最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
262 / 265
第5章 アグトリア動乱

一撃離脱

しおりを挟む
8月11日午後1時ビヘイブ要塞の南側の土塁の上でカスパーは兵士達から話を聞いていた。

カスパーがドロメ盗賊軍の盗賊に尋ねた。

「すまないルンゲ?見た事を教えてくれるか?」

ルンゲと呼ばれたドロメ盗賊軍の盗賊がカスパーに言った。

「ここの防備を担当しておりました。弓矢で防戦をしていたのですが、ヌエドが弓矢に当たり倒れたのです。それを目撃致しました。」

カスパーがルンゲに尋ねた。

「ではヌエドが直接倒れる所を見たのだな?」

ルンゲがカスパーに言った。

「はい、この目で見ました。」

カスパーがルンゲに言った。

「そうか、ご苦労だった。時間をとらせてすまなかったなルンゲ。仕事を続けてくれ。」

ルンゲがカスパーに言った。

「はっ!」

一方こちらはビヘイブ村の集会所である。

ビヘイブ村の周囲は大規模な土塁工事が行われ様変わりしていが、ビヘイブ村自体には手は加えられず前と変わらない様子であった。

そのビヘイブの集会所の建物にカスパーの部下数人が集まって話をしていた。

「要塞の西側と東側に布陣していた敵はすでに退却してしまった様だ。」

「本当か?では、南側に布陣していた部隊は?」

「さきほど後退を始めたようだ。」



「ふーむ、敵はどうしたというのだ?」

「それがなヌエドが死んだというのだ?」

「なんだと?ヌエドが死んだ?どういう事だ?」

「ヌエドが最前線で指揮をとっていた時に我々の放った矢が当たりそのまま絶命したというのだ。」

「ほお?それは良い知らせだな。」

「ヌエドめ!いい様だ!!ドロメ様を裏切った報いだ!!」

「しかしそれは事実なのか?」

「ああ、ヌエドが倒れる所を見たという報告がすでに何件も上がってきている。カスパー様も兵士達から直接話を聞かれているようだ。」

「そうか、であれば事実であろうな。」

「それに敵が大混乱している事の説明もつく。」

そこにカスパーが戻ってきた。

カスパーが部下達に言った。

「待たせてすまなかった。始めよう。」

部下がカスパーに言った。

「カスパー様、ご提案したき事がございます。」

カスパーが部下に言った。

「話してくれ。」

その部下がカスパーに言った。

「ご存知かもしれませんが、ヌエドは前線で指揮をとっている最中に我々の放った矢に当たり死んでしまったようなのです。そのせいで敵はかなり混乱している様子です。設営した陣をそのまま放棄して後退しております。」

部下が続けてカスパーに言った。

「カスパー様、ヌエドが死んでしまい、敵は混乱しながら退却しております。あの混乱状況ではまともな反撃はできますまい。これは裏切り者共を殲滅する好機でございましょう。奴らにドロメ様を裏切った報いをくれてやりましょう。」

カスパーがその部下に言った。

「いやこれは恐らくヌエドの罠だろう。我々を要塞の外に誘きだして包囲攻撃を行うためのな。」

その部下がカスパーに尋ねた。

「罠ですと?そう考える根拠は何でしょうか?」

カスパーがその部下に言った。

「誰もいないからだ。」

その部下がカスパーに言った。

「ヌエドが倒れたと目撃している者が何人もおります。」

カスパーがその部下に言った。

「そうではなく、ヌエドを倒したと名乗り出る者が誰もいないからだ。」

すると別の部下がカスパーに言った。

「確かに妙ですな。ヌエドを倒した矢は当然我々の誰かが放った矢のはず。ヌエドを射ぬいたとなれば大手柄となる。真っ先に自分が倒したと名乗り出るはずですな。」

カスパーがその部下に言った。

「ヌエドが倒れる姿を見た者はいるが、ヌエドを射とめたという者は誰もいない。つまりヌエドが我々の放った矢によって倒れた可能性は低いはずだ。」

その部下がカスパーに言った。

「ではカスパー様はヌエドがわざと死んだフリをしていると言われるのですか?」

カスパーがその部下に言った。

「そうだ。」

その部下がカスパーに尋ねた。

「しかしそうだとすると手が込みすぎていませんか?そこまでめんどくさい事を果たしてするでしょうか?」

カスパーがその部下に言った。

「ヌエドは自軍の有利な場所に敵を誘いだして包囲攻撃を行うのを得意としている。ワイツでもドロメ様を挑発して誘いだし包囲攻撃を仕掛けてきた。だがヌエドも同じ策が二度も通用しない事は理解しているだろう。だから同じ策を使っていると悟らせないようこれだけの小細工をしてきたのだろう。」

その部下がカスパーに言った。

「ですが本当にヌエドが倒れて混乱しているのかもしれません。その場合我々は裏切り者共を叩く絶好の機会を逃してしまう事になります。」

カスパーがその部下に言った。

「実際にヌエドが倒れたとしても現状我々は寡兵だ。追撃を行ったとしても戦況をひっくり返すまではできない。」

その部下がカスパーに言った。

「つまり、カスパー様はこれはヌエドの罠で追撃を行えば包囲撃滅されるだけだと、そうおっしゃりたいのですね?」

カスパーがその部下に言った。

「その通りだ。」

だがその部下がカスパーに言った。

「カスパー様、追撃をさせてください。あの裏切り者共をこの剣で切り刻んでやりたいのです。」

別の部下もカスパーに言った。

「私からもお願いします。」

カスパーが部下達に言った。

「先ほどから言っているだろう。ヌエドは我々が出てくるのを待ち構えている。包囲撃滅されるだけだ。」

その部下がカスパーに言った。

「ですがカスパー様?私は戦いたいのです!」

別の部下もカスパーに言った。

「カスパー様、どうか、追撃のご許可を。逃げていくのを黙って見ているなどできません。」

部下達が強く追撃を主張して譲る気配はなかった。

カスパーは少しの沈黙の後で部下達に言った。

「分かった、一つだけ必ず守って欲しい事がある。それを守ってくれるならば追撃を認めよう。」

部下がカスパーに言った。

「カスパー様、ありがとうございます。それで守って欲しい事というのは何でしょうか?」

カスパーが守って欲しい事を部下達に伝えた。

聞き終わると部下達がカスパーに言った。

「承りました。必ず守ります。」

カスパーが部下達に言った。

「さあ、では出陣の準備を始めてくれ!」

部下達が言った。

「おー!」

そしてビヘイブ村の集会所よりカスパーの部下達が出て行った。

カスパーも集会所を出ていこうとすると部下の一人に呼び止められた。

「カスパー様?」

カスパーがその部下に尋ねた。

「どうかしたかザキヤ?」

ザキヤと呼ばれた部下がカスパーに言った。

「カスパー様、これがヌエドの策略ならば追撃するのはまずいのではないですか?」 

カスパーがザキヤに言った。

「そうだな、確かにヌエドは我々が出てくるのを待ち受けているだろう。」

カスパーがザキヤに言った。

「だがヌエドはすぐには仕掛けてこないはずだ。ここから少し離れた場所で待ち伏せをしているだろうからな。」

ザキヤがカスパーに言った。

「つまりお考えがあっての判断なのですね。分かりました。」

ドロメ盗賊軍はヌエド軍を追撃するべく急ぎ準備に入った。

一方のヌエド軍はビヘイブ要塞を包囲していた部隊が順次退却していた。

そしてマグリオの部隊が殿(最後尾を守る部隊)となってゆっくりと東へと後退を続けていた。



その指揮をとっているマグリオは馬にのっていた。

マグリオが同じく馬で隣を移動している部下に尋ねた。

「他の部隊の動きがどうなっている?」

馬で移動している部下がマグリオに言った。

「順調です。作戦通りに後退を続けております。あと少しで我々以外の部隊は待機地点に到着するかと?」




マグリオが部下に言った。

「よし、あとはドロメが出てきてくれるかだな。」

そこに西の方角より馬に乗ったマグリオの部下がやって来た。

急いでやってきた部下がマグリオに言った。

「マグリオ様、敵です。」

マグリオが部下に尋ねた。

「何?」

部下がマグリオに言った。

「敵が土塁を越えてこちらに向かってきております。」

マグリオが部下に言った。

「よし!ドロメが出てきてくれたか。」

マグリオが部下達に指示を出した。

「まずはここでドロメと刃を交える。ある程度戦ったら後退するのだ。よいな!」

部下達がマグリオに言った。

「はっ!」

そしてその後すぐにカスパーの部隊がマグリオの部隊に攻撃を仕掛けてきた。

先頭にいたカスパーの部下が大声で言った。

「裏切り者共を倒してしまえ!!」

その掛け声と共に他のカスパーの部下達も続々とマグリオの部隊に斬り込んで行った。

戦闘が始まると、カスパーの部下達が何人ものマグリオの部下達を倒していった。

マグリオは少しの間、防戦に務めつつ戦っていた。

戦況を見ていたマグリオが言った。

「そろそろ頃合いか。」

マグリオが部下達に大声で指示を出した。

「引け!!引け!!」

マグリオは自身も最後尾で防戦に務めながら後退していった。

「裏切り者共を逃がすな!!!」

カスパーの部下達が逃げていくマグリオの部下達を全力で追いかけ始めた。



カスパーはこの様子を馬に乗って見ていた。

すると隣にいた部下がカスパーに言った。

「カスパー様?宜しいのですか?味方の一部が突出しすぎています。」

カスパーが部下に言った。

「今はまだ気にしなくていい。それより我々も進むとしよう。」

部下がカスパーに言った。

「はっ!」

マグリオの部隊は反撃と後退を何度も繰り返した後で、敗走状態を装いながら後退をしていた。

だがカスパーの部隊は激しくマグリオの部隊を追撃した。

激しい追撃を受けたマグリオの部隊は損害を増やしていった。



一方待ち伏せ場所まで先に後退したヌエド軍のマグリオ以外の各部隊は迎撃準備を整えて、ドロメ盗賊軍がやって来るのを待ち構えていた。

その指揮をとっているヌエドの元に伝令がやって来た。

伝令がヌエドに報告した。

「敵がマグリオ様の部隊を追いかけてきております。」

ヌエドが部下達に指示を出した。

「よし!!敵は近いぞ!!マグリオの部隊が走り抜けていってから攻撃を加えよ!良いな!」

部下達がヌエドに言った。

「はっ!」

マグリオの部隊は損害を増やしていったが、後退を続けて待ち伏せ地点まで後退する事ができた。

待ち構えていたヌエドの直属部隊の前をマグリオとその部下達が通り抜けて行った。

「よし弓を構えよ!」

ヌエドの部活達が一斉に弓を構える。

そしてカスパーの部隊が来るのを待った。

だがマグリオの部隊を追いかけているはずのカスパーの部隊はなかなか姿を現さなかった。

状況が分からないヌエドが言った。

「一体どうなっている?」

するとヌエドの部下が報告にやって来た。

部下がヌエドに言った。

「申し上げます。敵はマグリオ様の部隊への追撃を途中で中止して、後退したようです。」



ヌエドが部下に言った。

「何だと?くそ!待ち伏せを読まれていたか!!」



そしてヌエドが部下達に指示を出した。

「すぐに出てきた部隊を追いかけるぞ!!」

部下達がヌエドに言った。

「はっ!」

ヌエドはすぐに追撃命令を各部隊に出した。

だが各部隊は待ち伏せをする態勢を整えおり、追撃命令を出してもすぐに動く事ができなかった。

各部隊がようやく追撃態勢に入った頃には、カスパーの部隊はビヘイブ要塞の中に退却してしまっていた。

ヌエド軍の包囲撃滅策は失敗してしまった。

マグリオの部隊に500人程の損害を出しただけで、ドロメ盗賊軍に打撃を与える事はできなかった。

その後カスパーの一撃離脱を許してしまったヌエド軍は再びビヘイブ要塞まで進むと各部隊によってビヘイブ要塞を完全包囲した。

8月11日午後6時になっていた。

包囲を完了した後でヌエドは自分の陣地で軍議を開いていた。

ヌエドの陣地の中に大きな机と人数分の木製の椅子が用意されており、諸将はそこに腰をかけていた。

軍議はかなり荒れていた。

ヴィスパがマグリオに大声で言った。

「この無能者が!!敵が退却している事にも気づかないとは!!呆れてものも言えない!」

ヴィスパがマグリオに大声で言った。

「このような大失態をしておきながら、よくヌエド様の前に顔をおめおめと出せたものだな!!私なら申し訳ない気持ちから謹慎しているぞ!!恥を恥とも思わなくなったら人として終わりだぞ??すごい図々しさだな!!マグリオ!!」

ヴィスパがマグリオに大声で言った。

「この大失態の責任はどう取るつもりだ!!マグリオ!!貴様のような無能はヌエド様の側にいる資格はない!!」

マグリオがヌエドに言った。

「ヌエド様、申し訳ありません。」

ヌエドがマグリオに言った。

「なぜマグリオが謝るのだ?」

ヌエドがマグリオに言った。

「マグリオの責任ではない。マグリオもマグリオの部下達もよくやってくれた。全てはドロメの動きを予想できなかった俺の責任だ。」

ヴィスパがヌエドに言った。

「ヌエド様、このような無能に気づかいをしてもつけあがるだけですぞ。」

ブリンガフがヴィスパに言った。

「そりゃテメエの事だろう?お溶ろけ!!」

ヴィスパがブリンガフを睨みつけた。

「なんだと?」

ブリンガフがヴィスパに言った。

「みながテメエの頭悪い罵倒に節度ある対応をしているのに、テメエは下らない罵倒を続けているだろうが?」

ヴィスパがブリンガフに言った。

「マグリオが大失態を犯したからだろうが!!非難されて当然だろうが!!」

ブリンガフがヴィスパに言った。

「敵を誘い出す囮役ってのはすごく難しいんだよ。簡単に成功させられるもんじゃねえんだよ?ただ走ってるだけとでも思ってんのか?まあテメエの頭じゃ理解できないよな?頭の中溶ろけちまってるもんな?」

ヴィスパがブリンガフに言った。

「そんなに私の才能が妬ましいか?」

ブリンガフがヴィスパに言った。

「なんでそんな頭の悪い事だけを言い続けられるのか?それが不思議で仕方ない。」

ヴィスパがブリンガフに怒鳴りつけた。

「貴様!!」

ヌエドがヴィスパに言った。

「ヴィスパ殿、こたびの責任は全てこのヌエドにある。責めるならばこのヌエドにしてもらえぬか?」

ヴィスパがヌエドに言った。

「ヌエド様を批判するなど滅相もありません。」

ブリンガフがヴィスパに言った。

「だったら、黙っとけや。何も言わなきゃ頭が悪いなんて分かんないからな。」

ヴィスパはブリンガフを睨みつけたが何も言い返さなかった。

ブリンガフがヌエドに言った。

「ビヘイブ要塞からおよそ千人ほどが出撃してマグリオ殿を激しく追撃した後で、すぐに後退した。おそらく最初から一撃離脱が目的だったのでしょう。」

ヌエドがブリンガフに言った。

「こちらは敵を待ち構える準備をしていたのが逆に仇となってしまった。ドロメに一撃離脱をさせる隙を与えてしまった。」

メルクンガがヌエドに言った。

「こちらの手の内を読んだ上で、一撃離脱を仕掛けてきたとすると、カスパーというはやっかいな奴ですな。ヌエド様が警戒するのも分かります。」

ヌエドがメルクンガに言った。

「ああ、全くだ。」

ブリンガフがヌエドに言った。

「ヌエド様?こうなると作戦変更が必要なのではありませんか?この策でもダメとなると、他の策を使ってもドロメは遠くまでは出撃しないかと。」

ヌエドがブリンガフに言った。

「そうだな。戦略を変更する必要がありそうだな。」

ヌエドがみなに言った。

「みな意見を聞きたい。今後の戦略方針についてだ。」

バギデがヌエドに言った。

「全軍でビヘイブ要塞に総攻撃を行うべきでしょう。」

ミレピオがヌエドに言った。

「そうですね、ドロメが出てこない以上そうするべきでしょう。」

メルクンガがヌエドに言った。

「いやここは要塞を完全に包囲した上で長期戦に持ち込むべきでしょう。」

ミレピオがメルクンガに言った。

「メルクンガ殿?補給の問題をお忘れではありませんか?食糧が尽きるのはこちらが先になります。そうすれば撤退するしかなくなります。」

メルクンガがミレピオに言った。

「ですから人数を減らして包囲を続ければ良いのです。」

ミレピオがメルクンガに言った。

「つまり戦闘部隊を補給部隊に回せと仰られるのですか?そんな事をすればビヘイブ要塞を包囲する人数が足りなくなってしまうのでは?」

メルクンガがヌエドに尋ねた。

「補給部隊にはどのくらいの人数が必要でしょうか?」

ヌエドがメルクンガに言った。

「そうだな五千人は補給部隊に回したい所だ。」

メルクンガがミレピオに言った。

「であれば七千人はビヘイブに残す事ができます。」

ミレピオがメルクンガに言った。

「七千ではビヘイブ要塞の完全包囲は難しいと思いますが?」

メルクンガがミレピオに言った。

「ですからまず食糧があるうちにビヘイブ要塞を取り囲むように強固な陣地を設けます。その後で補給部隊に人数を割くのです。」

ヌエドがメルクンガに言った。

「つまり大急ぎで堀や土塁を築いてしまおうという訳か。強固な陣地を構築してしまえば、敵が仕掛けてきても撃退は容易になる。確かにある程度人数が減っても包囲を続ける事は可能ではあるな。」

メルクンガがヌエドに言った。

「長期戦に持ち込みビヘイブ要塞の外部との連絡線を全て遮断し続ければいずれ敵の兵糧もなくなるかと。食糧が無くなり飢えてしまえば、投降する者や裏切る者が続出するはずです。」

ヌエドが難しい顔をしていた。

「うーむ?」

メルクンガがヌエドに尋ねた。

「ヌエド様、何か?」

ヌエドがメルクンガに言った。

「兵糧攻めは好きな戦術ではないのだ、敵とは言え相手をわざと飢えさせるというのが人の道に反しているような気がしてな。」

ブリンガフがヌエドに言った。

「ですがヌエド様?力攻めを行えば多大な被害が出してしまいます。兵糧攻めならばこちらの被害が最小限にとどめる事ができます。」

ヌエドがメルクンガに言った。

「ブリンガフ殿の言われる通りだな。メルクンガ殿、すまなかった。良き策を提案して頂いたというのに。」

メルクンガがヌエドに言った。

「それは一向に構いません。」

ヌエドがみなに言った。

「メルクンガ殿の策でいこうと思うが、みな如何であろうか?」

諸将がヌエドに言った。

「それで良いと考えます。」

「異議ございません。」

反対意見は特に出なかったのでメルクンガの策が採用され、そのまま軍議は終了となった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ@10シリーズ書籍化
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

巻き込まれ召喚!? そして私は『神』でした??

まはぷる
ファンタジー
60歳になり、定年退職を迎えた斉木 拓未(さいき たくみ)は、ある日、自宅の居間から異世界の城に召喚される。魔王に脅かされる世界を救うため、同時に召喚された他の3人は、『勇者』『賢者』『聖女』。そしてタクミは『神』でした。しかし、ゲームもラノベもまったく知らないタクミは、訳がわからない。定年して老後の第二の人生を、若返って異世界で紡ぐことになるとは、思いもよらず。そんなお話です。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

東海敝国仙肉説伝―とうかいへいこくせんじくせつでん―

かさ よいち
歴史・時代
17世紀後半の東アジア、清国へ使節として赴いていたとある小国の若き士族・朝明(チョウメイ)と己煥(ジーファン)は、帰りの船のなかで怪しげな肉の切り身をみつけた。 その肉の異様な気配に圧され、ふたりはつい口に含んでしまい…… 帰国後、日常の些細な違和感から、彼らは己の身体の変化に気付く――― ただの一士族の子息でしなかった彼らが、国の繁栄と滅亡に巻き込まれながら、仙肉の謎を探す三百余年の物語。 気が向いたときに更新。

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

さようなら竜生、こんにちは人生

永島ひろあき
ファンタジー
 最強最古の竜が、あまりにも長く生き過ぎた為に生きる事に飽き、自分を討伐しに来た勇者たちに討たれて死んだ。  竜はそのまま冥府で永劫の眠りにつくはずであったが、気づいた時、人間の赤子へと生まれ変わっていた。  竜から人間に生まれ変わり、生きる事への活力を取り戻した竜は、人間として生きてゆくことを選ぶ。  辺境の農民の子供として生を受けた竜は、魂の有する莫大な力を隠して生きてきたが、のちにラミアの少女、黒薔薇の妖精との出会いを経て魔法の力を見いだされて魔法学院へと入学する。  かつて竜であったその人間は、魔法学院で過ごす日々の中、美しく強い学友達やかつての友である大地母神や吸血鬼の女王、龍の女皇達との出会いを経て生きる事の喜びと幸福を知ってゆく。 ※お陰様をもちまして2015年3月に書籍化いたしました。書籍化該当箇所はダイジェストと差し替えております。  このダイジェスト化は書籍の出版をしてくださっているアルファポリスさんとの契約に基づくものです。ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。 ※2016年9月より、ハーメルン様でも合わせて投稿させていただいております。 ※2019年10月28日、完結いたしました。ありがとうございました!

処理中です...