259 / 265
第5章 アグトリア動乱
大軍の苦労
しおりを挟む
8月9日の正午になった。
ワイツで勝利した事によってヌエドの元には続々と兵士が集まっていた。
ヌエド軍の数は一気に膨れ上がりおよそ一万三千に達しようとしていた。
ヌエド軍はトリガードに集結していた。
トリガード宮殿の大広間にいたヌエドの元に部下がやってきた。
部下がヌエドに言った。
「ブリンガフ殿が偵察より戻ってまいりました。」
ヌエドがその部下に言った。
「よし、ではこれより軍議を開くみなを集めよ!」
部下がヌエドに言った。
「はっ!」
すぐにヌエド軍に参加している諸将たちがトリガード宮殿の大広間に集められた。
大広間の中央には大きな机が用意された。
そしてその上に大きな地図が置かれていた。
参加者達は机を囲むように立っていた。
ヌエドが大きな声で言った。
「これより軍議を始める。ではブリンガフ殿。偵察内容を報告を頼む。」
ブリンガフがヌエドに答えた。
「はっ!」
ブリンガフはマリネ村の村長を任されていた。
ヌエドの反乱に対して当初からヌエドを支援しており、ワイツの戦いでもミレピオの配下として戦っていた。
ブリンガフは顎髭を伸ばした男性であった。
ブリンガフが大きな声で言った。
「ブリンガフでございます。昨日西岸に渡りドロメ盗賊軍の偵察を行ってまいりました。ドロメ盗賊軍はビヘイブ村周辺に展開している模様です。ビヘイブ村を取り囲むように防御施設が造られておりました。」
マグリオがブリンガフに尋ねた。
「ブリンガフ殿?その防御施設というのはどういう物だ?簡素な造りなのか?詳細を教えてもらえないか?」
ブリンガフがマグリオに言った。
「村の周囲には土塁(どるい)(土でつくられた堤防状の壁)が築かれておりました。その土塁はとても高くしっかり造られておりました。さらにその土塁の手前には深い空掘がつくられておりました。」
マグリオがブリンガフに尋ねた。
「その土塁の中はどうなっているのです?」
ブリンガフがマグリオに言った。
「土塁の中も似たようなものでした。あちこちに土塁や掘が設けられておりました。おそらく何重にも土塁が設けられているのかと。さながら要塞でございました。」
この報告を聞いていた諸将はどよめいた。
ミレピオが言った。
「ビヘイブ村の周辺は何も無い平原だったはずでは?」
マグリオが言った。
「これだけ短期間にビヘイブ村の周囲を要塞化したというのか?まだビヘイブ村から退去して10日しかたっていないというのに。」
バギデが言った。
「ドロメがやったのか?それにしては手際が良すぎる!」
バギデはリープル村の村長であった。
バギデはブリンガフと同じくヌエドを最初から支援しており、スキンヘッドの中年の男だった。
ヌエドが大きな声で言った。
「どうやらビヘイブ村の防備のために迅速な工事を行ったようだな。」
マグリオがヌエドに言った。
「ヌエド様!これは!」
ヌエドがマグリオに言った。
「ああ、恐らくカスパーの仕業だろう。ドロメの野郎、さすがに負け続けてカスパーの意見を採用したようだな。」
マグリオがヌエドに言った。
「となると、今後は注意が必要になりますな。」
バギデがヌエドに尋ねた。
「ヌエド様、カスパーというのは注意が必要なほど恐ろしい男なのですか?」
ヌエドがバギデに言った。
「ああ、恐ろしい男だ。ただしドロメのように戦闘力を持っている訳ではない。奴が恐ろしいのはその知略だ。本当に頭の回る男でな。奴だけは本当に警戒せねばならん。」
バギデが頷きながらヌエドに言った。
「なるほど。」
ヌエドがブリンガフに言った。
「ブリンガフ殿話を折ってすまない。続きを報告してくれ。」
ブリンガフが報告した。
「はい、ビヘイブ村に威力偵察のための攻撃を行いました。その結果ビヘイブ村にいる敵の数はおよそ四千ほどと思われます。」
ヌエドがブリンガフに言った。
「四千か。」
マグリオがヌエドに言った。
「四千であれば現在ドロメが動かせる全戦力でしょう。どうやらドロメは全兵力をビヘイブ村に集結させて籠城するつもりのようですな。」
するとヴィスパがブリンガフに言った。
「おいブリンガフ!!それでどうしたのだ?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「その後は偵察を終えてここに戻ってきたが?」
ヴィスパはトリガードの市長を任されていた。
小柄な若い男だった。
ヴィスパがブリンガフに言った。
「おいおい、それで帰ってきたのか?リフィル村やハーベルト村方面は偵察してこなかったのか?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「ビヘイブ村に敵が集結してるのに、そんな所まで偵察する訳ないだろう?」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「ブリンガフ!!お前の任務は強行偵察(部隊を率いて敵と戦闘を行い敵情を探る方法)だろう!!2500の兵士も連れていったはずだ?それなのに何をやってたんだ?お前は偵察すらろくにできないのか?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「はっはっは!何を言ってるんだテメエ?」
ヴィスパがブリンガフを指さしながらヌエドに言った。
「ヌエド様、こやつは大罪を犯しました。厳しい処罰をお願いします。」
ブリンガフは呆れた様子でヌエドに尋ねた。
「ヌエド様、ヴィスパはこんな事を言っておりますが、私の判断間違っておりましょうか?」
ヌエドがブリンガフに言った。
「いや間違っておらぬな。」
ヴィスパがヌエドに言った。
「ブリンガフは命令違反をしたのです!ヌエド様!命令違反をしたこやつをお許しになってはいけません!!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「そもそも俺は命令違反なんかしてないんだよ。テメエの頭の中は溶ろけちまってるのか?」
ヴィスパがブリンガフに聞き返す。
「何?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「ヌエド様はこう命令された。トリガードの西岸へと渡りドロメ盗賊軍の動向を調べよだ。」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「そうだ、だがお前はリフィル村やハーベルト村への偵察を怠った。立派な命令違反だろうが!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「あのなあ!ビヘイブ村に攻撃を仕掛けてる時点で偵察の任務は達成されてるんだよ!!ビヘイブ村に敵の全軍が集結してるって事は他の村はがら空きに決まってるだろうが!!敵の位置と規模、敵の意図も知る事ができた。それなら任務達成だよな?そんな事も分かんないのかテメエはよお?」
ブリンガフが話を続けた。
「それとも達成された任務で余計な事をして兵士達を無駄に死なせろとでも言うのか?」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「そんな事は言っておらんだろう。」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「はっ!まあそれはいい。それよりもテメエなんでワイツの戦いに参加しなかった?!!」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「それがどうした?お前には関係ないだろうが!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「大ありだ。俺はバギデ殿やミレピオ殿と共にドロメと戦ってたんだぞ!!テメエらがワイツの戦いに参加してりゃあ、俺の部下も死ななかったかもしれない。ドロメを討ち果たす事もできたかもしれない。」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「少数の兵で参加しただけだろうが?何もしてないくせに偉そうな口を叩くな!!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「ドロメにビビって姿をくらましたテメエに言われたくねえな?」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「ビビったのではないわ!所用で出払っている時にワイツの戦いが起こってしまったのだ。仕方ないだろうが?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「お前はヌエド様に何も言わずに部下共々姿をくらましたんだろうが?それのどこが仕方がないんだ?ラリアー砦での敗北にビビったテメエはドロメを恐れて隠れてたんだろう?違うか?」
ヴィスパは何も言わずに黙り込んだ。
ブリンガフがヴィスパに言った。
「どうした?違うって言うなら納得のいく説明をしてみろよ!」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「み、皆が腹を壊したから休んでおったのだ。」
ブリンガフが大きな声でヴィスパに言った。
「すごい言い訳だな。そんな言い訳が通用すると思ってんのか?!!さすが頭が溶ろけてる奴は言う事が違うわ!お前の部下達も可哀想だよな!!テメエのいかれた命令をきかなきゃいけないんだからな!!」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「どこまで私を侮辱すれば気が済むんだ!!!性格が悪すぎるぞ!!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「はん!!全部事実だろうが?それに先に因縁つけてきたのはテメエだろうが!!テメエにだけは性格が悪いとか言わたくねーわ!下らない事で俺を批判しときながら自分が責められたら被害者面か?まあ仕方ないか!!テメエの頭は溶ろけちまってるもんな!!」
ヴィスパが大声を張り上げる。
「貴様!!」
ブリンガフも大声で言った。
「やるか!!受けて立つぜ!!」
するとヌエドが大声で割って入った。
「止められよ!」
ヌエドがヴィスパに言った。
「ヴィスパ殿!過去を問いただすつもりは毛頭ない。むしろ今ご加勢して頂いておる事に感謝しております!ですので少し落ち着かれよ!」
ヌエドがブリンガフに言った。
「ブリンガフ殿も口を謹んでもらいたい!罵り合いをするためにお呼びしたのではない!」
ヌエドの言葉で二人は冷静さを取り戻した。
ヴィスパがヌエドに言った。
「申し訳ありませんヌエド様、お見苦しい所をお見せしました。」
ヌエドがヴィスパに言った。
「ヌエド様、少々熱くなっていたようです。どうかご容赦を!」
ヌエドがヴィスパとブリンガフに言った。
「ではヴィスパ殿?ブリンガフ殿?話を進めさせて貰って宜しいか?」
ヴィスパとブリンガフはヌエドの問いに頷いた。
ヌエドが大声で言った。
「では先ほどの内容ふまえて今後の作戦案を考えていきたい。みな意見を出して欲しい。」
バギデがヌエドに言った。
「ヌエド様、ここは積極的に仕掛けるべきであると考えます。勢いは我々にあります。ドロメが守勢に立っている今こそ攻勢をかけるべきです。」
マグリオがバギデに言った。
「ドロメはビヘイブ村を要塞化して待ち構えているのだぞ?慎重に策を練るべきだ。」
バギデがマグリオに言った。
「今流れはこちら側にあります。いたずらに時間に費やしてしまえば流れが変わってしまうのでは?」
ヴィスパがマグリオに言った。
「その通り、これだけの兵力があるのです。一気になだれ込みドロメを粉砕するべきでしょう。」
マグリオがバギデとヴィスパに言った。
「仮に侵攻するとして最初の目標はビヘイブ村になるだろう。だがビヘイブ村にはドロメが待ち構えている。そして恐らくカスパーが策を巡らせているはずだ。きっと何か罠を仕掛けているに違いない。死にに行くようなものではないか?」
ミレピオがマグリオに言った。
「ドロメの連中はビヘイブ村を要塞化して籠っているのでしょう?ならまずビヘイブ村を包囲して連絡線を遮断するべきではありませか?」
ブリンガフがミレピオに言った。
「そうですな、敵が籠城(ろうじょう)するのならばビヘイブ村を包囲してしまえばいい。その上で総攻撃を仕掛ければ勝利できるでしょう。」
ヌエドがミレピオに言った。
「確かにそれが一番無難な攻め方だろう。ただその攻め方では大きな犠牲が出てしまう。」
ミレピオがヌエドに言った。
「であれば長期に渡り包囲するというのはどうでしょう?」
ヌエドがミレピオに言った。
「長期間にわたり包囲を敷くとなると兵糧の問題が出てくる。」
ミレピオがヌエドに尋ねた。
「包囲するのはこちらです。兵糧に窮するのはドロメの方ではありませんか?」
ヌエドがミレピオに言った。
「いや兵糧に困るのはこちらが先だ。」
ミレピオがヌエドに尋ねた。
「どういう事ですか?」
ヌエドがミレピオに言った。
「つまりだ。あらかじめ持ち運べる兵糧はせいぜい20日分だ。それ以上の長期戦になれば、トリガードからビヘイブまで物資を輸送せねばならなくなる。だが現状の輸送体制ではとてもではないが間に合わない。戦闘部隊のかなりの部分を輸送部隊に回さねばならなくなる。そうなれば包囲をする意味が無くなるだろう。」
ミレピオがヌエドに言った。
「確かに。」
マグリオがヌエドに言った。
「どうにかしてドロメをビヘイブ村から誘い出し野戦に持ち込みたい所ですな。」
ヌエドがマグリオに言った。
「うむ、そうだな。だがドロメは籠城を決め込んでいるはずだ。容易くは出てこないだろうよ。」
するとメルクンガがヌエドに尋ねた。
「ヌエド様一つ策を思いつきました。宜しいでしょうか?」
メルクンガはバルメ村の村長オールティンの代理としてヌエド軍に参陣していた。
最もメルクンガは準備に手間取り参陣したのはワイツの戦いの後になってしまったが。
ヌエドがメルクンガに言った。
「うむ、構わぬ。言ってくれ。」
メルクンガが自分の作戦をみなに説明した。
作戦を聞き終わったヌエドがメルクンガに言った。
「うむ、面白い策だな。」
マグリオがメルクンガに言った。
「確かにこれならばドロメを誘い出せるかもしれませんな。」
するとヌエドがみなに言った。
「この策を採用しようと思うがみなはどうであろうか?」
諸将がヌエドに言った。
「その策で構いません。」
「異存はありません。」
ほとんどの諸将がメルクンガの策に賛同した。
ただバギデだけはこの策に反対をした。
バギデがヌエドに言った。
「ヌエド様、そのような策を弄せずとも全戦力でビヘイブ村に総攻撃を仕掛ければ良いではありませんか!もはやドロメは落ち目です。ヌエド様はドロメを警戒しすぎではありませんか?」
ヌエドがバギデに言った。
「バギデ殿、ワイツでドロメが大敗したのは、我々を大した事はないと甘く見てくれたからだ。それ故にドロメは我々の策にはまって大敗をした。我々までドロメと同じ過ち犯す必要はないと思うが?どうであろう?」
バギデはしばらく考えていた。
そしてヌエドに言った。
「うーん、ヌエド様がそう言われるのなら分かりました。ヌエド様に賛同致します。」
ヌエドがバギデに言った。
「バギデ殿、感謝する。」
するとヌエドがマグリオに尋ねた。
「マグリオ、出立の準備にどのくらいかかる?」
マグリオがヌエドに言った。
「準備すでに完了しております。いつでも出立できます。」
ヌエドがマグリオに言った。
「よし!」
ヌエドがバギデに言った。
「バギデ殿!第二陣をお任せしたいのだが宜しいか?」
バギデがヌエドに言った。
「はっ、喜んで。」
ヌエドが降り注いだに言った。
「ブリンガフ殿、第三陣をお願いしたいが宜しいか?」
ブリンガフがヌエドに言った。
「承知しました。」
ヌエドがメルクンガに言った。
「メルクンガ殿には第六陣をお任せしようと思っております。引き受けて頂けますか?」
メルクンガがヌエドに言った。
「引き受けましょう。」
ヌエドがヴィスパに言った。
「ヴィスパ殿には第七陣をお願いしたいのですが?」
ヴィスパがヌエドに言った。
「もちろんでございます。」
ヌエドが先の四人に言った。
「方々ご協力に感謝致します。」
ヌエドがマグリオに言った。
「先陣はマグリオ!頼むぞ!」
マグリオがヌエドに言った。
「はっ!」
ヌエドがミレピオに言った。
「第五陣にミレピオ!頼むぞ!」
ミレピオがヌエドに言った。
「はっ!全力で励みます。」
ヌエドがみなに言った。
「そして第四陣はこのヌエドが指揮をとる。」
ヌエドがみなに言った。
「今度こそドロメを討ち果たすといたそう。では皆々方お頼み申しますぞ!」
皆が大声で言った。
「おおー!!」
そしてすぐにヌエド軍はドロメ盗賊軍を討伐するために順次出撃していった。
ワイツで勝利した事によってヌエドの元には続々と兵士が集まっていた。
ヌエド軍の数は一気に膨れ上がりおよそ一万三千に達しようとしていた。
ヌエド軍はトリガードに集結していた。
トリガード宮殿の大広間にいたヌエドの元に部下がやってきた。
部下がヌエドに言った。
「ブリンガフ殿が偵察より戻ってまいりました。」
ヌエドがその部下に言った。
「よし、ではこれより軍議を開くみなを集めよ!」
部下がヌエドに言った。
「はっ!」
すぐにヌエド軍に参加している諸将たちがトリガード宮殿の大広間に集められた。
大広間の中央には大きな机が用意された。
そしてその上に大きな地図が置かれていた。
参加者達は机を囲むように立っていた。
ヌエドが大きな声で言った。
「これより軍議を始める。ではブリンガフ殿。偵察内容を報告を頼む。」
ブリンガフがヌエドに答えた。
「はっ!」
ブリンガフはマリネ村の村長を任されていた。
ヌエドの反乱に対して当初からヌエドを支援しており、ワイツの戦いでもミレピオの配下として戦っていた。
ブリンガフは顎髭を伸ばした男性であった。
ブリンガフが大きな声で言った。
「ブリンガフでございます。昨日西岸に渡りドロメ盗賊軍の偵察を行ってまいりました。ドロメ盗賊軍はビヘイブ村周辺に展開している模様です。ビヘイブ村を取り囲むように防御施設が造られておりました。」
マグリオがブリンガフに尋ねた。
「ブリンガフ殿?その防御施設というのはどういう物だ?簡素な造りなのか?詳細を教えてもらえないか?」
ブリンガフがマグリオに言った。
「村の周囲には土塁(どるい)(土でつくられた堤防状の壁)が築かれておりました。その土塁はとても高くしっかり造られておりました。さらにその土塁の手前には深い空掘がつくられておりました。」
マグリオがブリンガフに尋ねた。
「その土塁の中はどうなっているのです?」
ブリンガフがマグリオに言った。
「土塁の中も似たようなものでした。あちこちに土塁や掘が設けられておりました。おそらく何重にも土塁が設けられているのかと。さながら要塞でございました。」
この報告を聞いていた諸将はどよめいた。
ミレピオが言った。
「ビヘイブ村の周辺は何も無い平原だったはずでは?」
マグリオが言った。
「これだけ短期間にビヘイブ村の周囲を要塞化したというのか?まだビヘイブ村から退去して10日しかたっていないというのに。」
バギデが言った。
「ドロメがやったのか?それにしては手際が良すぎる!」
バギデはリープル村の村長であった。
バギデはブリンガフと同じくヌエドを最初から支援しており、スキンヘッドの中年の男だった。
ヌエドが大きな声で言った。
「どうやらビヘイブ村の防備のために迅速な工事を行ったようだな。」
マグリオがヌエドに言った。
「ヌエド様!これは!」
ヌエドがマグリオに言った。
「ああ、恐らくカスパーの仕業だろう。ドロメの野郎、さすがに負け続けてカスパーの意見を採用したようだな。」
マグリオがヌエドに言った。
「となると、今後は注意が必要になりますな。」
バギデがヌエドに尋ねた。
「ヌエド様、カスパーというのは注意が必要なほど恐ろしい男なのですか?」
ヌエドがバギデに言った。
「ああ、恐ろしい男だ。ただしドロメのように戦闘力を持っている訳ではない。奴が恐ろしいのはその知略だ。本当に頭の回る男でな。奴だけは本当に警戒せねばならん。」
バギデが頷きながらヌエドに言った。
「なるほど。」
ヌエドがブリンガフに言った。
「ブリンガフ殿話を折ってすまない。続きを報告してくれ。」
ブリンガフが報告した。
「はい、ビヘイブ村に威力偵察のための攻撃を行いました。その結果ビヘイブ村にいる敵の数はおよそ四千ほどと思われます。」
ヌエドがブリンガフに言った。
「四千か。」
マグリオがヌエドに言った。
「四千であれば現在ドロメが動かせる全戦力でしょう。どうやらドロメは全兵力をビヘイブ村に集結させて籠城するつもりのようですな。」
するとヴィスパがブリンガフに言った。
「おいブリンガフ!!それでどうしたのだ?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「その後は偵察を終えてここに戻ってきたが?」
ヴィスパはトリガードの市長を任されていた。
小柄な若い男だった。
ヴィスパがブリンガフに言った。
「おいおい、それで帰ってきたのか?リフィル村やハーベルト村方面は偵察してこなかったのか?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「ビヘイブ村に敵が集結してるのに、そんな所まで偵察する訳ないだろう?」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「ブリンガフ!!お前の任務は強行偵察(部隊を率いて敵と戦闘を行い敵情を探る方法)だろう!!2500の兵士も連れていったはずだ?それなのに何をやってたんだ?お前は偵察すらろくにできないのか?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「はっはっは!何を言ってるんだテメエ?」
ヴィスパがブリンガフを指さしながらヌエドに言った。
「ヌエド様、こやつは大罪を犯しました。厳しい処罰をお願いします。」
ブリンガフは呆れた様子でヌエドに尋ねた。
「ヌエド様、ヴィスパはこんな事を言っておりますが、私の判断間違っておりましょうか?」
ヌエドがブリンガフに言った。
「いや間違っておらぬな。」
ヴィスパがヌエドに言った。
「ブリンガフは命令違反をしたのです!ヌエド様!命令違反をしたこやつをお許しになってはいけません!!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「そもそも俺は命令違反なんかしてないんだよ。テメエの頭の中は溶ろけちまってるのか?」
ヴィスパがブリンガフに聞き返す。
「何?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「ヌエド様はこう命令された。トリガードの西岸へと渡りドロメ盗賊軍の動向を調べよだ。」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「そうだ、だがお前はリフィル村やハーベルト村への偵察を怠った。立派な命令違反だろうが!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「あのなあ!ビヘイブ村に攻撃を仕掛けてる時点で偵察の任務は達成されてるんだよ!!ビヘイブ村に敵の全軍が集結してるって事は他の村はがら空きに決まってるだろうが!!敵の位置と規模、敵の意図も知る事ができた。それなら任務達成だよな?そんな事も分かんないのかテメエはよお?」
ブリンガフが話を続けた。
「それとも達成された任務で余計な事をして兵士達を無駄に死なせろとでも言うのか?」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「そんな事は言っておらんだろう。」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「はっ!まあそれはいい。それよりもテメエなんでワイツの戦いに参加しなかった?!!」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「それがどうした?お前には関係ないだろうが!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「大ありだ。俺はバギデ殿やミレピオ殿と共にドロメと戦ってたんだぞ!!テメエらがワイツの戦いに参加してりゃあ、俺の部下も死ななかったかもしれない。ドロメを討ち果たす事もできたかもしれない。」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「少数の兵で参加しただけだろうが?何もしてないくせに偉そうな口を叩くな!!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「ドロメにビビって姿をくらましたテメエに言われたくねえな?」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「ビビったのではないわ!所用で出払っている時にワイツの戦いが起こってしまったのだ。仕方ないだろうが?」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「お前はヌエド様に何も言わずに部下共々姿をくらましたんだろうが?それのどこが仕方がないんだ?ラリアー砦での敗北にビビったテメエはドロメを恐れて隠れてたんだろう?違うか?」
ヴィスパは何も言わずに黙り込んだ。
ブリンガフがヴィスパに言った。
「どうした?違うって言うなら納得のいく説明をしてみろよ!」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「み、皆が腹を壊したから休んでおったのだ。」
ブリンガフが大きな声でヴィスパに言った。
「すごい言い訳だな。そんな言い訳が通用すると思ってんのか?!!さすが頭が溶ろけてる奴は言う事が違うわ!お前の部下達も可哀想だよな!!テメエのいかれた命令をきかなきゃいけないんだからな!!」
ヴィスパがブリンガフに言った。
「どこまで私を侮辱すれば気が済むんだ!!!性格が悪すぎるぞ!!」
ブリンガフがヴィスパに言った。
「はん!!全部事実だろうが?それに先に因縁つけてきたのはテメエだろうが!!テメエにだけは性格が悪いとか言わたくねーわ!下らない事で俺を批判しときながら自分が責められたら被害者面か?まあ仕方ないか!!テメエの頭は溶ろけちまってるもんな!!」
ヴィスパが大声を張り上げる。
「貴様!!」
ブリンガフも大声で言った。
「やるか!!受けて立つぜ!!」
するとヌエドが大声で割って入った。
「止められよ!」
ヌエドがヴィスパに言った。
「ヴィスパ殿!過去を問いただすつもりは毛頭ない。むしろ今ご加勢して頂いておる事に感謝しております!ですので少し落ち着かれよ!」
ヌエドがブリンガフに言った。
「ブリンガフ殿も口を謹んでもらいたい!罵り合いをするためにお呼びしたのではない!」
ヌエドの言葉で二人は冷静さを取り戻した。
ヴィスパがヌエドに言った。
「申し訳ありませんヌエド様、お見苦しい所をお見せしました。」
ヌエドがヴィスパに言った。
「ヌエド様、少々熱くなっていたようです。どうかご容赦を!」
ヌエドがヴィスパとブリンガフに言った。
「ではヴィスパ殿?ブリンガフ殿?話を進めさせて貰って宜しいか?」
ヴィスパとブリンガフはヌエドの問いに頷いた。
ヌエドが大声で言った。
「では先ほどの内容ふまえて今後の作戦案を考えていきたい。みな意見を出して欲しい。」
バギデがヌエドに言った。
「ヌエド様、ここは積極的に仕掛けるべきであると考えます。勢いは我々にあります。ドロメが守勢に立っている今こそ攻勢をかけるべきです。」
マグリオがバギデに言った。
「ドロメはビヘイブ村を要塞化して待ち構えているのだぞ?慎重に策を練るべきだ。」
バギデがマグリオに言った。
「今流れはこちら側にあります。いたずらに時間に費やしてしまえば流れが変わってしまうのでは?」
ヴィスパがマグリオに言った。
「その通り、これだけの兵力があるのです。一気になだれ込みドロメを粉砕するべきでしょう。」
マグリオがバギデとヴィスパに言った。
「仮に侵攻するとして最初の目標はビヘイブ村になるだろう。だがビヘイブ村にはドロメが待ち構えている。そして恐らくカスパーが策を巡らせているはずだ。きっと何か罠を仕掛けているに違いない。死にに行くようなものではないか?」
ミレピオがマグリオに言った。
「ドロメの連中はビヘイブ村を要塞化して籠っているのでしょう?ならまずビヘイブ村を包囲して連絡線を遮断するべきではありませか?」
ブリンガフがミレピオに言った。
「そうですな、敵が籠城(ろうじょう)するのならばビヘイブ村を包囲してしまえばいい。その上で総攻撃を仕掛ければ勝利できるでしょう。」
ヌエドがミレピオに言った。
「確かにそれが一番無難な攻め方だろう。ただその攻め方では大きな犠牲が出てしまう。」
ミレピオがヌエドに言った。
「であれば長期に渡り包囲するというのはどうでしょう?」
ヌエドがミレピオに言った。
「長期間にわたり包囲を敷くとなると兵糧の問題が出てくる。」
ミレピオがヌエドに尋ねた。
「包囲するのはこちらです。兵糧に窮するのはドロメの方ではありませんか?」
ヌエドがミレピオに言った。
「いや兵糧に困るのはこちらが先だ。」
ミレピオがヌエドに尋ねた。
「どういう事ですか?」
ヌエドがミレピオに言った。
「つまりだ。あらかじめ持ち運べる兵糧はせいぜい20日分だ。それ以上の長期戦になれば、トリガードからビヘイブまで物資を輸送せねばならなくなる。だが現状の輸送体制ではとてもではないが間に合わない。戦闘部隊のかなりの部分を輸送部隊に回さねばならなくなる。そうなれば包囲をする意味が無くなるだろう。」
ミレピオがヌエドに言った。
「確かに。」
マグリオがヌエドに言った。
「どうにかしてドロメをビヘイブ村から誘い出し野戦に持ち込みたい所ですな。」
ヌエドがマグリオに言った。
「うむ、そうだな。だがドロメは籠城を決め込んでいるはずだ。容易くは出てこないだろうよ。」
するとメルクンガがヌエドに尋ねた。
「ヌエド様一つ策を思いつきました。宜しいでしょうか?」
メルクンガはバルメ村の村長オールティンの代理としてヌエド軍に参陣していた。
最もメルクンガは準備に手間取り参陣したのはワイツの戦いの後になってしまったが。
ヌエドがメルクンガに言った。
「うむ、構わぬ。言ってくれ。」
メルクンガが自分の作戦をみなに説明した。
作戦を聞き終わったヌエドがメルクンガに言った。
「うむ、面白い策だな。」
マグリオがメルクンガに言った。
「確かにこれならばドロメを誘い出せるかもしれませんな。」
するとヌエドがみなに言った。
「この策を採用しようと思うがみなはどうであろうか?」
諸将がヌエドに言った。
「その策で構いません。」
「異存はありません。」
ほとんどの諸将がメルクンガの策に賛同した。
ただバギデだけはこの策に反対をした。
バギデがヌエドに言った。
「ヌエド様、そのような策を弄せずとも全戦力でビヘイブ村に総攻撃を仕掛ければ良いではありませんか!もはやドロメは落ち目です。ヌエド様はドロメを警戒しすぎではありませんか?」
ヌエドがバギデに言った。
「バギデ殿、ワイツでドロメが大敗したのは、我々を大した事はないと甘く見てくれたからだ。それ故にドロメは我々の策にはまって大敗をした。我々までドロメと同じ過ち犯す必要はないと思うが?どうであろう?」
バギデはしばらく考えていた。
そしてヌエドに言った。
「うーん、ヌエド様がそう言われるのなら分かりました。ヌエド様に賛同致します。」
ヌエドがバギデに言った。
「バギデ殿、感謝する。」
するとヌエドがマグリオに尋ねた。
「マグリオ、出立の準備にどのくらいかかる?」
マグリオがヌエドに言った。
「準備すでに完了しております。いつでも出立できます。」
ヌエドがマグリオに言った。
「よし!」
ヌエドがバギデに言った。
「バギデ殿!第二陣をお任せしたいのだが宜しいか?」
バギデがヌエドに言った。
「はっ、喜んで。」
ヌエドが降り注いだに言った。
「ブリンガフ殿、第三陣をお願いしたいが宜しいか?」
ブリンガフがヌエドに言った。
「承知しました。」
ヌエドがメルクンガに言った。
「メルクンガ殿には第六陣をお任せしようと思っております。引き受けて頂けますか?」
メルクンガがヌエドに言った。
「引き受けましょう。」
ヌエドがヴィスパに言った。
「ヴィスパ殿には第七陣をお願いしたいのですが?」
ヴィスパがヌエドに言った。
「もちろんでございます。」
ヌエドが先の四人に言った。
「方々ご協力に感謝致します。」
ヌエドがマグリオに言った。
「先陣はマグリオ!頼むぞ!」
マグリオがヌエドに言った。
「はっ!」
ヌエドがミレピオに言った。
「第五陣にミレピオ!頼むぞ!」
ミレピオがヌエドに言った。
「はっ!全力で励みます。」
ヌエドがみなに言った。
「そして第四陣はこのヌエドが指揮をとる。」
ヌエドがみなに言った。
「今度こそドロメを討ち果たすといたそう。では皆々方お頼み申しますぞ!」
皆が大声で言った。
「おおー!!」
そしてすぐにヌエド軍はドロメ盗賊軍を討伐するために順次出撃していった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

転移したらダンジョンの下層だった
Gai
ファンタジー
交通事故で死んでしまった坂崎総助は本来なら自分が生きていた世界とは別世界の一般家庭に転生できるはずだったが神側の都合により異世界にあるダンジョンの下層に飛ばされることになった。
もちろん総助を転生させる転生神は出来る限りの援助をした。
そして総助は援助を受け取るとダンジョンの下層に転移してそこからとりあえずダンジョンを冒険して地上を目指すといった物語です。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
カノン・レディ〜砲兵令嬢戦記〜
村井 啓
ファンタジー
ラーダ王国の武器商、カロネード商会の跡取りとして生まれ育ったエリザベスは、ひょんな事から軍人としての道を歩む事を決意する。
しかし女性が故に、軍隊への入隊志願を受け付けて貰えず、終いには家を継ぐ気が無いと判断され、彼女の父からも勘当を言い渡されてしまう。
エリザベスは最後の手段として、実家から大砲を盗み出し、隣国であるオーランド連邦の紛争地帯に乗り込み、実戦で戦果を挙げ、地方領主様に砲兵士官へと取り立てて貰うという、無謀極まり無い作戦を決行する。
血の繋がらない妹であるエレンを連れて、故郷のラーダ王国を出奔するエリザベス。
はたして彼女は、己の夢である軍団長の座へと上り詰めることが出来るのか!?
近世末期の異世界。世界の中心で産業革命の産声が上がる頃、そこから少し外れた北方大陸においても、砲兵令嬢(カノンレディ)の砲声が今まさに轟かんとしていた。

イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる