが、とある理由で正体を明かすことができない。 政略的に決められた結婚にも納得し、静かに守護の祈りを捧げる日々を送っていたのだ。 ところが、王子殿下は婚約破棄したその場で巷で聖女と噂される女性、シャイナを侍らせ婚約を宣言する。 カテリーナは婚約者にふさわしくなく、本物の聖女であるシャイナが正に王家の正室として適格だと口にしたのだ。

卒業記念パーティーに参加していた伯爵家の嫡男です。

剣伎 竜星
恋愛
「私、ルカス・アバロンはソフィア・アルビオン公爵令嬢との婚約を破棄するとともに、このカレン・バーバリアス男爵令嬢を新たな婚約者とすることをここに宣言する!」 本日はアバロン王立学園の卒業式で、式はつつがなく終了し、今は式後の記念パーティーが開催されていた。しかし、突然、学園で評判の悪いルカス第一王子とその取り巻き、そして男爵令嬢が乱入。第一王子が前述の婚約破棄宣言を行った。 ※投稿リハビリ作品です。 ※R15は保険です。 ※本編は前編中編後編の3部構成予定で、後編は後日談です。

金の力で殴ります! 〜非モテ令嬢は楽しくざまぁする〜

麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
「私みたいなデブスで性格悪な男爵令嬢に優良物件の子爵子息が結婚を申し入れしてくるなんて怪しい。絶対裏がある!」 資産家の娘である「私」はそう確信して婚約者を調べさせたら、案の定、彼には本命の平民の女性がいた。 そうか、ならば仕返しだ!と幼なじみをも巻き込み、やるなら楽しんでやろうぜ☆彡という、どっかずれたお嬢様の話。 全3話

その聖女、曰くつき

秋津冴
恋愛
 婚約者の王子エレンは気分屋で。  公爵令嬢イライザはいつも将来に対して不安を覚える日々。  そんな中、学院のエントランスでイライザは、いきなりの婚約破棄を突き付けられる。  だが、彼女には身に覚えのない事実が語られだしたとき、学院の生徒たちは意外にもイライザを応援し始めて――?  彼女への声援は神すらも動かすことになる。  ほかの投稿サイトにも掲載しております。

わがまま妹、自爆する

四季
恋愛
資産を有する家に長女として生まれたニナは、五つ年下の妹レーナが生まれてからというもの、ずっと明らかな差別を受けてきた。父親はレーナにばかり手をかけ可愛がり、ニナにはほとんど見向きもしない。それでも、いつかは元に戻るかもしれないと信じて、ニナは慎ましく生き続けてきた。 そんなある日のこと、レーナに婚約の話が舞い込んできたのだが……?

俺に愛されたいなら妹より可愛くなれ?シスコン婚約者は婚約破棄により可愛い妹を失いました。

coco
恋愛
「俺に愛されたいなら、妹より可愛くなれ。」 シスコン婚約者のいつもの言葉に、私は我慢の限界です。 私、あなたに愛されなくても結構です。 ですので、このまま婚約破棄して下さい。 それと…あなたの妹が可愛いのは、私のおかげですよ。 まぁ、もう遅いですけどね─。

殿下は、幼馴染で許嫁の没落令嬢と婚約破棄したいようです。

和泉鷹央
恋愛
 ナーブリー王国の第三王位継承者である王子ラスティンは、幼馴染で親同士が決めた許嫁である、男爵令嬢フェイとの婚約を破棄したくて仕方がなかった。  フェイは王国が建国するより前からの家柄、たいして王家はたかだか四百年程度の家柄。  国王と臣下という立場の違いはあるけど、フェイのグラブル男爵家は王国内では名家として知られていたのだ。   ……例え、先祖が事業に失敗してしまい、元部下の子爵家の農家を改築した一軒家に住んでいるとしてもだ。  こんな見栄えも体裁も悪いフェイを王子ラスティンはなんとかして縁を切ろうと画策する。  理由は「貧乏くさいからっ!」  そんなある日、フェイは国王陛下のお招きにより、別件で王宮へと上がることになる。  たまたま見かけたラスティンを追いかけて彼の後を探すと、王子は別の淑女と甘いキスを交わしていて……。  他の投稿サイトでも掲載しています。

処理中です...