最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第5章 アグトリア動乱

ヴィスパの最期

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8月14日午後1時過ぎ、ヴィスパは馬を走らせて退却していた。

ビヘイブ要塞から南に向かって走っておりメロポリ村の方角へ向かっていた。

ヴィスパが馬に鞭をうちながら大声で怒鳴っていた。

「走れ!走れ!敵が追ってきているのだ!!」

するとその馬のスピードが落ち始めた。

ヴィスパが大声で言った。

「おい!!もっと早く走れ!!ドロメが追いかけてきてるんだぞ!!」

ヴィスパは速く走らせようとさらに馬に何度も鞭を入れた。

だがヴィスパの乗ってきた馬は疲れてしまったようで、鞭を入れても走らなくなってしまった。

それどころか速度を落として、ついにはその場に立ち止まってしまった。

ヴィスパが大声で怒鳴った。

「ええい!!走れ!!速く走れ!!」

ヴィスパが何度も何度も鞭を入れた。  

だが乗ってきた馬は疲れきっており、走り出す事は無かった。

するとあろう事か、ヴィスパが乗ってきた馬の顔面を鞭で叩き始めた。

「この駄馬が!!止まるじゃない!!はやく走れ!!」

ヴィスパが何度も何度も鞭で馬の顔面を叩き続けた。

すると馬が大きく前足を上げて体を大きく反らした。

そしてヴィスパを地面に叩き落とした。

地面に叩き落とされたヴィスパは怒りに満ちていた。

そしてゆっくり地面から起き上がると大声で馬に怒鳴った。

「貴様!!このヴィスパ様をよくも叩き落としたな!!」

一方その頃、グロッケンは部下達と共にメロポリ村から出発してヌエド軍を背後から攻撃するために、ビヘイブ要塞へと向かっていた。

グロッケンは全身鎧を装備しており、顔を見せないようにしていた。

すると先頭を進んでいた部下がグロッケンの所に報告にやって来た。

部下がグロッケンに言った。

「グロッケン様?」

グロッケンがその部下に言った。

「おい、俺の名前を出すなと言っただろうが!!顔を隠してる意味がなくなるだろうが!!」

部下がグロッケンに言った。

「申し訳ありません。」

グロッケンが部下に言った。

「まあいい、どうした?」

部下がグロッケンに言った。

「この先に変な奴がいまして。」

グロッケンが部下に尋ねた。

「変な奴?まさかヌエドの偵察部隊か?」

部下がグロッケンに言った。

「いえ、それにしては妙なのです。」

グロッケンが部下に聞き返した。

「妙だと?」

部下がグロッケンに言った。

「実は馬と大喧嘩してる男がこの先にいるのです。」

グロッケンは部下に案内させて、その場所へと向かった。

そしてグロッケンは物陰から部下達と共にその男を観察した。

グロッケンが見つめた先にはヴィスパがいた。

ヴィスパが乗ってきた馬を大声で罵っていた。

「この馬が!!このヴィスパ様はなトリガードの市長なのだ!!誰よりも働きものなのだ!!誰よりも汗をかいているのだ!!そんなヴィスパ様にこのような無礼をしたらどうなるか分かっているのか!!お前の人生によくない事が起こるぞ!!お前の明日のエサを無しにしてやる!!!」

すると馬がヴィスパを睨みつけた。

ヴィスパはさらに大きな声を上げた。

「なんだ?その反抗的な目つきは!!この優秀なトリガード市民たるこの私に楯突くつもりか!!」

ヴィスパが馬に大声で怒鳴りつけた。

「この駄馬め!!この善良なるトリガード市民の私に楯突いたらどうなるか!!教えてやる!!善良なる市民の怒りを思い知れ!!」

ヴィスパは鞭で馬の顔面を叩こうとした。

だがそれよりも先に馬の方がヴィスパの腕に噛みついたのだった。

ヴィスパが悲痛な叫びをあげだ。

「い、痛いー!!腕を噛むな!!やめろー!!」

この様子を見ていたグロッケンが部下に言った。

「ああ、ありゃヴィスパだな。敵の偵察ではなさそうだ。カスパーの奴が何かやったのかもな?」

部下がグロッケンに尋ねた。

「どうされますか?」

グロッケンが部下に言った。

「よし、奴から直接話を聞くぞ。」

部下がグロッケンに尋ねた。

「大丈夫でしょうか?ヌエドの策という可能性は?」

グロッケンが部下に言った。

「あの無能がそんな事できる訳ないだろうが。いくぞ!!」

グロッケンが部下達を連れてヴィスパの所にやって来た。

そして何食わぬ顔でグロッケンが馬をなだめる。

「どう!どう!」

するとすぐに馬は落ち着いた。

グロッケンがヴィスパに言った。

「大丈夫ですか?ヴィスパ様?」

ヴィスパが大声で怒鳴り散らした。

「ああ、全くとんでもない駄馬だ!!救いようのないゴミめ!!このトリガードの市民様に楯突くとはな!!」

ヴィスパはグロッケン達を見て尋ねた。

「ところでお前達はなんだ?」

グロッケンの部下達は慌ててしまい、ヴィスパにうまく返事をする事ができなかった。

「えっーとですね。」

ヴィスパが思いついたようにグロッケン達に言った。

「そうか!!まさかお前達は!」

グロッケンの部下達に緊張が走った。

だがそれは無用の心配であった。

ヴィスパはこう言った。

「お前達はメロポリ村の住人だな!このヴィスパ様を出迎えに来たのだろう。そうだろう?」

グロッケンの部下達は顔を見合わせるとヴィスパに合わせた。

「そうです。メロポリ村から来ました。」

ヴィスパが嬉しそうにグロッケン達に言った。

「そうだろうな!!このヴィスパ様は善良なトリガードの市民として有名だからな!!ヴィスパ様だとばれてしまったか!!」

するとグロッケンがヴィスパに尋ねた。

「ヴィスパ様?なぜここに?」

ヴィスパがグロッケンに言った。

「それがな!!ビヘイブ要塞を包囲していたのだが、ドロメが卑劣にも正面攻撃を仕掛けてきたのだ。私は仕方なく馬に乗って退却、いや逃げてきたのだ。するとこの駄馬が善良な市民である私に噛みついてきたのだ。まったく許せる訳がないのだ。」

グロッケンがヴィスパに言った。

「そうですか、それは大変ですな。」

するとグロッケンが部下の一人に耳打ちで指示を出した。

「ヴィスパは奇襲攻撃受けて逃げてきたようだ。たぶんカスパーの仕業だろうよ。すぐにこの場所を取り囲むように他の連中に伝えてこい。」

部下がグロッケンに小さな声で尋ねた。

「どういう事ですか?」

グロッケンが部下に言った。

「俺様がヴィスパにここに部隊を集結させるように仕向ける。ヴィスパの部下共を包囲して始末するためにな。だからここを囲むように隠れておけって事だ。」

部下がグロッケンに言った。

「分かりました。」

グロッケンが部下に言った。

「おい!音をたてずに移動しろよ?ヴィスパの部下共はここまで無能じゃねえ、くれぐれもヴィスパの部下共に気づかれるんじゃねえぞ?」

部下は頷くと後ろに走っていった。

この様子を見ていたヴィスパがグロッケンに尋ねた。

「どうかしたか?」

グロッケンがヴィスパに言った。

「いえ、ヴィスパ様の来訪を村の住人達に伝えに行ってもらいました。」

ヴィスパがグロッケンに言った。

「そうだろうな。みな喜ぶだろう。」

グロッケンがヴィスパに言った。

「ヴィスパ様、ここに部下の皆さんを集めてもらえませんか?村人総出で歓迎会を催そうと思っております。」

ヴィスパがグロッケンに言った。

「おおそうか!分かった!!」

そしてグロッケンの部下達はその場を離れた。

ヴィスパはすぐに部下達を自分の所に集めた。

そうとは知らないヴィスパの部下達はヴィスパの元に続々と集まっていた。

その中にはライズンとベギンゴの姿もあった。

「おーい!ベギンゴ。ここだ。」

ベギンゴがライズンに言った。

「いきなり退却命令でそのまま逃げてくるしかなかった。ろくに武器も持ってこれなかったな。」

ライズンがベギンゴに言った。

「まあいいんじゃないか?ビヘイブから離れたここなら戦闘にはならないだろう。追撃もされてないようだしな。攻撃を受けたって知らせを聞いてびっくりしたがな!」

すると別のヴィスパの部下が二人に言った。

「おい、ベギンゴ!ライズン!ヴィスパ様がお呼びだ。」

ライズンがベギンゴに言った。

「それじゃあ行くとしますか。」

ベギンゴとライズンはヴィスパの所に向かった。

ベギンゴとライズンはヴィスパの所にやって来た。

そしてライズンがヴィスパに尋ねた。

「ヴィスパ様?お呼びですか?」

ヴィスパが二人に尋ねた。

「おお、お前達!全員集まったか?」

するとライズンがヴィスパに言った。

「いえまだ来ていない者もいますが、ほぼ集まったかと。」

ヴィスパがライズンに言った。

「そうか、よし!」

すると甲冑姿のグロッケンが部下達およそ二十人と共に現れた。

グロッケンがヴィスパに尋ねた。

「ヴィスパ様?みな集まりましたかな?」

ヴィスパがグロッケンに言った。

「ああ、みな集まった!さっそく歓迎会を始めてくれ!」

グロッケンがヴィスパに言った。

「そうですか。」

するとベギンゴがヴィスパに訝しげに尋ねた。

「ヴィスパ様?こちらの方々は?」

ヴィスパがベギンゴに言った。

「この者達はメロポリ村の住人だ。このヴィスパ様を歓迎してくれるのだ。」

そう言い終わった瞬間、ベギンゴとライズンが急に地面に座り込んでしまった。

ヴィスパが二人に言った。

「こら!サボるんじゃない!この私を見習うんだ!!全く!」

ヴィスパは座り込んだ二人を覗きこんだ。

ベギンゴとライズンは座り込んだのではなかった。

ベギンゴとライズンの体にはたくさんの矢が刺さっており、たくさんの血が流れ出していた。

ベギンゴとライズンは体にたくさんの矢が刺さり即死してしまったのだった。

ヴィスパはこの様子をあっけらかんと見ていた。

「えっ?」

ヴィスパは何が起こったか分からずポカーンとしていた。

そこにグロッケンが近づいてきた。

そしてヴィスパにグロッケンは容赦なく剣を振り下ろした。

ヴィスパにグロッケンの一撃が加えられたのだ。

ヴィスパは訳も分からないままその一撃で絶命した。

そして数メートル先に吹き飛ばされてしまった。

一方ヴィスパの部下達はこの状況をすぐには飲み込めず静かに見つめていた。

そしてヴィスパの部下達は状況を理解し始めると大混乱に陥った。

グロッケンが大声で言った。

「さあ!!出てこい!!楽しい殺戮の始まりだ!!」

するとグロッケンの部下達が続々と隠れていた場所から出てきてヴィスパの部下達へ攻撃を始めた。

ヴィスパの部下達はろくな武器や防具を持っておらず、グロッケン達から逃げまわる事しかできなかった。

グロッケンが血のしたたる剣を片手に持ちながら、楽しそうに大声で言った。

「さあ!!逃げろ!!逃げろ!!この俺様を楽しませてくれよ!!」

グロッケンの部隊は容赦のない攻撃をヴィスパの部下達に加えていった。
 
ほぼ一方的な虐殺となった。

こうしてヴィスパの部隊は一方的な攻撃を受けて全滅してしまったのだった。

そして8月14日の午後3時になった。

後方からメルクンガの部隊を急襲したグロッケンの部隊はメルクンガの部隊を壊滅させる事に成功していた。



そしてグロッケンは隣に布陣してしたマグリオの部隊に攻撃を仕掛けようとしていた。

対するマグリオの陣地ではマグリオが部下と話をしていた。

マグリオの部下がマグリオに言った。

「敵がこちらに向かってきます。」



マグリオが部下に言った。

「ええい!!ドロメに包囲網を突破されてしまったか。」

部下がマグリオに言った。

「マグリオ様?どうしますか?」

マグリオが部下に言った。

「すぐに東側に向かって部隊の方向転換を行え!東側からの敵の攻撃に備えるんだ!!すぐにメルクンガ殿の部隊が後方から攻撃を仕掛けてくれるはずだ。そうすればドロメを挟み撃ちにできる。」

部下がマグリオに言った。

「はっ!」

マグリオはすぐに自分の部隊を方向を東側に向きを変えるとグロッケンの部隊の襲来に備えた。

少ししてグロッケンの部隊が西側からマグリオの部隊に攻撃を仕掛けてきた。

マグリオの部下達がすぐにこれを迎撃する。

マグリオが部下達に言った。

「ドロメの奴らはここで食い止めるぞ!!」

マグリオの部下が言った。

「おー!」

グロッケンの部下達とマグリオの部下達との間で激しい激闘が始まった。

マグリオの部下達はよく戦いグロッケンの部隊と互角の戦いを繰り広げ、一進一退の戦いとなった。

グロッケンの部下達による攻撃はマグリオの指揮により各所で跳ね返されていた。



グロッケンはこの時ヌエド軍から奪った馬に乗って、少し離れた場所から部下達とこの様子を見ていた。

グロッケンが部下に言った。

「ちっ!ちゃんと対応してきたな。さっさと崩れちまえばいいものを!!」

グロッケンの部下がグロッケンに尋ねた。

「どういたしますか?」

グロッケンが部下に言った。

「敵の数はさほど多くないようだ。半数は俺様に続け!!敵の側面から攻撃を仕掛けるぞ!!」

部下達がグロッケンに言った。

「はっ!」

グロッケンは部下達の半数を連れて、マグリオの部隊の南側に移動するとそこから攻撃を加えた。

一方のマグリオは焦っていた。

いつまで経ってもメルクンガからの追撃が無かった為である。

すでにマグリオの部隊は千人を切っており、メルクンガがグロッケンの部隊を後方を攻撃する事を前提にしてマグリオは防戦を行っていたからだ。

この時マグリオは大きな判断ミスをしていた。

グロッケンの部隊をビヘイブ要塞の包囲網を突破した少数の部隊であると考えていたのだ。

それゆえにメルクンガの部隊がすぐに体制を立て直して後方から攻撃してくれると考えていた。

だがこの時すでにメルクンガの部隊は壊滅しており、マグリオも自分の判断が間違っているのではないかと考え始めていた。

「どういう事だ?なぜこんなに敵の数が多い?いくらなんでも多すぎる?まさかヴィスパ殿が裏切ったのか?」

するとマグリオが部下に言った。

「すぐにヌエド様に伝令を頼む!」

部下がマグリオに言った。

「マグリオ様!では私が行ってまいります。それで何とお伝えすれば?」

マグリオが部下に言った。

「我が部隊は数千のドロメ軍の攻撃を受けており、至急増援をお願いしたいと。そしてヴィスパ殿が裏切った可能性があると。」

部下がマグリオに言った。

「承知しました。」

そしてその部下は馬にまたがりヌエドの陣地へと駆けていった。

そこに別の部下が慌ててやって来た。

そしてマグリオに言った。

「敵が南側に回り込み側面から攻撃を仕掛けてきました。」

そこに別の部下が慌てて報告にやって来た。

「た、大変です!要塞側からも敵が攻撃を仕掛けてきました!」

マグリオが部下に言った。

「何!要塞側からもだと?三方向から攻撃を受けては寡兵の我々では防ぎきれんぞ。」

グロッケンの部隊の半数が南側からマグリオの部隊に攻撃を仕掛けて、さらにカスパーの部隊が要塞側からマグリオの部隊に攻撃を仕掛けてきた。



ここまでよく持ちこたえていたが、三方向より攻撃を仕掛けられたマグリオの部隊は一気に大苦戦に陥った。

千人を切っていたマグリオの部隊では三方からの攻撃を防ぎきる事はできなかった。

すぐにマグリオの部隊は総崩れとなり、マグリオのいる所にまでドロメ盗賊軍の兵士が押し寄せた。

マグリオは残った部下達と懸命に戦っていた。

マグリオの部下達とドロメ盗賊軍の兵士達が入り交じっての激闘をくりひろげていた。

マグリオの部下の一人がマグリオに言った。

「マグリオ様、お引きください!!」

マグリオが部下に言った。

「お前達を置いていけるか!!」

するとグロッケンの部下の一人が大声で言った。

「マグリオだ!!ヌエドの側近のマグリオがここにいるぞ!!討ち取れ!!」

そしてマグリオに向けて何本もの矢が放たれて、マグリオめがけて飛んでいった。

その内の数本がマグリオに命中してしまい、マグリオはその場に倒れ込んでしまった。

マグリオが悲痛な声をあげた。

「くう!」

グロッケンの部下が大声で言った。

「このままマグリオを倒せ!!」

するとドロメ盗賊軍の兵士数人がマグリオに止めをさそうと近ずいてきた。

そのうちの一人が剣を振り上げると、マグリオに向けて剣を振り下ろした。

だがマグリオは体勢を立て直すと手に持った剣でなんとか振り下ろれた剣を受け止めた。

だがさらに別の兵士がマグリオの後ろから槍でマグリオの胸を刺した。

マグリオが悲痛なうめき声をあげた。

「ぐは!」

さらにマグリオを刺した兵士がもう一度マグリオの脇腹を刺した。

遂にマグリオは絶命してしまった。

午後4時になった。

グロッケンの元に部下が報告にやって来ていた。

グロッケンの部下がグロッケンに言った。

「グロッケン様、裏切り者ヌエドの側近であるマグリオを討ち取ったとの事です。」

グロッケンが部下に言った。

「よし、なら急いでマグリオも土の中に埋めておけ!ポーションで復活されちゃかなわんからな!」

部下がグロッケンに言った。

「はっ!」

グロッケンの部下達が急いで穴を掘り始めた。

一方生き残ったマグリオの部下達は西へと逃走を始めていた。

その様子をグロッケンは嬉しそうに見ていた。

「よしよし、やっと逃げ始めたな。」

グロッケンが部下に尋ねた。

「おい!カスパーの部隊はどうしている?」

部下がグロッケンに言った。

「はっ!カスパー様の部隊はビヘイブ要塞内に退却したようです。」

グロッケンが部下に言った。

「よし!なら邪魔は入らないな。埋め終わったらお楽しみの追撃を始めるぞ!!準備をしとけよ!」

部下達がグロッケンに言った。

「はっ!」

別の部下がグロッケンに言った。

「グロッケン様、マグリオの埋葬が完了致しました。」

グロッケンが部下達に言った。

「よし。残りの連中を追撃するぞ!!」

すると部下がグロッケンに言った。

「グロッケン様!!カスパー様より使者が参りました。」

グロッケンが部下に言った。

「あっ?カスパーからだと?」

すぐにカスパーからの使者がグロッケンの前に通された。

「グロッケン様、ビヘイブ要塞を包囲していたヌエド軍の各部隊がビヘイブ要塞の包囲を解いてここに向かってきております。どうやらグロッケン様の部隊を挟撃するつもりのようです。」



グロッケンが使者に聞き返した。

「何だと?」

使者がグロッケンに言った。

「どうかすぐにビヘイブ要塞にお入りくださるようにとの事です。」

グロッケンが悔しがって言った。

「くそ!!せっかくお楽しみの時間だっつうのに!!ヌエドの野郎!!さっさと敗走すればいいものを!!」

部下がグロッケンに言った。

「グロッケン様!!」

グロッケンが部下達に言った。

「ちっ!!追撃は中止だ!!これよりただちにビヘイブ要塞に入城するぞ!!全員急げ!!」

部下達がグロッケンに言った。

「はっ!」

グロッケンの部隊は大急ぎでビヘイブ要塞に入城していった。

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