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ベルダスの視点
次の日ベルタスとミーシャは一晩中大魔族ゲールソンに追いかけまわされた後で、なんとか逃げ切って自分の屋敷へと戻って来ていた。
「はあー、やっと逃げ切れた。」
「あの魔族どんだけしつこいのよ。」
するとそこにベルタスの家来がやってきた。
「ベルタス様失礼致します。火炎魔導士のタークロン様がいらっしゃいました。」
「よし魔導書だけ受け取ってすぐに追い払え!!」
「はっ!!」
「おい今日こそ大丈夫だよな?」
「大丈夫よ、任せて。」
ベルタスとミーシャは受け取った魔導書を大広間の隣の部屋に運び込ませて、自分達も部屋に移動していた。
「さあ今日こそ念入りに魔力を注ぎ込んでっと。」
すると部屋の中に積まれていた魔導書が一斉に宙に浮きだして本の中に封じられていた魔法が一斉に発動したのだった。
「おい??まさかまた??」
「あれっ??おかしいなあ??」
ベルタスの部下が慌てて部屋に入って来た。
「大変です。屋敷中が火の海になっています。」
するとその瞬間ベルタスとミーシャの体が炎に包まれるのだった。
「キャー!!服に火がついてる!!!誰か消してよ!!!」
「ウギャー、熱い!!!俺様の火もはやく消せ!!!」
一方その頃メルティの視点
メルティは今日も伯爵邸の貴賓室で三人で談笑をしておりました。
「もし火炎魔法を封じた魔導書に魔力を注ぎ込んだらどうなるでしょうか??」
「そんな事をしたら火事になってしまいますよ。もし同時多発的に発動などさせようものなら周り一面火の海になって大惨事になります。」
「それは大変そうですね。」
「しかももっと危険なのは魔力を注ぎ込んだ当人達も火だるまになってしまう事でしょうね。」
「ふーむ、それは怖いですね。」
「魔法の炎っていうのは消すのが大変ですからねえ。」
「しかしメルティ様は本当に聡明でいらっしゃいますね。」
「ああお話をすればするほどその聡明さが分かりますね。」
「ええこの国一の才女であるといっても過言ではないでしょう。」
「ええ改めてその聡明さを確認できました。」
「ええこれからも色々な事をご教授して頂ければと思います。」
ベルタスの視点
それからしばらくしてベルタスとミーシャは屋敷の火事をなんとか消し止めていた。
最も魔族が暴れ回ったうえに大火事が起こり屋敷の中は廃墟も同然になっていた。
「はあやっと屋敷の火が消えた。」
「ああ!!俺様の栄光の屋敷が!!!俺様のコレクションが!!!クソ!!!」
「はあベルタス様、もう散々でしたね。」
「なに他人事みたいに言ってるんだ!!ミーシャがヘマしたからこうなってるんだろうが!!」
「はあ?私の責任なんですか!!やれって指示を出したのはベルタス様ですよ。」
「俺は悪くねえだろうが!!!全部テメエの責任だろうが!!!」
「なんですって??私はヘマなんかしてません??」
「だったらなんであんな事になったんだ??」
「そうかあの女ですよ。」
「なに??」
「あのゴミ女の仕業ですよ、きっと。私達の成功を妬んであのゴミ女が私達の邪魔をしたんですよ。」
「方法は分からないけど、きっとあの女が邪魔してきたに違いないわ。」
「そうかそれならミーシャが失敗したのも説明がつくな。優秀な魔導士であるミーシャが失敗する訳ないもんな。」
「あの失敗は恐らくあのゴミ女が邪魔したからに違いありません。」
「くそなんて女だ。善良で優秀な俺達に嫉妬してこんな事をするなんてな。」
「あのゴミ女許せないわ。」
「同感だ。今すぐにあのゴミ女に文句を言いに行こう!!!」
メルティの視点
私は会いたくもない二人と会っていました。
「何しに来たんですか??ベルタス??それにミーシャ??」
「よくも純真な俺達の心を踏みにじってくれたな??」
「はあ??」
「しらばっくれるんじゃないわよ。あんたが細工をして魔法事故が起こるようにしたんでしょ。」
「何言ってるんですか??」
私は二人から事情を聞きました。
全て聞き終わると私は呆れて二人に言いました。
「それ魔導書の管理方法が間違ってるんですよ。」
「はあ私は一流の魔導士なのよ。魔導書の管理くらいできるわよ。」
「一流の魔導士なら魔導書の原理ぐらい知ってるはずですよ??一流の魔導士なら別の魔導士が作成した魔導書に自分の魔力を注ぎ込むなんて絶対にやりません。」
「じゃあ魔力を注いじゃいけなかったの??」
「その通りです。」
「そんなあ。」
「どうしてもというなら仕方がないな。」
「はあ??」
「俺のために罪滅ぼしをする機会をやろうっていうんだ。魔導書の管理を手伝わせてやる!!」
「ありがたく思いなさいよ。本来あんたみたいな女は参加する事すら許されないんだから。」
「あのう、私あなた達に濡れ衣を着せられて婚約破棄されたんですよ。手を貸すと思ってるんですか??」
「いいから手伝え!!!このゴミ女!!!」
「そうよ!!ゴミ女!!!手伝いなさいよ!!!」
「勝手な事ばかり言って、もう帰ってください!!」
「ゴミ女!!!テメエがうんと言うまで帰らないからな!!」
「おい!!さっきから聞いていれば身勝手な事ばかり??メルティ様をなんだと思っているのだ。」
「こんなゴミ女こき使ってやればいいだろうが!!!」
「ならばさっきの話をユーグレス公爵殿やマーレイヤ子爵夫人殿に伝えるとしよう。」
「待ってくれ!!!そんな事されたら俺は後継者から外されてしまう。」
「お母さまに言うのだけはやめて!!!」
「だったらすぐに帰れ!!!もうメルティ様に近づくんじゃない!!」
「すぐに失せろ!!」
二人は慌てて帰っていきました。
「メルティ様、出過ぎた真似を致しました。申し訳ございません。」
「私もやり過ぎました。申し訳ございません。」
「いえとても助かりました。ありがとうございます。」
私は笑顔でそう返しました。
ディルス様もクリストファー様も本当にいい方だと再確認できました。
ああやっぱりディルス様といると本当に嬉しくて楽しい。
ディルス様といつまでも一緒にいたい。私はついそんな事を考えてしまいました。
次の日ベルタスとミーシャは一晩中大魔族ゲールソンに追いかけまわされた後で、なんとか逃げ切って自分の屋敷へと戻って来ていた。
「はあー、やっと逃げ切れた。」
「あの魔族どんだけしつこいのよ。」
するとそこにベルタスの家来がやってきた。
「ベルタス様失礼致します。火炎魔導士のタークロン様がいらっしゃいました。」
「よし魔導書だけ受け取ってすぐに追い払え!!」
「はっ!!」
「おい今日こそ大丈夫だよな?」
「大丈夫よ、任せて。」
ベルタスとミーシャは受け取った魔導書を大広間の隣の部屋に運び込ませて、自分達も部屋に移動していた。
「さあ今日こそ念入りに魔力を注ぎ込んでっと。」
すると部屋の中に積まれていた魔導書が一斉に宙に浮きだして本の中に封じられていた魔法が一斉に発動したのだった。
「おい??まさかまた??」
「あれっ??おかしいなあ??」
ベルタスの部下が慌てて部屋に入って来た。
「大変です。屋敷中が火の海になっています。」
するとその瞬間ベルタスとミーシャの体が炎に包まれるのだった。
「キャー!!服に火がついてる!!!誰か消してよ!!!」
「ウギャー、熱い!!!俺様の火もはやく消せ!!!」
一方その頃メルティの視点
メルティは今日も伯爵邸の貴賓室で三人で談笑をしておりました。
「もし火炎魔法を封じた魔導書に魔力を注ぎ込んだらどうなるでしょうか??」
「そんな事をしたら火事になってしまいますよ。もし同時多発的に発動などさせようものなら周り一面火の海になって大惨事になります。」
「それは大変そうですね。」
「しかももっと危険なのは魔力を注ぎ込んだ当人達も火だるまになってしまう事でしょうね。」
「ふーむ、それは怖いですね。」
「魔法の炎っていうのは消すのが大変ですからねえ。」
「しかしメルティ様は本当に聡明でいらっしゃいますね。」
「ああお話をすればするほどその聡明さが分かりますね。」
「ええこの国一の才女であるといっても過言ではないでしょう。」
「ええ改めてその聡明さを確認できました。」
「ええこれからも色々な事をご教授して頂ければと思います。」
ベルタスの視点
それからしばらくしてベルタスとミーシャは屋敷の火事をなんとか消し止めていた。
最も魔族が暴れ回ったうえに大火事が起こり屋敷の中は廃墟も同然になっていた。
「はあやっと屋敷の火が消えた。」
「ああ!!俺様の栄光の屋敷が!!!俺様のコレクションが!!!クソ!!!」
「はあベルタス様、もう散々でしたね。」
「なに他人事みたいに言ってるんだ!!ミーシャがヘマしたからこうなってるんだろうが!!」
「はあ?私の責任なんですか!!やれって指示を出したのはベルタス様ですよ。」
「俺は悪くねえだろうが!!!全部テメエの責任だろうが!!!」
「なんですって??私はヘマなんかしてません??」
「だったらなんであんな事になったんだ??」
「そうかあの女ですよ。」
「なに??」
「あのゴミ女の仕業ですよ、きっと。私達の成功を妬んであのゴミ女が私達の邪魔をしたんですよ。」
「方法は分からないけど、きっとあの女が邪魔してきたに違いないわ。」
「そうかそれならミーシャが失敗したのも説明がつくな。優秀な魔導士であるミーシャが失敗する訳ないもんな。」
「あの失敗は恐らくあのゴミ女が邪魔したからに違いありません。」
「くそなんて女だ。善良で優秀な俺達に嫉妬してこんな事をするなんてな。」
「あのゴミ女許せないわ。」
「同感だ。今すぐにあのゴミ女に文句を言いに行こう!!!」
メルティの視点
私は会いたくもない二人と会っていました。
「何しに来たんですか??ベルタス??それにミーシャ??」
「よくも純真な俺達の心を踏みにじってくれたな??」
「はあ??」
「しらばっくれるんじゃないわよ。あんたが細工をして魔法事故が起こるようにしたんでしょ。」
「何言ってるんですか??」
私は二人から事情を聞きました。
全て聞き終わると私は呆れて二人に言いました。
「それ魔導書の管理方法が間違ってるんですよ。」
「はあ私は一流の魔導士なのよ。魔導書の管理くらいできるわよ。」
「一流の魔導士なら魔導書の原理ぐらい知ってるはずですよ??一流の魔導士なら別の魔導士が作成した魔導書に自分の魔力を注ぎ込むなんて絶対にやりません。」
「じゃあ魔力を注いじゃいけなかったの??」
「その通りです。」
「そんなあ。」
「どうしてもというなら仕方がないな。」
「はあ??」
「俺のために罪滅ぼしをする機会をやろうっていうんだ。魔導書の管理を手伝わせてやる!!」
「ありがたく思いなさいよ。本来あんたみたいな女は参加する事すら許されないんだから。」
「あのう、私あなた達に濡れ衣を着せられて婚約破棄されたんですよ。手を貸すと思ってるんですか??」
「いいから手伝え!!!このゴミ女!!!」
「そうよ!!ゴミ女!!!手伝いなさいよ!!!」
「勝手な事ばかり言って、もう帰ってください!!」
「ゴミ女!!!テメエがうんと言うまで帰らないからな!!」
「おい!!さっきから聞いていれば身勝手な事ばかり??メルティ様をなんだと思っているのだ。」
「こんなゴミ女こき使ってやればいいだろうが!!!」
「ならばさっきの話をユーグレス公爵殿やマーレイヤ子爵夫人殿に伝えるとしよう。」
「待ってくれ!!!そんな事されたら俺は後継者から外されてしまう。」
「お母さまに言うのだけはやめて!!!」
「だったらすぐに帰れ!!!もうメルティ様に近づくんじゃない!!」
「すぐに失せろ!!」
二人は慌てて帰っていきました。
「メルティ様、出過ぎた真似を致しました。申し訳ございません。」
「私もやり過ぎました。申し訳ございません。」
「いえとても助かりました。ありがとうございます。」
私は笑顔でそう返しました。
ディルス様もクリストファー様も本当にいい方だと再確認できました。
ああやっぱりディルス様といると本当に嬉しくて楽しい。
ディルス様といつまでも一緒にいたい。私はついそんな事を考えてしまいました。
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